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噂の佐久間さん
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:噂の佐久間さん
投稿者: タケイチ
『ユウ~?ちょっと、ゴミの当番出てくれん?』、母が僕の部屋の扉を明け、そう言ってきたのは早朝6時前のことでした。
普段であれば、『嫌じゃわぁ~!知らん知らん!』と突っぱねて寝るところだが、『ええよ。』と言って素直に起き上がった僕。最近はそうなのだ。

母の身体に異変が現れたのは、3ヶ月ほど前のこと。仕事を終えて家に帰っても、見るのは元気のない母の姿ばかり。
『どこか重病なのでは?』と心配をしていた僕の耳に飛び込んで来たのは、伯母さんからのこの言葉でした。
『更年期…。セっちゃんも、女を終えようとしてるんやねぇ?』と聞かされ、母が更年期に入ったことを知るのでした。

『佐久間さんに全部聞いて~。みんなと同じことしてたらいいから…。』、そう言われたが、町内のゴミ当番など一度もしたことがない僕。
それでも母に心配を掛けまいと、『うんうん。』と答えてはみるが、その『佐久間さん』という方を知らない。
『まあ、なんとかなるだろ~。』と思い、家の玄関を開くのでした。

玄関を開くと、正面40m先に数人の人が立っていた。僕が出てきたが分かると、その人達が一斉に僕の方を見るのだ。
視線を浴びながら、その方達に近づいて行きます。一人の女性に、『お母さんの代わり?』と聞かれ、『はい!よろしくお願いします!』と答えました。

ゴミ当番は僕を含めて4人。一人は町内会長さんなので、実質3人ということになる。残った二人のおばさんのどちらかが、『佐久間さん』ということだ。
一人は65歳くらいの小太りなおばさん。もう一人は68歳くらいだろうか、痩せ型の美形のおばさんでした。
朝早くなのに、ある程度のお化粧を施し、高級そうなカーディガンを羽織っています。少しお金持ちの方なのでしょうか?

朝6時過ぎなのに、どこからともなく次から次へとゴミを持って現れてくる町内の人達。仕分けが悪いと、僕とおばさん達とで分別をしていくのです。
そしてそんな中、小太りおばさんが優しく指導をしてくださり、『この人が、母の言っていた佐久間かぁ。』と理解をします。とても親切な方です。
それに比べ、美形の女性の働きは悪く、『お高くとまってんじゃねぇーよ!真面目にやれよ~。』と思ったりもしてしまいます。

そして、2時間後。8時近くになり、そろそろゴミ当番も終わる頃です。僕も、このあと仕事に行かなくてはいけません。
すると、小太りなおばさんが、『佐久間さん~。まだ、持ってくる人いる~?』と細身のおばさんに声を掛けたのです。
『えっ?こっちが佐久間さんだったのかぁ~。』と動きの悪かったおばさんの方がそうだったことが分かります。
そして、『私、そろそろいいかなぁ~?』と言って、佐久間さんは先に去って行くのです。
知りませんでした。ゴミ当番は、基本二人仕事。町内会長と佐久間さんは、『お手伝い』でわざわざ出てきてくれていたのでした。

それを知らされ、少しあの女性を見直します。そして、佐久間さんが美人であることを再認識するのです。
年齢的にも、女優で言えば『岸恵子さん』タイプでしょうか。細身で、何より『美人』というものにこなれている感じがするのです。
それが彼女との初めての対面となりました。

それから2週間も経たない頃。
相変わらず母の体調はおもわしくなく、『ユウ~?お金渡すから、好きなもの買って来て。私、「ちょっと雑炊」でいいから。』と買い物を頼まれました。
普段行ったことないスーパーに行き、買い物を始めます。『雑炊でいいから。』と言っていたはずの母からは、知らぬ間に買い物リストを渡されています。
どこになにがあるのか、そして『これはなんなんだ?』という肉類に苦戦をしてしまうのです。

肉のパックを持ち上げ、表示とにらめっこをしていると、『それ、ここで食べたらいかんよ?』と女性の声がします。
声の方を見ると、パックを手に取り、買い物カゴヘ入れている女性がいました。あの佐久間さんでした。
『えっ?』と答えると、『食べるのかと思うくらい、真剣に眺めてたから…。』と言われ、『まさかぁ~。』と笑って返すのです。
『お母さんの代わり?まだ、具合い良くないの?』と聞かれ、彼女は母の『更年期障害』のことを知っているようです。
僕は、『まあ…。』と言葉を濁して答えるのでした。

すると、佐久間さんの手が僕に伸びて来ました。そして、『ん~。』というのです。僕は、『なんだろ~?』と一瞬考えます。
たじろいでいると、僕の手にあった紙、『母の買い物リスト』と取られ、『これ、買って来い!って言われてるんでしょ?』と言ってくれるのでした。

さすがは主婦の彼女。母の手書きをちゃんと理解をしてくれて、次々と僕のカゴが埋まっていきます。
最後の玉子が入れられると、『そのお菓子は、紙に書いてないよ。』とからかわれるのでした。お菓子は、僕が勝手に入れたものです。

僕が先にレジを済ませ、貰ってきた段ボールに買ったものを詰め込んでいきます。そのうちに佐久間さんもレジを済ませ、同じテーブルで詰め始めるのです。
彼女の買った量の少なさが気なりました。確かに、まとめ買いをした僕の量は多いですが、それにしても彼女の量は少なすぎます。
主婦だと思っていただけに、『一人なのかなぁ~?』なんて思ったりもするのです。

佐久間さんが詰め終わる頃、彼女のレジ袋からキャンディーの袋が出て来ました。そして、『お母さんと食べて。』と僕の段ボールの中に入れられたのです。
彼女はそのまま立ち去りました。『かっこいいー!』『素敵~!』、普段からそんなことばかりしているのでしょうか。
あまりにも自然で、僕の中にはそんな言葉ばかりが浮かんで来ます。

ゴミ当番の時に、『佐久間さんに聞いて~。』と母が彼女を頼れと言った意味が、少し分かったような気がしました。
 
2019/01/31 21:42:08(BuHPjCPP)
32
投稿者: 哀愁のおっさん
タケイチさん、素晴らしいです由美子さんのファンになりました、

できるだけ長く続けてください。
19/03/09 08:00 (Xrcaz3/3)
33
投稿者: タケイチ
シャワーを浴びるために佐久間さんが風呂場へと消え、僕はリビングで待っていました。やけにその時間が長く感じます。
早々に終えてしまった僕を、『彼女はどう思っているのだろう?』とどうしても考えてしまうのです。

5分後、新しい夜間着に着替えた彼女が現れます。濡れた髪にバスタオルを乗せたまま、キッチンへと向かいました。
ただそれだけなのに、『僕に呆れているかも…。』と詮索をしてしまうのです。

『お茶飲む~?コーヒーがいい?』

彼女が優しい言葉遣いだったことに、少し安心します。僕は彼女に気を使い、『お茶でいいですよ。』と答えました。
テーブルの上にはグラスに入ったお茶が置かれ、気持ちに余裕のない僕はそれをすぐに手に取ります。一口飲むと、両手に抱え込むのです。

しばらく会話はありませんでした。初めてセックスをした二人でしたが、お互いにいろいろと考えることがあるようです。それでも、

『ありがとうねぇ~?』
『あっ、こちらこそ…。』
『私じゃ、楽しくなかったでしょ?』
『いえいえ、楽しかったです。』
『ほんとぉ~?こんなおばちゃんでも~?』
『はい。興奮して、すぐに終わってしまって…。』
『そんなことないよぉ~。』
『なんか、カッコ悪くて…。ちょっと恥ずかしいです。』
『そんなことないない~。全然ないよ~。』

うまく自分の気持ちを伝えましたが、彼女の言葉が僕をかばってくれているような気がして、気持ちは晴れることはありません。
それでも、長い土曜日でした。家に帰り、その日一日を振り返ったりもします。まあ、何より彼女と結ばれたことが大収穫であります。
『佐久間さんも僕のこと考えているかなぁ~?』、そう思いながら、僕は眠りにつくのでした。


その頃…。
『熟女 個人撮影』、佐久間さんの細い指でキーボードが叩かれていました。大型テレビには、パソコンの個人動画が再生を始めています。
パジャマに着替えた彼女はベッドに腰掛け、すぐに下着の中へと手が入れられて行くのです。『ユウ~…。』、僕の名前を呼び、気持ちを高めています。
しかし、いつもならここから別世界へと移れる彼女でしたが、今日はうまく行きません。気持ちが高まらないのです。
1時間ほど格闘をしていた彼女でしたが、あまりに長く続けている自分に呆れ、パソコンは切られてしまいます。
そして、布団の中へと入った彼女の枕元には、スマホが転がっていました。

『もしもし…。』
『久しぶりやねぇ~?』
『元気にしてるのぉ~?』

とても静かな寝室に、電話を掛ける佐久間さんの声だけが響いていました。スマホの画面には通話時間が表示され、時を刻んでいきます。
彼女は久しぶりに話をする電話の相手に、どこか心を踊らせていました。スマホの画面は、その人物の名前がこう表示をされています。

『池本さん』

『噂の佐久間さん』を作り出した、あの池本さんです。

19/03/12 04:59 (eWT.8oj2)
34
投稿者: タケイチ
その土曜日は終わりませんでした。

午後10時前に、一台の車が佐久間さんの家の前へと停められます。チャイムが鳴らされると、余所行きの服装に着替えた彼女が出迎えました。
近所の目を気にした二人は、ほとんど話をすることもなく車に乗り込み、その場を離れるのです。

『なんか食べに行くか?』と男性が話し掛けます。約6年ぶりのこの男性にどこか安らぎを感じ、『ご飯食べたよぉ~。』と甘えるように答える彼女。
年齢は彼女の方が上なのですが、この男性の前ではいつも彼女はそうなのです。『なら、飲みに行くか?』の問いにも、『お腹いっばい~。』と断ります。
佐久間さん自身、すでにアルコールを口にしていて、どこか上機嫌なのです。
『なんやお前、ホテル行きたいんかぁ~?』と聞くと、『そんなこと行ってないでしょ~。』と答えた彼女。
しかし、男性のハンドルはそちらへと向けられるのです。

男性の手は、佐久間さんの髪を掴み上げていました。バランスを保ちたい彼女は、男性のモノを口に含みながら、両手で男性の太股を持ちます。
それでも容赦のない男性は、口へとソレを突き入れ、彼女の身体を風呂場の壁へと追いやるのです。
『お前、溜まっとんのか?』、必死にフェラチオをする彼女を見て、男性はそう口にします。佐久間さんの頭に、一瞬だけ僕の顔が浮かびました。
僅か3時間前、彼女は別の男のモノを口に食わえていたのですから。
『お前アレか?セックスしたくて仕方ないんか?溜まりまくってんのやろ~?』、汚ない言葉を浴びせてくる男性に、彼女は一瞬だけ苛立ちを見せます。
しかし、全て本当のこと。自分の思う満足なセックスを求めて、この池本に電話をしたのは彼女自身なのですから。

『彼氏が下手なんよぉ~。』、フェラチオをしながら、彼女が答えます。『お前、男おるんかぁ~?ええおばはんが~?』とまた汚ない言葉で返されました。
しかし、自分がこう言えば、この男がこう返してくると言うのを彼女は知っています。望んで罵声を浴びようとしてしまうのです。
『そうか~、そうか~。』と男性が言うと、彼女はその手を取られ、まだ身体を洗ってもいない風呂場から連れ出されます。
びしょびしょの身体でベッドへと転がされた佐久間さんでしたが、これも彼女が望んだこと。本当の男のセックスが欲しいのです。

彼女は男性を待ちました。身体に触れられ、愛撫をまつのです。しかし、目の前に見えてきたのは、男の下半身。
『ほらぁ~、舐めぇ~。これが欲しんだろ~。好きなだけ舐めぇ~!』と、寝ている彼女の口へとそれを突っこんでくるのです。
『さっきもしたのに…。』、彼女は一瞬躊躇をします。しかし、誘ったのは自分、二人が今ここにいるのは自分のせいなのです。

彼女の顔の上へと乗り上げた池本の腰が、動き始めました。舌を使って舐めていた彼女も、その余裕が無くなります。
『ほらぁ~、舌使え~!お前、これが欲しんだろ~!?』と言われ、必死で舌での愛撫を試みました。
しかし、あまりに激しく動かされ、彼女が求める以上に男のドス黒いチンポが身体の中へと突き入れられてしまうのです。

池本はこう思います。『穴…、この女はただのスケベな穴…。』と、突然転がり込んできたこの女に興味を持ってしまうのです。

6年ぶりに再会をした二人。彼女は『男』を求めましたが、池本は違いました。美形の佐久間さんに、『都合のいい道具』を求めたのです。
『由美子~…、好きやぁ~。お前、俺の女になれやぁ~。』と言われ、『なる…。女になる…。』と、そう答えてしまう佐久間さんでした。
19/03/12 05:55 (eWT.8oj2)
35
投稿者: タケイチ
次の日の日曜日…。

朝11時に一回、お昼の2時にもう一回と電話掛けたが、電話が取られることはありませんでした。彼女から電話があったのは、夕方6時を過ぎていました。
『ごめん、ごめん!ずっとマナーモードになってたわぁ~。』と言われ、怪しいものだが納得するしかありません。
『今日、どうします?』と彼氏のつもりで聞いてみますが、『おばちゃん、今日は無理かなぁ~。』と残念な返事でした。
残念なのは、返事だけではありません。彼女にとって僕は、『無用のもの。』となりつつあったのです。

昨夜に戻ります。
佐久間さんはホテルでシャワーを浴びていました。その股間からは男性の精液が流れ出し、シャワーのお湯が排水口へと押し流すのです。
男のモノに突きまくられ、ベッドでは記憶が飛んでしまうほどに乱れていた彼女。終わっても、気持ちは高ぶり、自然と笑みも溢れてしまいます。
何年ぶりに得られた満足感だったでしょうか。元カレでもダメ、望んだ若い兄ちゃんの身体でもそれはダメでした。
それを、半ば逃げるように自分の前からいなくなった男から受け取ってしまうとは。セックスの相性というものを感じてしまうのです。

『由美子よぉ~?』、不意に風呂場の扉が開けられ、彼女は一瞬戸惑います。しかし、さっきまで抱き合っていた男だと思うと、戸惑いも消えるのです。
『なに~?』と背を向けて答え、彼の返事を待ちます。しかし、その返事が返っては来ません。彼女は、『呼んだぁ~?』と言って、振り返ります。
その瞬間、彼女は驚くのです。知らぬ間にその間合いを詰められていることに。
池本の太い腕が、華奢な彼女の身体を後ろから抱き締めました。『どうしたんよぉ~?』と聞いた彼女。愛情を感じるだけに、声もうわ擦ります。
『ええ女や…。お前、ほんまええ女…。』、池本の唇は彼女の肩に触れ、キスをして来ます。『なに言ってるのよぉ~。』と言う彼女も、逃げることはしません。

61歳の男と67歳の女が、ラブホテルの風呂場でいちゃついています。世間から見れば、『いい年したおっさんとおばはんが…。』なのでしょう。
しかし、6年前に旦那を亡くした彼女と、妻も相手にしてくれなくなったご無沙汰男です。新鮮な恋人気分になるのも仕方ないことかも知れません。

『なによぉ~?』と佐久間さんが聞き直します。からかうつもりでした。ところが、『ワシのチンポ、収まらんわぁ~。』と男が言うのです。
『なにがよぉ~。いやらしい~。』と彼女が呆れたて笑った瞬間、男のモノが彼女の小さなお尻へと当てられたのです。
『ウソやろ~?また勃ったのぉ~?』と彼女が聞いてしまうほどに、男性のチンポは膨張し、その硬さを取り戻してしたのです。

佐久間さんも忘れるほどに、懐かしい感触でした。濡れた風呂場のタイルはとても硬いものだと思い出していたのです。
風呂場の床に手を着き、男のチンポを後ろから受け入れている自分のこの姿。何年ぶりだったのでしょう。
20分ほど前に、彼女の身体の中へ射精をしたはずの彼のチンポは、それでもなお彼女を求めたのです。

佐久間さんはまた思い出しました。男のチンポに犯され、『アアァ~!…、アァ~ン…!…、』と叫んでいる自分は記憶が飛んでしまうことを。
ようやく記憶を取り戻す頃には、『由美子~!出すぞぉ~!マンコに出すぞぉ~!』と言われていました。
『うんっ!出してぇ~!私のマンコに、いっばい出してぇ~!』と叫んでしまった佐久間さん。その目には、歓びの涙が溢れてしまうのでした。
19/03/12 06:47 (eWT.8oj2)
36
投稿者: タケイチ
鈍感な僕でさえ、彼女の変化には気がつきました。僕からの誘いの断り方も、どこか冷たく感じられるのです。
『明日、どうですか?』
『ちょっと無理かも…。』
『金曜日は?』
『その日にならないとわかんないわぁ~。』
と、いっこうに好転をしません。佐久間さんの本心を聞くのも怖く、『僕のこと、嫌いになりました?』の一言はどうしても聞けずにいたのです。
そして、翌週の土曜日を迎えました。運命の日でもあります。

その日は、朝からあいにくの雨。にもかかわらず、朝10時に車を出しました。家を出た車はすぐに左折をし、彼女の家の方角へと走ります。
通り過ぎる時に彼女の家を見詰め、『佐久間さん、いるかなぁ~?』なんて思ったりもしてしまうのです。
車はコンビニへと入り、僕は雑誌の立ち読みを始めました。考えもなく飛び出して来ただけで、何の予定もありません。
15分後、車は元の方角へと帰って行きます。歯医者の駐車場が広がっているため、こちらからの方が彼女の家は長く見ることが出来るのです。

そこに、あるものを発見します。先程は見掛けませんでした。佐久間さんの家の前に、トヨタのハイブリット車が停まっていたのです。
『お客さん?』、そう思い、通りすぎようとした時に、玄関から現れる彼女を見つけました。一瞬でしたが、お出掛け用の洋服が着こなされています。
僕は自宅に車庫入れをし、車から出ることはありませんでした。前を通り過ぎるかも知れない彼女に見つかるのが怖かったからです。
数台通り過ぎていく車の中に、その車の姿がありました。男性の横に乗った佐久間さんの姿をハッキリと見てしまったのです。
『追わなきゃ!』、そう考えたのは一瞬だけのこと。全てを理解した僕に、もうその力は残ってはいなかったのです。

長い1日でした。部屋にこもり、ずっとオンラインゲームを続けています。仲間と組んでボスを倒しても、いつもの嬉しさなどありません。
ただただオンラインの世界に逃げ込んで、気をまぎらわせているだけでした。

午後6時。雨は更に強くなり、少し風も出てきたようです。ベッドに眠っていた僕でさえ、その雨音に目が覚めてしまいます。
気だるい感覚のなか、『コンビニ行ってくるわぁ。』と母に告げ、僕は家を出るのです。

午後8時。真っ暗だった路地に、車のライトが眩しく光ります。その光は更に大きくなり、僕の姿を照らし出しました。
助手席のドアが開き、傘を広げた女性が声を掛けて来たのです。

『ユウくん~!?あんた、なにしてるのよぉ~!?』

傘はちゃんと挿していました。降っていた雨は避けていたはずです。しかし、彼女の玄関先の木が雨を弾き、僕の身体を濡らし続けていたのです。
『誰や、そいつ?』、運転席から男性の声がしました。彼女は、『近所の子よぉ~!』と男性に言い返します。
『待ってたの~?』と心配そうに聞かれてしまい、『そうでもないよ。さっき来たところ…。』と照れくさくて返します。
見知らぬ男性に見られ、佐久間さんの心配そうな顔を見せられてしまった僕は、『ああ、帰りますから。』とその場を逃げようとしてしまうのです。
しかし、『おりぃ~!おりなさいっ!』と彼女に強く言われてしまいます。

佐久間さんは運転席へと掛け寄りました。眩しいライトに照らされ、二人の姿はこちらからはよく見えません。
大粒の雨が、その会話もかき消してしまいます。それでも、彼女の声は僕の耳に届きました。『この子、この前言ってた私の男~!』って。

『ガチャ。』と運転席の開く音がしました。男性が僕の前に現れたいようです。しかし、その扉はそれ以上は開くことはありませんでした。
佐久間さんの華奢な両手が、開こうとする扉を押さえ付けていたからです。扉は再び閉まり、同時にゆっくりとバックを始めました。
ライトで僕達を照らしながら下がり続け、彼が立ち去ると同時に路地はまた闇へと戻るのです。

佐久間さんが挿していた赤い傘は、逆さを向いていました。男性の車のドアを両手で押さえた時に、手離してしまったのです。
着ていた服も雨でびしょびしょになった彼女ですが、それでもその傘を頭の上へと掲げます。
振り返った佐久間さんが僕に近づき、『入ろ~?寒い寒い。』と言って、僕の手を握り締めてくれるのでした。
19/03/12 20:49 (eWT.8oj2)
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