6.~大阪デート~
朝、目覚めるとカズさんが珈琲を入れてくれている。
「あっ! 起こしちゃった?ゴメン。」
「いいえ。私の方こそ寝てしまっていて… 」
「歳はとりたくないね。昔は年寄りって何で早起きなんだろう?って思ってたけど、この歳になると目覚めちゃうもんね。」
って笑いながら珈琲を飲んで、大浴場へ向かう。朝から海を見て足を伸ばして湯舟に浸かるって、何て贅沢なんだろう。
部屋に戻るとカズさんが朝食に行こうと誘ってくれる。私は正直に
「もうすぐカズさんとお別れになるんだったら、朝御飯なんかより此処で一緒に居てChu! Chu! してたい。」って言ってしまっている。
少し考えて、カズさんが
「理沙ちゃんは今日真っ直ぐ帰るの?」って聞いてくる。
「カズさんは?」
「真っ直ぐ帰るつもりだったけど、よかったら帰るの夕方ぐらいにして大阪でデートしない?」って誘ってくれる。
別に慌てて帰る事も無かったので、娘に大阪で遊んで帰るんで帰宅は夜になるとだけ伝えて最後の一日はカズさんとデートする事にした。
船でゆったり朝食をして下船。それでも朝の八時。平日金曜日の通勤ラッシュの中を迷惑だったろうけれど、お土産持って梅田に向かった。
コインロッカーに荷物を預けて身軽になって、カズさんは恥ずかしかったかも知れないけど私は嬉しくなって甘えて人目もはばからずに腕を組んで貰った。(今はマスクをしていても当たり前の時代なんで、もし知ってる人がいても顔がバレないんでありがたい。)
まだ9時過ぎなので、先ずは平日で空いてるし二人が共通で好きな映画鑑賞をする事に。
(しかも同じ映画を観たいなと思ってたので丁度よかった。)
11時半。チョッと早いけれど、お昼はランチの人が多くなるだろうからと曽根崎のお好み焼き屋さんで昼食。
お店を出て食後のお散歩がてら露天神社へ。大阪へは何度も来てるのに、私は道もあまり知らないんで来たこと無かったけど、
お初天神って名前で有名なのは知ってた。縁結びで有名な所だけど、他にも色々と御利益もあるし… なんて心の中で言い訳しながらお参り。
(でも、本当は心の中でカズさんと今日でお別れしたくないのでお願いしますって願ってた。)
私はお昼も過ぎてしまい、時間も少なくなって来たんでカズさんに恋人繋ぎをして貰って歩いてた。
少し歩くと怪しげな通りに出て、カズさんは知ってたんだろうけどいつの間にかホテル街(そっち系のね。)を歩いてる。
カズさんは朝に私が
「朝御飯なんかより一緒に居たい。」って言ったのを覚えていてくれてたんだろうなぁって思ってて。
「イイ?」って聞かれた時には、直ぐに
「うん♡」って答えちゃった。そして近くのホテルに吸い込まれるように…
エレベーターに乗った途端にカズさんが激しくkissを求めて来てくれて、部屋に入るまでに悪戯もされて心もアソコもトロトロになっちゃってた。
部屋のドアを閉めた瞬間に私はカズさんを求めて、
「カズさん。別にセ〇クスだけして欲しい訳じゃ無いの。時間の許す限り、ギュ~ってしてて欲しいの♡」
って、言いながらもカズさんの竿に舌を這わせてる。
言ってる事とやってる事がチグハグなんだけど、カズさんは私の事を解ってくれてるようで、
「俺も人目を気にせず理沙ちゃんをギュッ♡ってしたかったから誘ったんだ。」って言いながら私をベッドまで連れて行き、
シャワーもせずに欲望のまま求め合い愛し合った。
7.~秘密の彼氏~
一緒にお風呂に入り、ベッドでまったりとカズさんに甘えながら聞く。
「カズさん。もう直ぐサヨナラですか?」
「そうだね。もうチョッとしたら帰る時間だもんね。」
「私、今日だけでサヨナラなんて嫌なんです。」
「どういう事?」
「あ、あの。体だけの関係でもイイからカズさんと… 」
「それは嬉しい言葉だな。でも、今は旅のテンションでこんなオヤジでも相手にしてくれてるのかも知れないし、
帰って一旦落ち着いて冷静になってから返事貰えると嬉しいかな。」って、連絡先を交換する。
帰って冷静になっても、ひと回り上のオジさんだって解っていても、やっぱり忘れられなかった。
忘れられなかったって言うか会いたくって、連絡を入れて逢瀬を重ねている。
カズさんは大人で、私を都合のイイ女扱いはしたく無いからと自分からは連絡を入れて来ないし、
私が会いたくなって連絡入れた時によっぽどの用事が無いかぎりは付き合ってくれる。
いつでも嫌になって関係を解消したい時は正直に伝えれば、それで消えてくれるって言ってくれる。
(ただ、連絡を入れないと何時までも待ってるってのもイヤだから、気持ちを切る為にも連絡は入れて欲しいって言われてる。)
体の関係も無しに、ただデートするだけでも優しく付き合ってくれる。
今はまだ別れるなんて考えることの出来ない、大事な大事な秘密の彼氏です。♡
了
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