加奈子は目覚めた。
どこの誰の家かは分からない。
全裸で和室の布団に寝かされていた。
加奈子はふと「夜伽」制度のことを思い出した。
昔「江戸っ子は女房を貸し借りする」という諺があった。
江戸時代以前の社会では耶蘇教信者以外、貞操観念は薄かった。
現在の貞操観念は維新後のキリスト教の価値観に端を発している。
江戸時代以前は、たとえ武家社会であっても出世の為に主君の所望に応じて妻を差し出すなど対して珍しいことではなかった。
大名家は「家」、属する者は運命共同体にしてその集団の一員だ。
本来、地域社会の身内感覚=共同体意識による集団の性規範は民族部族ごとに個別に存在する。
その共同体に属さない部外者が自分達の価値観で奇習と批判するのはお門違いといえる。
江戸時代の商家の女房は手代や番頭の性の面倒まで見ていた。
相撲部屋の女将は弟子の性の面倒をみるとも言われていた。
いずれも使用人や弟子が外で不祥事を起こさない為の知恵だ。
また「江戸っ子は女房を質に入れても初カツオを食う」という諺もあった。
貞操観念自体が薄い時代、庶民の間では不倫が横行していた。
女房の貞操代金が初カツオの代金になることも珍しくはなかった。
また、多くの農村では何かの祭事の際、若い男女の乱交的な性交渉を認める地方が多くあった。
結果として子供ができれば神事に授かったとして村民全員で祝い、大切に育てられた。
が、何世代にも渡ってこれを繰り返せばいずれは村民全員が誰かしらの近親者となる。
経験学的な生殖学の経験、近親婚による虚弱精子劣勢遺伝の現実が問題となってきた。
狭い範囲の村落での生殖行為の反復は、同様の血筋が広がりそれが濃厚になる一方というリスクをもつ。
そこで目を付けたのがその村落を訪れる旅人の存在だった。
旅人の逗留に「性的夜伽歓待」というサービスを不随させ、旅人の寝床に妻女や娘をあてがった。
その結果として妻や娘が妊娠すれば、その子供は村落全員の協力で大切に育てられる。
旅人がそのままその村落に居ついてくれればなお好都合だった。
この夜伽歓待の風習は本能的に精子劣勢遺伝とXY染色体の劣化現象を回避する為の手段だ。
部族や村の人口維持の為には「性的夜伽歓待」制度が必要だった。
平凡な日常生活を送る農民の妻にとっても、この風習は非日常の刺激的イベントとなった。
加奈子は自分がその対象とされていることを悟った。
この鬼瓦村では、女の旅人である加奈子を「性的夜伽歓待」というサービスを施しているのだ。
一方、それは刺激の少ないこの村民の男達にとっては非日常の刺激的なイベントということになる。
加奈子を抱いてすぐに射精してしまう男達の激しい欲望はこれが要因だった。
加奈子が妊娠してこの村に赤ん坊の置き土産を望んでいるかどうかは定かではない。
加奈子が妊娠してこの村落に住み着くことを望んでいるかどうかは定かではない。
明確なことは、村民の男達は各々の妻(または妻同士の交換)には飽きていて、部外者としての旅の女を抱くことに悦びを見出しているということだった。
加奈子は躰を起こした。
敷布団一枚と枕一つが置かれた何もない和室だ。
掛け布団も衣服もない。
他に何も置かれていない和室だった。
加奈子は全裸のまま放置されていた。
部屋の外で男女の声がした。
加奈子のいる部屋の仕切りとなっている襖が音もなく開く。
そこには中年の男女が2人立っていた。
「奥さん、お目覚めですか? 今夜はわしらの家に泊まって頂くことになってます」
男は言った。
脇で女が頷く。
この家の夫婦らしい。
加奈子は布団の上に正座して両腕で乳房を覆った。
「取り敢えずこれを着て」
男が浴衣を差し出す。
加奈子は与えられた浴衣を羽織った。
加奈子は夫婦から丁重な扱いを受けた。
居間で夫婦と茶菓を囲んで談笑した。
加奈子は「夜伽」制度について夫婦に尋ねた。
鬼瓦村では日本で恐らく唯一、夜伽制度が残っているとのこと。
男の旅人には村の女が、女の旅人には村の男が、必ず同衾する。
ここを訪れる旅人はそれを承知で来るからトラブルはないとのことだった。
加奈子は制度を知らずに訪れたため、少なからず驚いた。
が、性欲の強い加奈子には却って好都合だった。
旅の途中、新潟で出会ったAV男優のような男が常にいるわけではない。
男がいなければ自慰で満たすしかなかった。
加奈子は制度を知った上でこの村を訪れたことにした。
今夜はこの男と交わることになるのだと思った。
が、隣にいるこの男の妻はそれで何ともないのかが不思議だった。
村に男が来ればこの妻が愉しむことになるのだからお互い様といったところなのだろう。
加奈子と談笑している間、夫婦はつねに上機嫌だった。
男女とも加奈子と同様、40歳代半ばくらいに見えた。
男は中肉中背だが頑丈な体格で農夫らしい褐色の肌をしていた。
女は農作業をしないのか、加奈子と同様の色白で奇麗な肌だった。
腕に縒りを掛けた女の手料理で、夕食はご馳走だった。
男は加奈子の酌で酒を飲み、常に上機嫌だった。
夕食後、少し休んで加奈子は風呂に入った。
温泉ではないが、檜風呂の香りで癒された。
加奈子が寝る部屋は奥の間だった。
加奈子は奥の間に敷かれた新しい布団の上に座っていた。
やがて男が来る。
男に抱かれて悶えることになる。
頑丈そうな男だった。
激しく責め立てられる。
加奈子は想像して下半身が疼くのを感じた。
30分ほどすると男が現れた。
風呂上りの浴衣姿だった。
言葉を発する必要はなかった。
何が始まるかは分かっていた。
加奈子は男に優しく抱き取られた。
乳房を揉まれながら男のキスを受け入れた。
微かに酒の匂いがした。
男は加奈子の浴衣の帯を取った。
はだけた胸に顔を埋めた。
加奈子の乳房を揉み、舐め、吸った。
もう片方の手は加奈子の股間に滑り込んだ。
加奈子はすでに濡れていた。
男の愛撫は巧みだった。
クリトリスを転がし、膣口を指でなぞり、肛門をまさぐった。
「ああ……」
加奈子は思わず声を洩らした。
「加奈子さん、気持ちいいか? 遠慮しないでウンと声を出すがいい」
男は加奈子をマングリ返しにした。
加奈子の尻に枕を置いて加奈子の股間が高い位置にくるようにした。
男は加奈子の肛門を舐め始めた。
舌を固くして肛門に舌を捻じ込んだ。
次に男は加奈子の膣にも舌を捻じ込んで膣内を掻き回した。
「ああッ、ああッ」
加奈子が喘ぐ。
あられもない姿だった。
次に男は布団の上に仁王立ちになった。
加奈子は躰を起こして男のモノを口に含んだ。
逞しく怒張していた。
陰毛が濃い。
睾丸もデカかった。
加奈子は男の睾丸を揉みしだきながら顔を懸命に前後させた。
亀頭を舐め回し、男根を唇で扱き続けた。
その時、部屋の襖が開いて男の妻が入ってきた。
加奈子はフェラチオをしながら一瞬凍り付いた。
旅の女が夫の男根を咥えているのを妻に見られたのだった。
妻が冷静でいられる筈がなかった。
加奈子は男根を咥えながら男の妻の動きを注視していた。
が、男の妻は以外な行動に出た。
加奈子の背後に回り、背後から両手で加奈子の乳房を愛撫し始めた。
「加奈子さん、あたしの旦那を気持ちよくしてやって頂戴」
妻は加奈子の乳房を揉み、乳首を指で転がした。
「恵津子、加奈子さんのアソコを気持ちよくしてやんな」
男が妻に命じると、妻は「はい」と返事をして素直に従った。
妻は左手で加奈子の乳房を揉み、右手を加奈子の尻の下から入れて加奈子の膣を弄び始めた。
「んぐ……む……」
加奈子が身を捩る。
同性に乳房や性器を弄られる経験がない。
やや抵抗があった。
が、加奈子は男に頭部を押さえつけられていて身動きができなかった。
口に男のモノを咥え、乳房と股間を女に弄ばれて加奈子は呻き続けた。
女の弄び方が巧みだった。
一分も経たないうちに加奈子のクリトリスから快感を引き出した。
「ああッ、イクッ」
加奈子は男根から口を放して叫んだ。
「加奈子さん、いいのよ、いっぱい感じて……」
恵津子に乳房とクリトリスを愛撫され、加奈子は絶頂した。
その後、男の命令で加奈子と恵津子は布団の上に並んで四つん這いになった。
男は加奈子の尻を抱いて加奈子を犯し始めた。
男の手が恵津子の尻を撫で回している。
男は加奈子を犯しながら恵津子の肛門や膣やクリトリスを弄んだ。
「ああッ、あんた、気持ちいいよッ!」
恵津子が喘ぐ。
加奈子も気持ちよくなっていた。
男のデカい亀頭が膣内で暴れまわっていた。
「ああッ、気持ちいいッ」
加奈子も叫ぶ。
やがて男は加奈子の膣から男根を引き抜き、恵津子の膣に挿入した。
加奈子の股間を弄びながら恵津子を犯す。
尻を責め立てる乾いた響きが激しく鳴り響く。
女を責め立てる男の低い呻き声、犯される2人の女の甲高い喘ぎ声。
山奥の静かな夜に、妖艶な喘ぎ声が遠くまで響き渡っていた。
加奈子と恵津子は仰向けに並べられた。
男が加奈子を屈曲位で犯し始めた。
加奈子の両足首は男の肩に担がれていた。
男の腰が加奈子の尻に勢いよく打ちつけられた。
パチュン、パチュン、パチュン……。
男が腰を前後させるたびに激しい音が高鳴る。
加奈子の乳房と尻の肉がそのたびに激しく波打った。
「ああッ、もう……イッっちゃうぅッ、ああッ」
加奈子はたちまちのぼりつめた。
男の責めがたまらなかった。
男は加奈子の尻を布団に放り出すと、次に恵津子に乗りかかった。
恵津子の顔に跨って口に男根を咥えさせた。
恵津子は懸命に夫の男根を舐めた。
加奈子の淫液が付着した男根だ。
恵津子の口を汚した後、男は正常位で恵津子を犯し始めた。
「ああッ、ああッ、あんた、いいッ、いいッ、気持ちいいッ」
恵津子が喘ぎ叫ぶ。
夫の肩にしがみついて責めを受けていた。
加奈子は脇でその様子をぼんやり見ていた。
恵津子の色白の顔を美しいと思った。
夫に抱かれて幸せを味わう妻の美しさがあった。
加奈子も早く帰宅して徹に抱かれたいと思った。
が、その思いも束の間、男は再び加奈子に乗りかかってきた。
妻を絶頂させた男は、加奈子の顔に跨って口に男根を加えさせた。
加奈子はそれを懸命に舐め吸った。
恵津子の淫液が付着した男根だ。
加奈子は恵津子のそれを美味しいと思った。
恵津子を犯して絶頂させた男根に再び自分の膣を犯してもらえるのだと思うと加奈子は異常な興奮を覚えた。
男は仰向けになると加奈子を男根に跨らせた。
騎乗位の体勢だ。
加奈子は男の上に跨ると男の両腕を掴んで激しく腰を前後させた。
男の両腕を手綱代わりにした文字通りの騎乗位だった。
一分も経たないうちに加奈子は激しく喘ぎ叫んで絶頂した。
大量の潮を噴いた。
加奈子が男から降りると恵津子が夫に馬乗りになり腰を振り始めた。
加奈子は、夫婦との淫猥な交わりで忘我の境地を彷徨った。
男は絶倫だった。
射精することなく2人の女を責め続けた。
加奈子と恵津子は交互に絶頂の恥声を放った。
ありとあらゆる体位で男と交わった。
男に背面側位で犯される恵津子の乳房を加奈子は揉み吸った。
男に背面座位で犯される加奈子のクリトリスを弄びながら恵津子は加奈子にディープキスを与えた。
男に屈曲位で犯される恵津子の顔に加奈子は跨った。
加奈子は恵津子にクンニさせながら男とディープキスをした。
男と加奈子の顔が三角形の頂点だ。
加奈子の尻と恵津子の顔、男の尻と恵津子の股間が、底辺の両端だ。
3Pでの淫交は数時間に及んだ。
男は四つん這いの加奈子の膣を激しく責め立てながら呻き始めた。
恵津子が男の尻に手を入れ、男の肛門と睾丸を弄んでいた。
加奈子は半狂乱になって髪を振り乱しながら「許してッ、許してッ」と喘ぎ叫び続けた。
イキ続けていた。
わけがわからなかった。
「おうッ、うおぅッ、あうぅっ!」
男が太く鋭く吼えながら加奈子の膣に濃厚な精液を放出した。
何回にも分けてドビュドビュッ、ドビュッ、ドビュドビュッツ、と音を立てて加奈子の膣に打ち込まれた。
加奈子は立っていられなかった。
男に腰を抱えられているから加奈子の両足は宙で揺れていた。
両腕を前に伸ばして指先だけ布団に突いている。
男は射精した後も暫くはそのままの姿勢で加奈子を放さなかった。
男が加奈子から男根を引き抜いたのは呼吸を整え終えた数分後だ。
男根は完全に漸く萎み始めていた。
萎えた男根を引き抜いた後の加奈子の膣から白濁した男の汁がジュボッと音を立てて溢れ出てきた。
すかさず恵津子が加奈子の尻に顔を埋めた。
夫の放った大量の精液を恵津子が舐め取り始めた。
恵津子に膣口を舐め回され、加奈子が「ああ」と喘いだ。
加奈子と恵津子は湯舟に一緒に湯船に浸かっていた。
長い3P性交が終わった夜更けだ。
男は部屋で鼾をかいている。
「加奈子さん、あなたの躰、とても綺麗ね、魅力的だわ」
恵津子が加奈子の乳房と乳首を愛撫しながら加奈子にキスした。
「恵津子さんも色が白くて綺麗だわ、あなたの躰、好きよ」
加奈子も恵津子の股間に手を入れた。
「ああ……」
2人は浴槽内で喘いだ。
互いの乳房や股間を愛撫しながらディープキスを続けた。
互いの舌を絡め合っている。
唇や顔中を互いに舐め回しながら股間を擦り合った。
「ああッ」
2人は躰を震わせた。
湯面が大きく揺れた。
洗い場のマットの上で互いの躰を洗い合った。
その後、加奈子が仰向けに寝、恵津子が反対向きに加奈子に跨った。
シックスナインの体勢だ。
「加奈子さんの花びら、とても綺麗よ、美しいわ」
恵津子がそう言って加奈子の割れ目に舌と唇を這わせた。
「恵津子さんのお花もとても素敵、眩しいくらいだわ」
加奈子もそう言って恵津子の膣口に唇を付けた。
その後、2人は互いの性器を称え合いながら時間を掛けて快楽を貪った。
じわじわと何度も昇りつめた。
男のような射精がない分、女同士の性交には終わりがない。
体力が続く限り、女達は延々と淫交し続ける。
加奈子と恵津子は風呂から上がって部屋に戻った後も淫交を続けた。
クリトリスと膣の双方で互いに何度も絶頂を極めた。
午前3時頃になると2人とも体力の限界がきた。
起きてられないほどの眠気と疲労感に襲われた。
全裸の男が横で大の字になって鼾をかいている。
加奈子と恵津子は男を挟んで川の字に寝た。
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