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1:母の愛人に・・・
投稿者:
ユウイチ
平日午前十一時過ぎだった。
六畳間の居間で雄一と沢木の二人は長く黙ったまま座 り込んでいた。 テーブルの幅の狭いところで雄一は座椅子にもたれ込ん で、テレビの画面を見るともなしに見ていた。 雄一の右隣りの前にTシャツにトランクス姿の沢木が背 後の壁にもたれるようにして、同じようにテレビ画面に 目をやりながら煙草の煙を大きく吐き続けている。 テレビ画面は料理番組でエプロン姿の太った女性が、 派手なブラウスを着た女性アナに調理材料の分量か何か を説明している。 沢木が寝起きで居間に入ってきたのは三十分ほど前の ことで、雄一は今日は進学塾が休講日なので九時過ぎま で寝ていて、母親が作り置きしてくれていたサンドイッ チを食べ終えてからずっと居間にいた。 母の寝室の戸が開く音がした時に、雄一は立ち上がっ て自分の室へ戻ろうと一瞬思ったのだが、ここに自分が いるのだから沢木は入ってこないだろうと考えそのまま いたのだが、彼は閉めてあった戸を開けて雄一を無視す るかのようにどっかりと腰を下ろしたのだった。 二ヶ月ほど前から沢木はこの家の同居人になっていた。 沢木は母の愛人だった。 母がケアマネージャーとして勤めている老人ホームに 出入りしている清掃会社の従業員で、母とは半年ほどの 交際があって同居するまでになったのだ。 そのことの了解を母から求められた時、雄一は特に反 対もしなかった。 六年前に離婚して雄一を引き取り、広くはない市営住 宅住まいだったが、雄一の中学、高校の学費も一生懸命 働いて工面してくれている母は四十六歳だった。 母が恋愛するのは自由だと雄一は思っていた。 沢木は体格ががっしりとしていて、坊主頭で目つきの 鋭い見るからに男っぽい雰囲気で、口数もあまり多くな く、雄一のことも無関心なようで初対面の時から自分か ら話しかけてくるというのはなかった。 雄一も同じ思いだった。 母の愛人というだけの接点しかないのだから当然とい えば当然のことである。 ただ雄一にはかすかに気になる点が一つあった。 沢木が自分を見る時の目の輝きに、雄一は何かしら異 質というか、平易にいうと薄気味の悪さというか言葉で はうまく説明できないような異様なものを感じているの だった。 雄一も沢木もどうでもいいテレビの料理番組に目をや っていたが、何か息苦しいような空気が六畳間に漂って いるようで、雄一のほうが立ち上がるタイミングをおし 図っている時だった。 「お前、色白いんだなぁ」 と沢木が雄一のほうを見て唐突にいってきたのだ。 いきなりの応えようのない問いかけに、雄一は目 だけをうろつかせて返事することなく黙っていた。 「色白なのは母親似か? ハンサムな優しい顔してるか らよくモテるだろ?」 と沢木は何本目かの煙草を灰皿に揉み消しながら、口 元に薄ら笑いを浮かべながら喋ってきた。 座椅子にもたれていた雄一は両肩を少し竦めるように して横目を沢木に向けた。 「毎日勉強も大変だな。俺なんか高校もまともに出て ないからわからんが」 いいながら沢木の視線はずっと雄一の目に向かってい た。 雄一は慌てたように目を逸らし俯いた。 そして雄一が立ち上がろうとした時だった。 沢木の左手がいきなり伸びてきて、雄一の右手首を掴 み取ってきたのだ。 「あ…」 と雄一は小さな声を上げたが、そのまま沢木に思い切 り引き寄せられ上体のバランスを崩してしまった。 腰まで浮き上がり雄一の頭が沢木の腹部にまで引き寄 せられていた。 沢木のもう一方の手が倒れこんできた雄一の肩をがっ しりと押さえこんできた。 崩れた姿勢のまま雄一は身動きできなくなっていた。 「おとなしくしてろ」 それまでの声とは違うドスの利いた低い声で沢木が上 から短くいった。 危険が迫っているのは雄一にも瞬時にわかったが、男 の沢木が自分に何をしようとしているのかわからなかっ た。 沢木が雄一の身体をゆっくりと畳の上に寝転がそうと してきた。 畳の上で雄一は両手首を押さえ込まれるようにして仰 向けにされた。 沢木の上体が雄一の胸に重く乗りかかっていた。 沢木の顔が雄一の顔のすぐ真上にあった。 雄一が何か声を上げようとした時、沢木の厚い唇が雄 一の唇を強く塞ぎ込んできたのだ。 目を大きく見開いて雄一は驚愕を露わにした。 「ううっ…むむぅ」 塞がれた口から声にならない声を雄一は上げた。 重ねられた口の中で沢木の舌が、雄一の歯と歯の間を 強引に割って入り込もうとしていた。 強い力と重い体重で圧し掛かられて雄一は身動き一つ できずに、沢木のぶ厚い舌の攻撃を口の中で受け、戸惑 う舌を忽ち捉えられた。 全く予期していなかった沢木の思いがけない行動に、 十九歳の雄一はただ戸惑うばかりで抗いの素振りさえ見 せることはできなかった。 雄一の両手首を押さえていた沢木の手がいつの間にか、 雄一の背中に廻っていてきつく抱きしめられるかたちに なっていた。 沢木の舌は雄一の口の中を縦横無尽に這い回っていた。 雄一はただ足だけを小さくばたつかせるだけで、両手 は抱きすくめている沢木の固い筋肉の腕で上に上げられ たまま自由を奪われていた。 長い間、雄一は沢木の荒々しい口吻を受け続けた。 雄一のばたついていた足の動きが止んでいた。 沢木の舌が雄一の細い顎の下から首筋のあたりを這い 回っていた。 目を閉じたままの雄一の身体から力が抜けていて沢木 のなすがままにされていた。 呆然自失とした表情の雄一の目が潤んだように濡れて いる。 何が起きて自分が何をされたのかがまだよくわかって ない表情の雄一だったが、下腹部が異常になっているの だけはわかっていた。 ジャージーズボンの中で雄一のその部分は激しく勃起 していたのだ。 沢木の上体が雄一から離れた時、雄一はわけのわから ない恍惚感ようなものの入り混じった脱力感に浸されま だ動けずにいた。 沢木が立ち上がる。 畳にぐったりとしている雄一の片方の手首をわし掴み 強い力で引き起こした。 雄一は立ち上がらされ、そのまま沢木に手を引かれる ようにして、母の寝室に連れ込まれた。 六畳間の中央に布団が敷きっ放しになっていた。 その布団の上に雄一は投げ出されるようにして座らさ れた。 沢木のいかつい身体が雄一のすぐ前にあった。 沢木が掴んでいた雄一の手首を引き寄せるようにして、 自分のトランクスの股間に押しつけるようにしてきた。 半開きにしていた雄一の手に沢木の股間のものがまと もに触れていた。 大きな睾丸とそれ以上に大きく長いものがトランクス の布越しに雄一の手に触れた。 「お前は…お前自身はまだ気づいていないのかも知れ んが、男ではなく女の性分を持っているんだよ。わかる か?」 上から見下ろすようにして沢木が雄一にいった。 何をいわれているのか雄一にはよくわからなかった。 わからなかったが、沢木の手で動かされている自分の 手の中にある柔らかい感触と固いものの手応えに、不思 議な熱い興奮が身体の奥底のどこかから湧き上がってき ているのを感じていた。 男の子の自分が何故他の男のものを手に掴ませられ、 普通の不浄感とは真逆に近い昂まりの気持ちに浸ろうと してしまっているのかが雄一にはわからなかった。 「いいか、これからはお前は俺の女だ。今から一杯楽 しませてやる。これからは俺の前では女言葉を使え。い いな」 雄一の手首から沢木の手がいつの間にか離れていた。 「続けろ」 手を下ろそうとした雄一に沢木がいった。 雄一は従った。 沢木のトランクスの中の固いものはさらにその硬度を 増して、雄一の手にはまるで鋼鉄のような固さに感じら れた。 沢木がトランクスを下ろすと、そこからはこれまで見 たこともないような太さと長さを誇示した肉棒がそそり 出てきた。 沢木の片手が雄一の頭にかかる。 雄一の顔が沢木の股間の間近に引き寄せられる。 雄一の唇に沢木の固く屹立したものの先端が触れる。 自然なかたちで雄一の唇が開き沢木の太いものを口の 中に含み入れていく。 雄一自身、無論そんな行為は男女の交わりの中の一つ の行為としては知ってはいたが、男の自分がまさか男の ものを口に含み入れるというのは生まれて初めてのこと だった。 沢木の固く怒張したものは雄一の口を目一杯開けなく ては入らなかった。 それは口の中で喉の奥にすぐに当たり、雄一は思わず むせ返った。 歯に沢木の鋼鉄のような皮膚が触れた。 「噛むんじゃないぞ。そのままゆっくり動かしてろ」 沢木から忠告の声がかかる。 喉の奥に先端が触れるたびに雄一は嗚咽のような声を 洩らし続けた。 鼻水と目から涙が溢れ出ていた。 それでも雄一は口からそれを放すことなく我慢しなが ら行為を続けた。 愛される、という言葉が雄一の脳裏に自然なかたちで 浮かんでいた。 つい今しがたまでは自分の母親の恋人というだけの男 だったのが、居間での長い口吻の愛撫を受けて、まるで 全身と心までを解きほぐされたかのように、雄一は沢木 に対して何か得体の知れない愛情めいた思いを抱くよう になっていたのだ。 この人に愛されたい、と雄一は沢木の太いものを口に 含み入れた息苦しさに涙顔で堪えながら、全身と心を熱 く燃え上がらせていた。 予期すらしていなかったいきなりの異常な行為の嵐の 中に、雄一は強い男の力によって一気に引きずり込まれ たのであるが、その男に対しての憎悪感というものは不 思議に湧いてはいなくなっていたのだ。 まだ十九歳の自分ではおそらく何も知らない妖しい世 界へ、選りによって母の恋人でありしかも自分より二十 も年上の男によって、雄一は導かれようとしていた。 「ううん、一発出しておくか」 沢木が足の太腿を硬直させるようにして小さく呻くよ うな声でいった。 やがて沢木のものから勢いよく雄一の喉の奥目がけて 何かが強く放出された。 「ぐっ…ぐえっ…」 雄一はあまりの息苦しさにたまらず沢木のものを口か ら吐き出していた。 口の中に濃い液体が含まれているのがわかった。 「飲め」 という沢木の声に雄一は従って喉を鳴らすようにして 飲み入れた。 「いいぞ、雄一」 沢木に雄一という名前を呼ばれたのはその時が最初だ った。 「口でちゃんと俺のものを掃除しろ。舌を使うんだ」 沢木にそういわれ、雄一はまだ息苦しさの残る中でい われるように舌を使い、固いままの怒張を舐めつくした。 「裸になれ」 と沢木は雄一に命じて、自分は布団に仰向けになって 煙草に火をつけた。 沢木の真横で雄一はゆっくりと服を脱ぎ全裸になった。 「横に一緒に寝ろ」 といわれ雄一は沢木の横に添い寝した。 「あっ…」 雄一が小さな悲鳴を上げた。 沢木の片方の手がいきなり雄一の下腹部に伸びてきて、 いきなり大きな手で恥ずかしく屹立していたものを握り 締められたのだ。 「い、いや…」 胸の上で気恥ずかしく両腕を萎めるようにして雄一は 女のような声を出した。 自然に出た声であり仕草だった。 「おう、結構なもの持ってるじゃねぇか。女にするの はもったいないくらいだな」 沢木は雄一のものを太い指で巻き込むように握りなが ら上下に擦り続けていた。 「ああっ…だ、だめ」 雄一の手が沢木の胸を押さえ込むようにしていた。 「お前も一回出せ。今度は俺がしてやる」 そういうと沢木は煙草を消して起き上がり、大きな身 体を素早く雄一の下半身のほうに回し、間髪を入れずに 雄一の屹立を口の中に含み入れていった。 「ああっ…あっ」 雄一のものはあっけなくすぐに暴発した。 「若い奴の精子は元気でおいしいぜ」 沢木はためらうことなく雄一の精液を飲み干すと、そ のまま上に這い上がってきて唇を奪いにきた。 雄一は沢木の舌にすぐに応えた。 両腕が自然に沢木の太い首に捲きついていた。 布団の上で沢木の大きな身体が上になったり、雄一の 色白の痩身が上になったりして布団の上で、唇を重ねた ままの抱擁は長く続いた。 雄一は沢木の荒々しい愛撫を受けて、居間で最初に抱 かれ強引な口吻を受けた時と同じめくるめくような愉悦 の渦の中に引き込まれていった。 長い抱擁が終わると沢木はまた仰向けになって煙草を 口に咥え火を点けた。 煙草の煙を上に高く吐き出しながら、無口なはずの沢 木が遠い目をして喋り出した。 「雄一、俺ァな、十年くらい前に刑務所に入ってたん だよ。お前の母さんにはまだいってないがな。傷害事件 で二年服役してた。その時に男のケツの穴掘ったり掘ら れたりするの覚えた、っていうか覚えさせられたんだ。 ふふ、女は初めから好きだったけどな。その時にな、男 でそんな素養を持ってる奴が、俺には何となくわかるよ うになったんだよ。…で、最初にお前を見た時にな、俺 は見抜いたんだよ。まだ若いお前は自分のことわかって ないようだがな。これから時間はたっぷりある。…楽し もうぜ」 喋りながら沢木は雄一の頭を掴み自分の下腹部のほう へ顔を押し下げてきていた。 雄一はさしたる抵抗も見せず、自分から身体をずらせ ていき沢木の股間の漆黒から半勃起状態になっているも のに、自ら唇を近づけていき口を大きく開き含み入れて いった。 馴れぬ仕草で雄一は沢木のものに口での愛撫を開始し ていた。 やがて二人の身体が離れ、沢木が室の隅にあった赤い縄を手 に持って雄一の前にきた。 「これでお前を縛ってやる。昨夜お前のお母さんが縛 られた縄だ」 「……はい」 雄一は素直にそう応えて沢木に身を委ねた。 幾重にも胸に縄を捲かれ、後ろ手に拘束され、両足を 折り曲げたまま縄で固定され、蛙が仰向けになったよう にして雄一は布団に転がされた。 「おい、お前…もう勃ってきてるぜ」 沢木のいうとおりだった 沢木の手で裸の全身に赤い縄を捲きつけられていたあ る時から、背筋に急激に電気のようなものが走り体内の 血が逆流するような衝撃に襲われていたのだ。 雄一自身もまだ気づいていない隠れた被虐性の導火線 に、縄での拘束中のどこかで点火されたようで興奮度が 昂まったのだ。 その証しが下腹部の予期せぬ勃起となっていて、それ を沢木に見透かされた羞恥の思いが、雄一の興奮度をさ らに倍化していたのだった。 「ふふ、何とも無様な恰好だな」 雄一の痴態を上から見下ろしながら沢木がほくそ笑む。 「ああっ…は、恥ずかしい」 蚊の鳴くような声で雄一が小さく喘ぐ。 つづく
レスを見る(4)
2015/05/16 23:49:53(etxE0n.z)
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