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未来(あした)のために
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:未来(あした)のために
投稿者: 拓哉@物書きリーマン ◆pbxjSIwens
また今日も夕飯までに帰ってこない。

主人は、出世にしか目がない男。そのためなら、何時まででも接待もするし、土日のゴルフも嫌がらない。だけど、ならばなぜ私と結婚して家のなかに閉じ込めておくの?

あまりにも自由のない寂しい結婚生活に耐えかねて聞いてみた。

「独身よりも世帯持ちのほうが給料いいからさ」

あの答えには愕然とした。だから、子供を作る気もないし、私にもあまり関心がないのね・・・。

たまに、スーツのポケットに風俗店の名刺が入ってる。性処理は金で済ます。そんな性格。つまり、私も金で買われた出世のための道具。

でも、もう今年で37。結婚したのが遅かったのもあるけど、そろそろ子供を作る体力も危なくなってきた。それに、私だって女。オナニーで慰める夜は、淋しすぎる。

そんなとき、ネットをのぞいていると、こんな広告が目に入った。

「今までの生活に満足してますか?激的な変化、探してませんか?」

内容は便利屋さんみたいなもの。離婚調停や結婚のカップリング、引っ越しや夜逃げ、浮気の調査に合コンのセッティングまで、手広く扱う、いわば人材派遣と調整が業務みたい。

「その他、個別相談承ります。(相談は無料。お気軽にメールで)」

ほんとに軽い気持ちだった。ただ、このモヤモヤとした事態を改善したくて、誰かになんとかしてほしかっただけなの・・・。

相手先のメールアドレスをいれて、日々の欝憤を書き連ねていく。

「37歳主婦、主人とのセックスレスを解消し、すぐにでも子供がほしい。仕事ばかりの主人をぎゃふんといわせたい。」

要約すれば、そんな内容だったと思う。だけど、抑えていた感情があふれてきて、ただつらつらと書きなぐっていった。

気付くと、すでにテーブルのカレーも冷えきって、時計は11時をさしていた。素早く片付けて、入浴する。風呂あがりにリビングにいくと、酒臭い主人がソファーに座っていた。

「今日もお疲れさま。ご飯、たべます?」

「いや、食べてきた。○○商事の専務と。」

香水の匂いもする。どうせ、食事だけじゃないはず。なによりも、バスタオル1枚の私を見ても、さわろうともしないなんて。

これでも、それなりに老化に対しては敏感で、体も鍛えてるんだけど・・・。もう、興味もないのね。

「先に寝ますね。」

無言の主人にそれだけいって、寝室にいった。

翌朝。すでにソファーに主人の姿はなく、慌ただしく出ていったのか、前日のスーツとかが脱ぎ散らかされていた。私は、単にあの人の世話をするだけの家政婦なのかな・・・。あの人から見ると、養ってやってるというより、契約している同居人くらいなのかな・・・。すこしいつもよりへこみ気味になって、午前中を過ごした。3LDKマンションの掃除は、毎日30分もすればおわってしまうし、洗濯だって2人分しかない。

ふと、昨日送ったメールの返信が気になった。相談というか愚痴メールというか、知り合いには言えないことをだらだらと書いただけのメールに返信は期待できなかったけど、一応確認してみた。

着信メールが1件。パソコンの画面に踊る返信内容は、それは丁寧に書いてあった。

「○○映子さま
この度は、相談メールをいただき、誠にありがとうございます。
当社は、あらゆるニーズに対応すべく、各種業務のプロが揃っております。複雑多岐に渡る難解なオペレーションも、自信をもってやらせていただきます。
まず、ご要望内容の確認をさせていただきます。
1、ご主人様の性格改善
2、貴女様のご懐妊
3、夫婦関係の改善
4、ご主人様への精神的ショック
以上4点を達成するために、我々は努力いたします。つきましては、ご了承のメール、実施可能日時をお知らせください。なお、手段はこちらで検討させていただきます。あしからず。
料金については、完全出来高制です。お客様が満足なさって、それに応じてお支払いください。不満足でしたら、1円もいただきません。」

へぇー・・・。こういうのって、法外な値段だったりするのに案外良心的ね。やるだけやらせて、満足しなかったら払わなくていいのね・・・。

それだったら、話は早いほうがいいわ。明日は金曜日。今週の土日はゴルフもないはずだし、金曜日の帰宅後に何かが起きれば、土日は二人で一緒に過ごせるかも・・・。

でもねぇ・・・。手段はまかせるって・・・。何するんだろ?ミステリアスな部分は秘密のままにして、なにかサプライズ的なことを期待しつつ、明日の夜にやってもらうようにメールした。

すぐさま新着メール。

「決行は明日夜。お楽しみに。」

え?それだけ?なんだか一抹の不安がよぎったけど、買い物を思い出してあわただしく家を出ていった。

夕方7時。
めずらしく、主人が夕飯に間に合うように帰ってきた。
さらにありえないことに
「土曜の朝から、温泉に行かないか?金曜の夕方は、早めに帰れるようにしたから。土日も何かあったら部下が対処してくれるらしいから、安心して出かけられるよ」
何が起きたんだろうか?まさか、もうあの会社が動き始めてくれたの?

二人での夕飯が、いつになくおいしく感じれた。

金曜の朝、主人が少し遅めに出勤した。今朝は朝食まで一緒。何年ぶりだろ。これが普通なんだろうけど。すごくうれしい。

温泉宿は行った先で予約するらしいけど、服とかカバンに準備して、必要なものを揃えていたら、あっという間に夕方になった。

「ただいま~」

主人が帰ってきた。ほんとに早めに帰ってきてくれた。
あの会社、なにをしたんだろ?こんなにガラッと生活がかわるなんて。これは、不満だから1円も払わない!なんていうパターンにはならないわ。むしろ、感謝の分、上増ししなきゃ。

夕飯もおわって、二人でリビングのソファーに座って温泉街のパンフレットを眺めていると、呼び鈴が鳴った。

主人が対応のため玄関に行った。

ドサッと、何かが倒れるような音がしたので、少し不安になり、

「あなた?どうしたの?だれかきたの?」

と玄関まで行くと、床に主人がうつぶせに倒れていた。

「あなたっ!」

いそいで駆け寄ると、後ろからはがいじめにされて、口にハンカチみたいなものを押しあてられた。

薄れゆく意識の中で、背後から男の声がした。

「こんばんは、○○映子さま。○○会社の者です。安心して眠ってください。」

あ、あの便利屋さんだ・・・。でも、なんで・・・。

薄目を開けた視界から、天井が見えて、3人の男の顔が見えたあたりで、意識がなくなった。
 
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2010/05/26 12:03:14(QihY6Qcw)
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