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1:今朝も窓の向こうには
投稿者:
ともひろ
[夜勤お疲れ様 ご飯は?]
台所の換気扇の下でタバコをすいながらスマホを眺めているとショートメールの通知があった。差出人の名は[北村孝介]。 使い古した、有りがちな手だが、本当の名前は[北村孝子]、裏の家の奥様。 [ただいま。まだ] そう、ショートメールを返した。 [ハムエッグでもいい?、トーストと] [モーニングってやつ?(笑)、ありがとう] [コーヒー淹とくね] 俺は勝手口から孝子さんの家に向かった。 コロナの中、初めての年末年始、『ゲス』な事は承知しております。 その『ゲスな男女』のあれこれを思いだしながら 時には脚色や妄想も加えて書きすすめてみたいと思います。誤字脱字 文才の無さは どうかご容赦下さい。 まずは前置きと言うか説明を…、面倒な方はスルーして下さい。 俺、野平朋宏1969生まれ、再婚同士の1つ下の妻[香代]と2人暮らし、子供は互いに相手方に…、たまに会うくらい。 北村孝子、裏の家の奥様、本当の年齢は知りません、これまでの話から想像すると もうすぐ還暦かと…。旦那さんと戻ってきた次女とその子供(孫、小学生♀)との4人暮らし。 旦那さんも次女さんも[北村さん]と呼んでいるので下の名前は???、お孫さんは確か[あずさ]ちゃん。 孝子さんと初めて会ったのは 今から5年位前、俺達夫婦が此処に越してきたのが8年前、[裏の家]と言っても[班]も違うし、面識は有りませんでした。 それが5年前、同居していた旦那さんの母親が亡くなって、都会に出ている旦那さんと孝子さんとの兄弟が来るらしく、駐車場に借りた 我が家と同じ班の[寺田さん]の土地と間違えて我が家の庭に兄弟の誰かが車を停めて…、で謝りに来たのが北村さんご夫婦でした。 (分かりにくくてゴメンなさい) で、それから何処かで会えば挨拶する様になって…。 孝子さんとは かれこれ2年以上になります。 当時はまだ次女さんも居なく、旦那さんと2人で暮らしておりました。 あの日は朝から暑い日でした、夜勤明けで帰宅して朝食を食べていると妻が世話しなく出勤の支度をしていて…。 『寺田さん こっちの家、今日から壊すんだって、で さっき奥さんが持って来てくれたの、取れたてだからって』 そう言った妻の指先す方を見ると、スーパーの袋の中に茄子やら胡瓜やら透けて見えた。 「(家)壊すんだ?、奥に道楽部屋建てて畑と駐車場にするんだって言ってたけど寺田さん」 『そう。うるさくなるからって奥さんが…、会ったらお礼言っといてよ、朋さん。じゃぁね、行ってくるね』 「あぁ、分かった、行ってらっしゃい」 そんな会話で妻を送りだすとすぐに 何やら車が入ってくる音がする。きっと工事の車だろう?。と、すぐにチャイムが鳴った。 案の定、工事の人達の挨拶だった。 俺は2階の寝室に上がった。 いつもなら窓を開けてそのままベッドに転がるのだが『うるさいんだろぅな?』とエアコンを入れて雨戸を閉めようと窓を開けた。 開けた窓の向こうで裏の奥さんが洗濯物を干していた。 俺の家と奥さんの家の間には中央のフェンスを境に2軒ともガスボンベが置いてある、ガス屋さんが大変そうな それだけの距離。 洗濯物も奥さんの顔もはっきりと分かる、今まで気にした事などなかったが改めてそんな事に気が付いた。 ベランダとも呼べないような小さな張り出しに小さな屋根、後から聞いた話しでは[陰干し]するのに丁度良いのだそうだ。 なるほど…、干してある物も肌着だったり それなりのモノだった。 雨戸を閉める音に奥さんが こちらを向いた 、俺は軽く頭を下げた。 奥さんも『おはようございます』と頭を下げてくれた。 「あのぉ北村さん?」 『はい』 「寺田さんち、今日から壊すんですって、その…、洗濯物…、ホコリになるかと…」 『まっ、そうなんですか?、ありがとうございます、大変 仕舞わなくっちゃ…』 『って野平さん?、雨戸閉める程なんですか?』 「いえ、私 夜勤明けなんで…」 『あぁ、これからお休みなんですね?』 「ええ、でも家壊すんですから 音もそうでしょうけど それなりのホコリも舞うのかと…」 『…、ですよねぇ、ありがとうございます、ではお休みなさい、教えて下さってありがとうございました』 それが俺と孝子さんとの 初めの一歩だった。 ベッドにゴロンと横になった。 重機の動く音がして なかなか寝付けない。 悶々としていると先刻の光景が思い出される。 (スリップや下着も干してあった。これまでも ああやって干してたんだろうか?。もうあそこには干さないんかな?、女性はそういうとこ敏感だし、俺を警戒するかもしれないし、勿体ない事したな今まで…) そんな事を考えるいると妙に北村さんの奥さんを意識し始めていた。 が、翌日も その翌日も 洗濯物が出る事はなかった。(来週は日勤なのに…)悶々としながら夜勤の週が終わり日勤に代わった。 あの日以来 顔を会わせる事もなく二週間程が過ぎた。 日勤の週の週末、夜11時を過ぎていたかもしれない。 妻と2人、呑みながら お笑いの特番か何かを観ていたらタバコが切れてしまった。 「コンビニ行ってくるけど何か要る?」 『アイス買ってきて、ハーゲン◎ッツ、苺の…。裏から行くんでしょ?、溶けて丁度良いじゃん』 「わかった…」 俺は勝手口を出ると[ピョン]と裏の小川を翔んで跨いだ。 関東とは名ばかりで、未だにこの辺は相当な田舎、外に出るとカエルがうるさい。 家の裏の小川を飛び越えて田んぼや畑の中の畦道を通ると、コンビニに行くには車を出してアレコレするより よほど早い。 小川を飛び越え何歩か歩き出した時 左側から人影が飛んで来た。 俺と同じように小川を飛び越えたらしいが上手く行かなかったのか ズリ落ちそぅになって慌てている。 俺も 慌てて飛び寄るように手を貸した。 『ありがとうございます』 『ああ、びっくりしたぁ(笑)』 『ありがとうございますぅ』 「あれ?、北村さん?」 『あらっ、野平さん、ありがとうございます』 『コンビニですか?野平さんも』 「ええ」 「大丈夫ですか?」 「手、震えてますよ」 『はい、何とか…』 『おばあちゃんが こんな事するもんじゃないわね、ゴメンなさいね』 咄嗟に差し出した俺の手を 強く握った孝子さんの手がプルプルと震えていた。 「小川は飛び越えるし、声まで震えて…、可愛いですね?北村さん…、アハハ」 『もぉっ、からかわないで下さい野平さん。でも ありがとうございました、助かりました』 『もぅ少し行けば橋あったのに…ゴメンなさいね』 「橋ったって ただ角材置いてるだけでしょ?」 『そ、アレはアレで怖くて つい…』 「まぁ落ちなくて何よりでした…」 「コンビニでしょ?北村さんも」 「このまま手繋いで行きますか?(笑)」 『やだっ、私ったら…』 『・・・・・』 せっかく繋いでくれていた手が離れてしまった。が、北村さんと2人 畦道をコンビニに向かった。 『今週は昼勤だったんですね?、その、雨戸 閉まらなかったから…』 「ええ、夜勤と日勤と一週間交代なんで…」 『て事は来週は また夜勤ですか?』 「ええ」 『寺田さんちの取り壊しも終わったみたいですし、お天気 良くなるとよいですね?』 「…ですね」 「でも あんまり暑いのもねぇ」 「エアコン入れないと寝れないし…」 『ですよね?』 『それはそうと寺田さん、この後 どうなさるのかしら?』 「何か 小屋建てて、前半分は駐車場にして、小屋と駐車場のあいだは畑にするみたいですよ、奥さんは道楽小屋とか言ってましたけど」 『そうなんですね?』 「ええ、これから仲間内で 道楽小屋 建てるみたいです」 『お仲間と?、楽しいそうですね?』 奥さんは 俺の部屋の窓を気にかけていた。 警戒なのか確認なのかは定かではないが、気にしてはいたようだった。 そんな話をしながらコンビニに着いた。 それぞれが目的の物を持ってレジに並んだ。 『どぅぞ』と奥さんに手を差し伸べられて 俺が前に並んだ。 「お先に…」と頭を下げると『お休みなさい』とニコッと頭を下げてくれた。 コンビニを出ると すぐにタバコを開けて 咥えタバコで畦道を歩き出した、(追い付いて下さい)と わざとゆっくりと。 が、奥さんに追い付いて貰えないまま 小川にたどり着いてしまった。 フィルターの所で既に消えてしまっているタバコを小川に向かって指ではじいた。 小川に沿って左に曲がった。 コンビニの方に目をやると人影が見える、きっと奥さんなのだろう?。 俺は我が家の[渡り廊下]の後ろで小川を飛び越えて奥さんを待った。 小川の川幅は ここが一番狭いから。 やがて小川に沿って歩いてくる奥さんに「北村さん」と小声で手招きをした。 辺りを見渡しながら 奥さんが小川を挟んで反対側までやってきた。 「ここ、一番狭いですから」 と、小さな声で手を差し伸べた。 『ありがとうございます』 と、奥さんも小さな声で俺の手を取った。 奥さんが飛ぶと同時に俺は手を引いた。 少しよろけた奥さんが俺に凭れる格好になった。俺は そっと奥さんの肩に手を添えて引き寄せた。 「大丈夫ですか?」 『ありがとうございます』 「ここ、一番狭いですから、いつでも…」 『はい…』 ドキドキしていた、年甲斐もなく。鼓動が奥さんに知られてしまうのではないかと思う程ドキドキしていた。 『ありがとうございました』と奥さんが離れた。 「いえ…」 「お休みなさい」 『はい、お休みなさい』 ニコッと微笑んだ奥さんが自宅に向かった。 「ただいま」 「はいよ、ハーゲン◎ッツ」 『ありがとう』 『でも ちょっと溶けすぎよ(笑)』 『何か話し声がしてたけど…?』 「ああ、誰だっけ、犬が時々吠える家の人と一緒だったから帰り、畦道で」 『…そう』 妻は そう言ってハーゲン◎ッツをクルクルとかき混ぜはじめた。 『ダメね、名前覚えないと、班以外だと北村さん位しか顔と名前が一致しないもの』 『どっかで会っても(挨拶もないのよぉ)なんて噂されちゃう』 妻の『北村さん』にドキッとした。 これが女の勘なのか…と。 「そうだね、(あそこの夫婦は挨拶もしない)なんて言われかねないね」 そう、平然を装うのが精一杯だった。
2020/12/29 14:47:49(c6B0813O)
投稿者:
ともひろ
週が明けて月曜日。
『朋さん、お昼は?』 『何か適当に食べてね』 「ああ、適当に食べる」 「そだ、ラーメン屋さんか何処っか行くかぁ、W◎RKMANも行きたいし…」 『昨日寄れば良かったね、私も見たいのがあったのに、そぅだ ちょっと待ってて』 そう言った妻が[綿手]を袋ごと持ってきた 『これ、同じの買って来てくんない?』 「1つで良いの?、ゴム手の中にするんでしょ?、もっと薄いのとか…」 『だから行きたかったの、忘れてた私も悪いけどさ…』 「何か探してくるよ綿手と一緒に」 『お願い…。ヤバっ時間ッ』 『朋さん、何時?出るの』 「7時…かな?」 『ゴメン、帰れないかも…』 「…いいよ」 『そだ、カレー食べたい』 「分かった」 『ありがとう、じぁ行ってきまぁす』 妻を送りだすと換気扇の下に座った。 タバコをふかしながら構想をねった。 [構想]と言う程大袈裟なモノでもないが、昨日 寺田さんから木材を分けて貰っていた。 それを利用して、今日は裏の小川に簡単な橋をかけるつもりでいる。 北村さんの奥さんが『揺れる』と言っていた向こうの角材よりは少しはマシな橋を。 納戸から「日曜大工セット」を引っ張りだして外にでた。 小川を覗くとザリガニが歩いている。 [へぇぇ、こんな所にも…]と思いながらメジャーを伸ばした。 水が流れる幅はたいした事はないが、土手が思っていたよりも有った。 渡り廊下の後ろの倍は有るだろうか?。 橋を渡す場所、そこはウチと北村さんちの境、そう決めていた。 「ここが一番狭いから…」そうは言ったものの、そうそう他人の家の軒先を通る人とも思えない、ならば[境界に]と。 [T]の字を2つ繋いだ様な、長ぁい[下駄]の様な物にしよう、[足]は少し尖らせて土手に刺せる様に…。 木材をノコギリで切り、インパクトでビス止めしていると『おはようございますぅ』と声がした、顔を上げると北村さんの奥さんだった。 『橋?、ですか?』 「ええ、まぁ…」 「ここに掛けようと思ってるんですが大丈夫ですか?」と、境界に仮に渡して見せた。 『あのぉ…』 『これ、私も渡らせてもらって良いのかしら?』 「ええ、最初からそのつもりで…」 「いいですか?ここで?」 『嬉しい!』 『ありがとうございますぅ、お優しいんですね?野平さん』 『こんな おばあちゃんにまで優しくして頂いて…、羨ましいわ奥様』 「そう…、ですか?」 「何て言っていいやら…」 『でも、本当 優しいから…』 「でも、アレですよ、おばあちゃんは取り消して下さい、全然そんなふうに見えないですから」 「あらっ、優しいうえに お上手、フフっ」 口元に手を添えた奥さんがニコッと微笑んでいた。 橋の足が広がならない様に 踏み板と足の角に副え木をビス止めして小川に渡して 踏み板に乗って足を土手に押し込んだ、そのまま渡り反対側も。 「はい、完成です」 「渡ってみて下さい、北村さん」 俺に促されて奥さんが渡りはじめた。 『大丈夫です』 『安心です、この橋、ありがとうございます』 そう言って渡り切ろうとした時、橋の足が少し沈んで奥さんがバランスを崩した。 『キャッ』とよろめいて俺にしがみついた。 『やぁねぇ、おばあちゃんな上にデブなの』 「ほらまた おばあちゃんて!」 「デブも取り消して下さい、全然そんな事ないですから!」 『それは取り消せないわ、だって最近太っちゃって…、何でも美味しいくって つい…』 俺には[デブ]の範疇には全然入らないが、確かに豊満な胸が左腕に押し付けられていた。 『そうだ野平さん、お願いしても良いかしら?』 「何でしょ?」 『あそこの木、切って頂けないかしら?』 「何処ですか?」 「気を付けて下さい、まだ安定してないんで」 そう言って先に橋を渡った、橋を踏んづけて[足]を押し込む様にしながら。 『この木、切って頂けないかしら?』 奥さんが指さしたのは 生け垣の1番端の木だった。 北村さんちと俺の家の境はアルミ製のフェンスだか、北村さんの家と小川の境は生け垣になっている、そのフェンスと生け垣が合わさる角の木を切ってくれと言っている。 『ここだと[橋]にすぐ出られるでしょ?』 『お願いします、切っちゃって下さい』 『ここが1番出入りに便利だもの…ね?』 俺はお願いされるままに木を切った。 「これ、このまま貰っても良いですか?」 『良いですけど どうなさるの?』 「俺、木とか花とか 全然ですけど、寺田さんにあげます、何とかするでしょ寺田さんなら」 「それと、あとで根っ子掘り返しても良いですか?、根っ子ごと寺田さんにあげます、何植えようかなぁ?って悩んでたんで」 「そうすれば あとからも生えて来ないでしょ?、ね?、良いですか?」 『…こちらこそぉ』 『綺麗にして頂いて、橋まで掛けて頂いて、その上ゴミまで持って行って頂いて、何てお礼を言えば良いのかしら…?』 「いえいえ…」 『そうだ野平さん?、夜勤なんですよね?今日から』 「…ですね」 『すぐ お休みになられるのかしら?』 「すぐに お休み にはならないですけど」 『お昼、お昼は どうされるんですか?』 「W◎RKMANに行きたいんで その帰りにラーメンでも…、って」 『あのぉ野平さん?…』 『…、その、ご一緒しても…、ダメかしら?』 『その…、私もたまにはラーメンとか食べたいし…。いつも、いつもね、主人のご飯作るばっかりで…』 『W◎RKMANも行ってみたし。その…、庭木いじるのに手袋とか…。ダメ?お願いできる?』 「全然!、全然構いませんよ」 「行ってみますか?一緒に」 『ワー嬉しいぃ!』 『すぐに支度しますねッ、ってやぁね私ったら野平さんの予定も聞かずに、ゴメンなさいね』 「大丈夫ですよ、着替えて すぐ出れますから。15分後で良いですか?、車の辺りに居ますから」 『ありがとう。でもゴメンなさい もう少し』 「…ですよね?、女性は何かとね…、いつも妻に叱られます」 「大丈夫です。車の辺りに居ますから 適当に出て来て下さい」と頭を下げた。 『こちらこそぉ』 『じぁ、あとで…』 と、奥さんが またニコッと微笑んでいた。 部屋に戻った。 着替えを済ませ、戸締まりにとカーテンを開けると 目の前には[洗濯物]が干してあった。 いつか見た[陰干しに]と言っていた その洗濯物が…、警戒されてはいなかった。 フェンスに凭れて奥さんを待った。 30分は経っただろうか? 『野平さん、お待たせしちゃって…』 と、奥さんがフェンスの向こうに姿を見せた。 そして、さっき切ったばかりの生け垣の隅を抜けフェンスのこちら側を歩いてくる。 『ね?、便利でしょ?、何かと…』 ニッコリしている奥さんの笑顔が妙に妖しく見えた。
20/12/30 10:50
(EKPd7mfT)
投稿者:
ともひろ
孝子さんを助手席に乗せて走りだした。
『少し無用心だったかしら?』 真っ直ぐ前を見ながら孝子さんが続けた 『私、歳甲斐もなくハシャいちゃって…』 『そのまま野平さんの車に乗せて貰ったけど…、浮かれてたのね、ゴメンなさいね』 言葉の意味は察しがついた。 「何か いけない事 してる訳でもないですし…」 「でもアレですね、変な噂になったら北村さんに迷惑掛けちゃいますね」 「噂に尾ひれ付けるの大好きみたいですから、世の女性たちは…」 『そうそう!、そんなに大きなヒレつけたら泳げないって…、もう別の魚になっちゃう位のをさ(笑)、好きのねぇみんな』 『…ゴメンなさいね、気が付かなくて』 『私ばっかり浮かれちゃって、ホントごめんなさい』 「大丈夫ですって、そんなに気にしないで下さい、車で待ってますって言ったの俺なんですから、俺の方こそ浮かれちゃってて…」 『そうよね?、まだ いけない事 してる訳じゃないもんね?』 孝子さんが言うように確かに無用心だった。 これから先の展開を期待している俺としては もっと配慮をすべきだった。 きっと孝子さんも[噂]を気にしたのだろう、しばしの沈黙がつづいた。 が、俺は孝子さんの[…まだ…]に大いに期待を膨らませた。 W◎RKMANに到着した。 『わー凄い、いっぱい有るぅ』 『こんなのも有るのねぇ』 『これ、良さそう…』 孝子さんが はしゃいで見えた。 ホワイトカラーの旦那さんゆえ こう言った店は初めてだったのだそうだ、ホームセンターの申し訳程度に並んだ物を見たくらいで。 結果、孝子さんが手にした袋は1番大きな袋を2つ。その1つを俺が持って車に向かった。 『ホント優しいのね?野平さん、主人が荷物を持ってくれたのなんて いつの事やら…』 「…ですか?(笑)…」 『でも楽しかったぁ』 『ありがとう、野平さん、ホントありがとう』 「でも、アレですか?、ガーデニングとか…」 『そんなオシャレなモノじゃないけどね』 『いつも1人だから…、その、主人の母が亡くなってからは…、暇だしね』 「何なら農家さんに特化したホームセンターとかも有りますよ、園芸コーナーとか、カイ◎ズの園芸コーナーとは比べものにならないのが、今度 行ってみます?」 『ホントに?』 『連れてって!、良いの?、本当にぃ?』 「ええ、是非!」 『今度は ちゃんと用心するから、だからお願い、ねッ野平さん』 「はい!、近いうちに…」 「で?、ラーメン、どっか行きたいトコ有りますか?」 『お任せッ、野平さんに、ダメ?』 「はい、じゃぁ ちょっと遠いですけど なかなか行けない所があるんで…」 『美味しいの?』 「俺は好きですね、有名店でも無いので並ばないて済みますし、良いですか?」 『はい』 着いたのは何の事はない 赤い暖簾の[ラーメン◎ョップ]、カウンターの隅 孝子さんを奥に2人で並んだ。 『そう言えば ほら あの人(芸能人)亡くなったよね?』 孝子さんは そんな どうでも良い様な話題をふってくれた。 おそらくは[それ]と周りに悟られない様に配慮をしてくれたのだろう?そう思った。 『あぁ美味しかったぁ』 『お腹いっぱい』 『だから太るのよねぇ(笑)』 『ありがとう野平さん、付き合ってくれて』 「いえいえ、こちらこそ」 「ご馳走さまでした」 「かえって申し訳なかったです」 『そんなに恐縮しないでよ、橋も掛けて貰ったし、W◎RKMANも教えてもらったし、1人じゃこれないラーメン屋さんにも連れてきて貰ったし、ラーメン位じゃ私の方が申し訳ないわ』 そんな[お礼]のやり取りが終わると孝子さんが言った。 『帰ったら お休みになるんでしょ?』 「…ですね、少しは寝とかないと」 「でも、妻にカレーを頼まれたんで それ作ってからですけど」 『ゴメンなさい私ったら、野平さん用事が有るのも知らないで つい甘えちゃって』 「大丈夫です」 「目覚ましも有るし、これにアラームもセットしてますから」と、スマホを見せた。 『大丈夫?』 『でも私のせいで寝坊なんて申し訳ないわ、起こして差し上げましょうか?』 『ご迷惑でなければ…、ですけど』 「それは有難いですけど、でも どうやって?」 『モーニングコール!、あっ夕方だからイブニングコールか?』 『教えて下さる?番号、それの』 「構いませんけど、良いですか?」 『貸して、野平さん』 孝子さんは そう言って俺からスマホを取り上げた。そして手際よく何かを打ち込んでいる。 と、すぐに呼び出し音らしきモノが車内に流れはじめて、すぐに消えた。 『北村孝子です』 『登録はご自分でなさって…』 孝子さんがスマホを返してきた。 「はい」 「野平朋宏です、宜しくどうぞ、ともは月2つ ひろは…」 『野平朋子さんにしときますね』 『主人に変に勘ぐられたく有りませんし、ゴメンなさいね』 『それに これなら いつでも電話にでられるし…』 「・・・・・」 孝子さんの[いつでも出られる]に呆気に取られて返す言葉を見失っていた。 車が駐車場に着いてしまった。 『今日はありがとうございました』 「いえ、こちらこそ です」 『電話、何時に…?』 「6時にお願いします」 『はい、かしこまりました(笑)』 『ホント、ありがとう、野平さん』 『じゃ、あとで…』 孝子さんが さっき切ったばかりの生け垣の所で手を振っていた。 カレーを仕込んだ。 横になるも[妄想]だけが膨らんで 寝られる訳もない。 天井とスマホとを見比べては悶々とした時間が流れた。 6時ちょうど、着信画面には[北村孝介]、すぐに電話にでた。 『おはよう、朋子さん(笑)』 孝子さんが 悪戯っぽく言った。 「おはよう、孝介」 俺も あえて そう返した。 『・・・・』 『…しぼり出したのね?』 孝子さんは しばしの無言ののちに[孝介]の意味を悟った様子だった。 『奥さんからは?、何てよばれてるの?』 「朋さん、かな?」 『私も そう呼んで良い?』 「ええ」 『2階でしょ?、カーテン開けて』 言われるままカーテンを開けると 耳にスマホを当てた孝子さんが居た。 『おはよう、朋さん、起きた?』 「おはよう」 『・・・・』 「・・・・」 互いに次の言葉を探していた。 電話が切れる前に 窓が閉まってしまった。 『いってらっしゃい』 そう言って電話が切れた。 カレーを食べ、身支度を済ませ、戸締まりをして、エンジンをかけた。 走りだすと直ぐに 通知音がした。 ショートメールを開くと 『いってらっしゃい 気を付けてね また明日』の文字、差出人は[北村孝介]。
20/12/30 14:13
(EKPd7mfT)
投稿者:
こうすけ
朝、5:40、寝室、セミダブルのベッドで妻はまだ寝息をたてていた。
俺のベッドはシングル、妻とは反対側の壁際。 遮光カーテンの隙間からは日差しが洩れている、思わずカーテンに手を伸ばすものの 妻の寝返りにその手がとまった。 『おかえり』うつつな妻の声がした 「ただいま、起こしちゃった?」 『ううん。半(6:30)まで寝かせて…』 俺は廊下からベランダに出てタバコに火を着けた。 灰皿を片手に右側に目をやると 勝手口のあたりで寺田さんのご主人が かがんでビニール袋を手にしていた。 〔そぅか?今日は燃やすゴミの日かぁ?、寺田さん いつもこんな早くにゴミ出してんだ…〕 我が家と寺田さん家の間に有った浜田さんの家を寺田さんが買い取って更地にして…、景色が変わった事に今更ながら気が付いた。 〔あっ奥さん…〕、勝手口を開けた寺田さんの奥さんがご主人に別のビニール袋を手渡している、名前は確か幸子さん、きっと孝子さんと同世代 2人とも おそらくは50前半、俺よりも4つか5つ上と いったところか? 『お尻の大きな松下◎香』、俺は以前から そんな印象の幸子さんのファンでもあった。 ウチも 寺田さん家も 北村さん家も、今は同居する子供もなく2人暮らし。 田舎だけあって 周りを見れば そんなお宅は結構ある、みんな どうしてるんだろう? 『あんな事や そんな事』、ふとそう思った。 1人台所でカレーを温め直しながら 孝子さんとの〔これから〕を妄想していた、思考も身体も〔ギラギラ〕して目が冴えている。 換気扇の下で またタバコに火を着け ポケットからスマホを取り出した。 何も入ってこないYahoo!をスクロールしていると『おはよう』と妻が降りてきた。 「カレー温っためといたよ」 『あら、ありがとう』 そう言った妻が洗面所に向かった、程なくしてドライヤーの音が聞こえてきた。 暫くして『寝る?、大丈夫?』、そう台所を覗いた妻が また2階に戻った。 俺はコーヒーを淹れた、読んでもいないYahoo!を見ながら結局またタバコに火を着けた。 コーヒーをほぼほぼ飲み終えても まだ妻は降りて来ない〔大変だな女の人って…〕、そう思って またまたタバコに火を着けた。 口になど到底出来ないが 内心〔早いとこ(仕事に)行けよ〕そんな思いが強かった。 おそらく妻は いつも通りの身支度をしていたのだろう?、が、なかなか仕事に行かない妻に タバコばかりが減っていった。 『ありがとう、7時でしょ?、今日も帰れないかも?、ゴメンね』 「ううん…」 『どうしたの?何かあった?』 「何か疲れた…」 苛立った俺の いつもと違う素っ気ない態度に 妻が気を使ってくれていた。 『そう、なら良いけど…』 『行ってくるね』 忙しなくカレーを頬ばった妻が お皿を流し台にいれた。 「良いよ、洗っとく」 『ありがとう』 『じゃぁね、行ってくるね』 「歯磨きは?」 『うん、(会社)着いたら、じゃぁね』 「行ってらっしゃい」 玄関の閉まる音がし エンジンが掛かり ようやく妻の車が走りだした。 と、すぐに通知音が鳴った。 『おかえりなさい お疲れ様、朝食は?もう済んじゃった?』差出人の名は[北村孝介]。 『朝食は?』の問いかけに 俺は何を思ったか歯を磨きはじめた。 そして歯を磨きながら 「まだ カレーの残り」 そう返した。
20/12/31 12:38
(/oZcV/Up)
投稿者:
ともひろ
[すぐお休みになるの?]
そう返ってきた。 [シャケと味海苔とお味噌汁] [来る?] [ダメ?] [来て] [ね] [勝手口] [開けておくから] 俺が返事を探していると 矢継ぎ早の着信。 [はい] 俺は そう一言だけ返して慌てて飛び出した。 昨日掛けた橋を横目に見ながら クルッとフェンスを回った、孝子さんに言われた通り 木を一本切ったのは正解だった、都合が良い事 この上ない。 孝子さんの家の勝手口に手を掛けて ふと足元を見てギョッとした。 サンダル履き、加えて着ている物といえば 部屋着兼パジャマにしている薄いスウェット、右のポッケには鍵とジッポー 左のポッケにはスマホと煙草、両方のポッケがパンパンに膨らんでいる。 俺が勝手口の扉を引く前に 扉が押された。 『いらっしゃい』 顔を覗かせた孝子さんがニッコリとしている。 『どうぞ 上がって』 と来客用なのかスリッパまでが準備してある。 「おじゃまします」 勝手口と言うだけあって そこはダイニング、テーブルとセットの椅子を引いてくれた。 あれこれ妄想は繰り返したものの、この急な展開に 何をどうしたものか さっぱり分からない、「失礼します」と座るのがやっとだった。 尚も どうして良いか分からず 両方のポケットからスマホやら鍵やらを出して テーブルの上に置くのが精一杯だった。 何が正解で何が間違いなのか、そんな事を考える余裕など更更なかった。 『はい、灰皿』 『まってて、(シャケ)すぐ焼けるから』 「あ、ありがとうございます」 そう言ってタバコに火を着けてスマホを開いた [お魚焼きながら勝手口の中で待ってます] そう北村孝介さんから着信があった。 『ねぇ朋さん』 「はい?」 『ショートメール、すぐに消してね』 『LINEだと名前だけ残ってるの 逆に変でしょ?、ね?、いちいちゲストの面倒だし』 冷静なのか手慣れているのか?、この際そんな事はどうでも良い、ゲスな考えだが[手慣れている]なら それはせれで面倒が無くて有難いのかもしれないし…。 ショートメールと通話だけのやり取りを暗黙に了解した。 『はい、おまちどうさま』 ご飯 味噌汁 味海苔 シャケ お新香、手際よくテーブルにならんでゆく。 『どうぞ 朋さん』 「いただきます」 俺がタバコを消そうとした時 『ちょうだい』 そう言った孝子さんがタバコを取り上げた。 歳甲斐もなく思わぬ間接キッスにドギマギした 「タバコ 吸うんですか?、北村さん」 『北村さんはヤメてね…、なんだかんだ主人を呼ばれてみたいで嫌なの…』 『お義母が一緒の時はね…、隠れて…、ストレスって奴?、看取るまでは…』 『何年ぶりかしら?、クラクラするわ…』 「…なら よした方が…」 『そうね…、ありがとう』 孝子さんがタバコを消した。 「いただきます」 『どうぞ、召し上がれ…』 『お口に合えば良いけど…』 「何だか 旅館の朝食みたいで新鮮です、いただきます」 『もぉぉ、何回言うの(笑)』 きっと ご主人を気遣っての事だろう?、味噌汁は幾らか薄く感じた。 「こんなパジャマみたいな格好で来ちゃって…、ゴメンなさい 慌ててしまって…」 「初めて他所様のお宅を訪ねる格好じゃないですよね?、ホントごめんなさい」 『いいじゃない それで…』 『何なら 私の新しい主人て紹介しようかしら?(笑)、みんな 若い主人を羨ましがるわね きっと(笑)』 『遠慮しないでね、嬉しいの私[お近づき]になれて、ありがとう朋さん』 「美味しかったぁ」 「ご馳走様でした」 『あら、ホント?』 『嬉しいわぁ、美味しいなんて もう何十年も言われてないから…、ホント嬉しい』 『あら、私ばっかりしゃべっちゃってゴメンなさいね』 『お茶にする?、それとも珈琲?』 『何ならビールにする?寝酒に…』 『ダメ?、付き合って?、ね?』 「ダメって事はないですけど…」 「効きますよ、朝のビールは、良いんですか?、俺 あとは帰って寝るだけですけど」 『うん』 『私も あとは 特に出かける用事もないし』 『ね?、良いでしょ?、付き合って』 「はい、では…」 『良いわよね? 缶のままでも…』 「はい」 『じゃあ乾杯!』 『ありがとう!、朋さん、お近づきになれて』 「こちらこそ」 「乾杯!」 350缶ではあったが 驚いた事に 孝子さんは一気に呑んでしまって2本目を明けていた。 俺といえば 時折タバコを挟みながら付き合うのが やっとだった。 『うちの旦那は 有名調味料会社に勤めて何年になる』とか 「俺は 某トラック会社」だとか 「寺田さんは 某家電メーカーで 奥さんは看護士だった」とか 「うちの妻は ◎◎施設に行ってる」だとか 『家の班は 仲が悪くて困ってる』だとか そんなザックリとした自己紹介みたいな話しや 近所の情報交換に花が咲いた。 「じゃ、そろそろ…」 『そうね、お休みになるんだものね?』 『あんまり 引き留めたら悪いわね?』 と、勝手口まて見送ってくた。 サンダルを引っ掻けて 挨拶をしようと孝子さんを見上げた。 一瞬の沈黙が2人をつつんだ。 驚いた、期待していた事とはいえ 孝子さんからとは 流石に驚いた。 孝子さんが俺の頬を押さえて唇を重ねてきた。 軽く[チュッ]として離れた孝子さんが 『ちょうど良いわね この高さ…』 そう言って 覆い被さる様に また俺の唇を塞いだ。 孝子さんが 俺の首に両手をまわし、俺は両手で孝子さんの腰を抱き寄せた。 孝子さんの舌が俺の唇を割った。 俺も舌を伸ばして 孝子さんの舌を迎えた。 サンダルを脱ぎ捨て 一段高い所に上がった。 俺は頭を左右しながら 乱暴に舌を這い回らせる、孝子さんは 俺の舌を吸い 自分の舌を絡ませながら応えてくれた。 いつしか俺の両手は 孝子さんのお尻をスカートの上から撫でまわしていた。 俺の首に巻き付いていた孝子さんの右手が 徐々に下に降りてくる。 そして 俺の怒張を探り当てた。 『…きて』 孝子さんが 俺の首に手を回したまま 後退ってゆく。 俺の首に手を巻き付けて 舌を絡ませ合ったまま 孝子さんが後ろ足で階段を登ってゆく。 孝子さんのお尻を撫でいた俺の手が 無意識のうちにスカートの中に潜り込んでいた。 肌触りの良いショーツに沿って 指先が ゆっくりと ゆっくりと 前へと進んだ。 窮屈な格好で…、それでも まだ唇を重ねたまま 一段一段 登った。 孝子さんの[寝室]に繋がる階段を…。
20/12/31 17:28
(fcKPY0d/)
投稿者:
ともひろ
孝子さんが後ろ手で扉を開けた。
唇を重ねたまま連れて来られたこの部屋は 階段を登って一番奥 台所の上あたりだろうか? 左奥にレースのカーテン、右側にベッド、目だけを左右に動かした。 [ドン]彼女の背中が奥の壁にぶつかった。と、孝子さんがスルッと身体を入れ換えて俺の背中が壁に押し付けられた。 首に巻き付いていた両手が背中を降りてゆき シャツの裾から侵入してくる、指先が俺の乳首を転がしている。 両方の指先が俺の乳首を転がしては摘まんで、また転がした、唇を重ねた舌を絡めたままで。 と、ふいに離れた孝子さんが俺の胸にオデコを押し当ている、『ハァハァ』と肩を揺らして。 俺の息も乱れていた。 孝子さんがシャツの裾に持ち換えた。 そして その裾で口元の辺りをぬぐっている。 『…口紅、付けちゃった…』、少女の様に微笑んで俺を見上げた。 そして そのまま シャツの裾をたくし上げてくる、俺はバンザイをして手伝った。 すると今度は 孝子さんの唇が俺の乳首をついばんでいる。 ついばんでは舌を這わせ [チューッ]と吸っては また舌を這わせた、右も左も。 背中に回した両手で俺を後ろ向きにさせた。 壁に額を当てた俺の耳を 彼女が甘く噛んだ。耳を舌が這いまわり[ゴソゴソ]と音がして 孝子さんの舌が耳の中に侵入してきた。 乳首を捏ねていた孝子さんの指が 下に下に降りてゆき 耳を舐めていた舌が今度は背中を這っている。 指が離れ 舌先だけが背中を這いまわる。 時折 背中に触れる孝子さんの髪、その くすぐったさ さえ 心地良かった。 両方の腰、スウェットのゴムの中に指先が掛かった、そして右に左に少しずつ下げてゆく、露になった尻たぶにキスをしながら。 ゴムの中を指先が回ってくる 少しずつ前へと、そして 上を向いた[先っぽ]をくぐらせる様に 解放してくれた。 背中を爪で撫で回しながら 尻たぶを舌が這い 唇がついばむ、右 左 また右と そうしながら その唇と舌は 少しずつ少しずつ中心に近づいてくる。 背中を撫でいた孝子さんの手が俺の腰を引いた、無意識に足を広げ 突きだした俺の尻を両方の親指が割った、そして 舌先が[蕾]をつついた。 いつしか[怒張]をつつんでいた彼女の右手が優しく前後していた、[蕾]をつつきながら。 優しくつつんだ孝子さんの手を 俺は上から握った、そして彼女の手ごと前後させた。 しかし この行為は危険だった、多量に溢れた先走りのヌルヌルが手伝って 思わず[漏らし]そうになった。垂れた先走りが 点々と床で光っていた。 思わず俺は正面を向いた。 既に孝子さんは 何もまとってはいなかった。 俺を見上げた彼女の唇から舌先が覗いた。 そして ゆっくりと唇が開いてゆく。 その開いた唇が怒張をつつんだ。 先っぽに舌をまとわらせながら、唇に怒張が見え隠れしていた、少しずつ少しずつ その速度を増しながら。 ローリングする様に頭を回し、俺を見上げては また前後させた。 俺を見上げ 唇を少し開き 咥えたまま舌を伸ばして 妖しい笑みを浮かべては また唇でつつんだ。 伸びた唇が 内側に逆にめくれる様に隠れた。彼女の瞳はジッと俺をみつめている。 長く伸びては隠れる唇、そのストロークは徐々に大きくなってゆく、優しく右に左に揺れ 異様にかきたててくれる 妖しい孝子さんの瞳に あえなく撃沈した。 俺の[蕾]が何度も何度も収縮を繰り返した。 ゆっくりと目を瞑った孝子さんが 一瞬 下を向いた、[こくり]と頷く様に。 [根元]に手を添えた孝子さんの舌が いまだ威張ったままの怒張を這う。 尖らせた舌先が パンパンに張り出した[えら]の隅々まで なぞる。 時々覗く孝子さんの唇の中には 放ったばかりの[それ]は無かった。 膝立ちだった彼女がゆっくりと立ち上がった。 右手は怒張をつつみ 左手は首に回った。 大きく舌を伸ばして 俺の口元に光る 混ざり合った2人の涎を舐め取ってくれている。 その舌先が また 俺の唇を割った。 次の瞬間[くるッ]と体を入れ換えた孝子さんが 俺をベッドに押し倒した。 ベッドの反動が手伝ってくれた。 もつれながらも 今度は俺が体を入れ換えた。 目を瞑った彼女を見下ろし胸に顔をうづめた。 孝子さんが 優しく俺の頭を撫でていた。 左に右に 上に下に 前に後ろに そして いつしか逆さまに、体を入れ換えながら 互いの身体をむさぼった。 柔らかく大きな胸 手触りの良い腰 いまだ弾力を保ち跳ね返す尻 綺麗に整えられたVにIにO 淫液に濡れて光る女芯、そのすべてが妖艶だった。 女芯を指で開き『フーッ』と息を吹きかけてみた 少し尻を浮かせて 求める様に孝子さんが俺の髪の毛を掴んだ。 既に顔を覗かせている[核]を舌でつついた。 孝子さんが 自ら俺の顔に押し付けてきた。 [指で…]、そんな余裕など無かった。 身体を起こし 孝子さんの膝を抱えた。 すると彼女は両手を広げた。 腰を上下させ[先っぽ]だけで[入り口]を探した。 広げた両手を首に回し彼女が俺を引き寄せた。 孝子さんも お尻を浮かせ 探している。 ようやく[入り口]が[先っぽ]をついばんだ、俺は ゆっくりと腰を送った。 『ふぅ~ン』、孝子さんが甘い吐息を洩らして 仰け反っていた。 思えば さっきの[誤爆]は正解だった。 俺は夢中で腰を振った。 後ろになり 下になり 横になり 斜になり 夢中で腰を振った、そして また上になった。 ゆっくりと ゆっくりと、時には早く そして また ゆっくりと。 入りながら右に回り左に回りながら外に出た、そして また深くまで侵入した、奥へ奥へと突き上げる様に。 『・・イヤ』 『わたし…、もう…』 『・・・・』 『お願い…』 『一緒に…』 [一緒に]にの言葉に 一瞬 躊躇った。 『お願い』 『一緒に…』 巻き付けた手で強く俺を抱きしめた。 [蕾]が 何度もすぼまり 腰が震えた。 孝子さんの[それ]は 俺を取り込むかの様に収縮を繰り返していた。 仰け反る様に顎を突き上げた孝子さんが ビクビクと波打っていた。
21/01/02 17:08
(lk/jKAr/)
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