その33
リハビリ室に入ると、谷崎さんが昨日はよく眠れましたか?と聞いてきたので、疲れ過ぎて死んだように眠ったよと言うと、谷崎さんが私も!と言い、2人で笑った。
リハビリしながら、次の外出の相談をしようとした時、谷崎さんから鈴谷さんの事を相談された。
「彼女は、人一倍優しくて弱い部分を誰にも見せないように生きてるの。特に仕事中は、無理に明るく振舞っているのが私には痛々しいぐらい。さっき、メールで木田さんと恵子ちゃんが外出前日の出来事を報告してきて、私にも協力して欲しいって言うの。木田さん、どう思う?」と言った。
私は、鈴谷さんには興味が無いし、今は君しか見えていないよと答えると、谷崎さんは寂しそうな顔をして、「木田さん、とても嬉しいけど、私だけ幸せになっても、それは心から幸せにはなれないよ」と言い、黙ってしまった。
私が、それでは鈴谷さんに会社の若い奴を何人か紹介してみようかと提案すると、谷崎さんから思ってもいない返答があった。 つづく
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