海に到着した。海岸から300mのところに大きな鳥居と石段がある。その石段を中段の踊り場までの昇り振り返るとそこには幻想的な夜の海が広がっている。海の無い県に生まれた私はこの景色が好きで、数人の女性をこの場所に連れて来ていた。
「素敵、夜の海見るの初めて」舞香が私に寄り添ってきた。肩を優しく抱き寄せる
「ノン様、連れて来てくれてありがとう」舞香は私の頬にキスをした。
「上の神社には次来たときに行こう、この石段を登りきるのは結構きついから」
「はい、体力は温存しておいてください、別の目的で」微笑む舞香
「了解、いちおう説明しておくと、上の神社は依然アニメの聖地として有名になったけど、今ではブームも去って静かになっている」洗車を乗り回す女子高生が主人公のアニメでこの神社を含むこの街全体がアニメの聖地としてもてはやされた。
「それじゃ、砂浜に行こうか」
「はい」私は車に戻り、海岸の駐車場に向かった。6月の夜の海にはほとんど人がいない。駐車場から階段を降りると砂浜が広がっている。
「2011年の震災でこの砂浜は大きく削られて、あの階段から海までの距離が縮まったんだよ」
「すごい、よく知ってますね」
「ああ、大学生の頃、月に2回くらいはここに来ていたからね」海を女性たちと海を見て、その後は近くのラブホに泊まり朝まで乱れた行為を繰り返していた。女子大生やOLが主だったが、一度、幼い女の子を連れた人妻とも訪れたこともあった。
「海の水、冷たいのかな」舞香が聞いた
「そんなに冷たくないよ」
「波打ち際までいってみたい」
「オーケー」私たちは波の数メート手前で裸足になった。
「ああ、気持ちい」波打ち際の濡れた砂を踏みしめて舞香が行った
「波にさらわれるなよ~」私は舞香の手を握った
「きゃー」波が舞香の足にとどいた
「ははは」
「もう、笑わないで~」舞香は私に抱きついた
「おっ、逃げろ」私は舞香を抱き上げ波から逃れた
「ああ~、楽しい」舞香の笑顔が月に照らされ、私は30年前の出来事を思い出した…
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