「貴方、私は大丈夫だから、お店開けましょ?タカちゃんも居るし」
一度深く果てると、狂った様に絶頂し続ける癖は治まるのだろう、裕美子は秀之に話しかけた
「いや、今日は止めておこう…さっきな、誰か居たんだ」
「多分、十三さんよ…」
「!、裕美子…お前?」
秀之は裕美子に問い詰めた 裕美子はゆっくりと喋り始めた
以前から偶に十三が行為を覗いていたこと、少女期に自分を襲った暴漢を退け、裕美子を逃がすために十三が沢へわざと突き飛ばしたこと、この事は誰にも言わないと密かに約束していたこと…
「じゃ、暴漢は十三さんじゃ無いのですか?」
秀之に問うと、秀之は唖然とした表情のまま固まっていた
「十三さん、言ってた…私を愛してるって…」
あの粗暴でロクでもない噂しか聞かない男は、裕美子に心底惚れていた
一度は少女の裕美子を犯そうと機会を待っていたが、出来なかったと、こんな自分が裕美子を汚してはいけない、それが自分なりの裕美子への 愛 だと、裕美子に告げていた
「貴方、今まで隠していてごめんなさい…」
思春期を過ぎ、秀之と出会い、夫婦になっても尚、止められない裕美子の特殊な性癖 誰にも知られぬよう、それを十三は今日まで見守り続けていた… 哀しい程の、純愛…
「ちょっと出掛けてくる…」
秀之は裕美子にそう告げると、軽トラに乗り込み、山道を上がって行った
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