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「貴子の憧憬」
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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「今日もか・・・」
地下鉄のとある路線の同じ車両、同じ時間帯・・・ライダースの革ジャンをはおり夜だというのにサングラスの作業服姿の中年男性とスーツ姿のOL風の女性
二人は同じことを思っていた。目の前に立った貴子をちらりと一瞥すると男は身体を少し横にずらす。女性一人なら座れるスペースができる。ペコリと頭を軽く下げ男の隣に座る貴子。
帰宅時間が遅くなった時、彼女はこのオジサンが席を開けてくれる事があるため席が空いてないと、まずこの男を探すことにしていた。朝の時もあれば、帰宅がが遅い時もある。

社長秘書、聞こえはいいが実際にはかなり面倒くさい仕事だった。普段は総務や経理の上位互換とも思える業務内容だが、クライアントとの商談の調整、さらには政治家、ましてや大臣経験者とのからみがある案件がくると警備の警察関係との調整もあり業務は多忙を極める。移動時間を加味した分刻みのスケジュールや面倒くさい相手のとの失礼のない対応と準備。
その日も貴子は疲れ切っていた。そんな時に隣に座らせてくれる一見このいかついオジサンはちょっと頼れる存在になっていた。

男もまた貴子に好意を寄せていた。結婚は昔にしたこともあったが自分は結婚生活には向かないと思い知らされた時間だった。好意とは言っても自分にもし子供がいたら同じ年ぐらいか・・・と思う程度の思いだった。同じ建設業の仲間から伝わってきた案件で通常の倍以上の報酬を約束され、面倒だと知りつつ上京したのが2か月前・・・大手ゼネコンの仕事とは思えない横暴な監督、雑多な図面、設備の追加に変更 外国人労働者との軋轢などなど男は疲れ果ててた。
なれない地下鉄での移動も苦痛だった。そんな時、偶然・・・本当に偶然に男の前に立った貴子・・・席を開けると
最初はおずおずと隣に座ってきた貴子に一時の清涼感を感じていた。

降りる駅に電車が止まり席を立つ貴子後ろ姿を見送る男、そして帰宅までの長い道のりをおもいため息をついた。貴子が降りた駅から1駅過ぎたところで電車を降り引き返す。貴子が降りた駅がドラマや漫画の舞台になったこともある地名だったのを思い出したからだ。

「たまには知らん町ブラブラするものええやろ・・・」

心の中で関西弁でつぶやくと貴子の住む町に一歩を踏み出した。大道りから少し歩くと家族経営であろう居酒屋や小料理屋、焼き肉屋など小さな飲食店が軒を連ねていた。「ええやんけ・・・」自分の感覚を研ぎ澄まし一軒の小料理屋の暖簾をくぐる。小一時間後、「ありがとうございました~」女将の声と共に男が店からでてくる。満足げな表情を浮かべる「ここら辺に住むのも悪ないなぁ」ほろ酔いの上機嫌で男が歩く。
「ここどこやぁ・・・うわっ駅と反対やん・・・」携帯をみて男が悲痛な声を大げさに上げると、目に「入居者募集中」の看板が目に入る。そこは偶然貴子が住むマンションだったが、そんなことは男は知るはずもない。
「仕事先から近いし楽になる~けどなんぼやろな?」男は駅に向かって歩き出した。

一週間後、あっさり男は貴子と同じマンションに入居していた、仮の宿のウィークリーマンションを引き払いリサイクルショップで最小限の家財をそろえる。家賃はそれなりだったがひと月ウィークリーを借りるよりは安い。男の一人暮らしにはやや広すぎたが、それでも通勤時間がかなり短縮されるのとここの立地が気にいった。

そして、朝、エレベーターの中で男と貴子が遭遇するのにそう日にちはかからなかった。


「ええっ?」
「!」

思いがけない邂逅に素っ頓狂な声が思わす出てしまった。居合わせたサラリーマン風の男性と主婦がじろりと男を見る。

「すんまへん・・・」

ペコリと男が頭を下げる。貴子は無言でドアに近い位置に乗り込んだ。気まずい空気が狭い空間を支配してる気がする。
駅まで歩く道のりも後ろから視線を感じる気がする。電車に乗り込むときも貴子は隣の列にならんでした。
偶然、席に2人が座れる場所が空いていた。ドン!と大股で腰を下ろし貴子を待つ・・・だが彼女は来なかった・・・

「なんやねんな・・・もう・・・」

男は不貞腐れると、まわりに貴子がいないことをもう一度確認してから大股に開いた足を閉じた。

「クスクス・・・あのおじさん可愛い♡不貞腐れちゃってw」
{すんまへん・・・だってクスクス・・・」

隣の女性専用車両から一部始終を貴子は見ていた。両肩が震え笑いを必死でかみ殺す。

「関西人だったのね。おもしろいからからかっちゃおうw」

悪い笑みを浮かべる女とふてくされる中年男、両極端な二人を乗せた地下鉄が走り出した。


                                      続く
 
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2025/03/02 09:29:41(dGiGCKjC)
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