「初恋の男の子ノンって言うんだ。偶然わたしと同じニックネームだからさっき涙が出ちゃったの?」相田医師は美咲の髪を撫でた。
「声が似てるの、あなたとノンの。初めてひとつになった時、彼はまだ14歳で声変わりしていなかった。だから少し高い声で、わたしの耳元で囁いた時の声とそっくりだったの」
「そうだったのか、さすがのわたしもびっくりしたよ」
「ごめんね、もう少し話していい?」
「ああ、いいよ、梅酒のおかわり持ってこようか」
「うん、おねがい」
「それじゃ、お代はその口唇で」
「はい」美咲は相田医師の口唇に自ら口唇を重ねた
「それじゃ君が現在進行形で気に入ってくれているノンの話じゃなくて、初恋のノンくんの話をもう少し聞かせて」相田医師は優しい笑顔で美咲の話を促した
「うん、ノンはね、可愛いから皆に愛されたの、母親の美咲さん、叔母の美智子さん、担任の先生の莉穂さん、そしてわたしの母の久美子」
「君を入れると5人の女性に愛されたことになるけど、でも君が一番深い関係になったんだよね」美咲は相田医師に身を寄せ、その細い身体にピタリと身体を押し付けた。微かに震える看護師を医師は抱きしめた
「わたしが一番浅い関係だったの」
「浅いって、君は彼とひとつになったって言ったけど、彼は他の四人とも関係があったのかい」
「あったの、わたしより深い関係」
「深い関係って…」
「4人とも彼の赤ちゃんがお腹にいたの」
「…」医師は言葉を失っていた
「わたしの愛したノンはみんなに愛されて、彼を愛した女性たちは皆彼との愛の証を欲しがったの」
「ごめん、わたしの理解を超えている。ノンくんは母親を妊娠させたってことなのかな」相田医師の表情から動揺が浮かんでいるのがわかった。美咲はその顔を見上げ、そして頬に手を触れた。
「そう、叔母さんも、先生も、わたしの母も」相田医師は震えながらグラスを空けた
「この話、やめる?」美咲は鼻の頭を医師の鼻の頭に付けた。医師は美咲の口唇を激しく奪った
「聞かせてくれ、君の闇の全てを」そう言うと美咲の口唇を割って舌を侵入させた。
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