そんなことも忘れていたある日の夕方、その日は予定より仕事がはかどったので、若い連中と帰り支度をしながら現場事務所でくつろいでいました。
現場のすぐ前には小さな公園があり、そこでは時々お母さんたちが小さな子どもを連れて遊んでいます。
その時も「あまり見かけない奥さんだよな」って、外を見ながら雑談していたんですよ。
髪はナチュラルブラウンよりちょっと赤い感じで、長いところが肩にかかる程度。
ボディーラインのスッキリとした、一見スーツに見えるけど普段着にも使えそうな黒の上着、上着と合わせたタイトなスカート。
スカートからのぞく、すらりと伸びた脚。綺麗な脚なんだけど、どこかに人妻としてのいやらしさを漂わせている。
そんな獲物を狙うかのようなオスたちのまなざしを浴びているなんて、知ってか知らずか相変わらず子どもと遊んでいる・・・。
そんなひとこまを目にしたその日でした。

小説板に短編小切りで掲載はやめてほしい

ご指摘はごもっともだと思います。
なるべく長文を心掛けますが、なにぶん小説は始めての挑戦なので、お見苦しい点はどうかご容赦くださいね。

あの日見た、映画の場面のような夕暮れの光景は、どこか心の隅に残っていたんでしょうね。
それ以来ちょくちょく公園を気にするようになりました。
それと同じよう、あの気になる奥さんも男の子を連れ、一日置きくらいに見かけるようになり、公園のフェンス越しに軽く会釈をするようになりました。
やっぱり男の子は建設機械が好きなんですよね。気が付くとその奥さんの連れている男の子もフェンスにしがみついて、輝く目で見ているんです。
私は奥さんにする会釈と同時に、その男の子に軽く手を振るようになりました。
そんな日常を半月くらい過ごしていると、奥さんの表が、少しずつやわらいで来たのがわかるようになりました。
ある日「こんにちは、子どもさん大きな機械が好きなんですね。」と笑顔で声をかけてみました。
『はい、そうなんですよ。うちからこちらがよく見えるので、ここに来るのを楽しみにしています。』
「そうなんですね、ゆっくりと見て行ってくださいね。」
笑顔で返してくれた奥さんの表情、奥さんの警戒心も解けた様子、まあ一歩前進かな・・・って思いました。

さっそく読ませてもらいました。文章が丁寧で読みやすいです。その場の情景が想像できて、つづきが楽しみです。お互いマイペースで。

さおりさん、とても優しいコメント・・・ありがとうございます。励みになります。

さて、うちの現場事務所だけに限ったことではないですが、男性の職場と言うのは話題と言えばオンナのことと、パチンコのこと・・・。
やはりオンナは気になる存在ですからね。
食堂を兼ねた休憩室には、誰が持ってきたのか、週刊誌がいく冊も置いてあります。
マンガを始めとして、当然ながら女性のヌード写真が載った雑誌もあるんです。
私の若い頃には、20歳前後で、しかも独身女性のヌード写真が載った雑誌が多かったんですが、最近の若い連中の興味は違って来ているみたいで、「人妻○○」とか「○○○妻」というものです。
雑誌の内容も60代からの女性を取り上げた企画もあったりして、時代の流れというのか、世相というのか、性の対象が人妻へと変わってきているのを感じていました。
確かにグラビアに登場する奥さんたちは、どなたも綺麗で魅力があり、しかもご近所にいてもおかしくない雰囲気もあって、ドキドキしてしまうんですよね。
特に私が好きなのは「人妻の告白体験」のページです。読んでいくと不倫、不倫願望、露出、オナニーと人それぞれの顔があるように、性癖も人それぞれなんだなって感じさせられます。
これまでは、昼間時間が自由になる専業主婦だから、そんな願望が芽生えるのかな？とも思っていたんですが、兼業主婦でも上手に時間を使っていろんな欲求をみたしているんですね。
若い連中の話を聞くと、学生時代にはワルをしたり、親への反抗から家を飛び出し、ろくに家に帰らない者もいたりだったようです。
今こうやって真面目に働いている彼らの口からは「早く暖かい家庭が欲しいよなー」とか、家庭への憧れを話す者もいます。
そうしてみると彼らにとって、人妻って憧れの象徴なのかも知れないですね。
そんな人妻が雑誌の中で自分の性癖を告白し、淫らな身体をさらしている、人妻に対する若いひとの妄想が膨らむのも仕方ないですよね。
まさか、そんな妄想がすぐそばで実際に起きていたなんて、その時は思ってもみませんでした。