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1:祖母・昭子
投稿者:
雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、 畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布 地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの 空気をほんのりと包み込んできているのだ。 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか い肉が触れてきたのがわかった。 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中 に落ちていたのだ。 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ オルケットを掛けてくれていたのだ。 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき た。 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込 んじゃった」 「そんな気を使わなくていいのに」 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」 「何、いい忘れててことって?」 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、 その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て たんで母さんにもいったら、驚いてた。」 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん はほんとに瓜二つだよ」 「はいはい、もういいから早く寝なさい」 「うん、おやすみ」 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況 がすぐに僕の頭にもたがってきた。 竹野という男のことだった。 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、 年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、 相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前 に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう だ。 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは 間違いないようだ。 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生 理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤 い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。 人はさまざまなのだと僕は思う。 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人 物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には 申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ ないと恥ずかしながら思っているのだ。 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
投稿者:
雄一
翌日の朝、眠たい目を擦りながら朝食の場に出ると、もう祖母は座卓の前に
座り黙々と箸を動かせていた。 何となく奇妙な空気を僕は感じて、祖母の顔を盗み見ると、ほんとに黙々の 空気そのままだった。 昨夜の長電話のせいなのだと、僕は勝手に解釈して、素知らぬ顔をして箸を 動かせていると、祖母は目も合わせず、 「あなた、いつまでいるの?」 と、この前母親からあった電話と同じ言葉で、そっくりの声で聴いてきた。 「あ、ああ…二十九日か三十日」 そう応えると、 「そんな夏休みの間際でいいの?」 と今度は少し顔をしかめ気味にして、また問い返してきたので、 「何か、婆ちゃん、都合あるの?」 と箸を止めて祖母に目を向けた。 そういえば祖母はいつもの野良着姿ではなく、真っ白なVネックのTシャツにジ ーンズ姿だ。 「何にもないけど、ここへ来てあまり勉強なんかしてそうになかったし。この 前もお母さんから、電話でいわれてたんじゃない?」 「今時の高校は宿題なんてないんだよ」 少しむかついた顔で言葉を返すと、 「婆ちゃんはいいのよ。雄一がいたいだけいればいいのよ」 そういって、 「婆ちゃん、今日、隣村まで出かけてくるから。役場も寄らないといけないか ら、六時の最終バスくらいになるかも知れないから…お昼ご飯は用意しとくけど、 夕方お腹空いたら、ラーメンでもして」 と無表情な声で一方的に話題を変えてきた。 「ご馳走さま」 と僕も無表情な声を返して席を立った時、祖母のVネックのシャツから胸の割 れ目がはっきり見えて、僕は一瞬足を止めた。 木の小枝のように細い身体の祖母だったが、胸の隆起はそれとは不釣り合いな くらいに豊かで、肌の艶やかさも六十代とは思えないほど際立っている。 室に戻り畳に寝転がり、見るともなしにスマホを弄っていて、何げにSMと入力 して検索ボタンを押した。 これまで一度も見たことのないサイトだったが、無数のアプリが羅列されてい て、どれを覗いたらいいのかわからなかった。 SMの起源や歴史はもういい。 朝飯を食ったばかりの時間帯だというのに、今しがたの祖母の胸の、妙に艶め かしかった隆起を目にしたせいか、単純な性格の僕の目は、変にぎらつき何かも や突いたものを求めていた。 SM画像投稿というサイトが目についた。 無数の投稿画像が限りなくでてくる。 縄、鞭、仮面、蝋燭、器具etc…。 何日か前に、この目で直に生々しいSMショウを見ている僕には、それらのどれ もがSM写真の一枚というだけでしかなく、あまり興奮を呼び起こさせるものはな かった。 「雄ちゃん、いってくるわね」 玄関のほうから祖母の声が聞こえたので、僕は大きな声で返答し、畳から上半 身を起こした。 立ち上がり室を出て、つかつかと向かったのは、祖母の寝室だった。 自然に足がそこに向いていた。 女の人の化粧の匂いなのか、それとも祖母の女の身体から発酵して出ている匂 いなのかわからなかったが、さっきの幾枚ものSM写真よりは、はるかに興奮度を 高める、祖母の室の空気に、僕は軽い眩暈のようなものを感じながら、壁の隅の 箪笥の小抽斗の前に立った。 整然とまとめて置かれている、祖母のショーツの幾つかを物色する。 白に近いくらいに薄い水色の、小さな布を手にして拡げて見ると、布の中心辺 りに生地の色とは微かに違う色の、ごく薄い黄色っぽい線が見えた。 この室に入った時点からだったが、微妙に疼いていた僕の下半身がはっきりと 蠢くのがわかった。 白のショーツを手にすると、今のと同じでわからないくらいの薄黄色の線が短 くはっきりと見えた。 少しばかりの思案の後、僕は最初に見た薄水色のショーツを手に取った。 俗にいうオナネタだ。 祖母の室の匂いの艶めかしさというか、香しさが、僕の鼻孔からいつまでも消 えずにいたが、後ろ髪を引かれる思いで室を出て、自分の室に戻る前にトイレに 向かった。 浴室とトイレの前が畳二畳ほどの脱衣室があり、隅に洗濯機が置かれている。 何となく僕の目が洗濯機に向き、洗濯槽の中を覗くと、白いタオル一枚に混じ って黒の小さな布切れが見え、胸の中が急に波だった。 摘まむようにして手に取ると、それはまごうことなく祖母のショーツだった。 朝、外出する前に祖母が穿き替えていったのだ。 黒の小さな布を広げると、中心部には白と黄色の混じった線が克明に出ていた。 ずきんと音を立てて、僕の下半身が蠢いた。 早々に小便を済ませ、僕は小走るように自分の室に戻った。 自分は一体、何をやっているんだろう? そういう気持ちが少し頭を過ったが、妖しく生々しげなステッチの入った、黒 の小さなショーツの誘惑には勝てるはずもなく、忽ち雲散霧消していた。 畳にどっかりと座り込み、僕は黒の小さな布地を顔の前に翳した。 十六の僕では形容のし難い匂いが、鼻孔を擽るように漂った。 慌てた素振りで短パンとトランクスを、足首まで一気に下した。 あの日、夜の寺の建物の中で、着物姿で緊縛され、室の鴨居から無残に吊るさ れている祖母が、僕の目に浮かんでいた。 片足にも赤い縄が這わされ、鴨居から持ち上げられ、着物の裾が大きく割られ、 白い太腿の奥のほうまで露呈されている祖母の姿だった。 短パンを脱いで、それほどの時間を置くことなく、僕の下腹部は不覚にも暴発 していた。 情けなくもあまりに暴発が早すぎて、勿体ない、という念に、僕は恥ずかしな がら駆られていた。 まだ夜までは長い、と僕は妙な納得をして、取り敢えず台所の冷蔵庫のミネラ ルウォーターを目指していた。 このまま家の中に燻っているのは、身体にも悪いと思い、僕は昼食を済ませた 後、外に出た。 この村に来てからの僕は、毎日をこんな淫猥な気持ちで過ごしているわけでは 勿論ない。 第三セクター線の駅裏を流れる、幅五十メートルほどの川沿いに作られた小さ な公園というか、芝生広場の遊び場に、文庫本を片手に二日に一回の割合で来て いたのだ。 川が浅く流れも緩やかなので、村の少ない子供たちの泳ぎ場にもなっている。 芝生広場以外は何もないところだったが、小学校の頃からこの村に来ると、必 ずここにきて、夏には泳いだりしていて、何がという訳でもなく、僕にはお気に 入りの場所だったのだ。 そこへも行く気でいたのだが、例の雑貨屋の店主にも寺の件でお世話になった ので、お礼をいおうと思って店の近くまでいくと、すぐに店主のほうから声をか けてくれた。 「そうかい、調べ物はうまくいったのかい」 「ええ、お陰で助かりました」 「そういえばお盆の時、兄ちゃんとこのお婆ちゃん見たけど、浴衣姿奇麗だっ たね。とてもこんな田舎の人とは思えないくらいに色が白くってさ。そうだ、あ の三味線弾く演歌歌手に似てるんだよなあ」 「そうですか。祖母に今の誉め言葉、よくいっときます」 実際は寺の歴史調査は、資料を写真に撮っただけの怠け作業だったので、僕は 少し申し訳ない思いで、何故か川には向かわず、ミネラルウォーター二本を買っ て家に戻った。 雑貨屋の店主と話していて、ふとあの尼僧を思い出したのだ。 昨夜は長すぎる日記を読まされたせいもあってに、何となく閉口気味だったの だが、一日でもうそのことを僕の頭は忘れ去ってしまっていた。 家に戻り、最初に脱衣室に向かう。 朝、オナネタにして、また戻しておいた祖母の黒のショーツを、洗濯機から取 り出し、そそくさと室に入り、パソコンをオンにした。 目的のアプリを開け、一度大きく息を吐いて、画面に集中する。 日付の新しい日記を選んだ。 目にしたのは、今年の八月三日だ。 三日前の夜、隣の県に住む妹に久し振りに電話する。 私より三つ年下の妹は婿養子をとって、親から引き継いだ大衆食堂を営んでいて、 子供は高校生の娘一人だ。 私たちの両親は、二人とも早くに他界していて、私がこの村のお寺に嫁いでから は、人には話すことのできないある事情もあって、あまり深い交流はしていなくて、 正月の年賀状とお盆の墓参りで会う程度だった。 夫が亡くなって私が住職を代行するようになってからは、当然実家の墓参りには 行けない身になったので、電話で墓の世話の礼をいうのが慣行になっていた。 その時に、私はいわずもがなのことを、ついうっかりして妹にいってしまい、今 はひどく後悔し、途方に暮れているのだった。 寺のお守り役が、このお盆前に突然失踪してしまっているということを、うっか りと愚痴交じりに話してしまったのだ。 あくる日、私の怖れていたことが、すぐに現実の事象となった。 妹からの電話だった。 [お姉ちゃん、うちの人がね、働きにいってる工場が十日も盆休みがあるから、お 盆の間だけでも、手助けにいってやるっていってるから、そうしなさいよ] これを私は必死になって固辞したのだが、それをあまり頑強にいうと、妹にあら ぬ不信感を持たせることになるので、私は不承不承に受け入れたのだった。 妹の夫の浩二からその日の夕方に、連絡があった。 「くくっ、久しぶりだなあ」 まるで、獲物を前にしたハイエナが鳴く時の声のように、浩二の声は私には聞こ えた。 私の夫が他界した時である。 四十九日の法要が済み、三日ほどが過ぎた夜、私は妹の夫であり、義理の弟であ る浩二に襲われ犯されたのだ。 法要の行事も滞りなく済み、店がある妹は先に帰り、浩二だけがもう少し残った 片付けや雑用の手助けにと、もう一泊泊まった日の夜だった。 庫裏の横にある住家の奥の間に、夫の遺影が飾られ、祭壇に蝋燭の火が点けられ ていた。 妹たちを送り出した夕方頃から、いや、そのもう少し前くらいから、私の胸の中 に不安で不穏な気持ちが湧き出してきていた。 どこにいても、何かをしていても、誰かの不気味な視線を感じるのだった。 夕食を終え、私が喪服のまま、奥の間の夫の遺影の前に座っていた時に、私が抱 えていた不安が、現実のおぞましい事象となって現れ出たのだ。 背後の襖戸が何の予告もなく、勢いよく開けられた。 自分の肩と背筋が震えるのがわかった。 恐怖と驚きの表情で私が振り返るのと、義弟の浩二の手が喪服の両肩を掴み取っ てきたのが同時だった。 正座のかたちを私は脆くも崩され、つんのめるように畳の上に這った。 何がどうなって、自分が何されているのかもわからいまま、私の身体は畳の上に 犬のような格好で這わされていた。 喪服の裾が大きく捲られていt、白足袋の上の両足が太腿全部を晒し、着物用に 穿いた白のショーツが丸出しにされていたのだ。 どっかりとした体躯の浩二の動きは早く、そのショーツまで一気に足首から脱 がされていた。 悲鳴のような声を幾度も挙げ、全身を使い、私は激しく抵抗したつもりだったが、 足の両膝と両手を畳について下半身を、明るい照明と祭壇の蝋燭の灯りの前に、無体 に晒したことで、私の全身は屈辱の羞恥にまみれるしかなかった。 義弟の浩二のほうも知らぬ間に、下半身のものを全て脱ぎ払っていた。 女性としては背が高いほうの私だったが、私の背後で膝立ちをして、剥き出しの臀 部を太い指をした両手でわし掴まれているだけで、私は身動きが何一つできないのだ った。 「あっ、い、いやあっ…」 剥き出しにされた臀部の裂け目のところに、何か石のように固い棒状のものの先端が、 刺すように蠢いてきているのがわかって、私はまた悲鳴を挙げて、身体をどうにかして 動かそうとするのだが、そのどれもが空しい徒労に終わり、棒状の固いものは私の中に 向かって進撃してくるのだった。 本当に肉が引き裂かれ、割られるという感じだった。 そうして、義弟の浩二の固く屹立したものは、私の胎内のかなり深い部分にまで到達 してきていた。 私は涙と汗にまみれ切った顔を激しく振り続け、唇を強く槌んで、声を挙げるのを堪 えていた。 どれくらいの時間が経過したのわからなかった。 「あんた、濡れてきてるぜ」 という浩二の薄笑いの混じった声が、私の耳に聞こえた。 唇を痛くなるほど槌み締めていた歯が、知らぬ間に緩み出しているのを、私は知った。 剥き出しにされ、ずんとした感じのつらぬきを受けている辺りから、血が沸騰し、それ が速い速度で、胎内を駆け巡ろうとしている兆しを感じ、私は心の中深くで狼狽を大きく していた。 夫は長い入院生活の上での他界だった。 その間、当然に夫婦生活はあるわけではなく、男性との交接は二年近くなかったのだが、 五十五歳という年齢でも、自分が女であることを思い知らされるように、私は義弟の性の 暴挙に屈しようとしていた。 感じてはならない官能の深い喜悦が、私の身体の内外から湧き出てきているのを、断じ て拒絶できる理性の気概が、次第に薄れかけてきていることを私は知らされようとしてい た…。 続く
23/02/06 22:56
(M/VaoKzV)
投稿者:
(無名)
尼僧が堕ちていく過程を知りたいですね。期待しています。
23/02/06 23:31
(GFaMxtHR)
投稿者:
スナイパー
少年は、尼僧と祖母を犯して奴隷にして、二人と3PSMする・・・。
23/02/07 14:04
(z.GGSiBR)
投稿者:
雄一
祭壇の両側にある燭台に刺された蝋燭の火が、風のない夏の夜なのに、ゆらゆ
らと頼りなげに揺れているのが見えた。 その祭壇の奥にある夫の遺影だけが、何故か私の目に霞んで見えるのは、自分 が今置かれている、屈辱の状況のせいなのかも知れないと思った。 祭壇の前の座布団のすぐ真後ろの畳の上に、私は仰向けにされていた。 四つん這いという恥ずかしい体位で、かなりの長い時間、私は義弟の浩二から のつらぬきを受けた。 涙を流して拒絶の声を幾度挙げ続けても、浩二の背後からのつらぬきは止まる ことはなく、逆に淫虐の時間が空しく経過するにつれ、私の女の身体に思いもし ていなかった兆候が現れ出て、私から抗いや拒絶の気持ちを失せさせ、残ってい た理性まで奪われてしまったのだ。 あるところで私は声を挙げていた。 だがそれはもう、明らかに拒絶の声の響きではなかった。 無体な四つん這いにされ、間断のないつらぬきを受けていたどこかで、私の五 十五歳の女の身体は、男への屈服と迎合の表明を示していたのだった。 夫の遺影のある祭壇の前で、仰向けにされた私の喪服は、今はもう元のかたち がないくらいに乱れきっていた。 襟は大きくはだけられ、両方の乳房が剥き出され、裾のほうは帯の辺りまでた くし上げられていた。 その帯もすでに危うい状態に解けかかっている。 浩二の赤鬼のような顔が、私の露呈された乳房の膨らみを圧し潰すようにして 埋まっていた。 「あっ…ああ」 浩二の歯と舌が私の乳首を乱暴に弄ぶごとに、私の喉奥から女としての恥ずか しい喘ぎの声が、止めようとしても漏れ出るのだった。 祭壇の上の遺影のほうに顔が向くと、やはり私の目には法衣姿の夫の笑顔はぼ やけたままにしか見えなかった。 義弟の浩二のそれが癖なのか、女の身体の一か所ごとを丹念に時間をかけて責 め立ててくる執拗な性技に、愚かな私は、もうここが夫の遺影のある神聖な場所 ということも忘れ、乳房へのねっとりとした愛撫に、ただの女として反応してい くのだった。 浩二の汗の噴き出た顔が、私の顔の前にきた。 分厚い鱈子のような唇が、間髪置くことなく、私の唇を塞ぎにきた。 酒と煙草の入り混じったような、長い間嗅ぐことのなかった男の口臭が、私 の口の中に充満する。 もうそれだけで、私は淫靡な陶酔の心地に堕ちていた。 何の躊躇いもなく私の両腕が、義弟の浩二の太い首に強く巻き付いていった。 お互いがお互いを貪り合うという、そんな状景だったのだと思う。 「ああっ…いいっ…いいわっ」 夫の遺影のある祭壇を真横にして、再び浩二の獣のようなつらぬき受けた時、 私のほうも飢えた牝犬に堕ちていた。 「ああっ…ほ、ほんとにいいわっ」 「す、好きよ…こ、浩二さんっ」 「た、たまらない…ああっ」 夫の遺影の前だということも、今日の昼間の法要で、寺の墓の前に深く額づ き、両手を重ねた時のこともすべて忘れ、私はこれまで一度も出したことのな い、思いつく限りの淫猥な言葉を本能のまま、口から吐き続けたのだった。 私の絶頂の時の顔は、夫の遺影を正面に見てのことだった。 祭壇に両足を投げ出すようにして、義弟の浩二が畳に仰向けになっていた。 喪服の帯も解け全裸にされた私が、義弟の剥き出しになっている下腹部に跨 って座り臀部を深く沈めるのだ。 私の胎内深くに、義弟の固く屹立したものが突き刺さる。 突き刺された状態で、私が身体を上下させる。 目を開けるとすぐ前に、法衣姿で笑顔の夫の顔があった。 数分も経たない内に、私の背筋をつらぬき通すような快感が押し寄せてきた。 夫に見られている。 為さぬ男に恥ずかしく虐げられ、胎内深くを突き刺されている。 女として、また僧侶の妻として恥ずかしく悶え、喘いだりしてはいけない。 理性の思いが私を支え励まそうとするのだが、自分の身体が男の剥き出しの 腰の上で上下するたびに、その理性の牙城が、波を受けた砂山のように脆く崩 れ去っていくのが、自分でわかるのだった。 私の身体の中の浩二のものの、熱く石のように固い感触に衰えの気配は微塵 もない。 「あっ…あなたっ…わ、私…い、逝くわ…も、もうだめっ」 喉の奥を槌き毟りたいような、例えようのない快感が私のほうに、一気に攻 め押し寄せてきた。 「ああっ…あなた。み、見てっ、わ、私を…ああっ」 それが最後の声で、私は祭壇の前に意識わ失くすようにして突っ伏していた のだ。 私が意識を覚ましたのは、それからどれくらい経ってからなのかわからなか った。 室に敷かれた布団の上だった。 喪服の襦袢が、仰向いている私の裸の身体を包んでいた。 ふと横に目をやると、義弟の浩二の奇妙に優しげな顔と、少し毛深く厚い胸 板があった。 煙草を旨そうに吸っていた。 「あんた、相当に溜まっていたみたいだな」 私が意識を戻したのを知って、ぎょろりとした目を向けてきた。 「ふふ、やっぱり血の通った姉妹だけあって、あんたらよく似てるわ」 思い出し笑いをするように口元を緩ませて、 「俺に何回もしがみついてきたの、忘れたとはいわせねえぜ」 と義弟の浩二は勝者満々の表情でいってきていた。 飛び起きてその場から逃げ去ろうと、私が思った矢先だった。 襦袢の上を払い除けて、浩二の指の太い手が、私の乳房の右側をいきなりわし 掴んできた。 私の全身に痺れるような刺激が、電流のように走った。 顔が歪むのが自分でわかった。 夫の遺影を眼前にして、浩二の腰の上であらぬ言葉を吐き続けて、女としては したなく絶頂に達した時のことが、私の脳裏に不意に浮かんだ。 嬲られている乳房からも、何かが込み上げてきていた。 私の身体の神経の全てが、まだあの官能の痺れを含有しているのだ。 乳房への甚振りを続けたまま、浩二の角ばったいかつそうな顔が私の顔の上に 被さるように近づいてきていた。 逃げようという気持ちとは裏腹に、私は顎を少し突き上げるようにして浩二の 分厚い唇を迎えていた。 重なった口の中で、ざらりとした厚い舌に、私の舌がまるで待ち望んでいたよ うに絡む。 ねっとりとした浩二の唾液が、私の喉奥に流れ落ちた時、もう一度愛されたい、 という淫靡な願望が唐突に湧き上がり、 「……して」 という声になった。 それから朝方近くまで、私は自分の年齢も忘れ、義弟の浩二にひたすら抱かれ、 ひたすらに悶え狂ったのだった。 翌日の午前、 「十日に一回は…いや、俺がしたくなったら来る」 という言葉を残して帰って行った。 「はい…」 とだけ応えて、私は妹の夫を見送った。 尼僧の書いたまたしてもの長文に、僕は何度か折れそうになったが、どうにか 読み終えた。 無性にまた祖母の室の匂いが恋しくなり、僕は畳から立ち上がり目的の室に向 かった。 襖戸を開けると、祖母のあの小柄で華奢な身体から発酵し、長い年月の間、蓄 積された形容のし難い、柔らかな匂いは、このままいつまでもここに留まってい たい、と思わせる香しさだった。 壁に朝の食事の時に着ていた、Vネックのシャツが掛かっている。 そのシャツ下に、朝には気づかなかったのだが、小さく折り畳んだ白い紙が落 ちていたので、何気に拾って拡げてみる。 それはメモ用紙の要で、電話番号のような数字と一緒に、僕の名前の雄一とい う字が、何故か三回も殴り書きのように書かれていた。 筆跡は祖母のもののようだ。 何のことだか、意味がさっぱり分からなかった。 意味が分からない以上は考えることもできない。 さりとてこのメモを祖母の見せたら、僕が勝手にこの室に入ったことがばれる。 そのことのほうが心配なので、僕はそのメモをまた折り畳んで、祖母のVネック のシャツの胸ポケットに入れておいた。 妙なもやもや感に捉われたので、駅裏の川の芝生広場まで僕は出かけて時間を 潰した。 夕方になって、隣村に出掛けている祖母から、僕のスマホに着信があった。 「お昼、ちゃんと食べた?」 「食べたよ」 「あ、あの、婆ちゃんね。役場でとても懐かしい人に会ってね。高校時代の同 級生なの。それで話弾んじゃって、まだ話し足りないから、どうしても止まって いけっていうの」 「ああ、そう。僕なら平気だよ。ラーメンでも食べとく」 「ごめんね。…あ、ああ、それと…」 「それと何?」 「婆ちゃん、あなたに話あるの…」 「話って?」 「か、帰ってからでいいわ。明日はご馳走するから」 祖母のほうから通話を切ってきた。 何か妙に緊張したような祖母の声だったが、僕への話の内容というのが読めなか ったので、また昼間と同じようなもやもや感に、僕は捉われた…。 続く
23/02/07 15:00
(vGpRimIB)
喪服や和服の女性は、独特の色気があり、犯したい願望があります。制服やスーツ姿の女性も剥ぎ取って犯したくなるもんです。
23/02/07 18:19
(z.GGSiBR)
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