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ネットで妄想文を書きちらしている私に、1通のメールが届いた。
「初めまして。菅原と申します。普通のサラリーマンですが、副業でアダルト動画の配信サービスをしてます。 玲子さんの作品を、大変興味深く拝読しました。いかがでしょう?あの文章をご自身で朗読していただき、動画配信しませんか? あくまで、文章がベースなので、お身体や顔を映す必要はありません。 興味をもっていただけましたら、一度お会いして話を聞いていただけませんか?」 唐突な申し出に戸惑いながらも、好奇心が掻き立てられる。 顔バレ、身体バレなし、かぁ。 自分の文章に興味をもってもらえるなら、会うだけ会ってみようかしら。 次の休日に、某駅前のコーヒーショップで待ち合わせをする。 すっきりした印象のビジネスマン風の男性が現れる。年の頃は、30代半ば? 「初めまして、菅原です。玲子さんですね、いやあ、イメージ通りだ。」 男はにこやかに言葉を続ける。 「メールに書いた通りなのですが、さっそく朗読を聞かせていただけますか?リアルに体感してみたいので。内容が内容ですから、音の漏れないカラオケルームに移動しましょう。」 彼は伝票を握ると、さっと先に席を立つ。 カラオケルームに入ると、彼は私から少し離れて座り、「では、お願いします。」と、私を促す。 初対面の男性を前に、官能小説を読む。 そのシチュエーションだけでも、ドキドキする。 「......じゃあ、読んでみます。」 私は軽く咳払いをし、自分で書いた原稿を声に出して読み始める。 『鏡の前に立たされる私。背後から首筋に唇を這わせられながら、服を一枚ずつ脱がされる。 貴方の手が私の身体を、ゆっくりとなぞっていく。 「ヤらしいカラダ......。」 指をいっぱい広げた掌で、ゆっくり乳房をまさぐられる。時折、親指と人差し指が、きゅっと乳首を潰す。 左手は乳房の愛撫を続けたまま、右手が脇腹を通って、下へと降りてくる。 貴方の指が、淡い茂みをかき分け、敏感な突起を見つける。 人差し指と薬指で、器用に私の襞を左右に開くと、真ん中の中指で、下から突起を撫であげる。くるくる周囲を指が踊り、時々、くちゅっとその指が中に忍びこむ。 まだ、服を着たままの貴方の硬い高ぶりを、お尻の辺りに感じる。 ぐちゅっ。。ぐちゅっ。。じゅっ。。。 貴方の指の動きが速度を増し、イヤらしい音と匂いが、辺りに広がる。』 そこまで読むと、私は上目遣いに、チラッと男の表情をうかがう。 男は眼を閉じたまま動かず。じっと聞き入っている。 私は再び、原稿に目を落とし、続きを読み始める。 『私は立っていられなくなり、がくっと膝を折る。 カチャッ。。 貴方はベルトを外し、高ぶりを外に解放する。 しゃがみこんでしまった私の腰に両手を回し、私に四つん這いの姿勢を取らせる。 鏡から目を背ける私の顎に指をかけ、鏡の真正面に顔を向かせる。 「見てごらん、自分の顔。快楽に喘ぐ貴女、最高に綺麗だから。」 うっ。。。! 貴方が、私の中に、ゆっくり入ってくる。 後ろからぐっと突き上げられ、ぎりぎり抜けそうになるまで、引いた後、さらに奥まで打ち込まれる。 あっ...!あっ...!あ...ン。 鏡の中に映っているのは、上気し、唇のはしから涎を垂らして感じている女。。』 「ここまでです。」 男の目の前で、読み慣れた自分の文章とはいえ、えっちな文章を声に出して読むという行為に、身体の奥底が、じわりと反応してしまう。 菅原は、私のそんな様子に全く気付くことなく、上機嫌で話を進める。 「いいですね。やっぱり思った通りだ。是非、お願いします。タイトルは...、そうですね、『人妻 玲子の白日夢』。どうですか!?人気出ますよぉ。人妻、熟女マニアにはたまりません。熟女官能小説作家、本人による朗読配信サービス!」 「はぁ.....。」 「特にノルマもありませんから、自由に作品を作ってください。お客様からコメントを書いてもらえる機能もありますから、楽しんで続けてくださいね。」 菅原はその後も、私が引き受けることを前提で話を続け、動画の送り方や、お金のことなどを説明し、帰っていった。 あの人、こんな話聞かされて、何にも感じなかったのかしら。 私は中途半端に疼く身体をもてあましてしまう。 私はカラオケルームの小窓から死角になる位置に移動し、スカートの中にそっと手を差し入れる。 下着のクロッチの脇から指を滑りこませると、そこは既にじっとりと潤んでいる。 敏感な突起に自分で触れながら、解消されない欲望をエネルギーに、さっきの文章の録音を始める。 『人妻 玲子の白日夢 1 鏡の前に立たされる私。背後から首筋に唇を這わせられながら、服を一枚ずつ脱がされる...。』 (続)
2019/10/14 15:46:34(m3OQd4Pq)
ぴょんさま
興味をもってくださり、ありがとうございます! 質問の答えは、ふふふ内緒、です(笑)。
19/10/18 10:33
(sr5yEMiC)
「もしもし?大樹アカデミーの西崎です。あ、タクマ君?今日はどうしたの?今日は来月からのクラス分けテストだったのに。」
1日の仕事の終わりは、予備校の授業を欠席した生徒への電話がけ。状況の確認と叱咤激励して次の授業に気持ちを向けさせなければならない。 「あ、西崎チューター。すみません、......ちょっと、色々あって。」 「色々って......、タクマ君。受験勉強以上に大事なことは、少なくとも今はないんじゃない?また、スランプだぁ~って言って、ネットに逃げてるんでしょう。」 「......そんなことないけど。でも、確かに面白い動画を見つけて、ちょっとはまってはいます。」 「もう秋なんだから、ここからは現役生も伸びてくるわよ!さすがに今年は決めてくれないと、せっかく遠くから出てきてるんだし。」 「......。」 「いい?明日は必ずいらっしゃい。授業の後で学習の進み具合の確認するからね。帰り残ってね!」 「また、面談スかぁ。」 「そうよ!三浪したら困るでしょ。ここで踏ん張らないと。」 「はぁい。分かりました。」 「分かればよろしい。じゃあ明日、待ってるからね、タクマ君。おやすみなさい。」 「......おやすみなさい、西崎チューター。 ......玲子さん。」 「!?」 聞き間違えだろうか? 確かに「玲子さん」と、タクマが発音した気がする。予備校での私は、西崎凉子という本名を名のっている。同僚も担当生徒も、皆、私を「西崎チューター」と呼ぶ。下の名前で呼ばれることは、ほとんどない。 れいこ、と、りょうこ、を聞き間違えただけよね、きっと。 私は自分に言い聞かせる。 杉谷タクマは、今時珍しい二浪の予備校生。地方の出身だが二浪目になって背水の陣をしき、親元を離れてこの予備校に通っている。彼の住む地方では、適当な予備校がなかったそうだ。 だから尚のこと、今年は合格させなくては。 彼と同い年の大学2年生が、同じ予備校でアルバイトしているというのに、タクマは志望校の合格圏内にもまだ届いてない。 同い年の気楽さからか、バイトの学生ともタクマは仲が良かったけれと、立場は全く違うのだ。卑屈にならないのが彼の長所ではあるが、少しは焦ったほうがいいのに、と私のほうがやきもきしていた。 翌日、授業の終わる時間を見計らって、タクマを面談室に引っ張っていく。 長い手足をもて余すように、崩れた姿勢で椅子に座る。 「ほら、中学生じゃないんだから不貞腐れない!誕生日来たからもう二十歳でしょう?タクマ君。生活のリズム、どうなってる?朝型にしていかないと、勉強の効率悪いよ。」 「西崎チューターって、結婚してるんですよね。」 タクマは、全く噛み合わない話をし始める。 「してるわよ。子供も二人。だから仕事頑張らないと。タクマ君に合格してもらわないと困るのよ。」 「結婚してて、お母さんなのに......、いいんですか?あんなことしてて。」 「。。。どういう意味?」 タクマは意味深長な笑いを浮かべると、声を潜めて話を続ける。 「おもしろいサイトを見つけたって、昨日電話で言いましたよね。エッチな小説を書いてる熟女が、その小説を朗読してくれるんです。アダルト動画は見慣れてるけど、また違った興奮があるんですよ。」 「......それって、アダルトサイトでしょう?貴方は見ちゃいけないんじゃないの?」 くくくっ、とタクマが笑いをこらえて私を見る。 「僕は成人ですよ。今、チューターもそう言ったじゃないですか。」 。。。血の気が引いてくる。 じゃあ、この子が。。。。 「最初は、似た声だなぁと思って、かまをかけたんです。でも、指輪をした手の映像を見て確信しました。。。。玲子さん。。」 私は自分の左手に目を落とす。あの映像に映されたピンクゴールドの指輪を、今日もそのままはめている。 「西崎チューター。勉強、これから頑張りますから、一つお願いを聞いてくれませんか?」 私は心臓がバクバクして、何も返答ができない。「お願い」という言葉だけが、耳に残り、問い返す。 「お願い?」 (続)
19/10/18 11:32
(sr5yEMiC)
「お願いって?」
私は動揺を悟られないよう、尋ねる。 タクマは身を乗り出して、ひそひそ話を続ける。 「否定しないんですね。簡単です。玲子さんの小説、男が全部『貴方』と表現されてますよね?あれを俺の名前にして、一つ作品を書いて、配信してください。人妻と二十歳の男とのSEX。それを聞いてみたい。。。あ、本名でなくて、メールに書いた『カイ』でいいです!」 「そんな......。」 「俺、今、本当にモチベーション下がっちゃってて。なんか、励みにしたいんです。」 「。。。本当に勉強頑張る?」 「絶対!」 「なら、週明けの単語と熟語のテスト、9割以上取れる?」 「取ります!」 「ほんとね。じゃあ、その点数が取れたら。ダメだったら、この話は無しよ。」 「交換条件ですね。分かりました!」 タクマは元気良く帰っていく。 まさか、あのメールを寄越したのが生徒だったとは。 でも、小説の名前を変えるくらいで済む話なら......。それに、タクマは英語が苦手で小テストはいつも良くて7割。9割得点できたことなどないし、実行しなくて済む話かもしれない。 私はその時、その程度のことしか考えていなかった。 翌週、タクマの小テストの結果が出た。 96点。 やられた......。 (続)
19/10/19 18:16
(eP3OK1jn)
投稿者:
ファントム
◆OQ9nt8nyIY
くらげさん,こんばんわ。
何も言わず,黙って読ませていただきますと言っていましたが,年寄りには秋の夜長が長いので,つい投稿してしまいました。 新作を始めて,最初は方向性に悩んでいたようですが,最近はそれも解消していい方向に向かっていると思います。 ただ,個人的意見ですが,取り上げられる小説が短く感じられるように思えたので,もう少し長めにしてもよいかもしれません。(ここは個人的意見なのでさらっと流してください。) そして,小説の作者を知った生徒さんが出てくる・・。 ここは,私も予想しませんでした。 おそらく,動画配信する方とのHな方向かと思っていましたので・・・。 これからが楽しみです。 前回も言ったと思いますが,お忙しい中での執筆ですから,無理のないようにしてください。 すいません。皆さんから「ウザイ」言われるような投稿をしてしまいました。 年寄りのやることなので許してください。 くらげさんより年上のファントムより
19/10/19 19:22
(lmZv9/8A)
ファントムさま
ありがとうございます。はい、ゆるゆる書いてまいります。
19/10/20 04:11
(vRxTJe0F)
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