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1:追憶:百穴温泉
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
『百穴温泉春奈』
かつて埼玉県比企郡に実在した温泉兼宿泊施設である。 埼玉県唯一の混浴温泉であり、怪しい”ハプニング”の噂が飛び交う 知る人ぞ知るB級スポットであった。 これは魔性の温泉に魅せられた私の追憶である。 今から10年以上前の夏、とある火曜日の午前11時。 私は3か月ぶりの有給を使って、埼玉県比企郡に足を運んだ。 観光か?と聞かれればYESである。 しかし、どこへ??と聞かれれば答えに窮する。 私が足を踏み入れようとしているのは、田舎の射撃場でもなければ、 古墳時代の遺跡でもない。 口にするには後ろめたい、埼玉県のダークサイドだからである。 目的地に到着し、車を停めると宿に入った。 目に映るのは見慣れた光景だ。 古びた木製のフロントと薄汚れた水槽。 天井は黄色のような灰色のような形容しがたい色にくすみ、どことなくカビ臭い。 ただ見慣れぬ点もある。フロントに老婆がいるのだ。 いつもであれば、それなりの声量で「すみません」と声を出さなければならないのだが、今日は珍しくフロントに佇んでいる。 「先客がいる」 私はそう確信すると、すぐさま料金の支払いと貴重品の預け入れを済ませ、 浴室に続く廊下を歩きだした。 苔色のセンターラインと、 グレーのサイドラインのカーペットらしきものから成る廊下が、ミシミシと音を立てる。 そのたびに私の期待も高まっていく。 気づけば色落ちの激しい「ゆ」と書かれた男湯の暖簾も通り過ぎ、 脱衣所まで辿り着いていた。 胸の高鳴りは最高潮。 私は衣服を脱ぎ捨て、意気揚々と大浴場に続くドアに手をかけた。
2021/05/01 23:00:16(ayurxQpT)
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
随分前に書いたものを時間が出来たので、修正・加筆したものです。
前回書いたものとジャンルは異なっていますが、これは前回間違えて人妻の方へUPしてしまったからです。 最後まで楽しんでいただければ幸いです。
21/05/01 23:06
(ayurxQpT)
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
私は只々呆然とした。
ドアを開ければ、目くるめく世界が広がっていると信じていた。 しかし、ジャングルを意識したであろう大浴場には、"宴"の気配など微塵もない。 メインの岩風呂に佇む中年のハゲオヤジが、こちらを一瞥するだけだった。 虚無の極みに達した私はトボトボと大浴場内を歩き、シャワーを浴び始めた。 くすんだ鏡に自分の顔が写る。 諦めを捨てきれない釣り目が何とも間抜けだ。 (まぁ、平日だしな。気長に行こう) そう思った矢先、何かが動く音がした。 まさかと思い、大浴場と女性用脱衣所をつなげるドアの方向を見ると、 そこには女が立っていた。しかも若い女だ。 通常、百穴温泉に来る人間はこのサイトを嗜むような(嫌味ではない) 中年のカップルがほとんだ。しかし、この女はたった一人で現れた。 身長はあって150cm代後半、細すぎず、太すぎずの健康的な体形で、 着飾っていない分、バスタオル越しでも豊かな胸が目立つ。 おそらく女湯でシャワーを浴びてきたのだろう。 白い肌は水を弾き、濡れたストレートミディアムの黒髪が良く映えている。 ピンと伸びた背筋は、女の育ちの良さが垣間見えると同時に、 女に霧を晴らすような清廉さを与えている。 一方で顔立ちは、艶やかさと幼さが両立した絶妙な顔立ちで、 親しみやすい小さな口と鼻に対し、大きい二重の垂れ目が妙に色っぽい。 表情を見るに、女はどうにも緊張しているようで、 入り口で我々に小さく会釈をすると、静かに岩湯に浸かった。
21/05/01 23:08
(ayurxQpT)
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
さて、こちらとしては出来る限り自然に女に近づきたいものである。
いつもであれば、挨拶でもして身の上話をすればいいだけの話なのだが、相手はおそらく20代。 倍も年が違えば、もはや別の生き物だ。 果たして共通の話題はあるのだろうか。ちっともわからない。 こういう時は「他力本願」に限る。 私は先に岩湯に浸かっている常連の男に視線をやった。 しゃべり好き故にワニたちの切り込み隊長役を担っているこの男なら、何かやってくれるに違いない。 期待を込めて視線を送っていると、常連の男と目が合った。 すると、常連の男はまかせろと言わんばかりに立ち上がり、行動を起こした。 「こんにちは、ここは初めてかい??」 常連の男はニコニコ話しかけながら女の方へ近づいていく。 その姿は好々爺そのもので、とても"ワニ"と蔑まれる人種には見えない。 常連の男に対し、女は短く「はい」と返事をした。 女の表情はさっきよりも緩んでいる。 話しかけられて却って安心したようだ。 常連の男は立ちながら話を続ける。 「そうかい、しかし何でわざわざこんな所へ?」 「大学の課題の関係で吉見百穴へ行って、そのあと気晴らしに射撃場で遊んだんです。」 「そこで係員の人に近くに温泉があると聞いて。」 「勉強熱心だねぇ。けど、温泉なら四季(とき)の湯があったろう?」 「ええ。実はホテルヘリテイジには宿泊しているんです」 「ただ混浴はここだけですし、せっかくの一人旅ですから旅先を満喫したくて」 「そうかい!おじさんは地元の人間だから、いい事が聞けて嬉しい限りだよ」 そう言いながら常連の男は立ち話を止め、 「どっこいしょ」と言いながら女の左隣に浸かった。 常連の男はさらに話を続ける。 「大学って言ってたけど歳はいくつだい?」 「二十歳です」 女は笑顔で答えた。 「二十歳で女一人旅!感心だねぇ」 「いえいえ、おじさんはおいくつですか?」 「ん?おじさんかい?18だよ」 常連の男の冗談に女は小さく噴き出した。 「絶対嘘ですよね?」 「あー、バレちゃったか。おじさんは52歳だよ。」 そう言いながら常連の男は右手を額に当て、天を仰いだ。 「52歳ですか?もっと若く見えますよ!」女は言った。 全くそうは見えない。むしろ教科書通りの50代だ。 しかし、常連の男はもうデレデレだ。 「そうかいそうかい!いやぁ、おじさん幸せだよ。」 「あ、そうだ幸せはお裾分けしないと。そこのシャワーにいるアンタ、こっちに来なよ!」 「え、あ、では、ご厚意に甘えさせていただいて・・・」 余りに自然な流れで、一瞬言葉が出なかった。 こうまで自然だと、女の囲めという常連の男の本来の意図は全く気付かれないだろう。 「お隣失礼するね」 私はそういうと女の右隣に浸かった。 「どうぞ」と女も笑顔で返事をする。 女の顔を間近で見ると口元にはホクロがあり、それがこちらの劣情をより駆り立ててくる。 私は心と身体の暴れ馬を落ち着かせながら、女に話しかけた。 「気を悪くしたらごめんね。少し話を聞いていたんだけど大学生なんだって?」 「はい、2年生です」 相変わらず女はニコニコ笑いながら答える。愛想のいい女だ。 「どこの大学に通ってるの?」 「えぇと・・・・・・」 「高田馬場らへんにあるところですかね」 女はやや言葉を濁らせた。 高田馬場にある大学。となるとあそこか。まぁ、一つしか知らないのだが。 「もしかして早稲田かな?俺は早稲田だったんだよ」 もちろん嘘だ。早稲田はおろか大学すら出ていない。 ただ、この嘘は効果的だったようで、女の目の色が明らかに変わった。 異国で同胞でも見つけたかのように、女の目はキラキラし始めた。 「私も早稲田なんです。まさか考古学コースじゃないですよね?」 女はやや興奮気味に訪ねてきた。 余り大学の話はしたくない。ウソがバレる。話題を変えよう。 「残念、俺は経営だよ。出身はどこ?」 「なーんだ。出身は東京ですよ。世田谷の方ですね。」 「へぇ、俺も世田谷なんだ。こんなところで同郷の人間に会えるとは思わなかったよ」 これは本当だ。女に対し、親しみが湧いてきた。 女も同郷の人間がいる安心感からか緊張が解けたようで、 この後も会話も盛り上がった。会話の中で、女は見た目に反してノリが良く、 愛嬌のあるいい女であるということも分かった。
21/05/01 23:10
(ayurxQpT)
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
ただ、今一歩踏み込んだ会話が出来ない。
そろそろ自然な流れで下世話な話に持ち込みたい。 どうやら常連の男も同じだったらしく、先に口火を切った。 「そういえば彼女はいるのかい?」 「彼女?いるわけないじゃないですか」 女は肩を揺らしながら答えた。 「あっはっは、そうだよね。じゃあ、彼氏は?」 「んー、一応」 意味深長な反応だ。 おそらく話を聞いてほしいのだろう。私も会話に入ることにした。 「一応って?ケンカでもしてるの?」 「いえ。ただなんていうか・・・、凪の中にいるというか、 これからもずっと一緒なのかな?それでいいのかな?とかたくさん疑問が湧いてきていて」 女は口をとがらせながら首を傾けた。 これは交際期間にもよるな。果てしていかほどか。 「いつから付き合い始めたの?」 「高3の春からです。」 「なるほど。楽しい時期が終わって、周りの事や彼との将来の事が見えてきたってわけだ。」 「そう!まさにそれなんです!」 女はその通りという感じで人差し指を立てながら大きく頷いた。 微笑ましい悩みだ。 常連の男も私と同じ感想を抱いていたようで、「なーんだ」という口から洩れた。 常連の男が話し出す。 「お嬢ちゃん、結論から行くとお嬢ちゃんたちはきっと上手くいくよ」 「連れ合いってのは何もないくらいが丁度いいもんさ」 バツイチの私もこれには全く同意した。 「俺もそう思う。それに悩めるってことは、君にとって大切な存在なんだよ、違うかな?」 「まぁ・・・、はい」 女は恥ずかしそうに口元を抑えながら返事をした。 女の初々しい反応につい嗜虐心が疼き始める。 「まぁ、はい、ってつまりどういうこと?具体的に言って欲しいな」 「その・・・、好き・・・です」 しどろもどりになりながら、女は答えた。 100点満点の反応だ。興奮せずにはいられない。 もっと揶揄ってみるか。 「君、結構Mでしょ?」 「違いますよ!」 女は恥ずかしがりながら、私の肩を軽くたたいてきた。 ボディタッチ。これはチャンスだ。 私は「ほんとに?」と言いながら彼女の横腹を人差し指でつつく。 「ちょっとやめてください、くすぐったいですよ!」 そう言うと、女はクスクス笑いながら湯水を掬ってかけてきた。 こちらも両手でぬるま湯を掬ってやり返す。 想定外の量が彼女にかかってしまったが、女に気にする様子は見られない。 いい流れに常連の男も乗ってきた。 「ところでMのお嬢ちゃんは彼氏に黙って一人旅なんて大丈夫なのかい?」 「だからMじゃないですって!彼からは了解を得ています。ちょっと、おじさんもつつかないでください!もう!」 どうやら、常連の男からのボディタッチにも拒絶の反応はないようだ。 もう少し攻めてみるか。 「けど、彼は穏やかじゃないと思うなぁ。そういえば男の裸は気にならないの?」 「見慣れてるんじゃない?」 常連の男が即座に合の手を入れた。 「確かに見慣れてはいますよ?男兄弟ですから」 何故か自慢気な顔で女は答えた。 「じゃあ、脱ぐか」 そう言うと私は下半身を覆っていたタオルを外して、湯船の外に置いた。 一瞬、女の視線が私の股間にいった。 だが、すぐに目を逸らして常連の男の方を向いた。 すると、常連の男はわざわざ立ち上がってタオルを外した。 これには女も呆れて「もう!」と言いながら両手で顔を覆った。 ただ、女から立ち去る気配は感じない。 「お嬢ちゃんも脱いじゃおうよ」 常連の男が言う。 「ダーメーでーす」 女が答えた。 「じゃあ、ジャンケン!」 常連の男が提案した。 「脱げとは言わないから、先の短いおじさんにご慈悲を!」 「ダメです」 「そこを何とか!」 常連の男は手を合わせ、小さく頭を下げた。 中年オヤジの、おそらくは本気の懇願。 女は驚き・困惑・可笑しさ・迷いの入り混じった複雑な表情を見せた。 そして、やや間を開けた後、苦笑しながら言った。 「仕方ないなー、いいですよ」
21/05/01 23:12
(ayurxQpT)
投稿者:
私
◆gWtMdiZ7bM
ジャンケンのルールは単純なものだ。
計10回、私と常連の男で交互に5回ずつジャンケンをし勝った方のリクエストを行うだけ。 女の方からは、念押しで脱ぐのは絶対NGと伝えられた。 ただ、女の念押しは私達にとってむしろ好都合で、 了承する代わりにリクエストを必ず行う約束を取り付けることができた。 ちなみに、記念すべき1度目のジャンケンは私がすることになった。 ゲームの流れを作る先頭打者。 ここは確実に勝っておきたい。 「じゃあ、始めよう。」 「はい」 女は緊張した面持ちでこちらの方を向いた。 私も軽く深呼吸すると、おなじみの口上を述べる。 「最初はグー」 共に拳を突き出す。 私はこの時点で勝利を確信した。 女の手にはかなり力が入っている。 何を出してくるのか、答えは明白だ。 「じゃんけん、ポイ!」 私はパー、女はグーだった。 女は言葉にならない声を出しながら、悔しがっている。 さぁ、リクエストは何にしよう。 いきなり無理難題を押し付け、女が懸命に断る様子を見るのも一興だ。 ただ、この女はいちいちリアクションがいい。 じわじわ嬲った方が楽しめそうだ、軽めのリクエストでいこう。 「じゃあ経験人数を教えて」 「経験人数はー・・・、1人です」 女は両手で恥じらいの笑みを隠しながら答えた。 「本当は違うんじゃないの?」 常連の男が茶々を入れる。 「違くないです。浮気とかは絶対しないです」 女はややふくれっ面になりながら答えた。 「そうかい、ごめんねぇ。じゃあ、2回目を始めようか」 常連の男はそう言うとすぐに口上を唱えた。 「最初はぐー、ジャンケン、ポイ!」 常連の男はチョキ、女はグーだ。 「あー、負けちゃった~、ごめんよ」 常連の男からは悔しさが滲み出ている。 「いえいえ、次勝ちますから。罰ゲームは何にするの?」 男に答えつつ、女に話を振った。 「んー、あんまし罰ゲームを考えるの得意じゃないんですよね」 そう言いつつも、女はニヤニヤと楽しそうな表情を浮かべている。 「うーん、じゃあ私が小学生の時一番嫌だった尻文字にしましょう」 「お尻でエロって書いてください」 「それならお安い御用!」 女のリクエストを聞くや否やと、ずんぐりむっくりした男はすぐに立ち上がり、私達の目の前で尻文字を始めた。 中年の男の尻が、ノリノリで舞っている。 想像以上に見るに堪えない光景だ、かなりキツイ。 これが私だったらと思うとぞっとする。
21/05/01 23:13
(ayurxQpT)
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