人気のない薄暗い公園の茂みに、全裸の少女が横たわっている。
彼女はおそらく女子高生だろう。
茶髪にピアスをしているところからして、かなり遊んでいるほうなのかもしれないな。
しかし、あの怯え方はなかなかそそるモノがあった。
男はそんな事を考えながら、煙草をふかしていた。
さっき犯して捨てた女の財布を開く。
はいっていた6枚の千円札を乱暴に取り出してポケットにつめた。
明日はこれで生活しよう。
生きるというのは随分楽なものだと思った。
家に帰らなくなってから、もう1週間になる。
家には妻と子どもがいる。
愛妻家で子煩悩。休日は家事もするし、家族サービスだってよくした。
会社では、よく働いた。
部下に慕われ、上司に気に入られ、仕事でつまずく事はなかった。
我ながら、順風満帆。素晴らしい人生だった。
しかし、幸せというのはどうも…
他人によって安々と壊されてしまう物だ。