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1:娘の友達 3 ―耽溺―
投稿者:
やつ
2025/12/03 16:54:51(otTusn1g)
投稿者:
やつ
黒田あさみは車を走らせていた。
今日は娘、陽奈の小学生の時の同窓会だ。大学に進学して初めての夏休み、陽奈は帰省していた。そして、駅前のキッチンカフェでの同級会に出かけ、小学生時代の同級生と、懐かしい思い出話に花が咲いているのだろう。 同窓会が終わってから、何人かでカラオケに行きたいから、と送迎をお願いされていた。 「誰が一緒に行くんだろ?みんな、大きくなったんだろうなぁ…。」 そう思いながら、車を走らせた。 待ち合わせの場所に行くと陽奈が手を振っている。 あさみは車を降りて、話しかけた。 「えぇ〜、みんな大人っぽくなったね! 明日咲ちゃん?すごく大人っぽくなったね!あれ?劉生くん?あんなに小さかったのに1番大きいじゃん!」 あさみは、子供達の変化を、まるで自分の同級生かの如くはしゃいでいた。その中に、ひときわ目立つ男の子を見つけた。 今時の子らしくスラッとしてるが、肩幅も広く、小顔の端正な顔立ちには見覚えがあった。 「もしかして…あっくん?」 それは娘の陽奈と小学校に入る前に、アパートの隣に住んでいて、中学に上がるまでよく家族ぐるみで会っていた昭翔だった。 「おばさん、お久しぶりっす。」 と、彼は今時の子らしく軽く挨拶した。 「えっ、えっ!あっくんなの?!すごく変わっちゃったね〜。」 昭翔が幼い頃、あさみは、 「おばちゃんとけっこんする!」と、プロポーズされていた。 以前から、昭翔の事はやんちゃで、それでいて甘えん坊な所に愛おしさを感じ、陽奈以上に可愛がっていた。 小学生に上がるタイミングで両家とも引っ越してしまったが、中学に上がるまではよく遊びにきていた。 夜になり、カラオケから帰った陽奈と話していた。 「みんな大人っぽくなったねぇ〜。あっくんもすごく変わってイケメンになって。」 「なあに、お母さん、昭翔カッコよくてメロメロになってんの?」 「だって、あっくんにプロポーズされたのよ、私。」 久しぶりに旧友と楽しい時間を過ごして、いつもよりもご機嫌な陽奈よりも、あさみの方がワクワクしていた。 それから陽奈が小学校の卒業アルバムを持ってきて、それを2人で見ていた。 アルバムを見ながら、 「お母さんって、昭翔と会うのは卒業式以来?」 「ん〜ん、中学の入学式。この時とあんまり変わらなかったでしょ?」 そう言ってあさみは、アルバムの集合写真指さす。 写真には少し身体が大きくなってきた陽奈と昭翔が写っていた。 「陽奈はあっくんと付き合ったりしないの? 「ずっと一緒だからさぁ、友達以上にはならないよ。」 「そうなの?」 陽奈はクラスに気になる人がいたのだが、あさみには内緒にしてた。 あさみは、まだあどけなさが残る昭翔の写真を見ながら、先日の成長した姿を思い浮かべていた。 数日後 あさみは週4である会社の事務のパートをしていた。 自分の駐車場がないので、職場までの歩いて30分ほどの距離を歩いて通い、帰り道にあるスーパーで買い物をして帰るのが日課だった。 その日もスーパーに向かっている途中で、 「そうだ、お米も買わなくちゃいけなかったんだ…。」 買い物袋の他に、5キロの米を持っての帰路は、なかなか大変なものがあった。 「失敗したなぁ…、せめて、自転車で来ればよかった…。」 そう後悔しながら、重い荷物を持って歩いていた。 すると後ろから、 「おばさん?」と声をかけてくるものがいた。 あさみが振り返るとそこには、昭翔がいた。学校帰りなのだろう。 「えっ?あっくん?どうしたの?」 「友達んち寄った帰りッスよ。」 そういう昭翔は、あさみの持ってる荷物を見て、「持ちますよ。」と手を出した。 大丈夫、と断るあさみの言葉等聞こえないかのように、スムーズに荷物を取った。 「ありがとう…。」 なぜかあさみは照れていた。 「家まで持ってきますよ。どうせ家帰るついでなんで…」 そう言う昭翔に断ることもできたのに、なぜか途中まで一緒にいれる、という期待感の方が勝ってしまい、あさみと昭翔は歩き出した。 「あっくん、陽奈ともよく遊んでるの?」 「はい、たまにだけど中学の時の仲いい連中とカラオケとか。陽奈から聞いてないッスか?」 「そういうことは言わないのよ。」 そんな話をしていると、急に昭翔が笑い出した。 「?」不思議な顔をするあさみを見て、「あ、すいません…、なんか あっくん、って久々呼ばれたからおかしくて…。そう呼ぶ人、もういないから…」 あさみは、自分が昭翔の事を、「あっくん」と呼んでいたことに、不快にさせたと思い、 「あっ、ごめんね!小さい頃のまんまのつもりでいちゃって…。いやだよね。」 「いや」 あさみの言葉を遮るように、昭翔が声をあげた。 「そのままでいいッス。おばさんだけ。」 「いいの?じゃあ、あっくんのままで」 そう言って2人は笑った。 こんなに笑ったのは久しぶりだ。 正直、陽奈が家を離れてからのあさみの家の中は静かだった。 夫とはあまり会話もない。毎日帰りも遅く、すれ違いの夫婦だった。 なんとなく、夫は浮気している、あさみは女の勘でそう感じていた。 しばらくして家に到着し、 「ここでいいわ。あっくん、ありがとね。今度、また遊びにきてね。今週いっぱいは陽奈もいるから。」 あさみがそう言うと、昭翔は 「今、お邪魔しちゃダメッスか?
25/12/03 16:56
(otTusn1g)
投稿者:
やつ
「えっ、今?」
その意外な言葉にあさみは戸惑った。 だが、このまま昭翔と別れるのもなんだか物足りない気がしてきて、 「いいわよ、陽奈は居ないけど。」 少しドキドキしながら、昭翔を家に入れた。 「ちょっと散らかってるから、あんまりジロジロ見ないでね。」 昭翔をリビングのソファに座らせ、買ってきたものを片付け、コーヒーを入れた。 昭翔にコーヒーを出したまでは良かったが、何を話せばいいのか言葉が出ない。 すると昭翔が、 「おばさん、全然変わらないッスね〜、若くて可愛らしいし。」 昭翔に言われ、あさみは少し照れながら、 「こら、おばさんをからかわないで。いくつだと思ってるの。」 「いや、まだ全然イケますよ、俺、全然OK。」 そう言われると、ドキドキして意識してしまった。 それから、昭翔は地元の大学に進学したこと、夏休み中はバイトをしてること、そして、今彼女らしい人はいないこと等、昭翔に関する色々な事を聞いた。 「そう言えば、あっくんに「けっこんする」って言われたんだっけね。」 すると昭翔は、 「今日なんか、その事言われると思ってました。恥ずかしい〜。」と照れている。 そして少し考えてから 「おばさん、一緒に写真撮りません?」 「えっ、私と?ダメよ、そんな恥ずかしいわ。」 「いいじゃないッスか、久しぶりに会ったんだし。おばさん変わってないから一緒に撮りたいんだけど…ダメッスか?」 少しガッカリしたような顔の昭翔を見ると、断るのも悪いかな、と思ったあさみは写真を撮ることを承諾した。 昭翔はあさみの隣に座り、顔を寄せてスマホを自分達に向けた。 昭翔の身体があさみにピタリとくっつき、顔もすぐ近くまでに近寄っている。 いきなりの行動にあさみの胸は一気に高まった。シャンプーなのか香水なのか、昭翔からいい香りがする。 「いいッスか?1、2、3!」 カシャ、と音が鳴り、昭翔が画像を確認している。 「あ〜、おばさん、表情固いよ、もう一回!1、2、3」 「ねぇ、お母さん、今日なんかいいことあったの?」 夕食を食べながら、陽奈が問いかける。 「えっ、何もないわよ。」 「そう?なんか機嫌いいみたいに見えたからさ。なんかあったのかと思って。」 そんなつもりはなかったが、昭翔と一緒に過ごしたことであさみはご機嫌だった。 一緒に写真を撮ったあと、 「写真いります?じゃあ、送るんでライン教えてください。」 と言われ、昭翔とラインを交換していた。 アイコンは何かアニメのキャラなのだろう、そこに「あきと」とあった。 あさみはまるで若返ったように、気持ちは浮かれていた。 それからしばらくして陽奈は下宿先に帰っていった。相変わらず夫とはろくに会話もなく、家の中は静かだった。 「あっくんとライン交換したけど何もしてないし…こっちから送るのも…」 そんな事も重なり、あさみは悶々としていた。 それから数日後、昭翔とのラインの事は気にならなくなり、あさみは普段通り過ごしていた。今日も仕事終わりにスーパーに買い物に寄った。 商品の棚の前で調味料を探していると、 「わっ!」といきなり昭翔が現れ、あさみを驚かそうと声を出した。 「きゃっ!あ、あっくん!?何してるの?」 いきなり声をかけられ、振り向くと目の前に昭翔の顔があり、あさみの心拍数は一気に上がった。 「おばさんが店に入るの見えたから、追いかけてきたら、なんかびっくりさせようと思って笑」 悪気なく笑う昭翔を見て、あの頃と変わらないな、そう思いながらも、 「あんまりおばさんをからかわないでね、もう歳なんだから…」 「そんな、まだ全然ッスよ、こんなに可愛いんだし。俺、イケると思いますよ。」 「イケる、って私でもいい、って事?」 昭翔の言葉に、あさみはそう思い意識してしまった。そして、顔が赤くなってるのを隠すかのように背中を見せて歩き出した。 その後を追いかけながら昭翔が、 「俺も帰るんで、途中まで一緒に行きましょうよ。俺持ちます。」 そう言って買い物カゴをあさみの手から取った。 「大丈夫よ、持てるわ。」 「いいからいいから。」 そうして買い物を終え、2人は家に向かって歩き出した。 夏も終わったというのに、今日はだいぶ暑かった。買い物した荷物を持っている昭翔も、暑いっすね、と言いながら少し大変そうだった。 そして、あさみの家に着いた頃に、昭翔は汗まみれになっていた。 「ごめんね、おかげでこんなに汗かいちゃったね。」 「いや、でも今日は特別暑いっすね、夕方になると急に涼しくなるんですけどね〜」 あさみは少し思いとどまりながらも、 「少し涼んでいく?」と声をかけた。 「いいんっすか?そうしたいな、って思ってたんですよ笑」 そしてまた昭翔を家に迎え入れた。 冷房をつけるがすぐは涼しくならない。昭翔はシャツの襟元をパタパタ動かし、少しでも涼しくしようとしていた。 額からはまだ汗が滴り落ちてきている。 「あっくん、まだ暑そうね。軽くシャワーでも浴びる?」 あさみが言うと、昭翔は驚いた顔で、 「えっ…、いいんっすか?」と答えた。 変な風に思われたかな…そう思うあさみだったが、昭翔は安心した顔をして、バスルームに向かった。 バスルームからシャワーの音が聞こえる。 「シャワーを浴びて、なんて変に思ったかしら…もしかして誘ってる、って思われたりしてないかしら…」 「もしも、誘ってる、って思われたらどうしよう…」 昭翔を意識していたためだろうか、そんな事を思い始めた。 やがてシャワーの音が止まり、しばらくして昭翔がリビングに戻った。 その姿は上半身裸だった。
25/12/03 16:57
(otTusn1g)
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