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1:可愛い弟子15Part1
「よっ!オレ、旅に出るわ。」
どこへ・・・・・・。 「さぁ、オレにもわかんね。」 なんだ、それ? 「短い間だったけど、世話になったな。」 なんだ、今さら?オレ達、今まで、ずっと一緒にやってきたじゃないか? 「ああ、オレとお前は、ずっと一緒だった。一心同体だったさ・・・。」 なら、オレを置いていくなよ。また、これからも一緒にやっていこうぜ。 「そうしたいのは、山々だがな・・・・・。」 だったら、なぜ? 「お前にだって、わかってんだろ?」 あれか?あれは、確かにショックだったさ。でも、オレは、もう立ち直った よ。すぐに切り替えたさ。 「オレも勃ち直りたいんだけどな・・・・・。」 お前も、立ち直ってくれよ。あの勇ましい姿を、また見せてくれよ。 「タカ・・・オレにばかり求めるな。お前も努力しろ・・・・。」 努力って、なんだよ? 「わかってんだろ・・・・・・。」 アイツか? 「ふっ・・・懐かしい顔だ。とても、可愛い子だった・・・・。」 懐かしいって・・・・テメェ、昨日会わせてやったろ! 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、もう行くわ。」 あっ!こら、勝手に行くな! 「あばよ。」 こら!戻ってこい!・・・・・・チーーーン、カンバァァァック ッ!!!!! 「マアちゃん・・・・オレ達、もう終わっちゃったのかなぁ・・・?」 「ばぁか、まだ、なにも始まっちゃいねえよ!」 キッズリターンの名セリフ。 ほんと・・・・。 なにも始まってないって。 これから、まだまだ、やらなきゃならないことが、たくさんあるっての に・・・・。 まったく元気がなかった。 パンツの中で、ヤツは意気消沈。 ぐったりしてやがる。 生まれて初めての経験。 お前、このまま終わる気か? <AM0830 自宅アパート> 今朝は、ケータイの着信音から始まった。 寝不足の頭で、ケータイに出ると、スピーカーからは、あのニート君の声。 「タカ・・・・ごめん・・・。」 どうやら、アイツも眠れなかったらしい。 オレとは違う理由だろが・・・。 浅い眠りの中で、何度もキョウコの瞳に苦しめられた。 オレが2年間、想いつづけた女の憐れな末路。 「気にすんな・・・・・。」 お前が、悪いわけじゃない・・・・。 しかし、どうしても信じられない。 彼女が、自分の意志で、あんなマネをするとは、どうしても思えない。 「あのビデオの出所を確かめてくれないか?それも、できるだけ早急に だ。」 会話の最後、オレはアイツに頼んでいた。 (これ、すごく高かったんだ。まだ出たばっかり・・・・。) それが事実なら、あのふたりは、まだ、あの地獄の中で狂いつづけてるのか もしれない。 できることならば、助け出してやりたかった。 そして、いったい、彼女に何があったのか、知りたかった・・・・・。 また仕事がひとつ増えてしまった。 実家を訪ねて、彼女の今の住まいを確かめるつもりだった。 もう一度、彼女に逢いたい気持ちが、オレを強く働かそうとしていた。 まったく、ここのところオレを取り巻く環境は、ほんとにまともじゃない。 (監視しろ・・・・) 耳に残っているシゲさんの声。 引き出すことのできなかった、シホとコトリの住民記録。 そして、昨夜見た、サカイキョウコの変わり果てた姿。 とてもじゃないが、登庁できる心境になんかなれやしない。 アイツとの電話を終えると、すぐにオレは職場へと電話を掛けていた。 「すいません。母が、体調を崩しまして・・・。父も病弱なものですから、 看病ができませんので、はい・・・・。」 嘘八百・・・。 「はいはい♪。」 夏期休暇を終えたばかりで、心苦しかったが、応対に出た課長の、なんとあ っさりしたことか。 ま、総務課は、閑職ポストだからね・・・・。 はは・・・・・お袋が病気で、親父は病弱・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ハハッ!ありえねえ!!! ババァは昨日から町内会の慰安旅行、今頃、箱根でフラダンスでも踊ってる よ!! ジジィも、ババァがいねえのをいいことに、羽伸ばしてゴルフにでも行った に決まっとるわい!!! 昔から、病気とは無縁のふたり。 おかげでオレも超健康優良児。 嘘つくなら、これからはもっとマシな嘘つこう・・・。 取りあえず、シホとコトリのタイムスケジュールを確かめることから始める か。 <AM0840 まだ自宅アパート> 職場への電話を終えた頃、玄関のドアがノックされる。 オレのクルマが残ってるのを見て、不思議に思ったシホが訪ねてきた。 「今日、お休みなの?」 「あ、ああ・・。ちょっと、用事があってね。」 まさかお前を見張るため・・・、とは、口が裂けても言えん・・・・。 いつもは、オレが先に出る。 シホの勤め先は、ここから車で10分くらいのところ。 割りと大きな病院の経理事務がシホの仕事。 清楚な白のフリルブラウスに、社会人らしく、こげ茶のティアードスカー ト。 スカートの丈は膝上くらいまでしかなくて、めちゃめちゃ可愛らしい。 仕事用に纏めているのか、軽く髪をアップしてる。 淡いルージュに濡れ光るぷっくらとした唇が、やたらといやらしく目に映っ てならなかった。 「そう・・・じゃあ、行ってくるね。」 手を振って玄関を出ようとしたところを、後ろから抱きしめた。 強引に振り返らせて、可憐な唇を奪いにかかる。 ほっそりとした顎を掴んで、有無を言わせず、唇を重ねていった。 シホは、小さく呻きながらも、抵抗はしなかった。 腕の中に包み込んだ、頼りない華奢な身体。 折れるほどに抱きしめた。 シホは、顔を上向かせ、されるがまま。 舌を入れていくと、素直に絡めてくる。 互いの舌を探るように絡め合った。 唾液をやりとりするほどの濃密なキス。 いやらしく尻を撫でると、シホがたまらないと言わんばかりに、荒い息を吐 く。 スカートの中に手を入れてようとしたところで、やっと、シホが軽く胸を押 してきた。 「だめ・・・・・。」 わずかに頬を赤らめて俯くシホのなんと可愛らしいこと・・・・・。 にもかかわらず、ヤロウは寝たまんま。 じゃなかったら、シホの手を引いて、そのまま寝室に連れ込むところだっ た。 シホは、つぶらな瞳で、じっとオレを見上げていた。 ひどく、あどけない顔。 静かに抱きついてきて、愛しいものを愛でるように、オレの厚い胸板に、何 度も頬ずりを繰り返した・・・・。 「口紅がとれちゃった・・・。」 シホが悪戯っぽい笑みを見せる。 オレもちょっと苦笑い。 「じゃあ、行ってきます。」 明るく手を振って、シホは、お出かけ。 軽のエンジン音が遠のくまで、オレは玄関に立っていた。 ヤロウは、素知らぬ顔で知らんぷり。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おーい、お前、起きろぉ・・・・。 <AM0930 ま~だ自宅アパート> いよいよ行動開始。 玄関を出ると、駐車場に残っていたのは、俺のクルマだけ。 このアパートに入っているのは、4世帯。 引っ越しの時にババアが持たせてくれた引っ越しそば。 律儀に配って、情報入手。 上の方は、海上保安官。 隣の方は、陸上自衛官。 まさしく最強の公務員宿舎! シホだけが、別。 クルマに乗り込もうとしたところで、見慣れぬジイさんを発見。 すげぇヨボヨボのジイさん。 でも、どこかで見た顔だ・・・・。 じーと見つめていて、すぐに思い出した。 大家のジイ様だ! ジイ様は、竹ぼうきで、駐車場の掃き掃除。 今どき珍しいよな。 「おはようございます。」 目上の者には、礼儀正しくが武道家の基本。 ジイ様が気づいて振り返る。 オレを認めて、すぐに挨拶を返してきた。 「おはようございます!!」 背筋をピンと伸ばして、曲げた腰の角度は90度。 すげっ! コトリにも見習わせよ・・・・。 <AM0945 某病院前> シホの勤める職場に到着。 シホは、この病院で会計係を担当している。 まともに正面玄関から入ると、シホと鉢合わせする可能性が高いので、裏に ある救急外来専用口から侵入。 さみしい廊下を歩いて、待合室まで。 待合室は、結構な広さで、まだ早い時間にも関わらず人もすごく多い。 ちなみにオレは、この病院にやってきたことはない。 昔から、実家の近くにある総合病院が、オレのかかりつけの医者。 壁にもたれ掛かって、廊下の影から、さりげなく待合室を覗くと、会計のカ ウンターは、すぐ目の前。 良かった、正面から入らなくて・・・。 受付と会計は併設されているので結構広い窓口。 綺麗なお姉ちゃんが4人ほど、会計カウンターの奥に座ってる。 みな同じ制服。 半袖のブラウスにピンク地のベスト。 シホは?と探すと・・・・・いた! 一番左にいたのがシホ。 みんな綺麗なお姉ちゃんだけど、中でもやっぱりシホが一番可愛い♪ グレードが違いすぎる。 他の3人も若そうだが、ほとんど年齢を感じさせない・・・。 ってか、一番年下に見えるんですけど・・・・・。 あそこまで若く見えると、どこか妖怪じみて思えてくる。 お前、処女の生き血とか飲んでねえだろうな・・・・。 10分ほど、観察してから、病院を離脱。 流行ってるらしくて、とても忙しそうだった。 あれなら、昼間は監視する必要もないだろう。 シホは、昼もお弁当だと、前に言っていた。 なら、仕事が終わるまで、あの病院から出ることはないはず。 どんな弁当なのか見てみたい気もするが・・・・。 と、言うわけで、次の目的地へ。 <AM1040 キョウコの実家近くのコンビニ> 朝飯を食べてなかったので、コンビニで遅い朝食を購入。 夕べ、飯を食べなかったから、メチャクチャ腹が減っていた。 軽めのつもりが、がっつり。 ああ、うまかった。 <AM1130 キョウコの実家> 市内某所。 キョウコは、高校にバスで通学していた。 市内でも外れの方の山間部に実家があり、シホの病院からキョウコの実家ま では、1時間以上の時間を要した。 まばらに建っている一軒家の中に『サカイ』という表札を探す事は簡単だっ た。 玄関でチャイムを鳴らすと、初老の女性が、中から姿を現した。 おそらくこの人が、キョウコの母親なのだろう。 「どちら様ですか?」 どことなく面影が、キョウコに似ている。 「初めまして。私は、キョウコさんと同じ高校を卒業した者 で・・・・・・・・」 シナリオは、初めから用意してあった。 天文部のOB会を開くという名目で、キョウコの現住所を確かめるつもりだ った。 しかし、応対に出てくれた母親は、キョウコの名前を口にした途端、顔を曇 らせて黙り込んでしまう。 「今のお住まいと、連絡先を教えていただきたいんですが。」 「キョウコは、その・・・。」 何度訊ねたところで、口ごもるだけで、うまく要領を得ない。 「ご結婚されたんですよね。どちらに嫁がれたか教えていただけると、あり がたいんですが・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 「お嬢さんをお産みになって、幸せに暮らしていると伺ってます が・・・。」 幸せ、という言葉に母親が反応する。 「キョウコは・・・・確かに結婚をして、娘も生みました。つい、この間ま では、3人で元気に、幸せそうに暮らしてもいました・・・・で も・・・・。」 母親の顔に暗い影が落ちる。 「でも?でも・・・なんですか?」 「夫が、半年ほど前に亡くなってしまって・・・・・・。」 母親の肩が震え始めた。 ダンナが死んだ?・・・・・・。 嫌な予感がした。 「そして・・・・・・・・」 母親が肩を震わせながら、顔を両手で覆っていく。 「そして、なんですか?・・・・」 「2ヶ月くらい前から、孫と一緒に・・・連絡がつかなくなったんです!」 最後は、悲鳴のような声だった・・・。 <PM1330 また自宅アパート> 泣き伏せる母親をなだめて、なんとか住所と連絡先を聞き出し、アパートに 戻ったときには、すでに1時を回っていた。 キョウコの現住所は、青森だった。 また、ずいぶんと遠くへ行ったものだ。 夫になった男のツテが、青森にあったらしい。 どんな理由があって青森に行くことになったのかは、わからない。 そこまでは、深くは訊ねなかった。 移ったのは6年前だと言う。 娘を連れて、キョウコは、亭主と一緒に青森へと移ったのだ。 ぼんやりとだが背景が見えてきた。 事故で夫を失い、キョウコは金に困ったのではあるまいか。 大黒柱を失ったのだから、生活が困窮するのは目に見えている。 そこに、つけ込んだ奴らがいる。 おそらく、そんなところだろう・・・。 青森か・・・・。 ふと、何かが、また頭をよぎった。 青森・・・・、雪・・・・・・。 <PM1430 またまた自宅アパート> 表の通りから、子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。 今日は、5時間授業のはず。 もうすぐ、コトリが帰ってくる。 コトリが帰ってくるまでの間、キョウコの母親に教えてもらった連絡先に電 話をしてみたが、やはり繋がらなかった。 親が連絡できない状況にあるのだから、そう簡単に繋がるはずもない。 キョウコの両親は、連絡がつかなくなってから、5回ほど青森に足を運んだ らしい。 キョウコが住んでいたアパートは、ひどい有様だったと、母親は話してい た。 まるでゴミ箱をひっくり返したような、足の踏み場もないほどの荒れよう に、腰が抜けそうになるほど驚いたそうだ。 夫の遺影も残されたままだった。 ただならぬ部屋の状況を見て、両親は、すぐに地元警察に相談をしている。 捜索願も出したそうだ。 しかし、まだ事件性があるとは、判断されてないらしい・・・・。 あのビデオのことを、警察に話していいものか、正直オレは、迷っていた。 アレは、キョウコたちを探すための重要な手がかりになるには違いない。 しかし、果たして、あの中身が公になったとき、キョウコは、無事に社会復 帰できるのだろうか? それを思うと、うかつには動けなかった。 非常にデリケートで、難しい問題だった。 「バイバーイ!」 ひときわ大きな可愛らしい声が、外から聞こえてくる。 やっと、お転婆娘が帰ってきた・・・・。 <PM1500 またまたまた自宅アパート> 可愛いぃ♪ 膝上までのリボン付きニーハイソックスに、頭には、頬までかかるくらい長 くて大きなリボン。 トレードマークのウサギの髪が映えますよ♪ まぶたにシャドウを薄く塗って、唇に濃いめのピンクのルージュも塗った ら、ハイ出来上がり♪ 「なにこれ?」 いいの、いいの、オレの趣味♪ ってか、手伝え。 コトリは、駐車場にオレのクルマがあるのを見て、自分の部屋に帰らず、そ のまま、まっすぐオレの部屋にやってきた。 けけっ、飛んで火にいる夏の虫。 「今日、休みなのぉ?」 そんなこた、どうでもいいから、こっちへ来い!。 有無を言わさず、抱え上げて寝室へ連れ込み、瞬く間に素っ裸に。 「ハイ、これ穿いて♪」 手渡したのは、ゴスロリショップ「プチキャンディ」の通販で買った上のヤ ツ。 「なんなのコレ?」 ハイ、文句言わないで、お着替えお着替え。 今日は、時間もあるからお化粧もしちゃお♪ 前々から、コトリにこんなカッコをさせてみたいと思ってた。 出来映えは? うわっ!逝った!! 目の前に登場したのは、発禁確実、悩殺間違いなしの危ないグラビア天使。 日焼けのビキニラインだけが、ちょっと変だけど・・・。 「いったい何なの?」 本人は、いきなり奇妙な格好をさせられて不満げだったが、浴室の鏡で自分 の姿を見たら、意外とご満悦。 ほれ、ご馳走用意してやったぞ。 でも、やっぱり寝たまんま。 バカはほっといて、ご主人様はやる気満々。 我慢なんかするはずもなく、ベッドに引きずり込んで襲いかかった。 「ちょ!・・・タカ!」 いきなりがむしゃらに襲いかかられて、コトリは焦りまくり。 知ったこっちゃねえ! こっちは、あまりの可愛らしさに、理性なんか吹き飛び、ただの野獣に。 小さな頭を後ろから鷲掴みにして、荒々しく舌を吸い上げ、幼気なアソコを 乱暴に弄び、身体中に舌を這わせて舐めまくる。 足首掴んで、引き裂かんばかりに左右に拡げ、アソコだけじゃ飽きたらず、 身体をくの字に折って、お尻の穴まで舐めまくった。 初めは脅えた目を向けてたコトリも、最近じゃすっかり慣れてきたのか、い つの間にか、うっとりと目を閉じて、オレのするがままにやられまくり。 ほれ、お尻くねらせてみ。 吸いつくようにアソコを舐めてやると、気持ちいいらしくて、うん、うん、 言いながら、小さなお尻をくねらせる。 ずいぶんと、いやらしい子になったこと。 もう、可愛くて可愛くて、アソコを舐めては、唇を重ね、舌をあきれるくら い絡め合っては、またアソコを舐めていた。 よく考えたら、ばっちいよな。 昨日、お漏らしするまで虐められたコトリは、今日は、とっても素直でイイ 子。 上にしたり下にしたり、たまに抱え上げて逆さまにしたり。 何をしても嫌がらないから、めちゃめちゃ可愛らしくて、頭のてっぺんから 足の指一本一本まで、念入りに舐めて可愛がるほどの熱の入れようだったの に、うちの放蕩息子は、どっかに行ったきり。 いい加減にしろよお前・・・・。 すごく興奮してたけど、コトリでもダメならどうすりゃいいんだと、急に不 安が頭をもたげて、だんだん気分が萎えてきた。 「どうしたの?」 不意にオレの元気がなくなったのを見て、コトリが心配そうな顔。 「ちょっと、疲れてるらしくて、元気がないんだ。」 見つめた先には、傷心にぐったりとしたアイツ。 「ほんとだ、元気ないね。」 コトリが指先で、ちょんちょん。 やっぱり悪い事って、できないようになってるのか? 密かにコトリとシホの親子丼を目論んでたオレ。 3人で笑いながらエッチ、なんて夢のようなハーレム計画を画策していた が、現実は、昨日のキョウコのようになるのかもしれない。 神様って、やっぱり見てんのかも・・・・? 人生最大の危機を迎え、だんだん鬱っぽくなって、壁にもたれるように寄り かかっていた。 「大っきくしてあげよっか?」 コトリが悪戯っぽい瞳を輝かせながら、無邪気に笑いかけてくる。 無理無理、あれだけ興奮してもデカくならないんだから。 なんて、思ってたら、いきなりパクッ。 あら、ありがと。頑張ってくれるの?・・・・・。 投げ出したオレの足の間で、一生懸命口をモグモグ。 うわっ・・・意外と上手になったね、お前。 ここのところ、思ってたことだが、コトリは、ほんとに嫌がらないで一生懸 命してくれるようになった。 可愛らしい顔を、縦にしたり横にしたり。 時々オレを見上げるエロっぽい艶のある眼差し。 化粧をしたせいか、ひどくいやらしい顔。 とても、子供にゃ見えないね・・・・。 小さな手のひらに包み込み、先っちょを三角形の舌が、チロチロ。 中まで舐めてくれる。 おお・・・って、ん? なんか、かすかな兆候が・・・・。 それまで一切の神経が遮断されていたように無反応だったのに、今はコトリ の舌の気持ちよさが微妙に伝わってくる。 うわっ、だんだん気持ち良くなっていく・・・・。 みるみる力が漲っていくのが自分でもわかった。 コトリの吐く息が、苦しげになる。 おお・・・・・。 足が突っ張ってきた。 コトリの頭が大きく動き出す。 おお・・・・・ おおおお・・・・・・ おおおおおおおおおおお!! キターーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!! 「ぷはっ!」 コトリが開けた口の中から飛び出したのは、まさしく帰ってきたウルトラマ ン。 まるまると肥え太ったアイツが、「よっ!ただいま!」と、元気に頭を振っ ている。 お帰り~~~♪ 「大っきくなったよ♪」 得意そうな顔で、無邪気に笑いながら、嬉しそうにしているコトリが、まる で本物の天使のように思えてならなかった。 コトリーーーーーーーーーーッ!!!! 一度、失くしかけたものが、再び戻ってきたときの喜びは、ひとしお。 その喜びを取り戻してくれたのが、この愛らしい天使だと思うと、コトリへ の愛しい想いは、いっそう激しく強くなる。 コトリを腹の上に乗せて、何度もキスを繰り返した。 いつもとは違う、ほんの少しだけど大人びた顔。 目元なんか、ほんとにシホによく似てる。 ルージュに濡れ光るぷっくらとした唇なんて、まるっきり一緒。 頭には、頬までかかる、長く垂れ下がったリボン。 ただでさえ可愛いコトリを、さらに可愛らしく演出してくれる。 小麦色に焼けた肌に、真白いニーソックスが、目にまぶしいほどに映えてい た。 股間で、バカみたいに堅くなって、いきり勃ってたアイツ。 コトリを欲しがっていたのは、ヤツだけじゃない・・・・。 コトリの股間に押しつけた。 突っつくように、何度もコトリの上を滑らせる。 お前の中で、遊びてえよ・・・・・。 コトリは、アソコを突っつかれて不思議そうな顔。 目が合うと、悪戯っぽい顔をして笑った。 ハッと息を呑むほど、無邪気であどけない笑み。 もう、だめだ・・・・。 おもむろに、起き上がり、身体の上下を入れ替えた。 眼下にあったのは、あきれるほどに頼りなげで幼い肢体。 膝を押して、足を拡げていった。 太い肉塊に貫かれ、気持ちいい!と叫んでいた、キョウコの娘の姿が脳裏に ある。 ほとんどコトリと変わらない体つき。 指を添えて、押し当てた。 「タカ・・・・。」 コトリが、不安げな目を向ける。 まるでオモチャみたいに、単純なつくりでしかないスリット。 厚い陰門に埋もれた薄い肉襞は、ようやく顔を出そうとするあたり。 指を添えながら、ゆっくりと前に進めていった。 コトリが顔をしかめて、上へと逃げていく。 上から圧するように覆い被さり、胸の中に閉じこめた。 小さな頭を掴んで、しっかりと抱きかかえてしまう。 もう、これでコトリは逃げられない。 また、ゆっくりと、腰を前にずらしていった。 何度も、コトリの上を滑っては逃げていく。 何度も、繰り返した。 何度目かのあと、芯を捉えて、コトリの中にめり込んだ。 骨が軋むような感触がある。 堅くて、まったく思うように進まない。 シホとは、まったく違う。 シホのは、誘い込むように、呑み込んでくれる・・・・。 小さな身体を壊れるくらい抱きしめた。 壊れてもかまわない。 必ず、オレのモノにしてやる。 観念しろ、と腰を沈めようとしたときだった。 ふっと、背中に回された細い腕。 耳に聞こえてきたのは、コトリの震えるような忍び泣く声。 胸を離すと、コトリは、唇を噛みしめて、怖いものを見たくないようにギュ ッとまぶたを閉じている。 可哀想なくらい肩が震えていた。 まぶたの隙間には、大きな涙の粒がいっぱい溜まっている。 痛い、と泣けばいいものを、コトリは、ずっと我慢しつづけた。 おバカ・・・・・。 バカなのは、オレか・・・・・。 何度も、コトリにキスをした。 あきれるくらいキスをしつづけた。 コトリは、しがみついて小さな声で泣いた。 優しく包み込むように腕の中に入れてやると、安心したように目を閉じた。 腕の中にあるのは、大事な宝物。 オレの命なんかより、ずっと大事になってしまった宝物。 小さな頭を撫でていた。 そのうちコトリは、安心しきったように眠ってしまった。 窓の外には、まだ明るい陽の光。 腕の中にある心地よい重みが、ひどく、オレを幸せな気持ちにしてくれる。 目を閉じると、コトリの可愛い寝息が聞こえる。 その寝息を子守歌代わりに、オレも、深い眠りの中へと落ちていっ た・・・・。 <PM1815 またまたまたまた自宅アパート> 朝と同様、ケータイの着信音に、目が覚めた。 時計を見たら、6時過ぎ。 やべっ!! シホは、週末決済をする金曜以外は、おおかた6時半には帰ってくる。 慌ててコトリを起こして、慌ただしくお着替え。 コトリは、寝ぼけて、まだ夢遊病者。 はいっ、お顔を拭いて・・・。 クレンジングフォームで、顔をゴシゴシ。 「痛いぃっ!」 目が覚めたろ。 10分もしたら、表に軽のエンジン音。 駐車場に入ってきやがった。 早いって!! シャドウは取れたが、まだうっすらとルージュの跡が残っている。 思わずキスをして、舐めてみたが取れるわけもない。 コトリは、急にキスされて、うっとり・・・。 なに、ほうけてんだボケッ! まだ、ハーレム計画は途中。こんなところで頓挫させるわけには、いかな い。 いったん部屋に帰るかと思ったが、シホは、いきなりオレの部屋にやってき た。 軽のドアが閉まったと思ったら、すぐさまオレの部屋の玄関がノックされ る。 なんでお前らは、すぐにオレの部屋にやってくる!! 間に合わない! あとは、コトリがうまく誤魔化してくれるか、シホがボケ倒してくれるのを 祈るのみ。 武運長久を祈る! 気持ちは、特攻隊を送り出す司令官。 「家に帰ったら、急いで風呂に入れ。」 ドアを開ける前に、取りあえずコトリにミッションを与えておいた。 それくらいのこと、できるでしょ? ドアを開けたら、たちまち甘い匂いが流れ込んでくる。 「ただいま♪」 いつものあどけない顔が目の前に。 やっぱり可愛い~♪ 「お帰り~♪」 コトリがいなきゃ、そのまま押し倒すところだった。 「あら?コトリもいたの?」 シホが、コトリに気づいて不思議そうな顔。 でも、すぐに顔をほころばせていく。 「いっぱい、タカ君に遊んでもらった?」 「うん!」 「そう、良かったわね・・・。」 ラッキー。シホは、どうやら口紅のあとに気づいてないらしい。 「ねぇ、ママ・・・・」 「なあに?」 「一緒に、お風呂に入ろう。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 お前、強引すぎるぞ・・・・・・・・・。 確かに、急げ、とは言ったけどさ・・・・・・。 「一緒にご飯食べない?」 シホが、嬉しそうに持ち上げたのは、食材の詰まったビニール袋。 どうやら、オレのために買ってきてくれたらしい。 「う、うん・・・・後から行くよ。」 さっきの着信で、ディスプレイに表示されたのは「重丸伊左久」の文字。 シゲさんの本名。 シゲさんの電話なら、そんなに放っておくこともできない。 シホとコトリが、玄関を出て行くと、すかさず、オレはリダイヤルのボタン を押していた。 短い呼び出し音のあとに、シゲさんが出た。 「もしもし・・・・。」 「よう、お前、今日休んだんだって?」 「はあ、例の件もありましたから・・・・。」 「そっか、早速始めてくれてるのか・・・。」 「ええ、まあ・・・ところで、なんの用事ですか?」 「ちょっと、また事情が変わってな、早急にお前に話しておきたいことがあ る。」 「話し?シホさんとコトリちゃんのことですか?」 「そうだ。・・・・・お前、今どこにいる?」 「自分のアパートにいますが?」 「そっか、なら今から、そっちに行く・・・。プッ」 あっ! 場所、わかります? まあ、相変わらず忙しい人だこと・・・・・・。
2009/09/15 23:14:08(1bIGIDp8)
投稿者:
可愛い弟子15Part2
◆8pDveiYQdk
<PM1850 またまたまたまたまた自宅アパート>
シゲさんは、すぐにやってきた。 なぜ、わかる? 「お前、しばらく役所に来なくていいぞ。」 はぁ? のっけから右ストレート。 小さなテーブルを、はさんで向き合っていた。 テーブルの上には、麦茶のコップ。 「まだ、仕事が残ってるんだ。お前に話すだけ話したら、すぐに戻らなけり ゃならん。」 ウイスキーでも出そうと思ったら、そう言って、シゲさんは遠慮した。 ほんと・・気の毒なくらい忙しい人だ。 今日も、渋いスーツで決めている。 「どういうこと?」 いきなり「来なくていいぞ」と言われて「はい、そうですか」と答えるバカ はいない。 「言った通りの意味だ。お前は、明日から登庁しなくていい。課長の野呂さ んには、オレから事情を説明しておいた。」 「事情って?」 「お前を、オレの下でしばらく使う、ってな。」 シゲさんは、本来ならオレがタメ口きけるような人じゃない。 遙か上の上司で、紛れもない殿上人だ。 同じ課長職でもポストによっては、就ける人と就けない人がいる。 秘書課の課長は、その中でも最高位の職位ポストだ。 シゲさんは、課長ではないが、実質、権限は、秘書課長なんかよりはるかに 大きいものがある。 長年の慣習から来る年齢制限が、たんに彼を今のポストに留めているに過ぎ ない。 その足かせがなくなったとき、シゲさんは、今よりもさらに高い所へ、大き く飛翔する。 ちなみに、野呂課長とは、今朝の電話の相手で、直接のオレの上司だ。 立派な準キャリアだが、とうに出世を諦めて、定年を指折り数える気の毒な ジイ様だ。 シゲさんの下で、直接働けるようになったのは、嬉しい。 オレがこの世で2番目に尊敬する人だ。 だが、野心家であり、策士でもある彼は、何を考えてるのかわからないとこ ろがある。 現に、この二日間は、シゲさんの言葉に翻弄されっぱなしだ。 手放しで喜ぶこともできない。 「事情が変わったって言ってたけど、役所に行かない理由は、それに関係あ るの?」 「その通りだ。」 「で、役所に行かないで、オレは何をすれば?」 「別に、何もしなくていい。」 出たよ・・・・。 相変わらず、人を煙に巻くのがお好きなようで・・・・。 「何もしなくていいって、どういう事?」 「今まで通り、あのふたりを監視してくれればいい。ただ、事態が切迫して きて、それほど余裕がなくなった。あのふたりを、四六時中監視する必要が 出てきたんだ。それを、お前に頼みたい・・・・。」 「四六時中って・・・・そんなの無理だよ・・・。昨日も言ったけど、片方 は勤め人、もう片方は学校に通う女の子じゃ、同時に見張るなんてことでき ないよ。」 「同時に見張る必要はない。娘の方は、幸い通っている学校が近いし、あそ こは防犯意識も高く設備も整っているから、それほど神経を使う必要もない だろう。登下校は、集団が決まりだし、家も近いから途中でひとりになるこ ともない。注意を払うとすれば、家に戻ってからと、学校のない週末ぐらい だ。」 シゲさんの話し方に妙な違和感を覚えた。 「防犯意識とか、ひとりになることはない、とか、なんだかコトリちゃんが 誘拐されそうな言い方だけど・・・・?」 シゲさんの目つきが変わる。 鋭い目を向けてきた。 しかし、何かを言いたげな素振りを見せるが、なかなか口を開かない。 思考を頭の中で巡らせてる感じだ。 オレに向けて、指を2本立て、その指を閉じたり開かせたりする。 タバコを吸わないオレの部屋に灰皿はない。 キッチンに行き、缶ビールの空き缶を持ってきて、シゲさんの前に置いた。 シゲさんが、内ポケットからタバコを取り出し、火をつける。 大きく吸い込んでから、大量の煙を吐き出した。 たぶん、コレはシゲさんが考え事をするときのクセなんだろう。 しかし、もったいぶった人だ。 政治家には、こういった演出も必要なのかもしれない・・・・。 「タカ・・・・。」 「はい・・・。」 「今から、お前に話しをする前に、確かめておきたいことがある。」 ひどく目つきが怖かった。 まるでオレを敵のように睨んでいる。 「確かめ・・・たいこと?」 「お前、シホをどう思ってる?」 いきなり来たよ。 シホ! 呼び捨てかよ・・・・。 シゲさんの目には、返答次第では、っていう、なんだかわからない不気味な 怖さがあった。 急に、思いがけないことを訊ねられて、言葉に窮した。 「どう、思ってる・・・て・・・・」 「はっきり言おう。お前の返事次第では、今回お前に頼んだ話は、聞かなか ったことにしてもらう。」 「どうして?・・・・。」 「そんなことは、聞いてない。オレの質問に答えろ。」 有無を言わさない迫力があった。 「シホさんは・・・好きですよ・・・。」 「好きとは?」 「えっ?」 「お前の好きってのは、どのくらいを言ってるんだ?」 「どのくらいって・・・・」 そんなのわかんねえよ。 言葉に詰まっていると、シゲさんが、しょうがねえヤツだって、言いたげ に、身体を後ろに倒していった。 後ろに置いた両手で身体を支えながら、じっとオレを見つめている。 「なあ、タカ。これだけは言っておくぞ。シホとお前がどんな関係になった って俺はかまわん。だがな・・・これだけは覚えておけ。中途半端に好きに なるなら、彼女には近づくな。それは、俺が許さん。」 「どうして?」 「お前が、心配だからだ。」 「心配?」 「ああ、そうだ。」 それ以上、声が出なかった。 気迫に飲まれていた。 シゲさんが、大きく息を吐いた。 すぐに表情を和らげていく。 「でもな、俺は、お前みたいなヤツこそ、彼女に相応しいとも思っている。 お前みたいに、強くて、優しいヤツがな・・・。」 最後の方は、ひどく優しい眼差しだった。 その眼差しのままにシゲさんがオレを見つめる・・・・。 「彼女を、ずっと好きでいつづける自信があるか?」 優しい声だった。 オレは、答えなかった。 ただ、シゲさんの瞳だけを、正面から見つめていた。 「何があっても、彼女の支えになりつづける自信があるか?」 シゲさんは、オレの答えを知っている。そんな感じだ。 「彼女を、命がけで守ってやれるか?」 覚悟を決めろと、瞳がオレに言っていた。 小さかったけれど、オレは、そこだけ、しっかりと頷いた。 「そっか・・・・・・・。」 シゲさんは、後ろに倒した身体を両手で支えながら、天井を仰ぎ見た。 しばらくの沈黙。 「じゃあ、命がけで守ってもらおうか・・・・・・・。」 え? 「いいか、タカ。」 身を乗り出してきた。 「ケガをされても困るから、もしものために、お前にだけは教えておく。」 ただならぬ、表情だった。 さっきまでとは打って変わって、ひどく真剣な顔だ。 鋭い眼差しがオレを見つめる。 シゲさんが口を開いた。 「あの親子は、この数週間内に拉致される可能性がある。」 「拉致!?」 息を呑んでいた。 「そうだ。相手は聞くな。だが、あの親子に危険が迫っているのだけは間違 いない。あのふたりを命がけで守れ。この役は、お前にしかできな い・・・。」 「拉致って、いったい・・?」 「事情も聞くな。いずれ時が来たら話してやる。」 「しかし・・・」 「俺は、あの子に約束したんだ。必ず守ってやる、と・・・・・・。もう、 あの子を悲しませたくはないんだ・・・・・・。」 あの子・・・・。 「シゲさん・・・・・・。」 シゲさんは、タバコを薫らせる。 自戒するように、大きくため息を吐いて視線を下げた。 「本来なら、俺がやるべき事なんだがな・・・・。もう、勝手気ままに動け る立場じゃない。面倒くさいもんだ。だが、お前がいてくれて助かった。う まい具合に、お前たちが、くっついてくれたおかげで、こっちも、だいぶ楽 に動けるようになった・・・・。」 「シゲさん、俺とシホのこと気づいてたの?」 シゲさんがニヤリと笑う。 「ああ、たまに探りを入れてたからな。お前がこのアパートに引っ越したの も、知っていた。度々お互いの部屋に出入りするようになったのも な・・。」 度々探りって・・・・。 シホが、言ってた変質者って、アンタのことじゃねえのか? 「この前、シホに会って確信したよ。はっきりと口にはしなかったが、お前 のことを訊ねたら、真っ赤になって俯いていた。バカでもわか る・・・・。」 「じゃあ、この前、体育館で会ったって・・・・。」 「まあ、それだけじゃないんだが、お前のことを確認したかったのも確か だ。」 「だったら、直接オレに訊いてくれれば・・・・・。」 なんもいらん心配しなくてすんだのに・・・。 「お前みたいにストレートの剛速球しか投げれんヤツに聞くわけにはいかん よ。これは、非常にデリケートな問題なんだ。」 はいはい、どうせバカですよ。 「とにかく、あのふたりを守れ。それには、お前のその拳が必要なん だ・・。」 どんな事情があるのかは知らないが、シゲさんがこれほど言うからには、あ のふたりに危険が迫っているのは間違いないんだろう。 「あのふたりは、自分たちが危険だって事は、知ってるの?」 「いいや、知らないはずだ。」 はず? 「たぶんな・・・・」 シゲさんの瞳に一瞬だけ、暗い影が宿る。 「シゲさん・・・どうせ訊いても教えてくれないんだろうから、オレも、も う深くは訊かないけれど、でも、小さな事でいいから、多少なりとも教えて もらえると、こっちとしてもありがたいんだけど・・・。」 あのふたりが危険なのは、わかった。 だが、まったくの徒手空拳では、こちらも不安だ。 「わかった。教えられるだけのことは教えてやろう。まず、ふたりとも危険 だが、特に危険なのは娘の方だ。」 コトリ!? 「な・・!?。」 ・・ぜ、と訊ねそうになって、慌てて声を引っ込めた。 シゲさんがじろりと睨む。 すいません。続けてください・・・・ 「だが、場合によっては、母親の方、つまりシホの方が危険になる。」 ?????? シゲさん、禅問答じゃないんだから・・・・。 「特にシホには注意しておけ。コトリちゃんの方が危険だが、監視に重点を 置くならシホの方だ。」 「これは、なんかのクイズなわけ?全然意味がわからないんだけど・・。」 「正直なところ、俺にもわからんのだ。」 困り切ったような顔をしながら、シゲさんが小さくため息をついた。 「実を言うとな、拉致されるかどうかもわからん。」 なんだそれ!? 「現段階では、可能性が高い、と言うだけで確証はない。すべてが憶測でし かないんだ。」 今度は、オレの方が身体を倒していた。 なんだよ、それ? じゃあ、まったくなにもわからないって事じゃないか。 「しかし、ある時期から、その可能性が非常に高まったのは事実だ。そし て、今は危険度がもっとも高いレベルにある。確証がないからと言って、何 もしないわけにはいかない。そんな場合じゃないんだ。何か起こってからじ ゃ遅いんだよ。」 確かに。 「もし、奴らが動くとすれば、それは、ごく近い時期だろう。奴の性格から しても、それは、まず間違いない。」 ヤツ?シゲさんは、相手を知っている? 「タカ。」 「はい。」 真剣な眼差しが向けられる。 瞳の中に少しだけ不安の色があった。 「もし、仮にあのふたりが襲われたとしたら、襲撃者の中のひとりは、間違 いなく手練れだ。油断するな。無理はしなくていい。自分だけでは勝てない と判断したら、迷わず俺に連絡しろ。何があっても必ず助けにい く・・・・。」 シゲさんは、そう言うと、もう話すことはないと言いたげに、タバコを空き 缶に投げ入れた。 結局たいしたことは、わかんねえな・・・・。 でも、シゲさんとふたりなら心強い。 シゲさんは、「春雷重丸」と警察官たちからも、畏怖されるほどの凄腕の剣 士だ。 ゆったりとした構えから、一瞬にして相手を切り裂く高速の太刀筋が、穏や かな春の空に、突如、閃光を走らせる稲妻に似ていることから、そう呼ばれ ている。 それに剣道3倍段と言われるほど、有段者に武器を持たせたら、まず、かな う奴はいない。 シゲさんほどの高段者なら、なおさらだ。 えっと・・・・6段の3倍だから・・・18段!! すげっ!多変速ギヤのチャリンコ並だ。 やっぱ、速そ・・・。 シゲさんが立ち上がりながら、タバコをポケットへとしまっていく。 「タカ、この件が片付くまでお前は自由だ。2度目の休暇を楽しんでこい。 その代わり、やることは、きちんとやっておけよ。」 へいへい。 「ああ、それとな・・・・。」 玄関で靴を履いていたシゲさんが振り返る。 「俺は、監視しろ、とは言ったが、調べろ、とは言ってないからな。気持ち はわかるが、市民課であまり悪さすんなよ。」 そう言って、ニヤリと笑うと、シゲさんは、玄関を出て行った。 <PM1930 シホとコトリの部屋> 全部バレてやがる。 どれだけバケモノじみてるんだ、あのオッサン。 あらためて、あのオヤジの怖さにゾッとしたよ。 思いの外、シゲさんとの話に時間を食って、オレがシホの部屋を訪ねたとき には、ふたりは、風呂に入っていた。 ほんとに一緒に入ったらしい。 「上がって、待ってて!」 玄関のチャイムを鳴らすと、玄関のすぐ右にある浴室の小窓から、シホの声 が帰ってきた。 ドアノブを回すと、いきなり扉は開いた。 お前、鍵くらい掛けておけよ・・・・マジで、さらわれるぞ・・。 玄関を上がって、キッチンに目を向けたら、テーブルの上には、土鍋を置い たコンロがセットしてある。 えー・・・・今は、夏です・・・・。 中身は何かな、と、土鍋のふたを開けたら・・・・。 うわっ!!! こ、腰が抜けた・・・・・・・・。 ダシの中でタコがまるまる一匹泳いでた。 な、何つくるつもり?・・・・・・。 浴室から聞こえてくるのは、楽しそうに、はしゃぐふたりの声。 あんな声を聞いていると、あのふたりが拉致される危険があるなんて、現実 のものとして実感できない。 いったい、こいつらには、どんな秘密があるって言うんだ・・・・・。 浴室のドアの開く音がして、まずコトリが出てきた。 脱衣所代わりの廊下のアコーディオンカーテンが開いて、いつもとは違う、 長い髪を下ろしただけのコトリが顔を出す。 「タカァー。」 身体にバスタオルを巻いただけ。 嬉しそうに走り寄ってきた。 お化粧は、しっかり取れたね。 でも、やっぱり素顔が一番可愛いや。 濡れた長い髪が、妙に色っぽい。 「着替えてくるから待っててね。」 自分の部屋に行こうとしたコトリの手を取って、腕の中に抱きしめた。 いい石けんの匂いがする。 唇を重ねた。 バスタオルの下に手を滑り込ませて、小さなお尻を撫でた。 「エッチ・・・・。」 唇を離すと、悪戯っぽい顔で笑いながら、コトリが小さく囁く。 エッチな方が好きでしょ? コトリが、部屋に入っていくと、入れ替わるように、すぐにシホが浴室から 出てきた。 シホも身体にバスタオルを巻いただけ。 コトリと違って、頭にもタオルを巻いていた。 「ごめんなさい。パジャマ準備するの忘れてて・・・。」 はしたない格好を、恥ずかしがるように、シホがオレの前を通り過ぎようと する。 前をふさいで、シホも腕の中に絡めとった。 唇を重ねていくと、かすかに抗うような仕草を見せる。 コトリを気にしているらしい。 観念しろと、尻を強く掴んで、引き寄せた。 現金なアイツは、復活を誇示するように、頭をもたげてシホの腹を押してい く。 コトリと同じ石けんの匂い。 コトリと違うのは、手のひらに伝わる豊かなボリューム感。 小柄だが、お尻だけは人並みに大きいシホ。 唇を離すと、すがるような目が向けられる。 「ご飯・・・すぐにつくるね・・・・。」 シホは、恥ずかしそうに俯きながら、オレの腕を離れると、自分の部屋へと 入っていった。 見た目は悪いが、タコの鍋は、意外にうまかった。 これこれコトリ、頭からかじるのはやめなさい。 ぶつ切りにしたタコの足をみんなで、かじりまくり。 喉に流し込むビールのメチャクチャうまいこと。 シホが、甲斐甲斐しくビールを注いでくれる。 コトリも負けじと張り合っていた。 みんなでキャアキャア言いながら鍋を突っついた。 この幸せを奪おうとするヤツは、たとえ、どんな理由があろうと許さない。 かならず、ぶっ殺す! 楽しそうに笑っているアイツらを眺めながら、オレは心の中で、固く誓って いた。 <AM0100 自宅アパート前の路地の中> うぅー・・・眠たい! 眠い目をこすりながら、アパートの前にある路地に立っていた。 路地と言ったところで、人の入れる隙間がやっとあるくらい。 一軒家と一軒家の間にある狭い壁の隙間。 シホの部屋を監視していた。 道路をはさんだ向こう側、オレの正面にシホの部屋が見える。 (拉致される可能性がある・・・・・) シゲさんは、そう言っていた。 もし仮にそれが本当だとすれば、人目のある昼間は考えにくい。 シホとコトリでは昼間の生活パターンも違う。 それに、ひとりずつでは、能率が悪いし、露呈する危険も倍になる。 その問題を解消するためには、夜だ。 それも深夜を狙うのが、もっとも安全で確実かつ効率的だ。 深夜ならば、あのふたりは間違いなく部屋にいる。 ふたりを同時に、さらうのにこれほど適した環境はない。 やるなら夜だ。 オレならば、そうする・・・・。 あまりにも情報が少なすぎて、相手の出方がわからなかった。 出方がわからないときは、自分に置き換えて思考するのがセオリーだ。 この辺りは、住宅地で家が密集しているが、夜になれば、ほとんど人気はな い。 近くにコンビニや深夜営業の店がないから、深夜ともなれば、人の足は、ぱ ったりと途絶えてしまう。 まれに、目の前の道路を、クルマが横切っていくだけで、不気味なくらいの 静けさがある。 今の時間ならば、鍵さえ開けることができれば、難なく、あのふたりをさら うことができるだろう。 昼間は捨てて、監視の重点を夜間に置くことに切り替えた。 ひとりで監視するには、どちらかに絞らなければ、身体が持たない。 それにシゲさんが言っていたように、昼間は、シホもコトリも安全だと考え られる。 どちらも人目の多い場所にいるからだ。 よほどのことがない限り、ふたりに危険が及ぶことはない。 オレは、そう考えていた。 夜に見張って、昼間に寝る。 コトリが帰ってくるくらいの時間に起きれば、身体もそれほど堪えないだろ う。 それに滅多にないチャンスだ。 学校から帰ってきたコトリに、目一杯悪さしてやる。 あんなコトやこんなコトを教え込んで、めちゃくちゃエッチな女の子にして やる! なんてなコト考えてたら、起きてきやがった。 現金なヤツ・・・・。 昼間は、あんなに寝てたくせに・・・・。 お前と違って、オレは眠たいよ。 朝に2時間、夕方に同じく2時間くらいか? オレは8時間以上寝ないとダメなのよ。超健康優良児だから。 しかし、それにしても腰が・・・・・。 ずっと立ち続けていると、超健康優良児でも、さすがに腰がやられてくる。 勃ちっ放しで平気なのは、お前だけ・・・。 明日、実家に帰って、折り畳みイス持ってこよ・・・・・。 わずかに伸びる外灯の光が、ぼんやりとアパートを照らしていた。 どの部屋も真っ暗。 シホたちも、きっと、ぐっすり眠っているに違いない。 そういや海上保安官さんも、陸上自衛官さんも、今頃は寝ているんだろう か? たまに上の部屋からは、夜中にギシギシと、音が聞こえたりする。 何度か駐車場で挨拶を交わしたことはあったけど、どちらも若そうで精悍な 顔つきをしていた。 どっちも可愛らしい奥さんだったなぁ。 お隣の奥さんは、まだ小さな赤ちゃんを抱いてたっけ。 あの奥さんの乱れたところを見てみたい・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 男のスケベって、永遠に変わんねえな。 今は、すごく恵まれた環境にいる。 一緒じゃないけど、シホとコトリのふたりを自由にすることができる。 そんな、幸せな環境にいて、なに言ってんだか・・・。 だから、この幸せを奪おうとする奴らは許さない。 出てくるなら、出てこい! オレが、まとめて打ちのめしてやる! ってか、早く出てきて・・・・・。 すごく眠たいの・・・・・・・。 って・・・・出た!!! 唐突にパジャマに、カーディガンを羽織った、シホが玄関から現れた。 なんだ、いったい!? 思わず、伏せるようにして身を隠した。 シホは、足音を殺すように、階段を下りていく。 駐車場を横切り、前を走る道路の左右を見渡した。 クルマが来ないことを確認した彼女は、小走りで道路を渡ってき た・・・・。 「何してるの?」 「へっ!?」 目の前にシホが立っていた。 <AM0140 シホの部屋> シホに腕を引かれて、部屋に連れて行かれた。 「一緒に寝るんなら、大きい方がいいでしょ?」 シホのベッドは、セミダブル。 玄関を開けると、中には薄明かり。 さっきまでオレがいたときと、なんら変わらない。 違うのは、コトリがいないことだけ。 コトリは、隣の部屋で、今頃、楽しい夢の中。 引き戸を開けて、寝室に入ると中は真っ暗。 シホが、ずっと腕を引いていく。 ベッドを後ろに佇むふたり。 「どうして、あんな所にいたの?」 シホが、オレのジーパンのベルトを緩めながら訊ねてきた。 なんと、答えればいいものか。 うまい答えが見つからない。 ジーパンを下ろされ、シホが足下に跪いていく。 すぐに手が伸びてきた。 愛しいものに触れるような、熱っぽい触り方。 ゆっくりとトランクスが下ろされる。 弾け出すバカ息子。 シホは、当たり前のように、手のひらに包んできた。 ひんやりとした冷たい手。 「重丸さん?・・・・・」 何も答えないオレに、下からシホが囁く。 答えを返す前に、ぬるりとしたものに包まれた。 温かくて柔らかい濡れた粘膜。 握りしめた手のひらと一緒に、シホが頭を動かしていく。 真っ暗な闇の中に響く、唾液を啜りとる、いやらしい音。 コトリとは、比べものにならないほど濃密な舌使い。 まるで命を持った生き物のように、舌が、まとわりついてくる。 座れと言いたげに、シホが軽く腰を押してきた。 ゆっくりと膝を曲げ、オレは、そのまま、ベッドに身体を横たえた。 仰向けになり天井を見上げながら、聞こえてくるのは、子犬がミルクを舐め るような音と、苦しげなシホの息遣いだけ。 彼女は、ボタンを外すと、自分でパジャマの前を開いていった。 もどかしげに脱ぎ捨て、ブラも外して捨ててしまうと、今度は、下も脱いで いく。 一糸まとわぬ生まれたままの姿になって、ベッドに上がってきた。 またオレのモノを口にして、そして、今度は、オレの顔を跨いでくる。 「舐めて・・・・。」 目の前にあるのは、あどけない顔には似合わぬ、生々しく、ほころんだ花び ら。 さっきまでのシホと、今のシホが、まったく別の人格に思えてならない。 顔を近づけていくと、芳醇なメスの匂い。 引き寄せられるように顔を埋めていた。 舌を動かしてやると、シホが細い声で泣く。 シホの愛液に、顔が濡れる。 もっとまみれたくて、シホの股の間で、遊びつづけた。 「ああ・・・・はぁ・・・・ああっ!・・・・」 シホが、たまらないと言わんばかりに、声を上げる。 痛いほどにオレのモノを握りしめてくる。 飽くことなく舐めつづけて、シホを狂わせた。 次から次へと溢れだす、メスの匂い。 舌ですくって喉の奥に流し込んだ。 何度も繰り返した。 シホは、丹念に舌を這わせている。 丁寧に上から下まで舌を這わせて、愛しむように口づける。 まるですべてを欲しがるように呑み込んでいた。 足を上げて、シホは、身体の向きを入れ替えると、自分で腰を沈めてきた。 オレに跨り、胸を併せてくる。 「あっ・・・あっ・・タカ君が・・・守ってくれるの?・・・。」 オレにしがみつきながら、切れ切れの声で囁いた。 腰が、一定のリズムを刻んで、絶え間なく上下する。 主導権は、間違いなくシホにあった。 舌が伸びてきて、顔の汚れを舐め取っていく。 「はぁぅっ!・・・ずっと、守ってくれる?・・・・・」 あどけない顔が、オレを見つめる。 不思議な表情だ。 シホは、どこか楽しそうに笑っているようにも見える。 つぶらな瞳が、ずっとオレを見つめていた。 「・・・・守って、くれるんでしょ?・・ずっと、守ってくれるんでし ょ?・・・」 何から守ればいい?・・・・・。 お前たちを狙っている襲撃者とは、いったい誰なのだ・・・・・? 「一緒に、住もう!・・・・そして・・私たちを、守りつづけて!」 シホの腰の動きが速まっていった。 シホは、一心不乱に昇りつめようとしていた。 ベッドが軋む。 痛いくらいに、シホがしがみついてくる。 夢中になっていた。 シホは、狂ったように喘いでいた。 耳元の声が、大きくなる・・・。 オレは、知らなかった。 この女が、あんな恐ろしい秘密を抱えていたなんて、その時のオレに は・・・・・まだ知るよしもなかった・・・・・・。 下の奥さんに、聞こえてんのかな?・・・・・・・。
09/09/15 23:15
(1bIGIDp8)
投稿者:
タカ
◆8pDveiYQdk
な、な、なんと!!
ナンの文字数制限に引っかかりました!! ふざけんなッてくらい長文です。 慌てて、レスに書き込みました。 あーびっくりした・・・・・。
09/09/15 23:19
(1bIGIDp8)
投稿者:
帝
今回はかなり長文でしたけど最後まで夢中になって読ませてもらいました。
一体どんな秘密があるのか気になります。 次も期待してます!
09/09/16 05:10
(OuCtF59A)
投稿者:
通行人
最初、今回は短いんだなーって、下にあるページ数を見て思っていたら、レス見てビックリ
凄い長編になってるでわありませんか 大変面白く、最後は意味深な終わり方… 早く続きを
09/09/16 14:44
(3BAzsc9q)
やっぱり携帯で全部読んじゃいました(^^;
今後どんな展開になるのか,とても楽しみです。タカさん,がんばってくだ さいね。
09/09/17 01:57
(1BMDpmZ4)
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