教団本部は秩父の大滝村にあった。
国道140号から細い山道を辿り、和名倉山方面へ向かう。
辺りは木々が生い茂る深い森だ。
森の奥深くにラブホテル「性愛館」があった。
その駐車場に車を停めた。
加奈子の車を探したが見つからない。
恐らく教団に片づけられたのだろう。
玄関前で徹は埼玉県警に連絡をとった。
実は「性愛教」教団本部にいる。
もし明日になってもこちらから再度連絡がなかったら警察に応援を要請するとだけ伝えた。
奈美子と共に玄関の中へと入った。
徹と奈美子は「性愛館」フロントで「性愛教」の見学を希望する旨を申し出た。
フロントの受付にいた20歳半ばくらいの受付嬢はフロント脇の控室に2人を通した。
差し出されたアンケート用紙に名前・年齢・住所などを記入した。
徹と奈美子は予め打ち合わせて夫婦という設定にしてあった。
苗字と住所は架空のものを記入した。
「見学・入信」の欄では「見学」に〇を付けた。
直ちに入信では怪しまれる恐れがあった。
見学料という名目で計10万円現金で納金した。
カードは使えないということだった。
すると、青いバスローブを纏った案内役の男が現れ「こちらへ」と言って先に立った。
ロビーを通り2階へ向かう。
212号室へと通された。
茜が教祖から入信儀式を受けた部屋だ。
棚にはさまざまな淫行性具が揃っていた。
天井からは皮製のハンモックや麻縄が下がっている。
ラブホテル内であることを思えば特に違和感はない。
徹と奈美子はベッド脇のソファに並んで座った。
少しすると入口のドアとは異なる部屋の奥のドアが開いた。
白いバスローブを纏った男女が入ってきた。
男は30歳代前半、女は20歳代後半に見えた。
「信者がどのように愛し合い、性の快楽を得るのかご覧頂こう」
案内役の信者はそう言うとバスローブの2人に「始めよ」と命じた。
男女2人はその場でバスローブを脱ぎ捨て、ベッドに上がった。
男の躰は引き締まっていた。
女の躰は肉感的で白く綺麗な肌だ。
男は枕を背もたれにして胡坐をかいた。
その前に女が膝を突く。
女が上半身を前に倒し、男の股間に手を伸ばした。
陰毛に隠れた陰茎をまさぐっている。
睾丸に掌をあて、ゆっくり揉んでいた。
やがて男根が徐々に膨らみ始めた。
女が優しく緩やかに上下に擦る。
次第に男根は頼もしく漲る。
男の股間に逞しい肉根が聳え立った。
女は四つん這いになって男のモノを口に含んだ。
ゆっくり顔を上下させながら男根を愛撫している。
2人は完全に性愛の世界に浸って溺れ込んでいた。
徹と奈美子に見られていることなど微塵も気にかけていないようだった。
徹と奈美子は見知らぬ男女の性戯を見せられた。
本来の目的は別にあったが目の前に繰り広げられる光景に少なからず興奮していた。
長い間、女は口腔性交を続けた。
懸命に男根を口に含んで愛撫する全裸の女の姿は美しかった。
涎と精液で女の口がベトベトに汚れていても、だ。
性愛を堪能する男女は眩しく見えた。
やがて女が躰を起こす。
女は男の首に両腕を絡ませながら男根に跨った。
男の両手が女の尻を掴んで引き寄せる。
対面座位での性交が始まった。
「ああ……」
女が微かに喘ぎ声を洩らす。
男の両手が女の尻を掴んで上下させている。
女の躰が男根に芯を貫かれながら大きく上下を繰り返している。
男が女を責め立てながら女の首筋や乳房を舐め回している。
「ああッ、ああッ」
女の喘ぎ声が次第に大きくなる。
快感を素直に声に出していた。
その声がじきに甲高い叫び声に変わった。
「あッ、イクッ、あッ、あッ、イクッ、イクッ、イクぅッ!」
女がガクガクッと打ち震え、力なく崩れ堕ちた。
男はそのまま女に覆い被さるように女を押し倒した。
屈曲位で女を責め立て始めた。
男は女に濃厚なキスを与え、乳房を揉み乳首を弄んだ。
深く浅く男根を抜き差ししている。
「ああッ、感じるッ、ああッ、気持ちイイッ、ああッ」
男の責めもスピードと勢いを増していた。
射精の準備に入ったようだった。
「ああッ、またイクッ、ああッ、あッ、イクッ、イっちゃうッ!」
女の叫び声とともに男も呻き出した。
「ああッ」
声を上げた男は女の膣から男根を引き抜く。
女の顔に跨り、女の顔に向かって勢いよく射精した。
男のドロッとした白濁汁が女の顎から額に至るまで飛び散った。
2人は躰を起こしてバスルームへと姿を消した。
「これがわが性愛教において信仰を深める手段だ」
そういう信者の言葉で見学は終わった。
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