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主婦の亜希子は居場所のない家庭に疲れきっていた。自分の存在を確かめるかのように自ら慰める毎日。 そんなとき、パート先のスーパーに大学生の萩野がアルバイトとして入ってくる。彼の教育係となった亜希子は彼と同じ時間を過ごすうち、しだいに彼の優しさや温もりに気付いていく。 人妻と大学生、静かに燃え上がる禁断の恋物語の結末とは。 本編へ続く ※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
2019/04/19 11:55:33(AJ.ua0Tx)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
亜希子さんの家が見つからないまま時間だけがどんどん過ぎていきます。
住んでいる方に聞いてみたりもしましたが、皆分からないと首を傾げます。 ようやく“瀬野”の表札を掲げた家を見つけたとき、時刻は22時を過ぎていました。 家の中は明かりが点いているようです。 僕は何度も深呼吸をしてから、意を決して玄関のインターホンを押しました。 ピンポーン 少し間があってから男の声で応答がありました。 『誰です? こんな時間に』 『夜分遅くに申し訳ありません。町内会の者です。どうしてもお伝えしなければならないことがありまして』 僕はご近所さんを装い玄関を開けさせようとしました。 そして、その作戦は成功しました。 『今開けますから、ちょっとお待ちください』 それからすぐに玄関のドアが開き、中から中年の男が現れました。 この人が亜希子さんの旦那? 次の瞬間、僕は話すより先に彼に殴りかかっていました。
19/04/20 19:58
(F.mH0ggL)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
バキッ!
ヴグッ! 「あなた! ちょっと大丈夫?!」 玄関先で倒れ込む男のもとへ亜希子さんが駆け寄ってきます。 『あ、亜希子さん! 僕です、萩野です!』 あれだけ探しまわった亜希子さんが僕の目の前にいます。 しかし、声をかけても全然僕の方を見てくれません。 亜希子さんはたしかに今はっきりとこの男のことを“あなた”と呼んでいました。 あれだけ僕に“ひどい夫”だと泣いて訴えていた亜希子さんは、今その男をとても心配そうに抱き抱えています。 まったくもって状況が掴めません。 混乱する僕に男が倒れたままに言いました。 『まったく、今の若者は挨拶も知らんのか。まぁいい、君にも説明が必要だな。さぁ、中に入りたまえ』 僕は彼に言われるがままにリビングへと通されました。
19/04/20 20:19
(PkuIwlew)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
リビングには不思議な空気が流れていました。
向かい合うソファの一方に萩野君、もう一方に夫と私。 そして息子は少し離れたダイニングテーブルの椅子にそれぞれ腰掛けています。 萩野君は困惑とバツの悪さからか、頭を抱えたままずっと下を向いています。 夫が話を切り出そうと体を前に起こします。 『うぅ、痛てて、君、なかなかいいパンチ持ってるじゃないか。ボクシングジムにでも通ったらどうだね?』 夫の冗談にも萩野君は微動だにしません。 『まずは君に謝らなくてはならない。すまないことをしたね。この通りだ、申し訳ない』 夫が床に膝をつき、萩野君に向かって土下座をしています。 それには流石の萩野君もたじろぎ、さらに混乱に拍車が掛かった様子でした。 『い、いったい、なんなんですか、もう、さっぱり分かんないですよ!』 夫は再びソファに腰を下ろし話し始めました。 『すべては私たち夫婦と家族のためだったんだ』
19/04/20 20:22
(PkuIwlew)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
夫婦のため?
家族のため? 亜希子さんの旦那は僕にそう切り出して話を始めました。 『亜希子とはずいぶんと長い間セックスレスが続いていてね。それを解決する手段として君を利用させてもらったというわけだ。まぁ、君にしてみれば罠にハメられた、ということになるんだが...』 『僕を利用した?』 『もっともはじめから君が計画に入っていたわけじゃない。君と亜希子が出会う前から計画は動き出していたわけだからね』 『じゃあ、亜希子さんに冷たく当たったりしてたのも、、?』 『なかなかするどいじゃないか。そう、全部演技だ。うちの息子にも協力してもらってな。あぁ、ちなみに息子は高校で演劇部に入ってるんだよ』 『へへっ、俺の演技もなかなかに上手かったっしょ? おかげでいい練習になったぜ』 『亜希子に冷たく当たれば、そのうち他所の男に靡くと思ってな。それで、また私のところに戻ってきてくれれば計画は大成功。もし戻って来なければ、、、う~ん、それはちょっと考えてなかったな』 なんてリスクが高すぎる計画なんだと、僕は唖然としました。 『ふふ、ふふふっ 笑』 彼は急にひとりで笑い出しました。 『何が可笑しいんです?』 『まさかな、まさか亜希子が君みたいな若い男に惹かれるとは完全に予想外だったんでな。まぁ、君が登場してきてくれたおかげで計画は成功したわけだ、礼を言おう』 僕は彼の頭が狂ってるとしか思えませんでした。 『礼って、、だって、僕は、亜希子さんと、、その、、しちゃったんですよ?』 『まぁ、その件はこの計画の代償と思って目をつぶることにしよう。それと、安心しなさい。何日か前に亜希子にはこっそりピルを飲ませてあるから、君の子は妊娠はしないはずだ』 『もっとも君のおかげで亜希子もこうして気付いてくれたわけだし。なぁ、亜希子?』 「うん、そうね、あなた...」 亜希子さんは旦那の側にぴったりと寄り添い、仲睦まじい夫婦のように見えました。
19/04/20 20:26
(PkuIwlew)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
夫の顔がどんどん紅潮してきました。
『で、どうだった? 亜希子の体は。この歳でなかなかいい体してるだろぉ? 生で何度も中に出したんだって? くぅ~、羨ましい!』 「その話はやめてってばぁ、もぅ、あなたったら...」 『なぁ、亜希子。今晩、俺もいいだろ? 生中出し♪ この歳でまた子供ができたりしてな、ん? どうだ?』 「はいはい、お好きにどうぞ槌」 『よっしゃー! さてと、そうと決まればマムシドリンクでも買いに行って来なきゃな! 1本じゃ足りんな、2本? いや3本だ!!』 夫の話は完全に逸れてしまっていました。 萩野君も開いた口が塞がらない様子で、もはや呆れ果てていました。 『亜希子さん、僕はあなたに騙されたんですか? 僕、ずっと本気だったのに、、』 浮かれる夫を尻目に彼が静かに話しはじめました。 「ごめんなさいね...でも私も本気だったわ、少なくともあの夜まではね。でもあなたに私はふさわしくない。あなたはとても優しくて愛情の深い男性よ。きっとすぐに私なんかよりずっと素敵な女性が現れてくれるはずよ」 『、、僕は、僕はこれからどうすればいいんだろう、、』 顔を曇らせる萩野君の肩に夫が腕をまわし笑顔で話しかけました。 『何?! 今晩の予定がないとな? それじゃあ君も一緒にどうだ?! 3Pも悪くないだろ? ふはははは 笑』 それから夫と萩野君は、2人でマムシドリンクを買いに夜のドラッグストアへと消えていきました。 終わり
19/04/20 20:30
(PkuIwlew)
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