俺は野島裕也。俺は今、親戚がいる田舎道を歩いている。季節は春。この田舎は12歳の俺が自転車で来れる所にある。
この田舎には小さい頃から遊びに来ていた。近所の子供たちとも仲良く、近くの公園や河原でよく遊んだ。
何よりこの田舎で俺が一番好きな場所は神社だった。そこではこの田舎特有の祭りも行われ、俺の思い出の場所でもあった。
そしてそこには俺の好きな人がいた。その神社の巫女の娘・かほさんだ。彼女もまた巫女だった。
彼女は俺たちの面倒を見てくれる良いお姉さんで、みんなも実の姉のように思っていた。しかし、俺はいつしかそう思わなくなっていた。
巫女装束で神事を行いながら笑顔を見せてくれるかほさん。俺は一人の女として見ていた。
話を戻すが、俺は神社に向かっていた。と言っても祭りが行われる神社ではない。この田舎の森にある鎮守の森の社だ。