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人妻 LAST PART
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:人妻 LAST PART
投稿者: 影法師
「嫌い・・ご主人様なんか嫌い・・大嫌い・・。」

男の腕の中で、冴子は暴れていた。
いつもの冴子と様子があまりに違うのに、男は少し戸惑っていた。
「いや・・いやです・・・。」
冴子は男に応じる気は無かった。
絶対に今日は応じるものか・・、こんな男に・・絶対に。
しかし、それは冴子が余りに自分の肉体を知らな過ぎた。
男によって、冴子は性奴として十分な位に調教させられていた事を。
やがて・・冴子は男の下で、歓喜の声を上げる事となる。
自分の意志とは別に、冴子の肉体は、男の愛戯に対して、随喜の涙を流すので
あった。
行為の後、冴子は、我が身を恨んだ。その忌まわしい肉体を、憎まずにはいら
れなかった。



「ご主人様、お願いいたします。滝嶋一生のお願いでございます。どうぞお許
し下さいませんか?」
滝嶋が、男の前で土下座していた。
「何でお前がそんなマネをする。お前とは関係ない事だろう?」
「冴子様は、一生懸命ご主人様に尽くされております。それはご主人様も十分
お判りと思います。如何かお子様と逢わせてやって下さい。お願いします。」
男は滝嶋の言葉を黙って聞いていたが、その後、
「工藤、お前は如何思う?」
横に控えている彼に尋ねた。
「私の気持も同じです。」
冴子の様子がいつもと違う事で、男は滝嶋を呼ぶと、その説明を求めたのだ。
そして、その理由を彼女なりにそう説明した。
「妻の地位は無くす事が出来ても、母の立場は無くせないのが女です。冴子様
は、今はご主人様一筋です。それは、私も工藤さんも認める処です。ただ、冴
子様はお子様を忘れる事が出来ないのです。それが女と言う生き物なので
す。」
滝嶋の迫力ある説得に、ついに男は折れた。
「もう良い、判った。工藤と滝嶋にこの件は任せる。但し、一度切りだ、いい
な!」
「ありがとうございます、ありがとうございます。」
滝嶋は、頭を擦り付ける様にして男に礼を述べた。


「冴子様、お歓び下さい。お子様とお逢いになれますよ。」
スッカリ元気を無くしている冴子の姿を見ているのは、滝嶋にも辛いものであ
った。
冴子の子供がいたかもしれないあの会場から、無理やり二人を引き離す光景を
目の当たりにした滝嶋は、冴子の胸中が痛いほど判った。
男に言った通り、女は一生母親から解放される事は無いのだ。
子供を産んだ女は、死ぬまでその子の母親なのだ。
例え、遠く引き離されても、その絆は、強く、固いものである。
子供の、まさに自分の分身なのだ。
「本当? 本当に・・?」
冴子は滝嶋の言葉が信じられなかった。
「今ご主人様からお許しを得てまいりました。但し、一度だけと言う事です。
私が手筈を整えますので、もう少しお時間を下さい。必ず逢わせて差し上げま
すから。」
滝嶋の言葉が、胸に突き刺さった。
「滝嶋・・、ありがとう。本当にありがとう・・。」
「いえ、私じゃ無く、ご主人様にお礼を申し上げて下さい。お許し下さったの
は、ご主人様ですから・・。」
滝嶋はそう口にしたが、冴子は複雑な思いだった。
本当にそうなのか・・?
娘に逢えるのは・・本当にあの男のお陰なのか・・?
そんな風にはとても思えない。
逢えなくしているのは・・あの人じゃ無いの?
そんな事を考えると、冴子は素直に滝嶋の言葉を受け入れる事は出来なかっ
た。

<影法師>
 
2010/05/05 15:35:02(SA10NtmY)
2
投稿者: 影法師

その矢先、冴子は思いがけない人物の訪問を受けた。
その先達を務めたのは工藤だ。
「会長の奥様が、是非冴子様とお逢いしたいと言う事で、こちらへご案内致
しました。」
青天の霹靂とはこういう事を言うのかと冴子は思った。
いきなりの訪問に、冴子は驚いた。
如何迎えていいものか、迷っている間にその女は部屋に入って来た。
意外にも冴子が想像していた人物像と、大きくかけ離れていた。
小柄で、痩せた体系ではあるが、怖さを丸で感じさせない。
反対に、温厚そうな雰囲気が漂ってくるようだ。
「貴女が冴子さん?」
有無も言わせぬ、もの言いだ。
「初めてお目に掛ります、冴子と申します。どうか宜しくお願い致しま
す。」
「挨拶はいいわ・・、貴女の事は、この工藤からも聞いているし、主人から
も聞かされています。貴女の事は、それなりに判っているつもりです。お気
の毒な面もある様だけど、この世界は、そう言う世界なんです。本人が望
む、望まないは別にして、係わりを持った以上、覚悟を決めるしかないの。
私だって、望んでこの世界に入った訳じゃないのよ。好きになった人が、た
またま、この世界の人だっただけ。だから、此方で生きていくしか無かった
のよ。工藤の話だと、貴女凄いと言うじゃない。私はこんな身体だから、主
人の役には立たないけど、貴女は別よ。如何かうちの人を盛りたてて上げて
下さい。出来たら、あの人の子供を産んでくれたら・・、それが何よりだけ
ど・・。」
闇の世界に君臨するあの男を、長い間影から支えていた女と思えない、極々
普通の女だった。
「驚きました、奥様がいらっしゃるとは・・。こんな事初めてで御座いま
す。」
滝嶋が、会長夫人の帰った後、しみじみと冴子に語りかけた。
「私だってビックリよ。なんで・・・正妻さんが、性奴の私の処に来る
の?」
「お認めになったと言う事でしょう? 冴子様を、後継者とお認めになった
のだと思います。」
滝嶋がそれを当たり前の様に言った。
「後継者って・・、何の?」
「勿論奥様の後継者でございます。甲武連合会長夫人の座でございます。」
「そんな・・・。」
冴子は、自分の知らない処で、そんな出来事が進んでいた事にただただ驚く
ばかりであった。

<影法師>
10/05/06 05:45 (yxeJ0WlW)
3
投稿者: 影法師

「あなた、片平由紀さんよね?」
由紀の前を、一人の中年女が立ち止まると、優しく声をかけて来た。
「はい、そうです。」
由紀はハッキリそう答えた。
「悪いけど、ちょっと、後を振り返ってくれる?」
中年の女は、由紀に後を見る様に言った。
後には児童公園があった。
その公園の入り口に、由紀が良く知る顔の人物が立っていた。
「ママ!」
「由紀!」
女は、由紀に向かって両手を大きく広げ、前に突き出した。
由紀は、その女の胸をめがけ、飛び込んで行った。
女は強く由紀を抱きしめると、女は声を出して泣いた。
女の肩が激しく揺れている。
「由紀、ごめんね、本当にごめんね・・ママを許して・・ゆるし
て・・・。」
後は言葉にならない。
「ママ・・ママ・・。」
何度も母を呼ぶ由紀、
束の間の再開だと判っていても、女には至極の時間であった。
二人は、何時までもいつまでもいつまでも強く抱き合っていた。

真の自由を得る為には、力を持たなければならない。性奴では無く、本当の
力を。
その為に自分が今何を為すべきか? やっとその答えを見いだした気がし
た。
そして改めて女は、愛娘を強く抱きしめるのだった。

片平冴子として、片平由紀の母として、これが最後の務めになると自分に言
い聞かせながら・・・。

                            

 終わり


***冴子が本当の力を得た時、真の自由が得られる事になります。この先
の冴子の活躍と、由紀親子も描いてみたいものです。<影法師>***
10/05/07 05:13 (u5m5Flcr)
4
投稿者: 美希 ◆PRteQJyPzQ
影法師さんご苦労様です。

束の間の由紀との再会胸が熱くなりました。
冴子の、裏社会から表社会への自由を勝ち取り、片平冴子として夫健介娘由
紀との平凡な家庭に戻れる事を願っています。

影法師さん長い間お疲れ様でした。
人妻の続編待ています、また新作も宜しくお願いします。

影法師ファン 美希
10/05/07 08:54 (/ml/0oiE)
5
投稿者: (無名)
ありがとう。娘が母と同じ道を歩く続編期待しています。
10/05/07 15:28 (cXhcE1hl)
6
削除済
2010/05/19 19:39:51(*****)
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