午後6時、俺たちはタクシーで日本料理屋に向かった。清楚な美人奥様とオタク青年はどう見てもカップルに見えない。料理屋に着いて個室に入るとそこにはまさに美男美女でお似合いのカップルが先に着いていた
「美雪さんこんばんは」女性が口を開いた。俺と同年代だろうか、スーツ姿の胸元が大きく開いているのは自信の表れのようだ
「みなみちゃん今晩は、相変わらず綺麗ね~」
「そんな美雪さんこそ素敵、そちらがお相手の方?」
「そう、わたしの彼氏、ノンくん。ノンくん、こちらはわたしの姪の松田みなみちゃん、そしてこちらは甥っ子の松田紀之君、この子はノンちゃんって呼ばれてるは。紛らわしいわね」
「町田憲之です、よろしくお願いします」俺は軽く会釈した
「松田紀之です」
「松田みなみです」俺たちは掘りごたつ式の座敷に座った
「どう、美男美女の姉弟でしょ」
「そうですね~」
「美雪さん恥ずかしいからやめて~」みなみさんが顔を赤らめた
「ふふ、みなみちゃんとどこかで会ったことない?」俺は何となく見覚えがあると思っていた
「あっ、そうだ、病院で」
「そう、あなたの奥さんの主治医よ」
「そうですよね、妻がお世話になっています」俺の顔を美姉弟は一瞬凝視して、その後お互いの顔を見合わせて吹き出した
「美雪さんの言った通り、ノンくんは正直なんだね~」ノンちゃんが言った
「でしょ」
「ねえ、ノンくん、あなたはさっき美雪さんの彼氏として詳細されたでしょ、でも妊婦の奥さんがいるんでしょ、それは隠さなくていいの?」みなみさんが微笑みながら聞いた
「まあ、その何て言うか、正直に言わないと失礼だったりするし」
「いいね、やはり僕たちと一緒で恋愛自由主義なんだね」ノンちゃんも笑顔だ
「そうよ、あなたたちと共通点があるから二人に引き合わせたの」美雪さんがまじめな顔で言った
「わたしたちの間では隠し事無しで、そしてお互いの欲望をさらけ出すの」美雪さんを真剣に見つめる姉弟
「そうですね」みなみさんが俺を見た
「ノンくん、わたしたちのこと、正直に話すね」テーブルに置かれた弟の手を握る姉、
「わたしたち、愛し合っているの」
「えっ?」俺は一瞬理解が出来なかった
「僕たちは関係をもってもう12年になる。そして二人の間に子供もいるんだ」ノンちゃんはハンサムな顔でシリアスに語った
「ノンくん、どう?あなたも興味ある世界だと思うけど…」美雪さんの瞳が妖しく輝いた
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