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1:小さな手
雨音は優しすぎてベッドの軋みに掻き消された。ただでさえ纏わり付くような湿気で寝苦しい夜、久美子は目を覚ましても地震とは思わない。夜な夜な久美子が眠ったのを見計らうかのように、二段ベッドの上で兄、琢郎が何かをしている。始まったのは彼女が小五になったばかりの頃で、もう一年が経とうとしていた。低い呻き声に最初は恐怖すら覚えたが、だからといってうるさいと文句を言えば怖いくらいに怒り出す。仕方なく久美子は、訳も解らぬまま布団を被って我慢する日々が続いていた。
兄妹がまだ小学校に上がる前に離婚した母は、昼となく夜となく働き詰め、生活保護を受けながらも母子三人の団地暮らし。琢郎は幼少の頃より妹の面倒をよく見るような優しい兄だった。しかし彼が中学に上がった頃から、反抗期なのか急に乱暴な言葉遣いになり、妹をパシリに使うなどもするようになっていた。 この日、久美子は意を決し、この真夜中の行為について問い正してみる事にした。 「兄ちゃんさ、いつも何してんの?」 物音と揺れが止まった。訪れた静寂の底から微かに聞こえて来るのは雨音、かと思えば、いつしかシャワーの水音へと変わっていた。二段ベッドの上段で電気スタンドが灯されているため、部屋の天井が間接照明のように照らされている。久美子が下段から仰向けのまま上を見ていると、やがて兄が無言のまま下を覗き込んできた。 「何でもねぇよ。オメェにゃまだ分かんねぇし。んな事より、さっさと寝ろ」 その顔は暗くて久美子からはよく見えなかったが、気まずさを誤魔化そうと険しくも複雑な表情をしていた。午前零時。仕事から帰りシャワーを浴び終えた母は襖の向こう。水音が止まったかと思えば、居間からドライヤーの音が聞こえ始めていた。 「今日学校でさ、リエちゃんに聞いたんだけど、男子って寝るまえにオナニーっていうのしてんでしょ?」 顔が潜るぐらいまで布団を被り、目から上だけを出して問い掛けた。ドライヤーの合間に観ていないであろうテレビの音が聞こえ始める。 「なんだよ知ってたんか。理絵ちゃんて、雅也んとこの妹だろ? 雅也も色んな事知ってんけど、妹もマセてんだな」 久美子はそれなりに知識も付け始め、すでに性に対する興味も大きかった。筋肉が付き始め少年から大人の身体へと成長してゆく兄を見ながら、初潮を迎えたばかりの久美子もまた自分の体の変化に気づきながら。 「やっぱそうなんだ。オナニーって、そんなにしょっちゅうするくらい、キモチいいの?」 「そのうちオメェにも分かるようになんよ」 しかし琢郎にとって久美子は、いつまで経っても世話の焼ける子供でしかなかった。 「おちんちん、じぶんの手でゴシゴシするのってほんと?」 「……ああ」 この時間になると母が襖を開ける事はない。歯を磨いた後におやすみの挨拶をし久美子は十一時に、琢郎は零時までに寝る決まりとなっていた。 「ねぇ兄ちゃん、どんなふうにしてんのかさ、いっかいだけ見してよ」 「バカ野郎、他人に見せるようなモンじゃねぇよ」 携帯型ゲーム機で多少夜更かししても、寝坊さえしなければ母は何も言わない。それでも二人は襖の向こうに気付かれまいと、声を潜めて会話した。 「いいじゃん、べつに兄妹なんだしー。それにあたし、いっつもギシギシうるさくって起こされんだからね」 「知るかよ、んなこと」 「ケチー」 琢郎はもう寝ると言わんばかりに電気スタンドを消す。部屋は照明の豆球だけとなり、薄暗いオレンジ。暫くして、ベッドの上段から兄の掠れるような声が。 「久美子。ちょっと上まで上がって来いよ」 見せてくれる気になったのか、と思うと同時に、起きて二段ベッドを昇るのも面倒くさいという気持ちにもなる。 「早くしろよ」 苛立ちを隠せない声。言い出したのは自分だしと、仕方なく起き上がり久美子は梯子を昇った。そして上段にある兄の寝床をそっと覗き込む。するとそこには下半身裸のまま布団の上であぐらをかく兄の姿が。 「オメェちょっとよ、チンチンこすれよ。一度他人の手でしてみたかったんだよな」 「えっ、だって、オシッコ出るとこでしょ、バッチくない?」 「シッ! バカ、声でけぇよ。さっきシャワー浴びたばっかだからキレイだよ」 「あたし、見るだけでいいよぉ」 「るっせぇな、つべこべ言ってねぇで、さっさと上がって来い」 そう言うと琢郎は仰向けに寝転り、奥にずれて場所を作った。仕方なく久美子は兄の寝床に上がり込む。 「ほんとに、しなきゃダメ?」 「なんだよ、俺の言うこと聞けねぇってのかよ」 天井を見つめながら言う高圧的な口調は照れ隠しに他ならない。彼の脇にちょこんと正座した久美子の前には、まだ皮も剥けきってない兄のペニスがぐにゃりとうなだれていた。 「兄ちゃんのおちんちん、こうやってじっくり見るの初めてかも……」 一緒にお風呂に入っていたのは去年まで。改めて観察するようにそれを見つめるも、部屋が暗くてよく見えないため顔を近づける。 「バカ野郎、見てねぇでサッサとやれっつってんだろ」 さすがに恥ずかしいのか、琢郎はもじもじとしながら股間をまじまじと見詰める妹から顔を背けた。恐る恐る伸びて来た小さな手がその芋虫のような物体に触れれば、ピクリと腰が引ける。 「うぁ」 暗く静かな部屋で息を殺すも、琢郎の吐息が大きく感じる。久美子が摘まみ、圧し、弄る内にむくむくとそれは膨らみ、そして固くなってゆく。久美子にとってそれは衝撃的だった。 「これが……ボッキ?」 「オメェそんな言葉まで知ってんのかよ」 「クラスの女子はみんなそんぐらい知ってるよ。これがあそこに入ってエッチするって事も。リエちゃんなんかもうエッチしたことあるって言ってたし」 「マ、マジかよ、早えーな。雅也のヤツ知ってんのかな」 「分かんないけど、リエちゃんのお兄さんがエッチのやり方とか、色々教えてくれるんだって」 「教えるったって、アイツ童貞だぞ」 「兄ちゃんはドーテーなの?」 「うるせえよ」 琢郎は去年初めて彼女が出来たが、ひと月もしない内に別れてしまった。彼の通う中学でも経験のある男子は、まるでヒーローのように扱われていた。 「こんなに固くなっちゃうんだ。ねぇねぇ、じぶんで触るよりキモチいいの?」 「全然ちげーな。マジやべぇよ」 「どうやってすればいいの?」 ぎこちない手つきで兄のペニスを握る久美子。琢郎はその小さな手を自らの右手で包み込み、ゆっくりと動かし始めた。余った皮が先端に集まり皺を寄せ、僅かに亀頭の先端が顔を覗かせる繰り返し。久美子は兄の手に促されるまま。 「もっと、強く握れよ」 「うん……」 その時ふと、襖の向こうでドライヤーの音が止まった。同時に兄妹ともに動きを止めて息を殺す。お互いの鼓動が信じられないくらいに早くなっていたのは、親に気付かれないかというスリルだけでは無かった。興味本位でやってみたものの、今まで経験した事のない興奮が二人を包む。 「だいじょーぶだよ兄ちゃん、お母さん化粧水つけてるみたいだから」 耳を澄ませばテレビの音声に隠れてペチペチという音。緊張のためか、久美子の手に必要以上の力が入った。 「やべ、出ちまっ……んっ!」 「きゃっ」 びくり、と、体を仰け反らせる琢郎。その先端から勢い良く飛び出した精液が、低い天井に向けて打ち上げられる。ほとばしる白濁と共に体をビクつかせ、虚ろな目は恍惚。久美子はどくどくと流れゆく感触を握った手の内に感じながら、いつも高圧的で逆らう事を許さない兄が、手の中に収まる小動物になってしまったような感覚に捕らわれる。その時久美子は、なんだかいけない事をしてしまったような、そんな気分になった。 「ほんとにオシッコじゃなくて、ベトベトすんの、でてくるんだ……」 兄の裸けた腹部や股間に降り注いだ精液を触りながら言った。琢郎は無言のまま枕元に置かれていたティッシュでそれを綺麗に拭う。久美子はしかし、それが不思議と汚いものには思えなかった。 理絵は去年久美子が小五に上がった時、同じクラスに転校して来て以来の友達であった。普段から大人しい久美子がイジメに遭いそうになった時には守ってくれたり、逆に理絵が宿題を忘れた時には見せてあげたりもしていた。グループを作って買い物したり遊んだりもしていたが、二人は特に仲が良かった。 「リエちゃん前にさ、エッチしたことあるって言ってたじゃん」 「あ、うん、一回だけだけどね」 夏休みに入ってすぐ、久美子は一緒に宿題をするため理絵の自宅を訪れていた。彼女の家は久美子の住む団地の近くにあるマンションなのだが、遊びに行くのはこの日が初めてであった。 「いまでもその相手のひとと付き合ってんの?」 「ううん、付き合ってないよ」 早めに宿題を片付けて、残りの夏休みを遊びまくろう。そんな計画だったが宿題は一向に進まず、早くも計画は暗礁に乗り上げそうになっていた。 「やっぱ、いたかった?」 「んー、なんかよくわかんない内に終わっちゃったってカンジかなー」 あの日以来、久美子はたびたび兄の自慰行為を手伝わされるようになっていた。その事を理絵に話そうか話すまいか、いまだ心を決めかねている。手が疲れるしあまりしたくなかったが、下手に逆らったらキレかねない兄の性格をよく知っていたし、あの晩黙って眠っていればとつくづく後悔もする。 「でもやっぱリエちゃんオトナだなぁ。あたしなんてまだそういうケーケン、まったくないもん……」 その時である。家の鍵を開ける音とともに玄関が開き、天然パーマのかかった髪を茶色く染めた男が入ってきた。 「ただいまー。いやー、あちーなぁ」 理絵の兄、雅也は久美子の兄、琢郎の同級生でもあった。ショートパンツにランニングシャツ姿で、汗を拭きながら居間のテーブルを覗き込む。 「おー、琢郎んとこの久美子ちゃんじゃない」 「あ、おじゃましてます」 最近ジョギングを始めたという雅也は、いきなり汗でぐしょぐしょとなったシャツを脱ぎ始めた。 「お、宿題してんのか。お前ら真面目だなー」 「お兄ちゃん、あっちいっててよ。宿題のジャマ!」 「なんだよ帰るなり冷てーなー。邪魔されたくなかったら自分の部屋でやれよなー」 「クミちゃん、いこ」 理絵は宿題のテキストを閉じて、久美子を自分の部屋へと招いた。 「クミちゃん、ウチの兄貴と会ったことあるの?」 「うん、たまにウチの兄ちゃんのとこに遊びにきてるから」 「そっか、兄貴たち、いつもいっしょに遊んでるみたいだもんね」 理絵の部屋はピンクを基調とした女の子らしい部屋だった。自分だけの空間がある理絵の事を久美子は羨ましく思う。 「リエちゃん、お兄さんとケンカかなんかしてんの?」 「ううん、ぜんぜん。いつもこんな調子だよ。ていうか、ウチの兄貴ちょっとウザくてさー。クミちゃんちのお兄さんは、どんな人なの?」 「うん、さいきんコトバも乱暴だし、ちょっと怖いんだ。むかしは優しかったんだけど」 「あ、でも、ウチの兄貴もさいきんなんか学校で問題おこしたみたいよ。ヤンキーみたいになんなきゃいいんだけどね」 床には久美子が見た事のないようなファッション系の雑誌が乱雑に転がっている。自分もこういうの読んでオシャレな洋服とか買ったりしないと。そう彼女は思った。 「ところでクミちゃんさー、ひとつお願い事かあるんだけど」 「なに?」 「あの、イヤだったら別にいいんだけどさ……」 言いづらそうな理絵。普段なら図々しいくらい何でも言って来るのにと久美子は思う。 「遠慮しないで、なんでもいってよ」 「こんどさ、アタシちょっとしたアルバイトするんだけど、付き合ってもらえたらなぁって思って」 「え? アルバイトって、どんな?」 「いや、クミちゃんはなんにもしなくていいの。ただ、アタシと一緒にいてくれるだけで」 「どういうこと?」 「その、モデルみたいなバイトでね、SNSで知り合った人から写真とらせてくれって頼まれてんだけど、ひとりで行くの怖いからさ。もちろんギャラは山分けってカンジで」 「えー、あやしくない? ヌードとか要求されんじゃないの?」 「んー、じつは、下着までならってオッケーしちゃったー」 「マ、マジで!?」 「おねがい! クミちゃんには指一本ふれさせないからっ!」 理絵の話によると男は誓約書と称する紙を一筆書くという。その内容は次の通り。撮った画像はあくまで個人で楽しむ物であり、決してネット上にアップロードしない事。モデル本人以外の人物に見せる事をしない事。ただし芸術的価値があると判断した場合公開する事もあるが肖像権は被写体に帰属し、必ず承諾を得なければならない事。後は本人と直接会って信用できる相手かを判断しなければならない。 危ない事してるな、と、久美子は思った。別にお金なんてどうでも良かった。他ならぬ理絵の頼みだからと思い久美子は付き合う事にした。
2021/02/09 07:24:56(yfGernhw)
投稿者:
うなぎだ
◆OIVbvWW3pE
「素晴らしいね」
「二人とも、とっても綺麗だったよ」 二人は立ち膝の姿勢を保てなくなり、ぐったりとシーツの上に倒れ込む。山下は抱き合う姿勢で縛られたまま横たわる二人の片膝に縄を巻き付け、その縄を天井に取り付けられたらフックに通した。今の今まで誰も気付かずにいたが、天井には丈夫そうなフックがいくつも付けられていた。つまりこの部屋は最初からSM仕様に手を加えられていたのだ。 二人の愛液を染み込ませた瘤付きの縄を外して、フックに通した縄を引くと、同時に久美子の左膝と理絵の右膝が引き上げられる。 「あぁぁー、いゃぁぁー……」 理絵の声はかすれていた。足を広げられながらもしかし、二人は抵抗する力も気力もすでに失っていたのだ。赤くなった二人の割れ目が、男たちの目に晒される。 「こんなにしちゃって、二人ともスケベな女だね」 膝を吊り上げる縄を部屋の隅に縛り付けて固定した山下は隣の部屋に行き、戻って来た彼の手には大型のハンドマッサージャー。コンセントに繋ぎスイッチを入れるその目はサディスティックな色を湛えていた。 「や、山下さん、なにそれ……」 「これかい? ただのマッサージ機だよ」 ブブブブブ、と、鈍い振動音が二人の開かれたままの股間に近づく。やがて……。 「うああぁぁぁぁぁーっ!」 「ひいぃぃぃぃーっ!」 振動音はびちびちという飛沫を立てる音へと変わる。白いヘッドの部分は密着した二人の割れ目に押し当てられて押し広げ、ふたつのクリトリスを探り当てた。 「だめだめだめだめだめぇぇぇぇーっ!」 「いくいくいくいくいっちゃうぅぅぅぅーっ!」 自由を奪われ限られた中でも、水揚げされた魚のように跳ね回る二人の体。それでもハンドマッサージャーは容赦なしに押し付けられて、二人の粘膜までも震わす。そこから噴き出す透明の液体は理絵のものか久美子のものか、もはや定かではない。 「こわ、こわれ、こわれちゃうぅぅーっ!」 「また、またいっちゃ、いっちゃうよぉぉーっ!」 初めて体験する止まらない絶頂に、半狂乱に叫び続ける二人の少女。 「よし、この辺にして、縄を解くか」 縄はあまり長時間縛ったままだと血流に影響するので、程よいところで解かねばならない。山下が縄を解くと、二人はまだ朦朧としたまま。山下の手や互いの体が微かに触れただけで跳ねるように痙攣。 「さて、皆さん。この美しくも官能的な被写体で、素晴らしい写真は撮れましたか?」 「凄かったね」 「いや本当、勃っちゃって撮影どころじゃなかったよ、ハハハ」 「久美子ちゃん、理絵ちゃん、超キレイだったよ」 「まったくだね。ビデオカメラで動画撮りたかったなぁ」 「今回はあくまで写真のモデルって事で二人にお願いしたからね。ビデオとなるとまた別にお願いしなきゃいけないから。ま、とりあえず、今回の撮影会はこの辺でお開きって事で。お疲れ様でした」 縄を解いてもシーツの上で二人は力無く抱き合っていた。山下はしゃがみ込み、二人の耳許で囁く。 「久美子ちゃんと理絵ちゃんもお疲れ様。でも、二人とも……まだ体の疼きが全然収まらないでしょ」 二人は小犬のように潤んだ瞳で、山下を見つめた。 「山下さん、あたし……おかしくなっちゃった」 「いいんだよ久美子ちゃん。それでいいんだ。大人はみんな、エッチな体をしてるんだよ。だから、おかしくなんかないって」 「アタシ、こんなに気持ちよかったの、はじめて」 「そうでしょ理絵ちゃん。でもね、そんなふうに気持ち良がってこそ、本当の美しさを引き出せるんだよ」 山下は両手でそれぞれの頭を撫でてあげる。その優しい手つきに二人は肩をすくめ、目を細めた。 夏休みはまだ半分も過ぎていない。撮影会は結局いやらしい事をする会で終わってしまったようにも思える。しかし久美子はあの時の快感を忘れられなかった。そしてあの日以来、自分一人で気持ちよくなる事も覚えた。 夜、兄は二段ベッドの上で寝息を立てている。学校は休みだから夜更かししても大丈夫。 「んっ……」 久美子は理絵と一緒に縛られた事、何人もの男たちに注目され写真を撮られる中で何度も何度もイカされた事などを思い出していた。思い出すと下半身が疼き下着が汚れてしまう。だから彼女は、布団の中でパンツを脱いだ。 「はぁ……」 大事なところを触ってみれば濡れている。久美子はそんな自分をいやらしいと思う。 「また、されたいな……」 パジャマのボタンを外し、左手で自分の胸を触ってみても、他人に触られた時ほど気持ちよくない。右手でクリトリスの辺りを弄ってみても、縄で擦られた時ほど気持ちよくない。なんだか切ない。 「んんっ」 布団を被れば遠くに聞こえる虫の声の代わりに自分の荒い息遣い。体が火照って蒸し暑さに汗が滲む。 「あっ……んっ」 自分で乳首を摘まんでみたり、クリトリスをこすってみたり、久美子は色々と試してみる。 その時であった。 「おい」 上から降ってきた声で背筋に冷たいものが走る。久美子は布団からゆっくりと目だけを出した。すると、二段ベッドの上から覗き込む兄、琢郎の顔。 「何やってんだオメェ」 その顔は微かにニヤけているように見えたのは、久美子の気のせいだったかも知れない。 「な、なんもしてないよ、兄ちゃん」 「嘘つけ、なんかごそごそやってたじゃんかよ」 二段ベッドの梯子を降りて机の電気スタンドを点ける琢郎。緊張が走る。布団を強く握りしめて頭から被る。 「こ、こないで……」 そんな願いも虚しく、琢郎は妹の布団を掴んだ。抵抗するも力一杯剥ぎ取られ、一気に布団を捲られてしまう。 「きゃっ」 そこには膝を曲げて屈む、胎児のようなポーズの久美子。顔を真っ赤にしたままパジャマの前を裸け、パジャマの下とパンツはベッドの足元の隅で小さく丸まっていた。 「オメェ、オナニーしてたろ」 卑下する笑顔を浮かべた兄を、久美子は涙目で睨みつける。 「いいぜ、続けろよ」 ベッドの脇で膝立ちになり、半裸で震える妹を覗き込む。 「あっち行って!」 「静かにしろよ。今、母ちゃんが起きて入って来たらどうすんだオメェ」 思わず両手で口を押さえた久美子。そんな彼女の下半身に兄の手が伸びた。 「自分でここ、いじってたんだろ。ガキのクセにどんだけスケベなんだよオメェは」 身を乗り出して両膝を掴み、力一杯足を広げさせる。久美子は左手で口をふさぎながら右手で股間を隠し、激しく首を横に振った。 「この前、雅也たちの前でもやってたもんな。あん時覚えてハマっちまったんだろ?」 琢郎の右手が股間を隠す久美子の右手に重ねられ、上下に動かされる。途端、久美子の体は跳ねるように仰け反った。 「んんんっ!」 その妹の敏感な反応を見て、琢郎は新しい玩具でも見付けたかのように目を輝かせた。 「へへへ、いつも手伝ってもらってんからな」 左手の指先でその小さな乳首を弾けば、それだけでぷくりと膨らんだ。久美子は体を震わせながら、必死で声を我慢する。 「自分で足開けよ」 首を横に振る。 「言う事聞けよ。さもねぇと、オメェが小六のクセに夜中オナニーしてるスケベ女だって、言いふらしちまうぞ」 いくら拒否しても、この兄は聞かない。それは久美子が一番よく知っていた。膝の力が抜ける。 「そうそう、オメェは素直に俺の言う通りにすりゃぁいいんだよ」 琢郎は立ち上がると、机の上の電気スタンドを久美子の枕元へと持って来た。彼女は眩しさに目を細める。 「足開いたら、ちょっと両手で膝を抱えてみ。あそこがちゃんと大人になってんか、じっくり見てやんからよ」 「恥ずかしいよ」 「オメェさんざん俺のチンコ見てんじゃねぇか。だから俺にも見させろよ。そうだ、枕、腰の下に敷けよ」 どうやら飽きるまで続きそうだと感じ、理不尽な話だと思いつつも諦めて言う通りにする。恥ずかしいとは言え赤の他人に見られる訳ではない。相手は去年まで一緒にお風呂に入っていた兄なのだ。オナニーして感じているところを見られるよりはマシだと彼女は思った。 「ねぇ兄ちゃん、もういいでしょ?」 大事なところが上を向き、肛門までもが丸見えとなってしまった。琢郎は電気スタンドを手にして顔を近づけ、そのふたつの穴をじっくりと観察する。 「中、どうなってんだ? ちょっと自分で広げろよ」 「うぅー」 久美子は尻の外側から手を回し、割れ目を左右に広げた。膣がぱっくりと口を開け、湿ったピンク色の粘膜までもが電気スタンドに照らし出される。 「処女幕って、どれなんだ?」 「わかんないよー」 「ちょっと、指、入れて見てもいいか?」 「それは嫌……」 「いいじゃんか。ちょっとだけだから」 琢郎の指がその濡れた粘膜に触れる。するとビクリ、と、震え。 「あっ」 中指がゆっくりとねじ込まれてゆく。 「やっ、に、兄ちゃん、だめっ」 「なんかザラザラしてんな」 指は根本まで入ってしまった。関節を曲げてみれば、ぽこぽこと音がする。 「兄ちゃん、ちょっと……いたい」 「ああ、すまん。クリトリスって、これかな」 ぬるり、と、抜かれた指で、今度は割れ目から顔を覗かせる突起へ。 「んんっ、そこっ、だめっ」 触れられただけで腰が跳ね上がる。久美子は唇を噛み締めて声を我慢する。 「面白れぇ、ケツの穴がヒクヒクいってるぜ」 それは琢郎にとってある意味実験に近かった。裏動画とも違う、初めて生で見る局部。その細部に、好奇心が駆り立てられる。 「だめっ、そこ、そんなこすっちゃ……んんっ」 久美子は思わず左手で口を押さえた。 「そーかぁ、ここ、こうしてやればいいんだな」 「んんーっ、んーっ!」 右手で兄の手首を掴んでも力が入らない。琢郎は身を乗り出し、久美子の下半身に覆い被さるように押さえ付けながら、ひたすらクリトリスをこすり続ける。こんこんと湧き上がる泉のように、後から後から溢れてくる愛液。 「んーっ!」 感じているところを兄に見られ、いいように玩具にされている自分。それなのに、身体を支配する快感に抗う事が出来ない。枕に乗せた腰をガクガクと動かしながら、更なる快楽に溺れたいと願ってしまう、もう一人のいやらしい自分。 「だめっ、いっ……ちゃっ……んっ!」 琢郎の手を股に挟んだまま腰をくの字に曲げる。蠢き続ける兄の指。痙攣する久美子。膣から噴き出す愛液。 「イッたのか?」 潤んだ瞳で兄のニヤけた顔を睨み付ける久美子。 「ひどいよ、兄ちゃん……」 「ハハ、いつも俺ばっか出させてもらってんからよ、たまには気持ちいい思いさせてやったんだぞ」 「いいよ。こーいうの、じぶんでするから」 「遠慮すんなよ。他人の手の方が気持ちいいだろ?」 「そー言うもんだいじゃないよ」 兄のオナニーを手伝うだけでなく、逆に手伝ってもらう事までも受け入れてしまったら、大人になってもそんないやらしい兄妹関係が続いてしまうような気がして、久美子は怖くなった。 家に居ると兄の玩具にされてしまう。そう思って久美子はなるべく理絵の家に入り浸り、一緒に勉強したり買い物に行ったりしていた。しかし理絵の家で遊ぶとなると、たいてい理絵の兄か母親、どちらかが在宅しているため、エッチな遊びなどは全く出来なかった。二人は二人だけの空間を求めた。だれにも邪魔されずに、好きなだけ気持ちいい事が出来るような、秘密の世界が欲しかった。 「リエちゃん、こういうの、レズビアンって言わない?」 路線バスの最後部からひとつ手前の座席。乗客は二人の他、前から三列目に中年男性が一人。 「どうかなー、べつにアタシたち男がキライってわけでもないからねー。でも、やってることはレズかも」 お尻を前に出して浅く座れば、運転席のルームミラーからも死角となる。そんな誰にも見られない所でキスをする二人。 「でもリエちゃん、クラスの中でこんなことしてる人って、いないよね」 「わかんないよー。世の中ひろいから」 お互い短パンのボタンを外してファスナーを下ろし、下着の上から触りっこする。 「クラスでさ、もうエッチしたことあるのって、リエちゃん以外だれかいるかな」 「あぁ、ヨーコなんかは付き合ってる大学生と、しちゃったらしいよ」 「マジで? あのおとなしいヨーコが?」 「おとなしいって、クミちゃんのほうがよっぽどおとなしいじゃん。なのに、こんなに濡らしちゃってさー」 「あっ」 理絵は下着の中に手を差し入れ、汗ばんだ久美子の股間を直接触った。二人にとって、山下が経験させてくれた様々な事が、密かな優越感にもなっており、そしてその経験は二人の遊びをエスカレートさせていった。
21/02/09 07:34
(yfGernhw)
投稿者:
うなぎだ
◆OIVbvWW3pE
夕暮れの中、バスを降りて着いたのは理絵が住むマンションの近くの大きな公園。川沿いにあるその公園は寂れていて、遊ぶ子供の姿も無い。ただの広場があるくらいでたいした遊具もなく、利用する人といえば犬の散歩をする人がたまに通り掛かるぐらいだった。そんな公園の一番奥にある公衆便所。
「ここだったら人こなくない?」 理絵は久美子の手を引いて、薄暗い女子トイレに連れ込んだ。 「こんなとこで、なにすんの?」 「へへー、クミちゃんを脱がしちゃうの」 洗面台の鏡の前、背中から抱き付く理絵。 「リエちゃん、なんか痴漢みたい」 「へっへっへー、おとなしくしなー」 二人の笑い声が女子トイレに反響する。理絵は久美子のTシャツを捲り上げた。 「でもリエちゃん、誰がきたらヤバいよ」 「ドキドキする?」 鏡の前でブラの上から胸を触りながら言った。スリルを楽しんでいる。 「はずかしいよリエちゃん、こんなとこで」 「山下さんから聞いたけど、こういうのシュウチプレイって言うんだよ」 背後から廻る理絵の手が、久美子の短パンのボタンを外しファスナーを下ろす。その姿が目の前の大きな鏡に写し出されて、顔を赤らめる久美子。 「やめてよー、リエちゃん」 彼女はその鏡の中でパンツに手を差し入れようとしている理絵に言った。しかし鏡越しに絡ませるその久美子の視線は本気で嫌がっていない。 「こっちむいて、クミちゃん」 久美子が首を捻ると理絵の唇。彼女は自分のそれと重ね合わせた。交換される吐息を通して、互いの興奮が伝わる。 「んー」 「クミちゃん、おヘソまる出しー」 捲り上げられたTシャツは胸の上でくるくると纏められ、パンツは足の付け根へとずり下げられ、その未成熟で少年のような肢体が公共の場に晒された。その肌は僅かに届く残照に照らされているためか、はたまた火照っているせいなのか、うっすら赤く色づいている。 「は、はずかしいよー、リエちゃん」 両脇の下から生えた手が久美子の乳首をもてあそぶ。だらりと腕を垂らしてされるがままの久美子は息を荒くし、虚ろな瞳でそんな自分の姿を見つめる。 「こんなところ人に見られたらどーする?」 耳許で囁く理絵はサディスティックの虜。恥ずかしい事をされながらも濡れてしまう久美子。その時、夕闇にすっかり暗くなってしまった女子トイレは、センサーが働き蛍光灯が灯った。 「きゃっ」 光に包まれる白い肌。理絵の右手は胸から下半身へ。ねじり込むように下着の中へ。 「クミちゃん、なんか湿っぽいよ? ほんとエッチなんだからー」 久美子の息遣いと濡れた音がやけに大きく反響する。 「えっ!」 その時である。ふと女子トイレの外を見た久美子の目に、黒い人影が映った。心臓が止まる思いで声も出ず、焦って下着と短パンを上げる。その様子に理絵も気づき、二人は急いで個室へと避難した。 「い、今、誰かいたよね」 小声で言う久美子の顔は青ざめている。 「アタシよく見えなかったけど、ぜんぜん気づかなかったよ。見られたの?」 「わかんない。どっちむいてたか見えなかったし」 次の瞬間、二人は息を呑んだ。タイル床でサンダルを引きずるような足音。それが確実に近づいて来るのだ。二人が逃げ込んだのは一番奥の個室。やがて扉の下の隙間に見える白いタイルに、影が差した。久美子と理絵は口に手を当て息を殺す。強く抱き合い、見合わせる互いの目は涙ぐんでいた。 コンコン。 ノックの音。背筋に冷たい物を感じながら、理絵は震える手で同じように二回ノックを返す。 コンコンコン。 再びノック。扉の向こうの気配は動かず。しかし足元の隙間の影が色濃く、一層暗くなった。そして微かな鼻息が聞こえて来る。覗き込んでいるんだ。そう二人は思った。 「出ておいでぇ」 「ひっ!」 戦慄が走った。変にくぐもっていたが、それは明らかに男の声。しかし、今にも泣き出しそうな久美子に対して、理絵は冷静だった。この公園はマンションからも近い。理絵は兄の雅也にSOSのメールを送った。直接電話を掛けようとも思ったが、変に逆上とかされても怖い。彼女は兄に送信したメールの画面を久美子に見せた。 「あ、メールだ」 「へ?」 それは聞き覚えのある声。 「なになに、今痴漢に襲われそうになの。河原の公園のトイレ。助けて……か。ハハハ、おにーちゃんだよぉー、でーておーいでぇー」 理絵は鍵を開け、個室の扉を勢い良く開け放った。そこにはスマホを手にした雅也が。 「バ、バカ兄貴ー! なんで……うっ、うわあぁぁぁん!」 緊張の糸が切れた途端、泣き出した理絵と久美子。 「ハハ、わりーわりー、そんな怖がらせるつもり無かったんだけどさー」 「バカー、しねー、しんじゃえーっ!」 雅也の胸に顔をうずめながら拳で力無く叩く。 「ハハハハ、でもこんな時間にこんな場所に居たら危ねーぞ。俺がジョギングで通り掛かったから良かったものの」 「うぅー……って、あっ」 凍りついた。今さらながら安心している場合ではなかった。 「あ、兄貴……その、み、見たの?」 「ああ、そりゃーもう、ばっちり」 「うぅっ」 再び泣き始める理絵。今度は久美子に泣きつく。 「別にそういう事すんの、ぜんぜん構わねーけどさ、今日なんか母さんも父さんも帰り遅いんだから、ウチですりゃいいじゃねーか」 「だって、兄貴がいるじゃんかー」 「俺のことは全く気にしなくていいって。俺は理絵が何しようと干渉しねーし。だから好きなだけ久美子ちゃんとチチクリあえ!」 久美子は顔を真っ赤にして俯いていた。実際半裸で立っていたのは久美子の方なのだ。 「……ぜっったい、だれにも言わないでね」 「言わねーさ。それよりもお前が変態チックなプレイに目覚めてくれて、兄ちゃんは嬉しいぞー」 雅也は終始ニヤニヤしていた。女子トイレの外は、もうすっかり暗い。 「まー、何はともあれ帰るぞ。続きは自分の部屋でやんな。それとも、公衆便所ってのが露出プレイっぽくって興奮すんのかなー?」 「う、うるさい! やっぱりバカ兄貴、しんじゃえー!」 家に帰りたくないという気持ちもある久美子は、一度落ち着くために理絵のマンションへ寄らして貰う事にした。兄にメールを送りながら、コンビニに寄って軽食を漁る。 「しかし、久美子ちゃんとウチの理絵がそういう関係だったとはね。最近やたらウチ来て宿題とかやってたから、なんかアヤシイとは思ってたけどさー」 食器棚から取り出してきたコップに麦茶を注ぎながら雅也が言った。 「兄貴けーべつした?」 「しねーよ。前から言ってっけど、女の子はみんなエッチなんだから気持ち良けりゃ何したっていいさ。ただ、今日みたいな危ねーマネだけはすんな。変な野郎にレイプでもされたら終わりだからよ」 「……ごめんなさい」 二人を見て久美子はいい兄妹関係だと思い、羨ましくも感じた。しかし一方で、雅也と潤三が自宅に来た時、彼らにフェラチオさせられた時の事も思い出してしまう。 「でさ、やっぱいつも理絵が攻めで久美子ちゃんが受けなの?」 「うるさいなー、いいじゃんどっちだって!」 照れる理絵と久美子。それでも明るく笑い合えるのは、雅也が性に対して寛大だからなんだろうと久美子は思う。 「なぁ理絵、お前ちょっと下のコンビニ行って飲み物買って来てくんね?」 「さっき買っとけば良かったじゃん」 「すまん、ストック無いの忘れてたわ」 理絵は渋々小銭を受け取り、サンダルを履いて出て行った。部屋には雅也と久美子が残され静寂が訪れる。やがて、雅也は神妙な面持ちで切り出した。 「アイツ、久美子ちゃんには多分言ってないと思うんだけどさ、実は前、男に強引にヤラれちゃった事があってさ……」 「え?」 経験した事があるとは理絵から聞いていたが、あまり詳しくは語ろうとしなかった。 「別にレイプって訳じゃねーんだけど初めての相手がロクでもねー奴で、以来男を気嫌いするようになっちまったんだよね」 「しらなかった……」 「だからってレズに走るようなヤツじゃないと思うんだけどさ、久美子ちゃんアイツの事、よろしく頼むよ」 「雅也さん……」 「こっち引っ越して来て友達らしい友達も久美子ちゃんしか居ないみたいだしな」 「うん、あたし、リエちゃんのこと好きだから」 「ところで琢郎のヤツ、相変わらずオナニー手伝わしたりしてんの?」 「……うん」 「まったくアイツもなぁ、妹は風俗嬢じゃねーんだから。さっさと彼女作りゃーいいのによ」 「ウチの兄ちゃんじゃムリだと思う」 「ハハハ、まー、わがままで女の子気遣ったり出来なさそーなヤツたけどな。でも久美子ちゃん、この前の事、理絵には内緒にしてんから安心しな。俺、理絵にどんな兄貴って思われてんか分かんねーけど、俺たちが久美子ちゃんにエッチな事したって知ったら、それぞれ気まずくなっちまうと思うんだよね」 「うん、ありがとう」 いいお兄さんだと思う。しかし、山下さんたちとの撮影会の事を知ったら、この人はどう思うんだろう。そんな事を久美子は考えた。 山下と会うのは三回目だった。理絵は彼と頻繁に連絡を取り合っているらしく、妙な信頼関係が出来ている。また二人にとって山下は、エッチたけど優しいオジサンといった印象も持っていた。 「なるほどね。一人暮らししている訳でもないしラブホに行ける訳でもないしね。カラオケボックスだってリスクと金が掛かるし、キミらみたいに小学生だとなかなか難しいよね」 「そうなんですよー。バスとかプリクラとかじゃキス以上はムリだし。ね、クミちゃん」 「うん、でも、このまえ公園のトイレでしたときはドキドキしたな。もう怖いからヤだけど」 普通の小学生がする事ではないという自覚はあった。しかし二人は付き合い始めの恋人同士のように、互いの体を求め合っていた。 「なんだ色んなことしてんじゃん。そう言う時、また写真撮らしてよ」 「うん、ジャマしなければいいよー」 「ハハハ、邪魔はしないよ理絵ちゃん。茶々は入れるかも知んないけどね」 三人はファミレスで食事を済ませ、午後からの撮影会の打ち合わせをしていた。打ち合わせと言ってもほぼ雑談で終わる。 「さっき言ってた二人のプライベート空間だけどさ、ウチの別荘使いなよ。ちゃんと車出して送ってあげるから」 「いいんですか?」 「うん。ただその代わり、カメラ構えてる男が何人か居るかも知んないけど」 二人きりという訳にはいかないにしても、あの場所なら自由に羽を伸ばせる。そう理絵は思った。理絵の自宅でも良かったが、誰もいないタイミングがなかなか無い。 「山下さん、あたし、また縛られたいなー」 「いいよ久美子ちゃん。じゃぁ今度はもっとエッチな縛り方、してあげるね」
21/02/09 07:35
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うなぎだ
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山下以外の男が四人から六人に増えていた。それだけではない。ムービーカメラを持つ者が三人、リビングの角には三脚に設置された固定ムービーカメラが一台。明るい照明設備も増えてかなり本格的になり、まるでAVの撮影現場の様相。
その中心に立たされているのは久美子だった。 「クミちゃん、がんばれー」 「ズルいよリエちゃん、あたしばっか」 理絵は彼女の足下にしゃがみ、頬杖をついて見上げていた。男たちの視線と幾本ものレンズの前、自らの震える手でワイシャツのボタンを一つづつ外してゆく久美子。 「クミちゃん、こういうのがコーフンするんでしょ? もうアソコぬらしちゃってるんしゃない?」 別荘のリビングは熱気に包まれていた。久美子は一人で立たされる事に不安を感じながらワイシャツを脱ぐと、短パンのボタンを外しファスナーを下ろす。白い肩が明るすぎる照明を浴び、そして注目を浴びる。 「綺麗だよ、久美子ちゃん」 声を掛ける山下は理絵の隣で縄の準備を進めていた。下着姿となった久美子は痛いくらいの視線を感じ、全身に力が入っていた、 「山下さん、その、脱ぎました」 「久美子ちゃん、下着もだよ。今日は本格的にエロいの撮るんたから」 「……わかりました」 たくさんの男たちに見られながら脱いでゆく、そんな行為は生まれて初めてだった。しかし恥ずかしいという気持ちが、いやらしい気持ちのドキドキへと繋がっている。パンツを下ろす瞬間、膝がガクガク震えているのに気付き少しだけ後悔、とともに頭が痺れてゆくのを感じた。 「ぬ、脱ぎました」 「じゃぁ今度は、自分で自分の大事なところを触ってごらん」 顔がどんどん熱くなる。股間を隠していた右手を少し動かしてみれば、驚くほどに濡れていた。ソファーに座ったりあぐらをかいたりしている男たちから見上げられている様は、まるでストリップショー。 「頑張れ久美子ちゃん」 「色っぽいよー」 「ほら、自分の世界に入っちゃいな」 視線と声とシャッター音。そんな見えない触手が体のいたるところをなぶり、直接触られてもいないのに乳首がぷっくりと膨らむ。部屋中に広がる自分の荒い息遣いも、彼女の羞恥心をいたぶる。 「凄いね、見られてるだけでもう濡れちゃってんでしょ」 「エッチだなぁ、久美子ちゃん」 山下が纏めた縄を手に立ち上がった。背後に立った彼は久美子を、あぐらをかくように座らせ、両手を頭の後ろで組ませた。両手首に後頭部を乗せるような形で、久美子はヨガのポーズでもとらされているような気分になる。 「久美子ちゃん、体、柔らかい方?」 「うん、クラスでもかなり柔らかいほうだと思う」 精一杯脇の下を見せるポーズのまま、両方の手首を最初に縛る。 「ゆっくりと息を吐いてー」 催眠術師のように山下が背中を優しく押してやると、久美子はどんどん前屈みとなって行き、額が足にくっ付くまでに。その状態のまま、胸の上下から腰、大きく開いた太股などに縄を巻いてゆく。 「すごく柔らかいじゃない。顎を引いてみて。もしかして頭の後ろまで足まわっちゃう?」 「わかんない……」 本格的にヨガみたいになってきたなと久美子はだんだん面白くなってきた。山下は彼女の後頭部に縄を回し、うなじ辺りで両方の足首と手首を縛り上げる。シーツの上で突っ伏した形となった久美子。 「じゃぁ、ちょっと起こすよ」 久美子は後ろから抱き上げるように起こされ、そのまま後ろに倒された。ちょうど亀をひっくり返したような形で、うつ伏せから仰向けへ。 「ま、まぶし……」 明るさに久美子は目を細めたが、やがて自分がどんな姿にされたのか気付く。 「うわぁ、クミちゃん、ダルマさんみたーい。まるみえだよー」 足を大きく広げ踵を首の後ろに回し両手も後頭部で縛られているので、大事な部分を全く隠す事が出来ず、照明の光が降り注ぐ中で晒されている。俯くように顎を引いているため、自分の股間が目の前にあった。久美子自身もここまでじっくり自分の股間を眺めた事がない。 「や……いや……なにこれ」 その無様で恥ずかしい格好に久美子はショックを受け愕然とした。全く身動きも取れずに床に転がされたままの彼女の近くへ、周囲に座っていた男たちがカメラを構えたまま、わらわらと集まって来る。 「や、そんな近くで、見ないで……」 間近に迫る六本のレンズを前に、濡れた久美子の大事なところと恥ずかしそうにすぼんだ肛門がヒクついている。 「クミちゃんヤラシー」 いつの間にか、久美子の頭上から理絵が覗き込んでいた。上を向いた太股の裏側に指を這わせ、足の付け根から小さな二つの膨らみへ。 「や、リエちゃんやめ……」 理絵がその膨らみを左右に広げれば、濡れたひだと膣が口を開け、久美子の体内にまで光が注ぐ。 「中まで綺麗な色してるねぇ」 「ハハ、お尻の穴がヒクヒクいってる。可愛いな」 「処女幕まではっきり見えちゃってるよ」 「うわぁ、ちっちゃいクリトリスだなぁ」 麻縄に身体を押さえ付けられ、穴の奥の奥まで全てを視姦されて、複数の男の興奮に久美子の体は隅々まで蹂躙されてゆく。血が逆流するような感覚と全身を巡る痺れで気が遠くなりそうになっていると、山下が何かを手にして現れた。 「理絵ちゃん、これ使ってみる?」 「あ、これ知ってるー。ピンクローターって言うんでしょ?」 興味深げに手にすると、ダイヤル式のスイッチを入れてみた。 「うわっ、すごっ、ぶるぶるするー」 「リエちゃんだめ、そんな……うああぁっ!」 いきなりクリトリス。びちびちと水を弾くような音。不自由な中で波打つ腹。 「じゃぁ俺はオッパイを攻めるね」 二つ目のローターを、山下は既に固く尖った乳首に当てる。 「だめだめだめだめすぐイッちゃうすぐイッちゃう!」 がくがく、と、跳ねる腰。 「イッ、んんんんーっ!」 「クミちゃん、あそこがすごく広がっちゃってるよ。こんなに口ひらいてたら、これ、中に入っちゃうかも」 久美子の目の前で、膣の中へとピンクローターが吸い込まれてゆく。高い振動音はくぐもった音に変わり、下半身全てが振動している感覚に久美子は襲われた。 「またイッちゃうまたイッちゃううううーっ!」 天井へ向けて、びゅうと潮が噴き出す。びゅう、びゅう、と、何度も何度も止め処もなく。 「だめぇぇぇっ、おかしくなるぅぅぅっ!」 沢山のカメラと視線を浴びながら、イキっぱなしで痙攣する肉体。ローターは完全に呑み込まれ、久美子の絶頂は止まらない。 「こんなに出しちゃってクミちゃん、アタシがキレイに舐めたげるね」 「やっ、だっ、だめっ、い、いい、いまはっ」 理絵は久美子の正面に回り、その開きっぱなしの股間に顔をうずめた。そしてローターのコードが出ている久美子の大陰唇に口付けした途端、再び噴き出した潮を理絵はその口で受け止めた。 「んぐっ、リエちゃんんんーっ……」 突き出した舌で小陰唇を、膣壁を、大人のキスをした時のように舐め回す。混ざり合う体液。理絵の唇にまで伝わるローターの振動。その時、四つん這いで舐めていた理絵の突き出された尻に、山下の手が廻される。 「んっ、山下さんのエッチー」 「ハハ、そうだよ」 その手は理絵の短パンのボタンを外し、ゆっくりとズリ下ろした。すると、白い下着には染みが。 「理絵ちゃんも脱いじゃいなよ」 言いながら理絵のTシャツを捲ってゆく山下。抵抗はせず、むしろバンザイのポーズで脱がして貰う理絵。脱がされながら恍惚の中を漂う久美子に口付けをし、その力無く半開きとなった唇に舌を入れる。 「ふんー、ふんー」 山下は脱がし続け、今度は四つん這いで久美子を攻める理絵の大事なところが、照明の光と六本のレンズに晒された。 「理絵ちゃんのお尻もちっちゃいなぁ」 「あそこも全然綺麗だね。本当に経験あるの?」 「こんな幼い割れ目で、ペニス突っ込まれた事があるなんて……」 「久美子ちゃん大丈夫かな。失神しちゃうんじゃない?」 「そうだな、理絵ちゃん、ちょっと待ってて」 山下はそう言うと理絵を引き離し、久美子の膣からローターを引っ張り出して、足を固定していた縄だけを解いた。無理な姿勢から解放されながらも、腕は変わらず頭の後ろ。すると今度は横を向かせるように久美子の腰を立たせ、彼女の左足を持ち上げ股を開かせる。 「理絵ちゃんさ、正座する感じで足広げて、久美子ちゃんの右足跨いで」 久美子の股の間へ、腰を突き出しながら割り込んでゆく理絵。 「体位で言うと松葉崩しって言うんだけど、そのまま久美子ちゃんの左足持ってあげて、そう、お尻をもっと突き出して」 理絵と久美子、互いの大事なところが重なり合った。理絵が腰を押し付ければ、まるで口付けするように敏感な粘膜同士がこすれ合う。 「んっ、クミちゃん……」 「あうぅぅぅー」 理絵がぐりぐりと腰を押し付ければ、久美子の膣から噴き出す体液が理絵の膣へと注がれ混ざり合う。痙攣する久美子の恥骨が理絵のクリトリスに当たり、二人は一緒に昇り詰めてゆく。 「んっ! アタシいま、クミちゃんとひとつになってるっ」 山下は理絵を背中から抱きしめ、その小さな胸を揉みしだく。同時に二人の男がデジカメを置き、四本の手が両腕を上げたままの久美子の上半身を抱えて胸を揉む。 「ううううー、んんっ!」 数え切れないほど絶頂を迎えてしまった久美子は意識も朦朧とし、失神寸前であった。そんな久美子の左足を掴んだ理絵は、その足の指と指の間に舌を入れ、時には小さな芋虫のような指を口に含む。 「や、くすぐっ、んんんんんー!」 くすぐったさと気持ちよさで訳が分からなくなり、狂いそうになる久美子。仰け反って浮き上がるあばら骨は男の指になぞられ、半開きの口にも男の指が入ってくる。半狂乱になればなるほど腰が激しく痙攣し、理絵の大事なところが揉まれる。 「理絵ちゃん、穴と穴を擦り合わせても、なんか物足りなくない?」 背中から乳首を強く摘まみながら山下が囁く。 「んんんーっ、わ、わかんない……」 「二人が擦り合ってるところにさ、俺の挟んでみてもいい?」 「や、山下さん……」 「僕も仲間に入れて欲しいんだ」
21/02/09 07:36
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うなぎだ
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「ん、いいよ……」
山下は凭れ掛かられていた理絵の背中を別の男に預け、自らは服を脱ぐ。そして二人が腰を押し付け合うところを跨ぎ、がに股でゆっくりと腰を落として行った。その性器はすでに固く、強引に下を向けて二つの割れ目の間へとねじ込んでゆく。その突然の異物感に、二人は少し戸惑った。 「すごい事になってんなぁ。ぬるぬるだよ」 ゴツゴツした肉が割り込んで来た。その熱く固いペニスは、割れ目に沿って刺激するのにちょうど良い形をしていた。 「やば、これ、気持ち良過ぎるわ」 左右、あるいは上下から押し付け擦り付け挟まれて、山下のペニスは二人の愛液だらけとなる。二人の腰の動きはどんどん激しくなって行き、もみくしゃにされる。 「あっ、くっ、山下さんの、すごく固っ!」 「ああっ、ごりごりするぅぅーっ」 「理絵ちゃん、久美子ちゃん、だっ、出るっ!」 どくどくとシーツに飛んで、二人の尻にも飛び散る精液。 「なぁ山下、俺もそれ、やりたいんだけど」 「はぁ、はぁ、久美子ちゃん、理絵ちゃん、みんなのも気持ち良くしてあげてくれるかな?」 「はぁ、んっ、いいよ……」 男たちは一人づつ交代で、二人の割れ目の間にペニスを差し入れて行った。理絵の腰を横に向けて彼女の尻から股の間に突き刺す。背中全体を覆う男の体に、理絵はバックから犯されているような感覚に襲われながらも、しかしその快楽に溺れてゆく。 「うわ、すげー、これ、すぐイッちゃうよ」 一人、また一人と裸になってゆく。次から次、入れ替わり立ち替わり、理絵と久美子の狭間にねじ込んでゆく。 「やべ、普通にセックスするより全然気持ちいいんだけど」 挟み込んだペニスが脈打つたびに男のパトスが全身を巡り、二人をイかせる。シーツも、そして二人の股間も、溢れ続ける二人の愛液と男たちの精液だらけ。果てた男はお礼とばかりに、裸のまま二人のあらゆるところを愛撫する。 「あああたしぃぃ、もううぅ、むりいぃぃー」 イキ過ぎて辛い。そう久美子は訴えた。 「じゃぁ久美子ちゃんは少し休もうか」 山下は久美子の縄をほどき、抱き上げてソファーへと横たえた。ぐったりと、それでもまだ痙攣し続けている久美子の体に、ハイエナの如く三人の男が群がる。 「理絵ちゃんはまだ大丈夫かな?」 「うぅぅぅー」 理絵は仰向けで膝を曲げ、腰を突き上げていた。山下はそんな彼女の耳元で囁く。 「理絵ちゃんは男性経験あるんだよね。俺ので良かったら、奥まで入れてあげよっか」 「山下……さん……」 「今まで経験した事ないくらいに気持ちよくさせてあげてるよ」 囁きながら山下は、理絵の気づかない内にコンドームを着けていた。ペニスを割れ目に充てがわれて理絵は、過去の記憶を過ぎらせる。 「入れるよ」 「んっ……」 まだ感じる事など知らなかった。濡れた事もなかった。確かに格好良くて、この人になら捧げてもいいと思った。しかし、ベッドの上では優しくなかった。ただ痛いだけだった。セックスなんてもうしたくないって思った。 「大丈夫? 理絵ちゃん、痛くない?」 「うん……」 亀頭が入り口に入った。理絵の膣はすっかり柔らかくほぐれ、充分過ぎるほどにぬれているため、何の抵抗もなく滑り込んでゆく。 「うあ、あ、お、おちんちん、が……おちんちんが……」 山下は理絵の両足を大きく広げて少しずつ腰を前にずらしながら、充分呑み込まれたところで覆い被さり、理絵の小さな身体を強く抱きしめた。理絵の視界は山下の胸板で遮られ、頭のてっぺんに顎を乗せられる。 「お、おっきいのっ! おっきいのーっ!」 「くっ、さすがに、穴ちっちゃくってキツいな」 根元まで深く入ったところで一旦動きを止める。山下の腕の中で小刻みに震える理絵。 「山下、さ……ん」 「素敵だよ、理絵ちゃん」 山下は優しかった。そして、たとえ恋人同士でなくとも、男とのセックスがこんなに気持ちいいのだと初めて知った。一方ソファーでぐったりとしていた久美子は三人の男たちに起こされ、そんな理絵の足元に座らされる。気付けばいつしか、リビングに居る全員が裸になっていた。 「すごい……ほんとに、入っちゃってる」 特等席から興味深く眺める久美子。山下の尻の後ろから、その繋がっている部分をじっくりと凝視する。 「や、クミちゃん、そんなとこ……」 すると山下は理絵の両膝を持ち上げ、真上から入れては出しを繰り返し始めた。 「久美子ちゃん、こうすると良く見えるでしょ」 「こんなのが入っちゃうんだ。大丈夫? リエちゃん」 「う、うん……あぁっ!」 四つん這いで男女の接合部を観察している最中も、男たちの手が久美子の身体中を這い回っていた。久美子は這うようにして理絵の隣に並び、彼女の手を握る。 「んっ、クミちゃん……ア、アタシ……どうしよ、男のひととエッチして……んあっ、感じちゃってて……」 「リエちゃんばっか、ズルい」 久美子を見詰めるその顔は、戸惑いながらも赤く恍惚の色。 「ごめっ、クミちゃん、ごめんなさあぁっ」 「いいよリエちゃん。あたしもリエちゃんと同じことするから」 久美子は理絵と山下の間に割って入る形で彼女に跨がり、覆い被さるように抱きしめた。その間も、山下のペニスは波のように優しく抜いては沈められる。理絵はまるで、久美子に挿入されているような気分になった。 「あくっ、クミちゃん、おくまでっ……おくまで入ってるのーっ」 そんな山下のペニスに溺れる理絵を見ながら久美子は自らの手を尻に回し、その肉を左右に広げる。そして振り向き山下を見つめた。 「久美子ちゃん……いいのかい?」 不安げな顔のまま目を見ずに頷いた。 「アタシ、はじめてのエッチは、リエちゃんといっしょの時にしたいの」 「そうか、じゃぁ久美子ちゃん、お尻、もっと上げて。……そう、それで背中、落として。お尻を突き出すように」 山下は理絵からペニスを抜きながら久美子の背中を軽く押した。すると彼女の上半身は理絵と密着し、二人は強く抱きしめ合う。肛門が天井を向くほどに尻を突き出すと、山下の手にすっぽりと包まれた尻の肉が左右に大きく広げられ、赤くなった久美子の膣がほわりと口を開けた。 「力抜いて、ゆっくり息を吐くんだよ」 「う、うん……」 すっかり理絵の愛液にまみれた亀頭が突き立てられ、小さな割れ目を押し広げる。 「いっ」 「痛い?」 「だいっ……じょー……ぶっ」 めりめりとめり込んでゆく。久美子は体内に侵入する異物に気が遠くなりそうになるも、理絵にしがみついて耐える。 「クミちゃん、がんばって……」 「うん……かはっ!」 徐々に、蛇が進むようにゆっくりと入ってゆく。膣口は張り裂けんばかりに皮が突っ張る。やがて、その幼い身体は大人のペニスを受け入れてしまった。 「はぁ、はぁ、う、うご……か、ない……でぇ」 消え入りそうな声。上を向いた肛門が荒い息に合わせて収縮する。動きを止めても呑み込まれたペニスはとくとくと脈打つ。その他人の鼓動を体内に感じ、男とひとつになると言う事を理解した。 「く、久美子ちゃん、そんなに、締め付けないでくれよ」 痛みと同時に新しい快感が久美子に押し寄せる。山下がゆっくりと引き抜いて行けば、膣壁がこすれて全身に鳥肌が立った。 「ふあぁぁっ!」 山下はそのまま仰け反るように後ろへ倒れて仰向けになる。同時に理絵は久美子と一緒に身を起こして跨がるような形になると、久美子の小さな尻に手を添えながら山下が言った。 「久美子ちゃん、自分のペースで出したり入れたりしてごらん」 「んんんー……」 ぎこちなく腰を上げ、眉間に皺を寄せながら沈める。肉の棒が体を突き抜けるような痛みと、体の内部をこすられる感覚、それに理絵と密着する上半身の快感。それらに同時に襲われ、口の端からよだれを垂らす久美子は意識も朦朧としていた。そんな彼女を優しく抱きしめる理絵の尻に、後ろから指が入ってくる。耳元からは囁く声が。 「理絵ちゃん、俺たちも入れていいかな?」 周囲を囲む男たちが彼女を見つめていた。 「やさしくしてくれるの?」 「ああもちろん。いっぱいイカせてあげるよ」 男はコンドームを着けながら山下の膝を跨ぎ、理絵の尻を両手で掴む。理絵は少しだけ腰を浮かせて、そのそそり勃つペニスに手を添え、自らの割れ目へといざなった。 「んんーっ」 「うわぁ、本当に入っちゃったよ。狭いなぁ」 腰を落とせば山下とは形も大きさも違うペニスが深く、深く体内へと入ってくる。その新たな快感に震えながら、理絵は久美子と抱き合い一緒に体を上下させた。 「んあぁっ、リエちゃん、これが……せっ、せっくす?」 「んんー、そうクミちゃっ、んっ、おくまで、もっとおくまで、入れてみよ」 二人は口付けしながら膝の力を抜き、重力に任せて腰を沈める。 「かはっ!」 「んんんーっ」 そのまま理絵が腰を前後させれば、久美子もその動きに合わせる。それぞれの膣の中でそれぞれのペニスが暴れ、様々な所が刺激される。その激しい動きの中で抱き合う二人の乳首が擦れ合った。 「く、久美子ちゃん、俺……もう……」 山下は苦悶とも思える声で言いながら、腰を跳ね上げるように何度も何度も突き上げ始めた。 「ああっ、だっ、やましたさんんんー、そっ、そんっ、そんなに、はげしくしないでイッちゃううぅぅー!」 溢れ出す愛液はピンク色。しがみ付く久美子に釣られて理絵も絶頂。四人の汗が飛び散る。 「くうぅっ!」 時が止まった。子宮まで届かんばかりに腰を押し付けられ二本のペニスはほぼ同時、コンドーム越しながらも二人の体の内側で発射された。ぶるぶると震える理絵と久美子。しかし、それは終わりではなく始まりだった。 「理絵ちゃん、俺も、入れていいかな?」 「久美子ちゃん、次、俺が入れてもいい?」 理絵と久美子はお互いしか見ていなかった。否、見えていなかった。顔も名前も知らない男たちのペニスが入れ代わり立ち代わり入って来ても、それは二人が気持ちよくなるための道具であり、もはやバイブレーターと変わらない。久美子にとっては、兄が彼女の手や口を道具としか思っていなかった感覚と、何ら変わらない。 「大丈夫? クミちゃん」 「うぅー、ちょっとひりひりするー」 「理絵ちゃん、久美子ちゃん、一度にたくさんの男性経験しちゃったね。もう君たちは立派な大人だよ」 ぐしょぐしょに濡れたシーツにはピンク色の染み。血と汗と精液と愛液の混ざった匂い。翳りゆく部屋の真ん中で仰向けのままぐったり横たわる二人は、ずっと手を繋いでいた。
21/02/09 07:37
(yfGernhw)
久美子も理絵も、まだ経験のない兄たちの事が、急に子供に思えるようになっていた。オナニーしか知らない少年たち。つまらない。そう思って二人は兄たちとの距離を置く。
「おい久美子、ちょっとさ、手ぇ貸せよ」 兄妹二人きりの昼下がり。エアコンの効いた居間。窓の外は灼熱のアスファルトと蝉の大合唱。 「やだよ兄ちゃん」 テーブルでテレビを観る久美子は、背後に立つ琢郎を振り向きもしない。 「テメェ、誰にモノ言ってんだよ。いいから黙って手ぇ貸せって」 言いながら早くもパンツを下ろせば、久美子の頭上ですでに勃起したペニスが弾けるように飛び出した。 「兄ちゃんさ、そんなにあたしの体使って出したいんなら、してあげてもいいんだけどさ」 テレビから逸らさない久美子の目は笑っていた。今までの自分とは違う。女の子でも少女でもない、自分は女なんだ、と、久美子は思っていた。 「な、なんだよオメェ、どうしたんだよ」 「べつに。てゆーか、そんなにあたしの手でオナニーしたいの? それともまた、あたしの口に入れたい?」 「そ、そうじゃなくて……」 分かりやすいほどの狼狽え。顔を赤くする琢郎。 「あたしの体で、いっぱいエッチなことしてもいいけどさー、その代わり、あたしにも兄ちゃんの体、使わせてよ」 「どういう事だよ」 その時、久美子は初めて振り返り、兄の目を見つめながら言った。 「あたしの言うこと、なんでも聞いてよ。さもないと、お母さんに言いつけちゃうんだから」 「なっ!」 主導権さえ握ってしまえば、怖くもないし嫌でもなくなる。兄の言う事を聞いてばかりいても、理絵と抱き合ったり山下に縛られたりした時ほどの快楽は得られないだろう。ならば自分の好きなようにしてしまえばいい。 「そうだなー、とりあえず、まっぱだかで仰向けんなってー」 「なに……すんだよ」 「いいから兄ちゃんは、あたしの言うこと聞くの!」 「あ、ああ」 恥じらい、気弱な言い方しか出来なかったはずの久美子の、堂々として高圧的な言い方に押され、琢郎は素直に言う通りにする。 「ねーねー、こういうの、ホーケーって言うんでしょ? 皮むいちゃおっかなー」 人差し指で少し萎えたペニスを弾く。 「バ、バカ、何言ってんだよ……って、引っ張んじゃねぇ!」 体で遊ばれた仕返しとばかりに兄の体を弄ぶ。するとみるみる固くなるペニス。久美子はその棹の裏側に舌を這わせた。 「うあっ」 「アハハ、ピクピク動いてるー」 舌先を尿道に押し付けながら、ゆっくりと皮を剥いてゆく。するとツンとした臭いに鼻腔を襲われ、久美子は思わず顔をしかめた。 「兄ちゃんここ、ちゃんとおフロで洗ってる?」 「あ、洗ってるよ」 テーブルのティッシュを四枚引き抜いて台所の水道で湿らせ、亀頭の付け根に溜まったカスを拭う。 「い、痛てーよオイ」 「がーまーんー! 気持ちいくしたげるから」 そう言うと彼女は短パンと下着を脱ぎ捨てた。そして琢郎の体に跨がり、すっかり固くなったペニスに自らの割れ目を押し付ける。 「こーゆーのどう? なんかエッチしてるみたいでしょ」 腰を前後に動かせば、棹の裏側がこすれる。次第に濡れてくればその滑りもなめらかとなり、くちゅくちゅといやらしい音を立て始める。 「うっ、くっ、久美子……これ、やべーよ」 「うんっ、兄ちゃん、あたしも……」 ぐりぐりと回す股間に翻弄されるペニス。前屈みになればクリトリスもこすれ、二人の息も荒くなってゆく。 「久美子、俺、もう、イキそう……」 「だめっ」 腰を浮かせる。久美子の目には激しく脈打つペニスが、イカせてくれとねだるように見えた。 「兄ちゃんまだ早いよ。あたしもっともっと、きもちよくなりたいんだから。自分だけイッちゃだめだからね!」 「マ、マジかよぉー」 久美子は膝立ちで浮かした腰を前にずらし、彼の顔の上に跨がる。 「兄ちゃん、あたしのここ、なめて」 「ええー」 「あたしなんどもフェラチオさせられたんだから、兄ちゃんも口でしてよ」 「……しょ、しょうがねーなぁ」 彼の腰骨辺り、後ろ手に着いた手で兄のペニスを弄りながら、腰を前へと突き出して股間をその鼻先に。突き出された舌先が妹の割れ目をなぞる。右手で自分の胸を触ればすっかり固くなった乳首。 「んあっ!」 兄の顔を愛液で汚す。こんなこと、つい最近までは想像すら出来なかった。しかし最初に自分の中のいやらしい部分を目覚めさせたのはこの兄だと久美子は思った。子供の頃からいつもテレビを観たり食事をしたりする居間。その見慣れた天井を彼女は仰け反ったまま眺める。 「久美子オマエ、スゲェ濡れてんぞ……」 「だって……おうちで兄ちゃんにアソコなめられてると思うと、あたし……」 胸を弄っていた右手は突き出したお腹に沿って下腹部へ。そして人差し指と中指で自らの割れ目を左右に広げる。 「んぶっ、くみ……」 大陰唇で彼の唇を塞ぎ、クリトリスをその鼻先にこすり付ける。久美子は顔に乗る事で今まで恐れていた兄を、克服した気分になった。 「あぁっ、に、兄ちゃんんんっ!」 やがて久美子は腰を引き、再び股間の上に跨がる。そしてすっかり赤く腫れ敏感になった大陰唇で、兄のペニスを包み込んだ。 「はうっ……兄……ちゃん。いっかいだけさ………いれて、みよーよ」 「バ、バカ、オメェ、何言い出すんだよ」 なすがまま横たわる兄を見詰めながら久美子は、膣口を亀頭にこすりつけ、その兄の股間を溢れ続ける自らの愛液で濡らしてゆく。 「あたし、おっきくなった兄ちゃんのおちんちん、はじめて触ったときから、入れられたらどんなだろーって、そーぞーしてたの」 「やべぇって兄妹でそんな」 「なにがどうヤバいの?」 「だって、近親相姦だぞ」 久美子は兄の言葉になど耳を貸さず、腰を前にずらした。すると、亀頭が半分だけ沈み込む。 「うるさいなー。きもちいいんだから、いいじゃんかー」 「でもオマエ、初体験にゃまだ早えぇし、それに相手が俺って……」 「あたし……初めてじゃないよ?」 「な、なんだって!?」 「兄ちゃんは、はじめての相手があたしみたいな子供じゃイヤ? でもあたし、もう子供じゃないよ」 「そうじゃなくて、オマエ、いつ、誰とセックスしたんだよ」 「いいじゃん、あたしが誰としたって。兄ちゃんは知らないひとだよ」 言いながら久美子は兄のペニスに手を添え、少しずつ膣へと押し込んでいった。温かさに包まれる快感に、抗う事が出来ない琢郎。 「やめっ、く、久美子、やめろって……」 いくら濡れていても、まだ一度しか経験のない幼い膣に、琢郎のサイズは大きかった。 「つっ! うぅぅぅーっ」 血が滲む。額からは脂汗。それでも久美子は奥へ、奥へとゆっくりペニスを呑み込んでゆく。 「ゴ、ゴムとか着けねーで大丈夫なんか? つーか俺、持ってねーけ……どっ……」 「はうぅぅぅー」 もはや久美子は、それどころではなかった。張り裂けそうな痛みと、兄とセックスしてしまっているという背徳感、それに芽生え始めた挿入による快感。 「す、すごっ、すごいよぉぉぉーっ!」 兄のオナニーを手伝わされた時も、フェラチオを強要された時も、自分の大事なところを中まで観察された時も、心のどこかで喜んでいた自分がいる。 「く、久美子、俺……もう、止まんねぇよぉ……」 琢郎は起き上がり、跨がっていた久美子を押し倒し、そして自ら腰を激しく前後させた。 「んああぁぁぁーっ! に、兄ちゃんっ、だめそんな、そんな速くうごいちゃっ!」 「久美子っ、すげぇよ、すげぇ気持ちいいよっ!」 覆い被さるように彼女の頭を抱え、その小さく細い体を強く抱きしめる琢郎。獣のように激しく突き上げれば、頭が真っ白になる。 「ぐっ、んあっ、はぁっ、だめ、そんなしたらイッちゃうってばぁぁー!」 「はぁっ、はぁっ、たまんねぇっ、久美子っ、久美子の中、たまんねぇよっ!」 二人の荒い息づかい。腰と腰をぶつける音。くぽぐぽと溢れる愛液。 「ああぁぁぁ、いくいくいくいくイッちゃうぅぅー!」 「俺っ、もっ!」 「だめっ、中はだめっ!」 即座に抜いたその瞬間、久美子の割れ目に放たれた精液。それを浴びながら、久美子の膣から噴き出す血の混じった潮。そのまま琢郎は彼女の体にぐったりとのしかかり、二人とも痙攣が止まらない。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あたし、すごく、イッちゃた……」 「はぁ、はぁ、久美子……うぅ、ごめん、俺……」 むわりとした熱気の中、呆然と天井を眺めながら久美子は言う。 「あやまらないで、兄ちゃん……」 ついに一線を越えてしまった。この先、お互いこれっきりという訳にはいかないかも知れない。どちらかがまた我慢できずにセックスを求めるかも知れない。そう久美子は思うのだが、同時にそんな事、どうでもいいとも思った。理絵としたって、山下としたって、兄としたって気持ちいいのだから。その快楽に抗う必要など、ないのだから。窓の外では耳触りなくらい蝉が鳴いていた。
21/02/09 07:38
(yfGernhw)
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