金曜の2時50分、私は指定された公園のベンチに座っていた。木陰になっているその場所に五分後、おそろいのワンピースに身を包んだ真紀子とまいかが現れた。
「お兄ちゃん」まいかが手をふる。微笑む真紀子、美しすぎて心を奪われる。私は軽く会釈をした以外は、真紀子をずっと見つめていた
「お兄ちゃんだっこ~」5メートル手前から歩き出したまいかがよたよたと私の所に歩いてきた。
「おいで、まいかちゃん」私は両手を伸ばし、幼女を抱き寄せた。
「こんにちわ~」私に抱きかけられたまいかは、頬を寄せてきた。幼い子特有のぷっくりとした頬に私は頬ずりしていた。
「こんにちは、暑くなりましたね」真紀子は優しい笑みを浮かべている。
「こんにちは、今日も素敵ですね」
「ふふ、また言ってる」
「そんなに言ってますか、オ、僕」真紀子の前では自分を僕と呼びたかった
「ええ、この間も、レジでマニュアルと違った言葉を言ってましたね」
「そうですね、ははは」
「ははは~」まいかも私の口調を真似た
「まいか、お兄ちゃんの真似上手ね」
「うん、お兄ちゃんたか~い」そう言ってまいかは母親の頭を撫でた
「まいか、ママをいい子いい子してくれるの~」
「うん、ママ可愛いからなでなで」
「まあ、ありがとう」
「お兄ちゃんもママをなでなでしていいかな~」
「うん、いいよ~」私は周りをうかがい誰もいないのを確認して手を伸ばした。真紀子は笑いながらすり抜け、数歩前に移動した
「つかまえたらなでなでしていいよ~」楽しそうな笑顔に私は引き込まれた
「お兄ちゃんがんばれ~」まいかが声援してくれた
「よ~し」私はまいかをだっこしたままで真紀子を追った
「おいで~」真紀子は数メートル離れ、私が間を詰めるとさらに遠くに逃げ出した。捕まえられないまま50メートルほど追いかけっこをした。私の息が荒くなるのを見て真紀子はバックから水筒を取り出した
「休憩しましょう」木陰のベンチに腰掛けた。さすがにこの好きに頭をなでるのはフェアでないと思った私は、真紀子の横にまいかを座らせ、挟むようにしてベンチに座った。
「はい、まいか」小さなコップに麦茶をついで、まいかに渡す真紀子、その横顔を私はじっと見つめていた。
「ママも」コップを母にさし出す幼女
「ありがとう」真紀子は一口飲むとまいかに返した
「はい、次はお兄ちゃん」まいかはコップをさし出した。真紀子が飲んだばかりのそのコップを
「ありがとう、まいかちゃん」私は幼女の無邪気な行動に感謝した。そして直前に真紀子だ飲んだと思われる位置にわざと口を付けて麦茶を飲み干した
「おいしい?」まいかが無邪気な笑顔で聞いた
「うん、すごく美味しいよ」私はまいかの頭を撫でた
「ママ、お兄ちゃんおかわりだって~」
「はい、コップかして、ママにももうちょっと飲ませてね」コップについだ後、真紀子は一口飲んだ、その時真紀子と目が合った。瞳が優しく微笑んだ…
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