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1:友達の母
投稿者:
加藤
『カンちゃん、ひさしぶりです。僕のこと、わかる?』、突然携帯に掛かって来た電話でした。そして、知らない番号、知らない声。
『ごめん。誰ですか?』と聞くと、『松本です。マッチィ~。』、そう聞いても、すぐにピンとは来なかった。 しかし、もうしばらくして、それが小学校の時の友達だと分かります。6年生の時にはまだ遊んでいたので、ほぼ10年ぶりでした。 『ちょっと、お願いしたいことがありまして。』、馴れ馴れしく掛けてきた割りには、口調が突然仕事言葉になる。 彼は市役所で働く、公務員となっていた。電話で仕事言葉になるのも無理はない。丁寧な語り口で、とても僕の知っているマッチィではなかった。 彼はある催し物を考えていた。僕の今の仕事を知り、助言を求めて来たのだ。 2日後。僕は、町内の路地を歩いていた。我が家から、歩いて5分。マッチィは、まだあの家に住んでいたのだ。 平屋の古い一軒家。玄関も寂れた木造色の引き扉。チャイムもついているが、とても鳴るとは思えないほど寂れてしまっている。 『おう、ありがとう。』、迎えてくれたのはマッチィだった。ほぼ10年ぶりの再会。顔は大人染みていたが、身長は相変わらず僕よりも小さく、おかげでマッチィらしい感じがする。 居間に通された。ちゃぶ台を囲み、その上には公務員らしく、資料を用意されている。座り込み、話を始めようとした時でした。 ふすまが開き、『加藤くん?!ひさしぶりやねぇ~?お母さん、元気~?』とマッチィのお母さんが現れました。 当時の面影があり、すぐにおばさんだと分かります。ただ、至るところに老化が見られ、それでもうちの母よりは全然綺麗な方です。 『ひっさっしぶりやねぇ~。おばちゃんのことわかる~?』と聞かれると、『わかるわかる。全然変わってないよぉ~。』とお世辞を並べるのです。 マッチィのお父さんが早くに亡くなったのは、うちの母から聞いていました。中学の時だったと思います。 『弟は?』と聞いてみました。確か、2つくらいの弟がいたはずです。『就職したのよ。いま東京。』と、彼もそんな年のようです。 マッチィの説明が始まりました。おばさんは気を効かせて、部屋から出ていきます。別に仕事をくれる訳でもないが、ちゃんとアドバイスはして終わりました。 約2時間後、『じゃあ、帰るわ。』と席を立ちます。気配に気づいたおばさんが奥から現れ、『加藤くん、ありがとうねぇ。』と見送ってくれます。 『俺も帰るわ。』とマッチィが言い、彼はもう結婚をしていて、どこかのマンションに住んでいると聞かされます。 最後におばさんから、『お母さんによろしく言っといてね。』と言われ、僕はこの家から去るのでした。 数日後、マッチィからある依頼が来ます。『とある書類が欲しい。』という内容だった。簡単な書類ではある。 しかし、ひさしぶりにあった友達だが、妙に語りが流暢すぎて、少し詐偽のようにも思えてしまう。いい印象は彼には持てなかった。 書類を作成し、届けることになった。しかし、『家にほおり込んでくれると助かります。』と、おばさんに届けろと言います。 『普通は取りに来るだろ。お前が来いよ。』と思いながらも、僕はおばさんの家へと向かうとことなるのです。 再び、マッチィの実家に来てしまいました。中からおばさんが現れ、『息子から聞いてるわぁ。わざわざ、ありがとう。』とお礼を言われます。 書類を渡して帰るつもりが、『加藤くん、ほんと大きくなったねぇ?うちのは、全然大きくならなかったわぁ。』と話し掛けられます。 こちらも会話をさせられるはめになり、玄関で立ち話が始まるのです。 マッチィのお母さん。身長は息子と同じでとても小さい方。僕よりも20センチほど低く思え、153センチってところか。 髪は全て後ろに流し、束ねて団子を作っている。なので、おでこは大きく見え、顔もハッキリと出してします。 ちょっと外国人系で、目はホリ深く、鼻も高くはないが尖っている。『美人かどうか?』と聞かれれば、そっちの部類に入るとは思う。 小学6年生の僕は『友達のお母さん。』としか思っていなかったので、10年前はきっと美人だったのではないでしょうか。 『これ、おばさん植えてるの?』、玄関に少しだけ作ってあるガーデニングに触れてみます。植物など興味はないですが、話の流れです。 『そうそう、これおばちゃんが作ってるの。』と嬉しそうに話し始め、興味を示されたことに、逆にこっちが困ってしまいます。 『ちょっと、こっちも見る~?』とおばさんが玄関を開きます。『ちょっと見て見て。』と呼ばれ、奥の部屋へ招かれました。 『もういいよー。そんなもの、興味ないよー。』と思いながらも、数年ぶりにこの家の奥に入って行くのです。 完全に忘れていた部屋の作り。覚えていたのは、マッチィの部屋くらいです。お風呂とトイレ、きっとおばさんの部屋、そして入ったのは奥の奥の部屋でした。 少しだけ思い出が蘇ります。『ここ、弟の部屋?』、今は何にもない部屋ですが、確か弟がここにいたような気がして、聞いてみたのです。 『そうそう。ツーくんの部屋だったところ。覚えてる?』、ツーくんという名前にピンとは来ませんが、あっていたようです。 ツーくんの部屋の奥の扉が開きました。そこは小さな庭になっていて、玄関よりも少し大きめのガーデニングをしていました。 『すごいねぇ。』と興味もないのに言ってあげると、『おばちゃん、頑張ってるやろ。面白いのよー。』と喜んでいました。 『そだ!水あげよー。』と言って部屋を出ていったおばさん。帰ってくると、手にはジョーロがあり、部屋の中から水を掛け始めます。 『めんどくせー!息子とおんなじじゃん。』と、気ままなこの親子にいい印象など持ちません。 その時でした。ジョーロを遠くに差し出したおばさんの、Tシャツの首元が開きました。男ですから、思わず覗き込んでしまいます。 身長差がモノを言い、ほぼ真上からそこは見えました。白い肌は胸の中まで続いていました。 現れるはずの布地や紐はなかなか現れず、『ノーブラなんじゃ?』と期待もしてしまいます。ブラよりも先に現れたのは、胸の膨らみと谷間の方。 谷間は広いようで、乳房は離れて膨らんでいました。更に覗き込んだのですが、その前はTシャツに触れていて、見ることは出来ませんでした。 おばさんが水を掛け終わり、僕も玄関先まで戻されました。もう少しだけ会話をしたのですが、その時の僕の目はTシャツの胸元に向けられていました。 Tシャツのどこかにあるであろう、おばさんの乳首を探していたのです。
2018/08/31 12:34:55(tg9x4wvb)
投稿者:
加藤
『加藤くん、ごめんねぇ~?』、美和子さんの口から出た言葉に、頭が混乱をしてしまいます。マッチィをかばい、その母親として僕に詫びたのです。
『なんでおばさんが、いま謝った?』と、頭が整理を始めます。彼女のためにやっているのに、なんで彼女が謝るのか。 もしかして、息子の行動を詫びたのではなく、僕とこんな関係になってしまったことを詫びているのではないか。そこまで考えてしまうのです。 それでも、僕の標的は目の前で困っている息子でした。『もう、いくしかない。』と彼に告げるのです。 『お前のお袋と、セックスしてたからに決まってるやろー!そんなこともわからんかー?!』とついにその事実を口にしてしまいました。 『もしかしたら、いつかマッチィに白状する時がくるかも。』との思いはありましたが、まさかこんな投げやりで言うことになろうとは…。 マッチィはうつ向いたままでした。『母親と友達がセックス…。』、その事実を告げられた彼もまた被害者なのです。 『俺、お前のお母さん好きやで。愛してるよ。なんかあるー?』と聞きますが、彼も頭が混乱をしているようで、言葉が出ません。 『美和子さんを愛してるよ、なんかあるー?』と続けましたが、沈む彼に伝わるはずもなく、僕の言葉は居間に虚しく響くのでした。 しばらくうつ向いたままの彼。何か声を掛けてあげなうと、その顔は上がってきそうもありません。 『もうやめるー?』と優しく聞くと、『もうええよ。』と言って、ようやくとその頭が上がるのでした。 それを聞いた美和子さんは、そそくさと居間から離れ、自分の部屋に駆け込みました。二人にされてしまい、仕方なく僕は彼に話し掛けます。 『マッチィ、ごめんなぁ~。』と言って、それは始まりました。写真をネタに脅し掛けようとした彼も、僕と同じでケンカは苦手。 お互いに無理をしていたのです。 マッチィは立ち上がり、冷蔵庫を開きます。『ビール?』と聞かれましたが、断り、缶コーヒーを貰います。合わせて、缶コーヒーが彼の前に置かれます。 ようやく落ち着いたのか、『なぁなぁ?お母さんのどこがいいん?』と聞いて来ました。確かに、息子から見ればただのおばさん。 僕も、自分の母ならそう思うはずです。『お前、アホやなぁ~。男と女には、そんなもの関係ないの!』と、笑って返すしかありません。 ひさしぶりに彼と笑ったように気がします。仕事での愛想ではなく、10年前に戻った子供のように無邪気に笑いました。 それは深夜にまで及び、居間の電気は消えることはありませんでした。 ああ、ここにドラゴンボールのマンガがあれば、最高だったのに。
18/09/13 14:12
(mt8JFALb)
投稿者:
加藤
読者の皆様、御愛読ありがとう御座いました。
この辺りにしておきます。 コメントでも頂きましたが、常に発表されている人気ランキングで『1位を取りたいなぁ~。』と目標にしていたところもあるので、その願いも叶い、もう充分であります。『現在のアクセス数53000view』、もう僕にとっては奇跡の数字です。 内緒ですが、ここ数日間ず~っと1位だったので、気分は天国でした。なので、ボロが出る前に逃げさせていただきます。(笑) それと、訂正です。 一気読みをされた方の中には、気づかれたかも知れませんが、美和子さんの名字が『松本』だったのが、後半『待田』に変わっていました。完全なミスです。 これには理由がありまして、実はこの美和子さんという女性は実在をします。ぶっちゃけ、名字は松本です。だから、『松本』と素直に書いてしまったのです。 後半になり、『名字なんにしようか?万が一、息子にばれたらヤバイしなぁー。マッチィだから、待田でいいか。』と軽はずみに書いてしまい、まさか第一話目で書いていたとは、作者本人も知りませんでした。(笑) 彼女が本屋で働いているのも本当、年齢も髪型もスタイルもそのまま、小さな古い一軒家もそう、家の間取りもそう、ガーデニングもそう、息子が公務員なのもそう、2つ下の弟もそう、旦那が中学の時に亡くなったのもそう、これは本人が見たらヤベー。 ではでは、御愛読本当にありがとう御座いました。 m(__)m
18/09/13 15:10
(mt8JFALb)
投稿者:
hunter
とっても 良かったです。
今も続いてるんでしょうね!!
18/09/13 17:24
(Rz/8Gqem)
投稿者:
(無名)
完結お疲れ様でした。
投げ出す作品も多いなか、無事完走おめでとうございました。 面白くて、いつもアップされるのを楽しみにしていました。次回作を首を長くしてお待ちしております。お疲れ様でした。
18/09/13 18:05
(ECoZ5Oim)
投稿者:
通りすがり
お疲れ様でした。
とても読み応えのある投稿でした。 次回作も楽しみにしております!
18/09/13 22:18
(vglnZoEU)
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