ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
(無題)
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:(無題)
投稿者: 昌子
人の人生って、チョットしたきっかけで大きく変わって
しまうモノですよね。
以前の私は「そんな事は他人事、自分には関係の無い事」として
考えもしませんでした。

私は32歳。結婚4年目で、経済的には楽ではないけれど、
パートにも出てますし、やりくりしながらそれなりに安定した
生活を送っています。
子供が居ないので、その点も負担が少ないと思います。

夫とは以前の職場で知り合い、人当たりの良さと優しさに
惹かれて結婚しました。
派手なことは苦手ですし、ギャンブルもしません。
お酒も殆ど飲みませんし、タバコも吸いません。
嗜好や価値観も私と似ていて、今まで生活の中で衝突したことは
一度もありません。

そんな夫婦生活で、私が唯一不満に思う事。それは
夜の営み・・・なんです。

決しておざなりにされている訳でも無いですし、精力が弱い
訳でもありません。では、何故不満なのか・・・それは
お互いの体型の違いなのです。
夫は元々ラクビーの選手で、身長も体型も大きく、その身体に
比例したイチモツの持ち主です。
方や私は、身長も低く体型も大きくありません。
したがって夜のSEXの時、けっこうツライというか、
私に対して夫のモノが大きすぎるのです。

最初の内は(しばらくすれば慣れるはず・・・)と思って
いたのですが、やはり私にはオーバーサイズみたいで、
求められると正直(うわぁ~・・・)って思ってしまうことも
多いのです。

世間的には「贅沢言ってる」「幸せな事でしょ」と非難させる
かもしれませんが、受け入れる側としては、正直ツライんです。
(出血する時もありますし、股関節が痛む事も・・・)

それでも不倫だとか浮気だとかは、考えたことは無く、
その安定した生活にドップリ浸かっていて、その生活を変える
気持ちはありませんでした。
そう、去年の夏までは・・・。

去年の春、桜も満開になり暖かな日差しと爽やかな風に
誘われて、私は徒歩で買い物に出かける事にしました。
数日続いた雨と寒の戻りで、降ろすにおろせなかった
新しく買ったリーボックのスニーカーを、やっと降ろすことが出来た
からなのです。

それまで履いていた¥1980の無名スニーカーとは大違い!
軽くて衝撃も少なくて、足が勝手に前に前に進む感じがとても
素晴らしいんです。
我家の経済的には、痛い出費でしたが、その価値はあるとな~と
納得する履き心地でした。

スーパーまでの道のりで公園を横切るのですが、そこのデコボコ
した石畳も難なく歩けるし、春の陽気も手伝って私はウキウキ
気分でした。

買い物を終えての帰り道、行きと同じように公園を横切って歩いているとき
それまで軽やかに進んでいた筈の足が急に進まなくなり、
「え?」と思った次の瞬間、身体への衝撃といきなりドアップに
なった石畳が見えていました。
そう、私は子供のように転んでしまったのです。
前を見ると、石畳の上に散らばる買い物品・・・。
恥ずかしさのあまり、急いで立ち上がろうとした瞬間、
右膝に力が入らず、立ち上がることが出来ませんでした。

「イタタッ~・・・」
思わず右膝を手で押さえた時、手の平にヌルリっとした感じを
おぼえ、(まさか・・・)と思いながら恐る恐る手をどけて
見ると、黒いストッキングは無残に裂け、細かい擦り傷から血が
滲んでいました。それも結構勢い良く・・・。

たぶん、まだ新しいスニーカーに足が馴染んで無く、グリップ性能の
良いソールが石畳に引っかかってしまったのでしょう。
完全に私の不注意でした。

最初の内はヒザの痛みも痺れた感じでしたが、次第に痛みが
増してきて、血も止まる気配がありません。
私はその場に座り込んで途方に暮れていました。そのとき
「大丈夫でしか?」と男性の声が聞え、半べそをかきながら
声のする方へ視線を向けると、カジュアルな服装をした
30~40代ほどの男性が自転車に乗って駐まっていました。

私は震える声で「あの・・転んじゃって・・・」とだけしか
いえませんでした。
その男性は素早く自転車を降りると、
「大丈夫ですよ。取り合えず落ち着いて下さい。」
そう言うと私に肩をかしてくれて、近くのベンチまで連れて行って
くれました。

私を座らせると、散らばった買い物品を拾い集め袋に入れると
私の横に置いてくれました。
「怪我をなさっていますね。チョット待ってて下さい。」
そう言うとその男性は、自分の自転車まで戻り、自転車のカゴから
自分のバックを持ってきました。

男性はバックを開けると、半透明のプラスチックケースと
ペットボトルのミネラルウォーターを取り出して、
「応急処置だけしか出来ませんが、取り合えず血は止まるはずです。」
そう言うと、傷口をペットボトルの水で洗い、消毒液で消毒し、
脱脂綿とガーゼで傷口を覆い、持っていた恐竜柄のバンダナ
(手ぬぐい?)で縛ってくれました。

処置を受けている間、この人が格好いい人だったら、まるで
ドラマみたいで素敵だろうな~・・などと不謹慎極まりない
妄想をしてしまいましたが、残念ながら特に格好いい訳でも無く、
かといって不細工と言う訳でも無い、極々普通の人でした。
(私も人様の容姿を言えるほど綺麗な訳でもないのに・・・)

処置を終え、その男性は私の前にしゃがんだまま、立とうとは
しませんでした。ただ顔を伏せたまま
「立てますか?」とだけ聞いてきて、私は恐る恐る立ち上がると
痛みは残っていましたが、出血も収まりなんとか歩けそうでした。
「ありがとうございます。これで何とか帰れそうです。」
「そうですか・・・あまり痛むようでしたら病院に行って下さい。」
「あの、それで・・お礼なんですが」
と私が言いかけた途端、その男性はベンチに横たわって
しまいました。

(え?・・・なに?・・)私は状況が把握出来ませんでした。
「あのぉ~・・・だいじょうぶですかぁ?」
そう言ってその人の顔を覗き込むと、男性の顔色は真っ青で、
虚ろな目つきになっていて、
「だいじょうぶ・・です。・・しばらく休めば・・・」
そう言ったきり、その人はそのまま動かなくなってしまいました。

そのまま立ち去る訳にもいかず、私はベンチの空いているスペースに
座って待つしかありませんでした。
15~20分ほど経った頃、その人はベンチから起き上がり、
「ふぅ~・・・ふぅ~・・・」と何度も深呼吸して、
「いやぁ、お恥ずかしい姿をお見せしました~」と
バツの悪そうな顔をしながら、ポリポリと頭を搔いて
「実は怪我とか血とか見ると貧血を起こしてしまうんです。」

白馬の王子様、とはいかないまでも、あまりの三枚目ぶりに
私は思わず吹き出してしまい、その人も
「いや~面目ないです。ここで颯爽と立ち去ったら格好いいのに
 小説や映画のようにはいきませんね。ハハハッ。」

「お宅は近くですか?ひとりで帰れそうですか?」
「あ、はい。もう大丈夫です。」
「そうですか。それでは私はこれで。」
そう言うと自分の自転車に乗って去ろうとしていたので
「あの、治療費というか・・・お礼がしたいのですが。」
「それでしたら、同じように困っている人が居ましたら
 手助けしてあげて下さい。自分もそうやって助けて
 もらった一人なので。」
そう言うと、その人は自転車を走られ去っていってしまいました。

しばらくヒザは痛みましたが、病院に行くほどでも無かった
ですし、傷口も化膿しませんでした。
数日後、私は薬局で携帯用のファーストエイドを購入し
縛ってもらった緑色の恐竜柄の手ぬぐいを、いつ会っても
返せるように綺麗に洗濯しお礼文と一緒に持ち歩いていました。

ですが、たまたま通りかかった人と出会える確率は低く、
出来る限り、同じ曜日の同じ時間帯に買い物に出かけ、
公園を通るようにしましたし、時にはしばらくベンチに座って
待ったりもしましたが、その時の男性は現れませんでした。

もちろんそればかり気にしているわけにもいきませんし、
その人に特別な感情は、その時はまだありませんでした。
ただ、私の中でこのままでは収まりが悪く、せめて手ぬぐい
だけでも返して、改めてお礼を言いたい。ただそれだけでした。

全然官能的な所もないまま、前説だけで長文になって
しまいました。(o_ _)o

続きはまた・・・。

 
2013/03/14 21:46:46(v/NX1Snn)
27
投稿者: ファン
待ってるからねぇ~
(^O^)/
13/04/14 08:33 (28P8GAFI)
28
投稿者: みぃ ◆hPvliMS/C6
お大事にしてくださいね(>д<)!!

まぁ~ったり待ってまぁ~す♪

13/04/15 02:14 (ENBWoJQz)
29
投稿者: 昌子
長らく続きを書けなくてごめんなさい。(o_ _)o

時間の余裕がやっと出来たので、今日は続きを書かせて頂きます。


 彼と一体になれた翌朝、私は秋の日差しで目を覚ましました。
本当は、もう少し昨晩の余韻に浸って、微睡んでいたかったけど
窓から差し込む日差しは、私を容赦なく微睡みから引き離して
いきます。
少し恨めしく思いながらも、私は裸の身体をベットから起こしました。
ベタ付く身体と疲労感、シーツの乱れが昨晩の行為の激しさを
物語っています。
彼はまだ眠りの中にいます。両手を顔の横に上げ、小さくバンザイ
している格好で・・まるで子供みたいな寝相、
その姿に一人で(クスッ)と笑ってしまいました。
彼の手を下げ、布団を搔け直すと、私は彼のホッペに軽くキスをして
ベットから出ました。

浴室に行き、私はシャワーを浴びました。
ベタ付く身体と疲労感が、シャワーのお湯で流されていくにつれ、
私の身体には、満足感とも充実感とも付かない感覚が明確になって
いきます。
(あぁ、これがSEX後の感覚なんだ・・・それじゃ今までのは・・・)
ボンヤリとそんな事を考えながらも、ハッキリとした答えなど
出ませんでした。でも、私は今、それを感じている。体感している。
正樹さんに出会って、それを実感している。それが嬉しくて・・・
すごく嬉しくて、なぜか涙が溢れて来てしまったのです。

シャワーを終え、身支度を調えると私はキッチンに向かい、
コーヒーメーカーをセットし、コーヒーが出来る間、私は彼宛ての
手紙を書き始めました。本当は朝食の用意をして起きてきた彼と
二人で朝食の時間を楽しみたかったのですが、家の事や着替えの
事もあるので、その時間がありません。

コーヒーの香りが立ち始める中、私は手紙を書き終え、
彼の家をあとにしました。
「一度家に戻ります。朝食の用意が出来なくてごめんなさい。
 朝食と家事を済ませたら戻って来ます。 昌子」


家に戻ると早速洗濯・掃除を始めましたが、昨日感じた違和感は
やはり残っています。(なんだろう・・・この感じ・・)
その時は、まだ分かりませんでした。
洗濯・掃除を終え、私は一人で朝食を取っていました。その時ふと
理解したのです。それは、今までの生活、この空間がとても色あせて
映っているのです。上手く言えないのですが、それは彼と比べて
生活水準の高い低いではなく、私自身のそれまでの人生そのものが
まるでセピア色した写真のようだったからです。

その中で生活している時は気が付きませんでしたが、その中に
ポツンと彼の存在が入ることで、それは小さくともとてもカラフルで
まるで万華鏡の様に光を変え、色を変え、形を変えています。
私は一瞬怖くなりました。知らなければ何とも思わなかった・・・
慎ましくとも平穏に生活していた・・・でも今は知ってしまった・・・
それまでの私なら、その変化に付いて行けず、混乱していたと
思います。でも、その一瞬の恐れは、フンワリと・・そして霞のように
消えて行きます。
小さくとも、とても暖かく、そして強い存在の彼、そして私・・・。
その前では、そんな恐れも一掃されてしまうのです。

家事を終え、家を出た私は、ふと彼と出会った公園に寄ってみる
ことにしました。
ベンチに座っていると、当時のことが蘇ってきます。
「このスニーカーを履いて、ウキウキ気分で買い物に出かけて、
 そしてあの辺で転んじゃったんだよね・・・そして彼が現れて、
 このベンチで傷の手当てをしてくれた。そうそう、傷を見て
 彼ったら貧血を起こしちゃったんだっけ・・・可笑しい。」

その時は満開だった桜の木も、今はすっかり葉も落ち、枝だけに
なって、少し寒そうです。
(そろそろ行かないと。)そう思って立ち上がると、ベンチの後ろの
花壇に目が留まりました。
(あれ?なんだろう・・・)近付いて見ると、小さな花が二輪咲いて
います。
(こんな時期に・・・?)そう思って、よく見てみると、それはコスモス
でした。白い花に寄り添うように薄桃色のもう一輪が咲いています。
時期外れに二輪だけ咲いているそのコスモスは、まるで私と彼の
ように感じられ、愛おしくなり、そっと花弁に触ってみました。
ふんわりとした柔らかさが指先に伝わり、強く触ったら散って
しまいそうな儚さです。

彼との出逢いは満開の桜の下。初めて一緒になれたらコスモス(秋桜)
私達はよほど「桜」に縁があるのかもしれませんね。


彼の家に戻ると、正樹さんの姿は見当たりませんでした。
でも、鍵の掛かっていた部屋からは気配が感じられ、ドア越しに
「正樹さん?・・・居るの?」と小さく聞いてみると「あぁ、居るよ」
と返事が返ってきました。
「入っても良い・・・?」
「どうぞ。かまわないよ。」
初めて入る部屋に、少しドキドキしながらドアを開けると、そこは
6畳ほどの部屋でした。他の部屋と同じように飾り気が無く、簡素で
この部屋だけは別なのかも?との期待はあっさり裏切られてしまい
ました。

彼はパソコンデスクに座り、何か仕事をしているようでしたが、私が
部屋に入ると、振り向いて「おかえり。昌子。」と柔らかく笑って迎えて
くれて、
「あ、、た、、ただいま。あな・・・」
「うんっ?なんだい?」
「あ!・・・ごめんなさい。昌子って呼んでくれたから、つい貴方って
 言ってしまいそうになっちゃったの・・・」
出迎える事はあったけど、出迎えてもらうのは初めてで、つい
動揺してしまっていました・・。
「二人だけの時は、昌子が呼びやすい言い方で構わないよ。」
「でも・・・イヤじゃない?」
「そうだな~・・・、それじゃ一度呼んでみてくれないか?」
「え?・・・もう一度?」
「うん。呼んでみてよ。」
「・・・・・アナタ。」改めてそう呼ぶのはすごく恥ずかしくて、顔が熱く
なってきます。
彼は目を閉じて、
「もう一度言って・・・」
「アナタ・・・貴方・・・・・・」
彼は目を開くと、笑顔で
「うん。良いね!昌子の声で、そう呼ばれるのは凄く気分が良いよ。」
それからは、二人で居るときに限っては、私は正樹さんの事を
(貴方)と呼ぶようになりました。

「スマナイが、ちょっと仕事を片付けないといけないんだ。
 1時間ほどで終わるから、すこし待っててくれるかな?」
「うん・・・この部屋で待ってても良い?」
「構わないよ。退屈なら本棚の本を読むと良い。」

私は改めて部屋を見回しました。パソコンデスクの横には棚があり、
仕事用のファイルなどが納められています。
部屋の真ん中には布張りのソファー。
ドアを挟んで反対側には本棚があり、文庫本がビッシリ入って
いました。最近出た物から、背表紙が日焼けてしまって色あせた
古そうな本まであります。
本棚の隣には、黒い箱状の物があり、(?・・・スピーカー・・かな?)
そしてその奥にも黒い長方形のケースらしき物もありました。
私は本棚の中から、昔自分でも読んだことのある本を抜き取り
ソファーに座って読み始めました。

「・・・うこ・・・ょうこ・・・・・昌子」
私を呼ぶ彼の声で私は、はっ!としました。
見た目は地味ですが、このソファーは足も伸ばせて、なかなか快適
なんです。と言うか・・・快適すぎて、何ページも読まない内に、私は
睡魔に襲われ、あっさり眠ってしまっていたのです。

「あ・・・ごめんなさい。私いつの間に・・」
「ははっ、気持ちは分かるよ。私も仕事の合間に休憩しようと座ると
 いつの間にか眠ってしまって居ることがよく有るからね。」
「お仕事は?」
「うん、もう終わったよ。」
「それじゃ、今お茶を入れるわね。」
「うん、頼むよ。」

私は昨日と同じようにジャスミンティーを入れました。
「高いお茶なんだろ?そんなに頻繁に入れたらもったいないよ。」
「もう封を切ったから、早く飲まないと風味がきえちゃうから。」
「そうかも知れないけど・・・」
「瓶に詰め替えておいたから、アナタも自分で入れて飲んでね。」
「自分で・・かぁ・・・」

彼のその一言は、二人で飲みたいという希望と、それは何時も
望めないという絶望のような物が入り交じっていました。
それは私も同じでした。でも今はそれを受け入れるしかありません。
いえ、むしろ自分自信に言い聞かせる意味の方が強かった・・・。

お茶を飲みながら、私はここに来る途中の公園での事を話しました。
「私は運命論的な事は、あまり信じない方なんだが、昌子との事に
 関しては、なにか縁(えにし)のような物があるのかもしれないね。」
「あるよ~!だってこの時期に秋桜だよ。絶対何かあるよ!」
「ははっ、昌子はロマンティストだね。」
「聞いておきたかったことがあるんだけど・・・」
「なんだい?」
「あそこの公園、普段から使う道なの?」
「いや。実はあの日、桜があんまり綺麗だったし、天気も良かったし、
 ちょっと散策するつもりで自転車を走らせていたんだよ。だが
 道に迷ってしまってね。そしたらあの公園の桜が満開で凄く綺麗
 だったらか、休憩がてら見ていくことにしたんだよ。そして・・・」
「私が転んでた。ほら~!やっぱり何かあるんだよ~!!」
「でも、それは偶然だったのかもしれないよ。」
「偶然も2度もあれば必然っていうじゃない!必然だったからスーパー
 で再会できたんだよ~。」
「いや、何も否定している訳じゃないんだが・・・」

午後になり、彼は買い物に行くと言ったので、当然私も一緒に行こうと
思ったのですが、それは彼に制されてしまいました。
「昼間はあまり一緒に出歩かない方が良い。分かってくれるよね?」
そう言われては、私もそれ以上のワガママを言えません。
何か必要な物は無いか?と聞かれ、私は夕飯に必要な物を彼に
伝えました。

彼を送り出した後、私はベットのシーツと取り変え、洗濯と掃除を
始めました。
そしてトイレに入ったとき、私はあることに気が付いてしまったのです。
それは昨日まで綺麗だった恥骨の上に、プツプツと毛が生え始めて
いたのです。
元々そんなに濃い方では無かったし、脱毛クリームを使っている
せいか、生えてくる毛も細くなって来ていましたが・・・・。
でも、そこまで気が回っていなかった事もあり、シェーバーも
家に置いてきてしまっていたので処理することが出来ません。
(あ~ぁ、仕方が無いかなぁ~でも、彼は綺麗で似合ってるって
 言ってくれたし・・・)
落胆しながらトイレから出て、洗面台で手を洗っていると、そこには
彼の使っている髭剃り用のシェーバーがありました。

(顔に使う物をアソコの処理に使うのは・・・やっぱチョット・・・でも
 明日にはお泊まりが出来なくなるし・・・できれば綺麗なままで
 今夜を過したいし・・・・)散々悩んだ挙げ句、使わせてもらう事に
しました。
石鹸を着けて恐る恐るシェーバーを当てて行きましたが、
思いのほか綺麗に処理できて安心しましたし、心配していた剃刀負け
もありませんでした。(さすが4枚刃!!)σ(^◇^;)

彼はなかなか帰ってきませんでした。
(正樹さん、遅いな~。もう1時間半になる・・・・)気になって仕方が
ありませんでしたが、取り合えず夕飯の準備を始めることに
しました。
準備を始めて40分程でドアの解除音が聞え、私は玄関に迎えに
行きました。
「おかえりなさい。あなた。」まだチョット恥ずかしさが残るけど、私は
そう言って彼を迎えました。
「ただいま。昌子。遅くなって済まない。」
「ちょっと心配しちゃったけど、もういいの。お買い物ご苦労様」
「夕飯の支度、手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。殆ど終わって居るから。」
「そうか、少し部屋にいる。何かあったら呼んでくれ。」
「うん。わかったわ。」

彼は部屋に行き、私は夕飯の仕上げを始めました。
献立は、ベタだけどチキンカレーとサラダ、そして野菜スープ。
鶏肉の冷凍がかなりあったので、カレーはチキンにしました。

テーブルに食事の用意をし、彼を呼びに行きました。
「あなた。食事の用意が出来ました。」
「うん、わかった。直ぐに行くよ。」
彼は席に着くと、テーブルの端に何かを置きました。透明の
アクリル板で、、
「なに、それ?」
「見てごらん。」
伏せたままのその板を持ち上げて、それが写真立てだとわかりました。
そして、そのアクリル板に挟まった写真を見て、私は息が止まって
しまいました。
そこには満開の桜・・そして小さな秋桜が二輪、写真を対角線上に
分けて上に桜、下に秋桜が写っていました。そう、それは紛れもなく
あの公園の桜と秋桜でした。
みるみる内に、その写真は潤み・・・ユラユラと揺れ始めました。
溢れる涙が桜の花びらを揺らしているよう・・・・。

サプライズとか驚きだとか、そんな表現は陳腐でしかありません。
嬉しい・・・すごく嬉しい・・・彼のその気持ちが、暖かさが、優しさが
そのたった一枚の写真からヒシヒシと伝わって来る。
私は写真を胸に抱き、ヒンヒンっと泣き続けるしかありませんでした。
(幸せなんだ・・・凄く幸せなんだ・・・これが幸せって事なんだ・・・
 どうしよう・・・私・・凄く幸せになってる・・・今までこんな事、無かった
 のに・・・・・失いたくない・・・無くしたくない・・・
 もう何も要らない。この幸せさえあれば・・もう何も・・・・)
私の心の器は、その気持ちに満たされ、そして溢れ出し、涙と
なって出て来ます。それでも、その気持ちは涸れることの無い
泉のように際限なく溢れて来ます。もう、とても一人ではこの
気持ちを支えきれない・・・そう思った時、彼は優しく私を抱きしめて
くれました。

写真を抱いたまま、私は彼の胸で泣き続けました。
(もう落ち着かなきゃ・・・)そう思っても、心の泉からは絶え間なく
気持ちが溢れてきてしまいます。
「・・・ごめ・・ん・・なさ・・い・・・ご・・めん・・なさい・・・」
「昌子が謝る事は無い。良いんだ。落ち着くまでこのままで・・・」

いったいどれだけの時間、私は泣いていたのか・・・・
その間中、彼はずっと私を抱きしめていてくれました。
そして自分でも驚くほど、涙を流し続けました。



時間が無くなってしまいました・・・続きはまた・・ですね。

13/04/17 18:14 (Wy2qL64t)
30
投稿者: (無名)
昌子さん、禁断の愛に触れてしまいましたね、これからどうなるのか楽しみです♪ゆっくりで構わないですから続きをお願いします
13/04/18 08:31 (VRleXIbi)
31
投稿者: 昌子
今日は少し時間があるので、続きを書きたいと思います。

彼の胸の中で、どれだけの時間泣いていたのか・・・
私はやっと落ち着きを取り戻しました。
家庭環境のせいか、幼少の時から感情表現が希薄で、あまり泣く事の
無かった私でしたが、彼と知り合ってからは、それまでの感情を
取り戻すかのように泣いてばかりいます。(嬉し涙・・・ですけど・・)

彼は私を席に座らせると、
「さぁ、食事にしよう。」
と優しく笑ってくれました。
「ごめんなさい・・・冷めちゃったね・・直ぐに温め直すから・・・」
「いや、このままで良い。充分暖かいよ。」
「でも・・・」
「良いんだ。本当にこのままで・・・」
「・・・ホントに良いの?」
「温度の問題じゃ無い。昌子の作った食事はとても温かいんだ。」

私達は冷めたカレーライス・野菜スープ、そしてシナビてしまった
サラダを食べ始めました。
ゴハンは所々乾いて固くなっていたし、サラダの野菜はシャキシャキ感
を失ってフニャフニャ・・・それでも彼は
「うん!やっぱり昌子の料理は美味しいよ。」
と言って前回と同じように食べてくれて・・・それが嬉しいやら申し訳が
ないやら・・・チョット複雑な気持ちでいましたが、不思議と私も冷めた
料理が苦になりませんでした。
それはきっと、彼と一緒だから・・・それとテーブルのすみに置いてある
桜の写真のお陰だったのかもしれませんね・・・。

食事が済み、後片付けを終えて、食後のお茶を飲んでいるとき、私は
彼にある事を聞いてみることにしました。
「ねぇ、あのお部屋にある黒い箱とケース・・・あれは何?」
「ん?黒い箱・・・?」
「ほら、本棚の横にある・・・」
「あぁ~、あれはエレキベースとアンプだよ」
「エレキベース?エレキギターじゃなくて?」
「そう、ギターじゃなくてベース(笑)」
「へぇ~・・・弾けるんだ?」
「これでも学生の頃はバンドをやっていたんだよ。その名残だね。
 キツイ肉体労働のバイトで何とかお金を工面して、やっと買った
 一本だから思い入れもあるしね。だから未だに手放せないで
 残っているんだ。」
「ふぅ~ん・・・・バンドをね~・・・、今でも弾くの?」
「う~ん・・・たまに出して弾くことはあるよ」

そういう事に全く知識の無い私には、エレキベースと言う物がどういう
物か全然想像が出来ませんでしたが、彼が楽器を弾くと言うことに
凄く興味が湧いてしまい、
「ねぇ・・・チョット弾いて欲しいな~・・・だめ?」
「え~・・・弾くの?」
「お願い!ねっ!ねっ!チョットで良いから~・・・」
「う~ん・・・・昌子の知っている曲は、あまり弾けないよ?」
「知らない曲でも良いの・・・だからぁ~・・・ね!」
「・・・仕方が無いな~。ミスしても笑わない?」

二人でお部屋に移り、私はソファーに座って準備が終わるのを待って
いました。
彼はケースからか、かなり使い古した感のあるエレキベースを
取り出すと横にあるスタンドに、そのベースを立てかけました。
塗装は所々剥げているし、金属の部分にはサビも浮いて・・・
正直、綺麗とは言えない代物でした。

「ベースって4本しかないの?」
「え?、あぁ、弦の事かい?そう、ベースは4本。最近じゃ5弦の物
 とかあるけど、基本は4本だよ。」
「ふぅ~ん・・・なんか凄く古そうだけど、大丈夫なの?」
「大丈夫って・・・ははっ、言ってくれるね。これでも現役バリバリだよ。
 なんたってこの子は私と同い年だからね。」
「え・・・同い年?それって・・・・」
「1964年製、日本で言えば昭和39年。東京オリンピックの
 年になるね。」
「そんな昔のなんだ~・・・」

彼は電源を入れたり、コードをつないだりして準備を進め、
そしてベースを肩から下げると、(ブーン・・・ボーン・・・)と音を出し
始めました。
「これはチューニングだから・・・曲じゃないよ」
「うん・・・」

「ふぅ~・・・・」
深呼吸すると、彼はベースを弾き始めました。
低音が身体に響いてきます・・・エレキと聞いて、もっとロックと言うか
攻撃的で刺々しい音を想像していたのですが、
太くて、柔らかくて・・・そして暖かい音色でした。
彼はメドレーで続けて何曲か弾いてくれて・・・・その中には私でも
聞き覚えのある曲が何曲かありましたが、曲名まで分かるのは
サザンの「愛しのエリー」だけでした。
でも、(あっ!この曲はあれだ!)と思っ曲があり、それは
先日観たばかりの映画(バグダット・カフェ)の主題歌でした。

彼は弾き終えると、
「ふぅ~・・・人前で弾くのは20年以上ぶりだから緊張した~」
と肩をコキコキと上下させています。
私は拍手しながら、
「すご~い!生のベースを聞いたの初めて!凄い!凄い!」
と、興奮気味にはしゃいでしまいました。
「あははっ・・・一杯ミスしちゃったよ」
とポリポリと頭をかいて、彼は照れていました。

その日以来、私は時々彼にオネダリしてベースを聞かせて
もらうようになり、
お陰で、お気に入りの曲も出来て、曲名も覚えてしまいました。
「ソング・フォー・ユー」「愛しのエリー」「ムーン・リバー」
「ビューティー・アンド・ザ・ビースト」「スウィート・メモリーズ」
「ローズ」そして「コーリン・ユー」

またまた、お話が横道にそれてしまいましたね・・・。

私は興奮冷めやらぬまま、お茶の後片付けをし、そして二人でお風呂
に入りました。
彼の背中を流しながら、もう一つ、気になっていた事があって・・・
勢いついでに聞いてみることにしたのです。
それは背中の左肩から斜めに二カ所、縫い傷跡があることでした。
さすがにチョット聞きにくかったですが・・・・彼は、
「あぁ、この傷のことかい?今日は質問攻めだね」
「・・・・ごめんなさい。言いたくない事なら・・・」
「いや、構わないよ」

彼の話では、その傷は神戸で受けた傷で・・・そう、あの震災の時・・・。
詳細はここでは書きませんが、その時たまたま通りかかった人に
助けられたそうです。それまでは血や傷を見ても何とも思わなかった
のに、それ以来、震災の事が思い出され、貧血を起こしてしまうように
なってしまった・・・。
彼の言っていた「自分もそうして助けられた一人・・・・」とは
その時の事だったのです。

「こんなに年月が経っているのに、その時のトラウマがなかなか
 消えなくてね・・・・貧血と同時に背中の傷も痛むんだよ・・・
 可笑しな話だろ?普段は痛む事なんか無いのに・・・。」
「・・・・ごめん・・・なさい。イヤな事を思い出させちゃって・・」
「いや、昌子にはいずれ話さないとイケナイと思っていたから・・・
 それに知っておいて欲しかったんだ。私の事を。」
「うん・・・私の事も少しずつ、話すから・・・・」
「そうだね。お互いに少しずつ話していこう。」

昨晩とは違い、その日はお風呂から上がっても直ぐにはベットには
向かわず、チャンと寝間着に着替えて、寝るまでの時間をリビングで
過していました。
私達は今後の事を考えていましたが、お互いにその事には
触れませんでした。彼も私も、明確な判断が出来ずに居たからです。
私は、(とにかく、今は考えないで、この時間を大切にしたい・・・)
そう気持ちを切り替えることにしました。

「明日は仕事だから、少し早いけど、もう休もうか?」
「うん、そうね。もう休みましょ。」

私はベットに入ると、昨日とは打って変わって、何となく落ち着かない
感じがしていて・・・それは彼も同じでした。
昨晩は記憶が途切れてしまうほど愛し合ったのに、今日は
どうして良いのか決めあぐんでしまっていたのです。
彼の身体に寄り添いながら、
(彼は明日仕事だし・・・今日はユックリ休んでもらいたい・・・でも
 お泊まりは今日まで・・・出来れば今日も・・・でも・・・)

モソモソ身体を動かしながら、決めかねている私に、
「昌子・・・眠れないのかい?」
「え?・・・・う~ん・・・でも大丈夫だよ。」
「もし、昌子が良ければ・・・・」
「でも・・・貴方は明日お仕事だし・・無理して欲しくないの。」
「愚息にお伺いを立ててみてはどうかな?」
「愚息だなんて・・・そんな・・・」

私は彼の胸に置いていた手を静かに下げていき、
そして、その一カ所で手が止まりました。
そこは、コンモリと盛り上がり、寝間着の上からでも形と熱さが
手に伝わって来ます・・・。
その瞬間、私の中で揺れ動いていた心の天秤は、
(彼を求め・・・受け入れたい)という気持ちに大きく倒れていきました。

13/04/23 19:24 (yf/mrQx/)
≪ 前 14 5 6 7 827 次 ≫
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
作品検索
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.