休日のお昼頃、有名な料亭街に赴いた僕
今までの人生では噂程度で
触れることがなかったが
何故かその日は自然と足が動いた
大きく間口を開けた玄関ではおばちゃん達が
ここのBGMと言わんばかりにしきりに話しかけてくる
「お兄ちゃんここにしなよ」
「お兄さんこの子サービスいいよ」
「さあここのお店で決まりさ!」
顎に手を当てペタン座りしてる子の下から上を確認し、首を振ってまた次の店へ向かう
コスプレ、どうせ脱ぐ…
水着、どうせ脱ぐ…
通りを二、三周してから脳内会議
よし、2つまで絞った
「また来たね、何を悩んでんの?」
「2択まで絞ったんですけどねぇ」
「じゃあこっちだね」
女の子、上○石○音に似た子が
ハグ待ちのような格好で僕を誘う
歳は20代前半だろうか
着ているのがブレザーなのもあって
更に若い印象を与える
「今日からの子でまだお客取れてないのよこの子」
通りの端、さらに折れた所の立地だからだろうか
焦りと必死さが垣間見えた
人生で、ではないものの「初めて」という
特別感にサーッと自分の胸に生暖かい風が吹く
「今日からで、僕が初めなのか」
「決まりだね。靴を脱いで2階だよ」