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1:祖母・昭子
投稿者:
雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、 畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布 地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの 空気をほんのりと包み込んできているのだ。 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか い肉が触れてきたのがわかった。 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中 に落ちていたのだ。 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ オルケットを掛けてくれていたのだ。 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき た。 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込 んじゃった」 「そんな気を使わなくていいのに」 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」 「何、いい忘れててことって?」 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、 その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て たんで母さんにもいったら、驚いてた。」 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん はほんとに瓜二つだよ」 「はいはい、もういいから早く寝なさい」 「うん、おやすみ」 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況 がすぐに僕の頭にもたがってきた。 竹野という男のことだった。 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、 年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、 相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前 に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう だ。 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは 間違いないようだ。 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生 理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤 い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。 人はさまざまなのだと僕は思う。 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人 物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には 申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ ないと恥ずかしながら思っているのだ。 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
投稿者:
雄一
変な時刻からのうたた寝だったので、目を覚ましてから暫くは気分がすっき
りしなかった。 室全体が暗くなっていて、横にあったノートパソコンのエンターボタンを押 すと、時刻は七時四十三分と出た。 四時間近くも寝たのか、と首を何度も振りながら、身体を起こして、暗い台 所の灯りを点ける。 虫と蛙の鳴き声を聞きながら、一人寂しく味気なく夕飯を済ませる。 食べ終わった茶碗や皿を、台所の流し台に置いて、誰が洗ってやるものか、 と一人で呟いて居間に戻る。 うたた寝する前の記憶が蘇っていて、祖母への腹立たしさで、僕は気分をか なり害していた。 居間で暫くテレビ画面に目をやっていたが、耳にも目にも何も入ってこない ので、テレビも照明も消して、自分の室に戻った。 スマホを弄り、音楽でもと思ったが、聞きたい歌が浮かばなかったので、畳 の上のパソコンに目を向けた。 ああ、そういえば、祖母と寺の尼僧とのレズシーンのところを観ていたんだ と思い出し、何げにそこのアプリを開く。 確か五月二十五日の日付で、二人が布団に入ったところで、中途半端な感じ で終わっていたような気がする。 やはりそうだったが、何とページを変えて続きがあった。 祖母への腹立ちはまだ消えてはいなかったが、これは尼僧の書いた日記だか らと自分を納得させて、僕は字数の多い画面に、僕は見るともなしに目を向け た。 …布団の中で、私の手が自然な動きで、昭子さんの浴衣の上から乳房を柔ら かく掴んだ時、彼女の切れ長の目の端が、微かに歪んだのを私の目は捉えてい た。 私はそこで悪戯心を出して、掛け布団を頭の上まで引き上げた。 急に暗くなった布団の中で、昭子さんの小柄な身体が小さく震えるのがわか った。 「ああ、ほんとにいい匂い。昭子さんの身体の匂いと、息の匂いが素敵」 私は自分の気持ちを正直にいった。 「あ、ありがとう。あ、あなたもよ…」 顔の表情が見えるか見えないくらいの暗さだったが、昭子さんは二つの手を、 寝ながら起立するように、緊張した身体に寄せていた。 「昭子さん、もう一度キスさせて」 昭子さんの緊張がまた増幅しないか心配しながら、耳元の辺りに息を吹きか けるように囁いた。 ビクンと小魚が跳ねるように、やはり昭子さんの身体は小さく震えたが、拒 絶の震えではないと私は確信した。 そう思ったのは、彼女の片手が、無意識にだろうが私の二の腕を柔らかく掴 み取ってきたからだ。 薄暗い闇の中で、私は昭子さんの両頬を両手で優しく包み込み、顔に顔を近 づけていった。 私の鼻孔に、また彼女の身体から発酵している、甘いようで甘くない香しい 匂いが強く漂ってきていた。 彼女のこの匂いというか香りが、私の欲情を高めてきている気がした。 唇が柔らかく触れた。 ふっと昭子さんが、身体と気持ちの緊張を抜くように、小さな息を吐いてき た。 温かく、心地のいい匂いの息が、私の唇と濡れた歯の表面を柔らかくくすぐ ってきた。 昭子さんの浴衣越しの胸に置くだけにしていた手を、私が少し揉むように指 を動かせると、彼女のか細い両肩がまたビクンと震えた。 構わずに私は、彼女の乳房を揉み込む手に、少し力を加えていった。 とても六十代とは思えないくらいの弾力が、彼女の乳房の膨らみから私の手 に驚きと一緒に伝わってきていた。 昭子さんの口の中に差し入れた私の舌は、すぐに彼女の小さな舌を捉えてい て、濡れた舌と舌で、お互いの気持ちを確かめ合うように愛撫し合った。 私に乳房を掴まれ、揉みしだかれていた昭子さんの片手が、唐突に私の寝巻 の襟の中に潜り込んできた。 私の片方の乳房が、他愛もなく昭子さんの小さく細い手の餌食となった。 突然だったので私のほうが、塞ぎ合った口の中で、呻くような声を漏らして いた。 変な対抗意識からでもなかったのだが、私も昭子さんの浴衣の襟から手を中 に差し入れていた。 唇がどちらからというのでもなく離れると、私も昭子さんもほとんど一緒に 大きな息を吐き合ったので、薄暗い中で顔を見合わせ、どちらからともなく小 さな笑みを見せ合った。 掛け布団を少し跳ね、スタンドの灯りの中で、お互いの上気した顔を見つめ 合う。 「お姉さん…」 と私が昭子さんに呼びかけた。 そう呼ばれた昭子さんの薄赤く上気した顔に、少し戸惑いの表情が浮かぶ。 「そう、呼んでいい?」 と甘えるような声で私がいうと、 「いいお姉さんじゃないけど…」 「私も悪い妹だから」 「あ、あなたにキスされた時…眩暈して気を失いそうだったわ」 「私、お姉さんの匂い、全部好き…」 スタンドの薄明りの中でお互いを見合わせると、二人ともに着ているものの襟 が大きくはだけ、乳房の片方が零れ出るように露出していた。 お互いの吐く息の微風が、お互いの頬や顎の付近に伝わるのがわかるくらいの 間隔だった。 私のほうから唇をもう一度寄せていき、露出した昭子さんの乳房に手を添えて いくと、彼女も少し恥じらう素振りを見せながらも、唇をそっと差し出してきて いた。 またお互いの唇が塞がり、狭い口の中で舌と舌が激しく絡み合った。 私が昭子さんの右側の乳房に手を添えた時、彼女の小さな顔が強く震えた。 閉じられた口の中で、昭子さんの短い呻き声が聞こえた。 手の指先二本で、触れた乳房の先端の突起した、桜色の乳首を柔らかく摘まみ 取ると、昭子さんの反応は一際激しくなり、小柄な全身を切なげに震わせてきた。 「お姉さん、ここがいいの?」 私の指二本の中で、見る間に固くしこり出した乳首への力を、悪戯っ子のよう に少し増してやると、昭子さんのほうから唇を振り払うように離してきて、 「ああっ…お、お願いっ…そ、そこは」 と哀願するような目で私に訴えてきた。 それからの私と昭子さんの、熟成した愉悦の中での、女同士にしかわからない、 情欲の手練手管を駆使してのせめぎ合いは、かなりの間、続いたのだと思う。 私の顔の額や首筋から汗が噴き出ていて、昭子さんの小さな顔の額や鶴のよう に細い首筋や顎の下辺りに、汗の玉が噴き出していた。 ふと自分の意識を戻すと、布団に仰向けになった全裸の身の私の身体の上に、 同じ全裸の身を跨がせてきていた。 そして私の顔の前にあるのは、昭子さん白くて丸い臀部だった。 昭子さんの顔が、私の剥き出しの股間のほうに埋まり込んでいるのだ。 「ああっ…そこっ」 声を挙げたのは私だった。 昭子さんの舌先が、私の下腹部の中心部に唐突に這わしてきたのだ。 頭の先まで突き刺されたような痺れが、私の全身を襲ってきていた。 動物の本能のような動きで、私も顔を枕から上げ、目の前の昭子さんの臀部 の裂け目に向けて、舌を押し当てていた。 上下になった二人の姿勢もあったのだろうが、昭子さんの私の下腹部への舌 の責めのほうが勝っているようで、身体の下から襲ってくる、全身が強く痺れ るような愉悦に、はしたなく喘ぎ、悶える声を漏らすのは私のほうが多いよう だった。 昭子さんの舌の動きの巧みさもあってか、私の身体の昂まりは一気に上昇し てきていた。 「ああっ…お、お姉さん、わ、私…も、もう」いたのだ 昭子さんへの愛撫も忘れ、私は枕に頭を落とし、多分、顔を淫らに歪まして、 絶頂の極みの寸前にまで達していたのだと思う。 「あ、あなた…お、お汁がすごい。お布団がびしょ濡れだわ」 昭子さんが汗にまみれた顔を私のほうに向けていってきたが、もうそんな斟 酌は出来ない状態にまで、私は身体も心も追い詰められていた。 「お、お姉さんっ、わ、私、だめっ…もう、逝っちゃう…ああっ」 私の身体のどこがどう感じるとかではなく、昭子さんの熟成した舌の動きで、 一気呵成の勢いで、熱い悪寒のような絶頂の極みに、私はそこで屈服を告げる 咆哮の声を挙げて達したのだった。 「わ、私もよ…す、すごく気持ちいい」 昭子さんからの、慰めのような声を聞いたのかどうかは、私には朧だった…。 私の不浄で濡れ汚れたシーツだけを、新しく敷き替えて、二人は一つの布団 で寝ることにした。 私のほうがそう頼んだのだ。 「…私たちって、どこか似通っているところが、どこかにあるのかしらね」 天井に顔を向けて、昭子さんが独り言のようにいった。 「そうなのかも…もう随分前だけど、お寺の本堂の前を着物姿で歩いている 昭子さんを見て、すごく奇麗な人だと思ったわ。でもそれだけじゃなくてね、 ああ、こういう人とお友達になれたらいいなって、私すぐに思ったのを、今で もはっきり覚えているわ」 「私も、あの駅前の雑貨屋さんの前で、初めてお会いした時、とてもしとや かそうで奇麗な人だと思ったわ」 「良縁も悪縁も色々あるけれど、私たちの縁ってどうなんでしょ?」 私が言葉をそう投げかけると、昭子さんは一呼吸の間を置いて、 「…同じ男に犯されて、何も反発もできないまま、いいなりになってしまっ ていることも、似通ったところなのかしら?」 と幾分、自嘲的な声で言葉を返してきた。 「お姉さん…」 声の調子を少し変えて、私は言葉を続けた。 「さっきのお姉さんの…舌の動きってすごく素敵だった。前に女の人との経 験ってしてる?」 妹ぶった声で私が尋ねると、 「…あ、あぁ…も、もう随分昔の時に、ね」 と二呼吸ほどの間を置いて、少し言いにくそうに返してきた。 「聞かせて」 「も、もう、ほんとに何十年も前のことよ。あまりよく憶えてないわ」 「覚えているところだけ、私知りたい」 妹が姉にせがむ声で、私は先を促した。 「高校の時だったかしら?女子高校でね。国語の先生で、年齢は…三十五、六 歳くらいで独身の奇麗な女の先生だったの。…着ている服とかのセンスもよくて、 私の憧れの先生だったわ。高二の時だったかな。歴史小説で面白い本買ったから、 家に来ないって突然誘われてね。私、女の子のくせに歴史物が好きだったの。山 岡荘八の何かだったけど、題名は忘れてる。…でね、先生の住むアパートに行っ たの。…そこで」 「何かゾクゾクする」 「食事もご馳走になって、その本を見せてもらっていたら、私の傍にいた先生 にいきなり胸を触られて…びっくりしたんだけどね。先生は手を休めることなく、 私にのしかかってきて、あっという間に、私、裸にされてしまって…」 「驚くわよねえ。学校の先生に何て」 「私、声も出せなくて…た、ただね、先生にね、み、右側のおっぱいを触られ た時、ね。私、自分でもびっくりするくらいの声をね、挙げてしまっていたの。 それも悲鳴とかの声じゃなく…」 「あ、そうだわ。私もさっきそれに気づいた」 「そ、その頃から…いえ、もっと早い頃から、私のおっぱいおかしくなってて、 すごく敏感になってしまっているの。…で、先生のほうもそれに気づいたらしく、 そこばかりを集中的に責めてきて…私、先生のいいなりになってしまったの」 「昭子さん、小さい頃に何かあったのね?」 私は優しく勘繰るような目をして、昭子さんの顔の表情を窺ったが、そのこと の追及は、そこでは敢えてしなかった。 「そ、その先生とは、それから半年くらいかしら、月に二、三回くらいの割合 でつづいたんだけど、先生が転勤になってからは、自然に消滅してしまったわ」 「そうか、昭子さんも大変な体験してきているんだ。その先生に半年間仕込ま れているから、手や舌の動きも上手かったのね」 「そんなでも…」 室のスタンドの灯りを消したのは、午前零時を四十分ほど過ぎた刻限だった…。 することも考えることもなかったので、僕はどうにか最後まで読み終えたが、 女性同士の絡み合い、というか、所謂、レズの世界の奥行や深さは、弱冠十六の 少年には、まだ未開の区域なので、それほどの感銘は受けなかったが、一つ僕が 気づいたのは、祖母と尼僧の仲が、これだけの深さにまできていて、あのお盆の 墓参りの時、僕の目の前で二人は顔を合わせているのに、そんな素振りの欠片も 見せず、通り一編の挨拶でやり過ごしていることに、僕はまたまた、大人ってわ からん、の気持ちになるのだった。 激動の、そして激情の僕の夏休みも後数日で終わる。 明後日ぐらいには僕はこの村を出なければならない。 とてもそんな短期間で、祖母と古村の妖しげな関係の全容が、判明するとは思 えない。 しかし、竹野という男のことは兎も角として、祖母も古村も、そして僕も、こ の日本の中のどこかに必ずいる。 悪く見ても、この村周辺の二百キロメートルには絶対にいるのだ。 九月のカレンダーを見たら、秋分の日を挟んで三連休があった。 日曜日もフル活用して、うやむやな実態をはっきりさせる。 僕はひたすら前向きに考えるのだが、心の中でもう一人の僕がいて、婆ちゃん にヤキモチか?とそいつが憐れむような顔で、耳元に囁いてくる。 それがどうした?と僕は胸を反らして言い返した…。 続く (筆者後記) つい最近に気づいたのですが、この独りよがりだらけの拙文を、思いも寄らないくらいに 沢山の人が読んでいてくださることを知り、ただただ驚いています。 添削もほとんどなしでの投稿ですので、読みにくい箇所も多々あろうかと思いますが、何 卒のご容赦をお願いします。 皆様からのご意見やご感想も、つたない筆者の何よりの支えであり、また皆様よりのご提 案も、書く上での大きな参考になりますので、これからもよろしくお願いします。
23/02/23 16:35
(5/fp1D.C)
投稿者:
スナイパー
三連休の間に、少年は、尼僧に竹野や祖母との関係を村中にばらすと脅迫して、緊縛して犯して竹野と別れさせ、古村を呼び出して古村の家や職場を聞き出して、古村も脅迫して祖母と別れさせる。
23/02/24 02:23
(l8ibzv.g)
投稿者:
虎
雄一様 プロトで結末まで見えていると想います ライトなフランス書院だと小生は想います
細かい肉付けは大変と存じますが長編を期待して待ち遠しい限りです 心から随筆をお待ち申し上げ致します
23/02/24 06:12
(1tMIbS4I)
投稿者:
雄一
祖母が帰ってきたらどんな顔して迎えてやろうかとか、どんな言葉で罵ってや
ろうかとか、ジリジリ、ウジウジ、ヤキモキとかの、色々なネガティブ思考を、 あまり賢くない頭の中で錯綜させながら、それでも知らぬ間に寝てしまい、翌日、 目が覚めたのは九時過ぎだった。 家の中に物音は何もない。 祖母がまだ帰ってきていない、という雰囲気のようだ。 何やってんだよ、あの婆ぁ、と独り言で毒づいて、台所の流し台の前で、洗面 と歯磨きを済ませる。 流し台での洗面や歯磨きは、行儀悪いと祖母に怒られる所業だったが、今怒り たいのはこっちだと、また独り言ちに悪態をついて、冷蔵庫を開けるとミネラル ウォーターが入っていなかった。 ジリジリ、ウジウジ、ヤキモキの昨日の気持ちが、まだ身体に残っているよう で、あまり食欲もなかったので、眠気覚ましに散歩がてら、雑貨屋まで下りてい こうと思い、起きたままの短パン、Tシャツで外に出た。 八月下旬の太陽は、まだ暑かった。 「やぁ、兄ちゃん、おはよう。今日は早いね。いつもの水かい?」 雑貨屋の店主は気さくな声掛けで、明るい笑顔を見せてくれたのだが、 「ところで、婆ちゃん、身体どっか悪いのかい?」 と急に、少し真顔になっていってきた。 「え…?」 当然のように僕が聞き返すと、 「いやね、昨日、定期の健康診断で、隣村の病院に行ってた時に、玄関を急ぎ 足で出ていく婆ちゃん見たもんだから。こっちも仲間数人いて離れたところだっ たんで、声が掛けられなかったんだけど、薬袋二つくらい持って急ぎ足のようだ ったんで…兄ちゃん知らないんなら人違いかな?」 まるで予期していなかった情報だったので、僕のほうが大いに戸惑ったのだが、 こちらから詳しく問い返すのも変な感じだったので、 「ああ、い、いつも飲んでる薬、貰いにいったのかな?」 とごまかし返事をして、僕はミネラルウォーター日本を抱えて、家への細い坂 道を登った。 小柄で華奢な体型の祖母だが、これまでに病気のびの字も聞いたことがなく、 六十代という年齢をまるで感じさせないくらいに、普段の動作もキビキビしてい て、外見も化粧とかに頼らなくても若々しく見える。 仮に、僕にもいえないような持病を抱えているとしても、孫の僕にこそこそと する必要は、普通はないはずだった。 僕の母親からも、これまでに祖母の病気の話は一度も聞いたことがない。 祖母への疑惑は高まるばかりだったが、僕に打つ手は何一つない。 もう祖母への、直接質問するしかないと思った。 驚きは続くものなのか、僕が家の玄関の前まで来ると、庭先の屋根から長く出 た庇の下に、身を潜めるようにして立ち竦んでいる女の人がいた。 外見で高明寺の尼僧の人だとすぐにわかった。 またしても予期していなかった驚きで、唖然と立ち尽くす僕の顔を見て、尼僧 は嬉しそうな顔で微笑んできた。 「おはようございます」 僕の顔を見て、安心したような声でそういって、尼僧は僕のすぐ前に寄ってきた。 女性にしては長身の身を、薄い肌色袖頭巾と白の法衣の上に薄紫の羽織りで包ん で、ほとんど素顔に近い色白の顔に、屈託のない笑みを浮かべている尼僧の全身か ら、祖母の匂いとはまた少し違う感じの、女性的ないい匂いが僕の鼻先を強烈にく すぐってきた。 「あ、あの…」 上擦った声しか出なかった僕に、 「ごめんなさいね、驚かせちゃって。お婆ちゃんはもう畑?」 とさりげない口調できいてきた。 「あ、い、いえ、き、昨日から泊りで隣村に出掛けてて、ま、まだ帰って内意で す」 「あらそうなの?じゃ、昨日は一人でお留守番だったんだ」 少し子供扱いされている感じだった。 「でも、今日はお婆ちゃんじゃなく、あなたに用があってお邪魔したの」 尼僧はそういって、片手に抱え持っていた、四角い風呂敷包みを、僕の前に徐に 差し出してきた。 「僕に…?」 尼僧は小さな頷きの表情を見せながら、 「この前、あなたが高明寺の、昔の平家にまつわる歴史を調べたいとかで、お寺 に来てくれたでしょ?」 「え、ええ…」 見せてもらった古文書や巻物のほとんどを、まだスマホに撮り残したままなのを、 僕は少し恥じながら生返事で応えた。 「あの後ね、本堂の奥の棚を整理してたら、亡くなった主人が、生前に独自で調 べていた書き物が出てきたの。この前お見せした古文書や巻物を、わかりやすい口 語体に描き直してるもののようだったので、あなたにどうかしらって思って持って 来たんだけど…」 「ああ、それは助かります。でもいいんですか?」 「どこまで正しく直せているのか、私にはよくわからないんだけど」 「今日中にコピーして、明日お返しに上がります」 庭先での立ち話だったが、家の中へ入ってもらって、湯茶の接待でもと少し考え たが、そんな気配りは十六の僕にはない才覚だったので、その場でのそのままの別 れになった。 昨日の冷蔵庫の前でのはしたなく淫靡な妄想や、何よりも尼僧が連綿と書き綴っ た、日記の中味の事象が断片的に、僕の頭の中を駆け巡ってきて、玄関を入るなり すぐに、買ってきたばかりのペットボトルの蓋を開け、喉に勢いよく流し込んだ。 そういえば、さっき庭先で尼僧と話をしている時、自分のスマホが短くなったよ うな気がしたので、画面を開くと、メールが一通届いていた。 祖母からだった。 少し忌々しい気分で覗き見ると、 (夕方四時くらいに帰ります。お夕飯はお詫びも含めて、すき焼き) とあっさりとした文面だった。 人の気も知らないで、と僕はまた忌々しさを募らせた。 朝昼兼用でトースト二枚を焼いて、牛乳で流し込むようにして食べ終わった時、 玄関でまた人の声がした。 何て日だ、と漫才師の誰かを真似て小声で呟きながら応対に出ると、この家か ら歩いて一番近いところにある家の叔母さんだった。 「雄ちゃん、これ」 といって、野菜が幾つも入った紙袋を差し出してきた。 僕もよく知っている叔母さんで、野良着姿でいるところしか見たことのない、 明るくてよく喋る人だ。 礼をいって受け取ると、祖母と同じ年代くらいの叔母さんは遠慮も何もなし に、玄関口に少し太り気味の身体をどっかりと座り込ませてきた。 「雄ちゃん、もう夏休みも終わりだから帰るんでしょ?婆ちゃんもまた寂し くなるね」 と叔母さんは勝手に喋り出した。 「ああ、そうそう。二ヶ月くらい前にね、私んちにあんたのお婆ちゃんの家 を尋ねてきた人がいてね」 「はあ…」 「東京の広告会社だかの人だといってたけど、六十代で奇麗な人がいるって 聞いてきたとかいってたけど、婆ちゃん、何かいってなかった?」 興味津々な顔で叔母さんが聞いてきた。 「いや、僕は何も聞いてませんけど…」 上り口に座った叔母さんの前の、土間に立って応対していた僕の目が、一瞬、 あるところに集中した。 立っている僕から座っている叔母さんの、はだけ気味の野良着の奥までがは っきり見えたのだ。 祖母とはほとんど真逆の、土色に近い肌をした叔母さんの乳房の、豊満な膨 らみが間近に見下ろせ、僕は少したじろぐように目を瞬かせた。 乳房と乳房の深い割れ目に、大粒の汗の玉が浮き出ているのまでしっかり見 えた。 丸い顔の中の眉も目も鼻も、全部が比例するように丸く仕上がっているような 愛嬌のある顔立ちの叔母さんだったが、汗に濡れた乳房を見て、若過ぎて見境も 分別もない僕の下半身が、微かに微妙な動きを見せた。 見た目で色気も素っ気もない、どこにでもいる、こんな叔母さんでも、妙に女 っぽく、艶めかしく見えるアングルってあるんだな、僕は変なところで感心し、 叔母さんに丁重に帰って頂いた。 居間の座卓の前に座りながら、午前中にあの尼僧がわざわざ届けてくれた、寺 の歴史を綴ったという文献書が入っている、風呂敷包みを恭しく開けてみた。 かなり色褪せた古文書らしきものが二冊と、大学ノートが三冊入っていた。 大学ノートをぺらぺらと捲って見ると、紫色の万年筆で上手な文字が、行を埋 め尽くすほど書かれていた。 書くことが好きな人じゃないと、ここまでは書けないという感じで、正直いっ て辟易な気分になったが、明日また寺を訪問して、あの尼僧に会えることを思っ たら、ありがたい品物と思わなければいけなかった。 祖母が疲れたような顔をして、家に帰ってきたのは夕方の四時過ぎだった。 居間の座卓の前の座椅子に、僕はどっかりと背をもたげ、尤もらしく、尼僧に 借りた大学ノートに目を向けている時だった。 「ただいま…」 玄関の上り口で力のない声でそういって、僕のいる居間よりも先に、自分の寝 室に入っていった。 白のブラウスから、明るいピンクのポロシャツに着替えて、祖母が少し重たげ な足取りで居間に入ってきて、 「雄ちゃん、ごめんなさいね」 改まったように畳に手をついて謝ってきたので、僕も慌てて座椅子の背もたれ 上体を起こし、 「な、何だよ、婆ちゃん、急にそんな」 と詰まったような声を返した。 「長い間、あなたをほったらかしにしてたから…」 「長い間って、たったの一日だけじゃん。大袈裟な」 「でも、あなた、もう帰ってしまうでしょ?」 顔を上げて僕を見る祖母の小さな顔には、疲労の色がありありだった。 化粧も薄くなっていて、口紅に色はほとんどない。 「疲れた顔してるよ、婆ちゃん」 正直に僕はいった。 「ううん、大丈夫よ。もう間もなく雄ちゃんの顔見れなくなるから、今夜はご馳 走するね」 「ああ、わかった。ほんとは腹ペコなんだ」 「あなたの顔見たら、何だか元気が出てきたわ」 「栄養剤かよ、僕は」 「あら、そうかもね。…もう一心同体だものね」 唐突に意味深なことをいって、祖母はそのまま台所に立っていった。 すき焼きの肉は、自分の家でも食べたことのないような柔らかさだった。 「こんな柔らかい上等の肉、この村で売ってんの?」 「駅前の雑貨屋の大将ににね、前から頼んであったの。孫が来てるので上等の肉 を仕入れておいてって。そしたら一昨日やっと。間に合ってよかったわ。たくさん 食べてね」 嬉しそうに話す祖母を見て、昨日の隣村の駅前での衝撃の出来事は、あれはもし かして自分の妄想の中の出来事ではなかったのか?と、僕は一瞬思った。 そうであってほしいという僕の願望もあった。 十六歳のまだ食べ盛りの少年は、胸の中が苦しく切なくても、好物の肉の虜にな ってしまい、暫く動けないほどの満腹感に浸り込んでしまっていた。 座椅子に重くなった身体を沈ませていた僕に、 「お風呂湧いたわよ」 と祖母が台所から声をかけてきた。 カラスの行水の僕だったが、浴槽にはいつもより長い時間入っていた。 若い少年の思案六法が続いたのだ。 祖母にあの駅前で、僕が目撃した事象をどうやって切り出すか? ブルータス、それが問題だ、などと冗談をいっている場合ではないのだ。 結局、長く入った浴槽では名案が浮かばず、サジを投げて僕は風呂から出た。 バスタオルで頭を拭きながら、居間の座椅子に座り込んだ僕は、続いて今夜のこと を考えた。 頭のどこかに、祖母は今夜も僕を室に呼んでくれる、という微かな甘えた考えがあ った。 だが今夜の祖母は相当に疲れているようだ。 ゆっくりと寝かせてあげたい、と孫の僕は思った。 明日が多分、最後の夜になるけど、明日でもいいか、とまた優しい僕が思っていた ら、 「雄ちゃん…」 と僕の背中から呼ぶ声がした。 振り返ると浴衣姿の祖母が、僕の真後ろに立っていた。 小さなタオルで髪の毛を、両手で揉むように拭きながら、 「今夜も一緒に寝る…?」 とさりげない声でいってきた。 「…でも、婆ちゃん、疲れてるんじゃ…」 胸の中の興奮を抑えて、僕も静かな口調で返した。 「いいのよ、気を使わなくて」 「…………」 「雄ちゃんと寝たいの」 僕の胸の中の興奮はさらに増幅していた。 「…あなたも昨日は電車で、とんぼ返りしたりして、大変だったでしょ?」 口をポカンと開けたまま、僕は氷人間みたいにその場で固まってしまっていた…。 続く
23/02/24 17:36
(kSbwIb8Z)
投稿者:
(無名)
たまらないです!!
独りよがりな文てはなく、最高の作品です。 いつも続きを楽しみにしております!! 私の48才の妾は、昭子さんのような感じなので(155cm38kg色白、紺野美沙子さん似)、60才を超えたら、同じような感じになるのか、別の楽しみが先にみえ、今から楽しみになってきました。
23/02/24 20:54
(bppTgn6/)
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