それにしてもミズキには呆れるばかりだ。
まさかハルの前であの男を庇うようなことを口にするなんて、、、
見る目が無いにも程があるし、あんなことを言ったら自分があの男に気を許してことになるのが分からないのだろうか?
あのクズ男の手慣れたセックスにのめり込み、もしバレていなければその関係を続けるつもりでいたことなど容易に想像出来る、、、
カラダだけではない、心まで動いていた、そう思われてもしょうが無い、、、
事実、そうだったのだろう、、、
その場の欲望に溺れ、後先のことなどまるで考えていない、、、
周りにこのことが知られたら自分がどんな立場に追い込まれるか、、、
わたしがあれだけ言ったのだから、、、
改めるとは思うけど、、、
そして次の日もミズキは学校にこなかった、、、
ミズキは水曜日の昼過ぎにようやく登校して来た。
髪型に変わりはないが黒髪に戻っていた。
ハル達と言葉を交わすこと無く一人静かに席に着くミズキにクラス中が密かに視線を注いでいた。
ハル達と会話を交わそうしない状況に違和感を覚えているようだった。
放課後になりクラスメイトが次々と教室を出て出て行く、、、
中にはどうしたのと声をかけてくる者もいたが、別にと話をはぐらかした。
教室内が残り八人ほどになった頃、帰り支度をしてるハルとカレンにミズキが近づいて来た。
「ハル、、、ごめんなさい、、、わたし、ちゃんと公平と別れたから、、、」
だからどうしたというのだろう?
それにまだ名前呼びしてる、、、
本当に心から悔いているんだろうか?
この期に及んで謝ればまだ赦されると思っているのだろうか?
「そうか、、、」
ミズキを見ようともしないで気のない返事をする。
「俺達は帰る、、、」
何を期待していたのか、、、
「あっ、わたしも、、、」
一緒に帰るつもりなの?
やっぱり、、、何も分かってない、、、
二日も休んで、、、
色々考えたんじゃないの?
どうやらわたしの言ったことはやはり無駄だったらしい、、、
そのとき、、、
「おいミズキ、一緒に考えるぞ、、、」
教室に公平が入って来た。
「えっ、、、何、、、言ってるの?」
「何って、今日は部活もないし、デートしようぜ、、」
ミズキの顔が青ざめる、、、
「昨日、別れると言ったじゃないの、、、」
「でも、、、そのあと、ヤッたじゃねえか?」
「くっ、、、こんなところで、やめて、、、あれは最後だからって、、、」
本当なのか?
ミズキは反省するどころか、、、
まさか、そんなことを、、、
「イキまくって、、、びっしり抱きついてきて俺のことまだ好きだと言ったじゃねえの、、、」
「違う、ハル、違うんだよ、、、そんなこと、わたし、、、」
この女は本当に終わってる、、、
カレンは冷たい視線でミズキを見た、、、
「あ~あ、元カレに必死に言い訳しちゃって、、、」
「酷い、、、どうしてこんな、、、」
「酷いって、全部本当のことだろう?それにな、お前は俺のオンナなの、、、続けるのも別れるのも全部俺が決める、、、」
ミズキが更に青ざめ顔を苦悩で歪ませる、、
ようやくこの男の本性に気付いたのだろうか、、、
残っていたクラスメイトが固唾をのんで成り行きを見つめている。
「だいたいお前から彼氏がヘタレで物足りないって言ってきたんじゃねえか?俺とならバージンを卒業してもいいって、初めてなんか彼には分からないからって、、、お前から誘ってヤリまくったクセに、、、バレたから別れるなんて虫が良すぎるぞ、、、」
酷過ぎる、このオンナは話を自分に都合良く変えていたんだ、、、
「酷い、、、違うのハル、、、わたし、そんなこと、、、」
「違わないな、、、昨日だって最後だからいっぱいシテってお前から誘ったよな、、、忘れたとは言わせないぞ、、、」
ミズキは俯き黙り込む、、、
おそらく本当のことなのだろう、、、
「お前から俺のチ○ポにシャブりついてきて、、、こいつのフェラスゴイんだぜ、、、俺に悦んで貰うためにメチャ練習したんだと、、、
30分以上してくれて、いつもそれだけでビショビショ濡れまくりで、即ハメ、イキまくりだぜ、、、元カレのお前が味わえなくて残念だったな、アン?」
こんな場所で、しかも人前で、、、そんな話を、、、
こいつ、イカれてるのか?
「お前、いい加減にしろよ、、、」
ハルが詰め寄る。
「アン、どうした?悔しいのか?キスしか出来ないヘタレの元カレさんが、、、お前の彼女が中出しまで求めるスケベ女だと知らなかっただろう?ガキの頃からオナニーしまくりで、俺と生ハメでイキまくりだぜ、このオンナ、、、」
「もう、、、やめて、、、」
ミズキはしゃがみ込み、両手で耳を覆った。
「アン?カレンも俺が仕込んでやろうか?こんな美人でスゲェカラダしてるのにヘタレのお前になんか勿体ない、、、」
「お前はクズだな、、、男の風上にも置けないクソ野郎だ、、、」
「なんだと、この野郎!」
公平は顔色を変えていきなり殴りかかってきた。
拳で頬を殴られる。
キャーと周りで悲鳴があがる。
しかし動じることなくハルは唇の端をニヤリと持ち上げた。
それを見た公平はさらに逆上して二発目を繰り出してきた。
簡単に身をかわし手首を掴んで捻り上げる。
「うっ、ぐう、、、ググッ、ぐあっ、いて、いでぇ!」
この腕を折ることも出来る、、、
隙だらけの股間を蹴り上げ、二度とオンナと出来なくすることも、、、
「ハルくん、ダメ!やめて、お願い!」
カレンがハルにしがみつく、、、
「ぐあぁ、、痛い、、頼む、離してくれ、、、」
ハルが離すと公平は手首を押さえてうずくまった。
教室に残っていた一人のサリナが声をかけた。
「磯部、あんたバカなの?ハルはずっと合気道やってるんだよ、、、それでもまだヤル気?ハルが本気になったらアンタ、バスケ出来なくなるよ、、、」
「えっ、、、」
公平は怯えた目でハルを見つめた。
「くそっ、、、」
手首を擦りながら慌てて出て行く。
「ハルくん、大丈夫?」
心配そうにカレンが殴られた頬に優しく手をやる。
腫れたうえに唇が切れていた。
「大丈夫だ、何ともない、、、」
「でも、、、冷やした方が、、、」
「いい、、、もう帰るぞ、、、」
「うん、、、分かった、、、」
ミズキに冷たい一別を送るとカレンはハルを追い教室を出た。
つづく
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