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体と心
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:体と心
投稿者: 味噌バタ子 ◆xi9CqIOvBg
幼馴染みって姉弟か兄妹みたいだ・・・
喧嘩もしつくしたし、悪い所も知り尽くしてる・・・
すごく信頼できるし家族に近い感覚だよね
私にも幼馴染みがいる

浅野夕貴
私が幼稚園に入る前、引っ越して来た時に初めて仲良くなった男の子

自然といつも一緒にいるような存在で
小学校に入って初めての夏休みも一緒にプールに行って遊んだし、宿題も一緒に終えた
中学校に入って初めての冬休みには・・・
告白されて
私も片想いしてたから嬉しくて付き合い始めた
高等学校に入ってからは初めて、愛し合う方法を二人で知った
体を重ねてひとつになるという事を

そして、大学に入ってすぐに
「えっと、、、葉山薫っ、結婚を前提に付き合ってほしい!」
と言われた・・・
彼しかいないって思ってたし
ただ、私は仕事をしたかった
気のすむまで仕事にのめりこみたかった
だから子供は作るか分からない、それでもいいって訪ねた
彼は微笑んで「かまわないよ!」
って言ってくれた・・・・

・・・・・・大学の卒業式が終わって
仲間で飲み会をした
これが最後かなぁ
ゆるーく遊べるのは

「薫、かんぱーい!」
「はいはーい、乾杯」

ほんとにあっという間
十代なんてすぐに過ぎてしまったし
二十代に片足を突っ込んで数年
これからどういう未来が待ってるんだろうか

夕貴とは同じサークルに入った
私と夕貴は歌うのが好きだったからカラオケ、バンドのサークル
夕貴はシャイだけど歌うと結構熱いのよね
私はクールというかかなり冷静というか・・・
まー、あんまりきゃっきゃできない女
女の子らしい仕草なんかできないし
夕貴と幼馴染みじゃなかったら結婚できなかっただろうな

飲み会が終わって
夕貴に呼び止められた
たぶん、その時が来たんだと分かった
柄じゃないけどすこしドキドキしちゃって手が震えた
二人で綺麗な夜景を見れるホテルの展望レストランに入る

もうドキドキして頭真っ白だ、、、

「食事の前に・・いいかな」
「うん、、」
「薫、出会った頃から、いや、あの頃より美しい君を僕のものにしたい!君以外に相性のいい人は・・いない!、、」
「あ、、、」
「結婚してください!」
「・・・はいっ、、」

二人で照れ合って
指輪をプレゼントされた
これからずっと、この人と一緒なんだ

きっと、安らかな日々が送れるんだろう

きっと・・・・

こんな幸せは他にはない

そう・・・他にはない

きっと・・・ない
 
2014/02/05 20:43:37(BhycH9Ax)
92
投稿者: 味噌バタ子 ◆qfZ8abFFJQ
細々とやっていければいいと思ったが地元でもそれなりに有名なパン屋になってしまった

調理は二人で
私も料理は得意だったし
夫も不器用ではなかったからすぐに習得できた


連日、色んなお客さんが来てくれる
楽しい日々だ

ある日
いつものように仕事をしていた

今日は客足が少ないようだな

雨が降っている。
気温や天候によって生地を仕込む時配合を少し変えたりしてる
やるからには徹底的に


からんからん

入り口の鈴が鳴る
絹のようにつやつやな長い髪のものすごい美しい女性が入ってきた
その後ろに続いて

ものすごく美形な男の子

なんて美男美女・・・

思わず見とれてしまう

二人はきょろきょろとパンを見た後、私にところ寄ってきた

「あ、失礼します。私、こういう者なのですが」

名刺を出された

有村彩花・・・

どこかで聞いた事があるような

美しいお嬢さんは微笑んだ

「フリーの記者なんですが・・・・・えっと、街角の隠れた名店という特集記事を書くんですが・・ちょっと取材よろしいですか?」

「あ、え・・」

どうしよ・・・
いきなりだし・・・
「あ、どうぞー」
振り向くと
夫がにこやかに笑っていた
こいつ・・・エロい目しやがって
彩花さんの胸に目がいってる
「わ、ありがとうございます」

ま、いいか
特集を読んでくれたらお客さんがたくさん着てくれるだろうし

「瑞希くん!取材するよん」

「ん、はい」

テレビでも見たことないような美男
何歳かな?
ちょっと影のあるクールな感じの男の子
雰囲気が凛としてるしかっこいい・・・・けどすごくかわいい顔してる


二人ともモデルみたいだ


お茶を出してパンを食べてもらった

二人が一口食べて微笑む

「これは美味しい、、」

「びっくり、、、」

彩花さんがボイスレコーダーの電源を入れた

「えと、海外で修行されたのですか?」

「いえ、素人からはじめました」

「ほうほう」

あの男の子はカメラでパンを撮影して夫が付き添ってパンの説明をしている


しばらく取材を受けた

「ふい、いいお店ですね」

「ありがとうございます、、・・・・あの」

「ん?はい?」

はにかむ彼女
どこかで見たような

「あ、あの、テレビに出た事とかは」

「ありますよ!」

有村彩花・・・思い出した
数々の賞を取り活躍した日本を代表する写真家

今は・・・なぜ記者になっているんだろう

あの男の子は助手かな?
14/10/18 21:16 (U501UABu)
93
投稿者: 味噌バタ子 ◆qfZ8abFFJQ
いくつか新作で出す予定のパンも食べてもらった
まるで子供のように笑っておいしいと言ってくれる

「彩花さんって・・・写真家さんでしたよね」

「んん、、そですよ、、若いうちに全力投球して才能を使いきったのでもう楽隠居・・・げふん・・・・別分野に挑戦と言うわけで・・んぐんぐ・・マヨネーズとの相性が抜群ですねぇ、、」

「まだまだお若いじゃないですか」

「えー、もうすぐ30手前ですよぉ、、20代終わったらもっと落ち着いた大人にならなきゃ、、、これ買って帰りますね」

「え・・・あ、はい!ありがとうございます」

正直、容姿も歳の取り方も人間離れしてる
私も若く見られるほうだったけど
格が違うというか・・・嫉妬する気も起きてこないくらい・・自信無くしちゃうな

今でも十分上品で落ち着いたお嬢さんだと思うけど


夫が取材を受けている間に新作のパンをあの男の子にも食べてもらおう


「あの、お一ついかがです?」

「あ、いただきます、、」

若いなぁ
すごくかわいいし・・・
別に子供じゃないのにギューって抱き締めたくなるのはなぜだろうか

「野菜が細かく切ってあって食べやすいですね。マヨネーズとソースは自家製ですか?市販でこんなに美味しいのは食べた事ないなぁ・・・ソースちょっとヨーグルト入ってませんか?」

「ふふ、当たりです。すごいですね」

「いえいえ、、」


二人とも似たようなロングコートを着ている
オーダーメイドだろう
体型にぴったりと合っていて細身で格好がいい
生地も質のいいウールだろうしこの寒い時期にも暖かいだろうな

この男の子、元モデルで雑誌記者になったのかな

「あの、助手さんですか?」

「ん?僕?・・・ええ、まぁ。彩花先輩と同じフリーの記者です」

「美男美女コンビですね」

「はは、、貴女だって美男美女コンビのパン屋さんじゃないですか」

「ふふ、、」

かわいい子だな、、
若い子っていいな・・・
ちょっと遊んじゃいたい

今の生活に不満はない
夕貴と舞を捨てても幸せ

ただ・・・刺激が欲しいって時がある

"浮気"の快感を知ってるから

あれがもう一度味わいたくなる

こんなにもふしだらな女になってしまったのか、私

向こうでは夫が取材を受けている

「なるほどなるほど、ではあと何回かうかがう事になるかもしれません」

「そうですか、あ・・・・これ、俺の個人的な連絡先・・・よかったら」

「ん?・・・あぁ、はい・・??」

それは夫も同じかもしれない

14/10/19 05:04 (49QgFtbB)
94
投稿者: 味噌バタ子 ◆qfZ8abFFJQ
夫の胸ぐらをつかんでにらみつける

言わなくても分かるだろう・・・

「ご、ごめん」

「何してんのよ」

「いや、かわいかったから・・・」

「あ"?」

「ご、ごめんって言ってんだろ!」

「もういい・・・」


こういう事はよくある
彼は女好きだもん・・・


夫に背を向けると
すぐに後ろから抱きついてくる

「ごめんって・・・姉さん」

「もういいよ・・・ほら、明日の仕込みの材料買いに行こう」

「うん・・」


陽太を連れて二人で手を繋いで買い出しに向かう
もう二人ともすっかり夫婦だ

「お母さん、蝶々がいるー」
「うんうん、そうだね」

「お父さん、つかまえて!」

「ほいほい!」


陽太と夫が蝶々を追いかける
ひらひらと舞っては二人の手から逃げていく

二人は夢中で追いかける
陽太が道路に飛び出た
「陽太、危ない!」

夫が陽太を抱き上げるが

・・・・

ビーっ!

クラクションが鳴り
大きなトラックが二人を消した

トラックが止まり
運転手が出てきた

呆然として動けない

いつか起こるんじゃないかと思ってた報いが・・・・やってきた

そうだよね

夕貴と舞になにも告げずに裏切ったんだから

心のどこかで覚悟はしてた

道路に近寄る
血が河のようになっている

よろよろと歩いて
視界を向ける先は
血の河の源流

そこには二人の・・・・



数週間
脱け殻のように部屋で横たわる

何をしたらいいのか分からない
お骨はある
ただ葬式なんかできるわけがなかった

だって姉弟だもの

そして二人の間に生まれた子

認知なんか許されない
世界の理を壊して生まれた子
誰にも言えない

ひっそり暮らしていたつもりだったけど

世間から孤立してしまっていたのかもしれない


ピンポーン

店の方はずっと閉めたままだ

誰だろう・・・

玄関を開けた

彩花さん・・・

「あの・・・お店開けないのでしょうか?何かあったのですか?」

「・・・ええ」
久しぶりに人と話すような気がする

「取材・・・どころじゃなさそうですが、なにかあったんですか?」


「報いが来ました・・・」

「え・・・・・?」

「夫と子供が亡くなりました・・・」

その場に崩れ落ちるように座りこんだ

ずっとこらえてた涙が溢れてきた
彩花さんがしゃがみこんで優しく抱き締めて包んでくれる
「気が済むまで泣いてください。私はこうしてます」
彼女に言われ、妙な安心感を感じたが
涙は止まらなかった
14/10/19 09:36 (49QgFtbB)
95
投稿者: 味噌バタ子 ◆qfZ8abFFJQ
落ち着いた頃には夕方になってしまった

「紅茶、いれますね」

彩花さんが紅茶を入れてくれた
私はまっかになった目をふいている
顔を洗って鏡を見る
ずいぶんと老けたな
美しかったのは遠い昔


机に用意された紅茶を飲んでため息をついた

「バカな女のバカな話です。聞いてくれますか?」

彩花さんは静かに頷いた

今までの事を全て話した
どろどろとしたドス黒いうみを全て

彩花さんは黙って聞いていてくれる

「結局、私の自業自得です。新しい命にも罪を追わせしなせてしまった」


「・・・・・・」

「・・・・もう、終わりなんでしょうかね」

「弟さんとの事、私がどうこう言うつもりもないです・・・・ただ」

「・・・・?」

「生きてください」

「もう苦しみしかない」

「それでも生きてください・・・・貴女には残っているものがあるでしょう?」


彩花さんがパンを一つつまんだ
弟と必死で頑張って作り上げた小さなお店

「待ってくれている人もいますよ」

「・・・でも」

「"人"という字はどういう風に成り立っているかご存じですか?」

「え?ささえあって・・・できてるんじゃ?」

「いえ、人と言う字はささえあっているのではなく、一人の人間がふんばってたっている姿の象形です」


彩花さんは私の手を握った

「たしかに、いきるためには人と人とが支えあわなきゃいけません。ただ精神的には自立して踏ん張ってなきゃいけない。生きていれば出会いと別れの繰り返しだから」

「・・・・・」

「・・・・愛しい人がいなくなっても生きねばなりません。苦しいのも生きているから味わえる感覚なんですよ」

「・・・・・」

「私も、弟がいます。貴女と同じ、恋仲です」

「!?」

彩花さんがさらにぎゅっと強く手をにぎってくれる


「生き別れでした、再開する時期が遅かったら私は貴方の弟さんと同じ事をしていたと思います、きっと」

「きっと辛い人生になりますよ」

「はい覚悟はしてます。二人で同じ道を歩き。弟が先に無くなったとしても私は生きていきます」

「どうしてそんなに強くいられるの?」

彩花さんが苦笑した

「人はずっと一人だと昔から思ってたからかな・・人が、一人しっかりと強くなければ本当の意味で支え合いなどできないし助ける事もできない、性別も関係ない」

「・・・」

「私は弟を助け、育て、立派な男にする事ができました。これからようやく支えあう事ができます」
私とは覚悟が違う・・圧倒的に
14/10/19 10:09 (49QgFtbB)
96
投稿者: 味噌バタ子 ◆qfZ8abFFJQ
夜になった
彩花さんが帰るようなので見送る
車が一台やってきた
この前の男の子

「"姉さん"!なにやってたの!」

「うぁあ、、ごめんっ、、」

あぁ・・・この子が
弟・・・
車から降りてきて深々と頭を下げた

「彩花先輩が失礼しましたっ!」

「あ、いえ・・・」

「また、後日、取材にうかがいますね」


お店・・・・閉めようかと思ってた
でも
私は生きねばならない

しなきゃいけない事がいっぱいある

「はい、お待ちしています」

そのセリフを聞いて彩花さんが安心したように笑った


数日後
ある所に向かった
夕貴の家

まだあるだろうか・・・

舞も夕貴も犠牲にしてしまったのだ
今どうしているか気になってしまった

近くの公園で
夕貴がいた、すこし大きくなった舞と・・・・ボールで遊んでる

そして
女の人がいた
彼女はたしか
夫の恋人だった人
子供ができない体質だって言われてたっけ


ボールがこちらに転がってきた
舞がボールを追いかけてきた

私はボールを舞に渡す

「ありがとう!」

もう、すっかり私の事は忘れたようだ
ずいぶんと老けちゃったからな

夕貴が私に気づいたようだ
近寄ってきて一礼した
「・・・・ありがとうございました」

「いえ・・・・」

「舞、お母さんの所に行ってきなさい」

舞は駆け出した

母親の元へ
彼女に抱かれ幸せそうな笑顔

「・・・・・君の事は許さない」
「はい」

「それでもまだ好きだ」

「はい・・」

「世界一愛してる」

「はいっ・・・」

たしか・・・初めて告白された時も言われた言葉

「もう、会えない、会わない・・・二度と顔を出さないでくれ」

「はい・・・」

「さようなら・・・薫」
涙ぐむ夕貴の瞳
私はそっと返事を返した
「さようなら・・・」



夕貴は背を向けた

彼には戻る場所がある

私にも・・・・戻る場所がある


パン屋の営業を再開した

これからは一人で全部やらなきゃいけない

ふんばらなきゃいけない

でもやる

何がなんでもやってやる

待ってくれている人はたくさんいてくれた
連日大繁盛で寝る暇もない

「ご盛況ですね!」

彩花さんだ、弟さんもいる
「お陰さまで!」

「写真、とらせてもらいますね」

「はい!」

雑誌に乗るだけじゃなく
テレビに紹介されるくらいの店にしてやる

店を閉めてから仏壇に手を合わせる

「がんばるね」
まだまだ生きる
これからもずっと
一人きりで
[終]
14/10/19 10:34 (49QgFtbB)
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