純は転校先ではあまり学校に馴染めなかった。
が、目的は中学受験だ。
程度の低い学校の授業は不要だった。
週に2日以上は学校を休んだ。
登校してもクラスメートと話すことはほとんどなかった。
が、体格が良く学力も高い純が苛めに遭うことはなかった。
どちらかというと周囲から一目置かれる存在だった。
夕方以降は目能研やSARIXに通った。
能力の高い純は著しく学力を向上させた。
が、麻優美の躰を想い出すと勉強が手に付かなくなった。
自室のベッドで激しい自慰に耽った。
加奈子はそんな純の様子を心配しながら見守っていた。
麻優美を想い出しながら自慰行為を繰り返す純を心配した。
何とかして純の躰を慰めたかった。
徹が講演会の打ち合わせで外出している折を見計らって加奈子は純の部屋に入った。
「何か悩みがあるんじゃない?」
加奈子が尋ねた。
「最近、あまり勉強に集中できないんだ」
純が答える。
「ママにできることがあった言ってみて」
「麻優美先生に会いたい、麻優美先生の躰が恋しい」
「……」
純が本音を明かしてくれたことは嬉しかった。
が、麻優美をここに連れてくるのは不可能だった。
「オナニーじゃダメなの?」
「オナニーとセックスは全然違うよ、ママも知ってるでしょ?」
「誰かとセックスしたいの?」
「誰でもいいというわけじゃないよ、受験は精神的にもキツいから、その辺の女の子をナンパしたからって簡単に癒されるわけじゃないんだ」
純の表情には切実さがあった。
「麻優美先生のように優しく包み込んでくれる人でなきゃ……」
「……ママじゃだめ?」
加奈子は思い切って純に提案してみた。
純は驚いた表情で加奈子の目をじっと見つめた。
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