政権交代から3年、更なる絶対政権を目指し衆参同時総選挙。
女権党の目論見どうり、国民の8割の支持を得て
悪夢の独裁政治が始まった。
「人権剥奪法案」
いわゆる、マゾ刈り法案が反対の声も虚しく可決成立。即日公布された。
「 恐れ入ります。ちょっとよろしいですか。」
祭日の麗らかな午後、買い物中に突然、声を掛けられた。
ウェーブの繋った長い髪を束ね、スーツに身を包んだ女性は、
警察庁公安部職員だと名乗った。
「 貴方に、マゾの疑いがあり。任意同行を求めます。」
連行された狭い部屋で、
「 貴方には、弁護士を呼べる権利があります。行使しますか。」
「 では、取調べは弁護士の先生にお見え戴いてからにしましょう。」
突然、身に繋る災難、これから先の運命。ただただ、恐ろしく
身を震わせるばかりであった。