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麻莉子
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:強姦輪姦 官能小説   
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1:麻莉子
投稿者: 綺愛蘭
気まぐれでハンドルネームを変えてみました。
時間の許すかぎり、読んでみてください。
 
2012/12/07 14:08:53(M2zqImRn)
12
投稿者: 綺愛蘭




 凶器なんかなくたって、力の弱い女性の首を絞めることぐらいはできるだろう。

「脚が邪魔だな」

 男の眼力に気圧(けお)され、私はゆっくりと脚を開いていった。一秒だってこんなことはしたくない。

「ようやく花が咲いたな。濡れているのは蜜のせいか。気が早いな」

 朝丘という男は、勝ち誇った顔で低く笑った。視線をじっと私の股間に注ぎ、瞬きさえしていないように見えた。
 直後、視界が陰るのと同時に、肌着越しの乳房にピンクローターの振動がやってきて、陰部の入り口に男性器を感じた。

「い……んあっ……ううん……」

 全身から火花が散っているみたいだった。しかし挿入はまだない。気色悪いペニスの頭を上下に滑らせ、それぞれの分泌液でもって音を鳴らし、しつこいほどの愛撫で私を責める。

「こいつも邪魔だな」

朝丘は私から肌着を剥ぎ取り、現れた乳房に目を剥いた。

「いい匂いしてるぜ、まったく。皮膚は白いのに、乳首が赤く起ってるじゃないか。まさか、興奮してるな?」

 私は首を振って否定した。
 彼は野良犬のように舌を垂らし、私の乳房を舐めた。

「……や……ん」

 全身に鳥肌が立つ。そしてピンクローターで乳首をもてあそばれる。

「ひくう……んんん」

 寒さからではない体の震えが、ぞくぞくと止むことなく続く。
 私はクリトリスが弱い。乳首だっておなじくらい感じやすい。その両方に溜まった欲求不満を見透かすように、望まない愛撫で溶かされていく肌。

「僕のものでクリトリスを撫でられるのはどんな気分だ。最高か?最低か?」

 もちろん私は答えない。

「体が震えてるじゃないか。なるほど君は、そういう体質なんだな」

 徹底して乳首に甘い刺激をあたえ、性具に性具を重ね合わせて上下に撫でてくる。
 私は膣に力を込め、なんとか体液が外へ溢れ出ないようにしていた。しかしトイレを我慢するみたいにはうまくいかない。
 きっと粘り気のある結露がそこに浮き出て、あられもなく滴っているに違いなかった。そうじゃないと、こんなにも背すじがくすぐったくなる説明がつかない。

「あん嫌あ……んっんっ……嫌っあっ……やめて……んく」

「嫌がってるふうには見えないな、ええ?このたっぷりの汁はどうした。僕を誘っているのか?」

「ち……違……ふうん……もう嫌だ……嫌あ」

 ほら、どうした、いつでも入れてやるぞ、と彼は腰を振るたびに熱い息を吹きかけてくる。
 レイプする者と、される者、二つの体が発熱している。
 私はただ、手で影絵の狐をつくるみたいに指を立て、顎を振り、朝丘拓実という人物が繰り出す行為に堪えるしかなかった。
 ハーブを摂取していてもしていなくても、おそらく私は陰部を濡らしていただろう。体は不機嫌になるばかりだ。

「別の道具も試してみるか」

 彼はピンクローターを手放して、違う玩具と交換した。それはロリポップキャンディの形をしていて、ファンシーショップに置いてあっても違和感のない雑貨に見えた。朝丘はそれを私のクリトリスにあてがう。

「あっ!」

 下半身に冬の嵐が吹き荒れた。

「あっ、あっ、ああ、あっふん、んあんやんいや、あっ」

 そこに稲妻が走ると、性的なストレスが一気に噴火した。

「嫌……」

「『愛液お漏らしの刑』だ」

 びゅびゅっと膣から水が飛び散る。

「真面目そうな顔してるくせに、一人前に潮を吹くんだな」

「ああん……あなたが……ん、そんな……こと……するから」

「僕のせいにするのか。まったく困った子だ」

 やれやれという感じで彼は肩をすくめ、玩具の大きな球体部分を私の中に挿入してきた。
 ちゅぷっ──と音がした。

「いあっ!」

 キャンディが私の中で震えている。

「切ってえ、ああっ、お願いい、だめ、だめ、切ってえ」

 スイッチを切ってと言いたいのに、感情の圧力に負かされてそれができない。
 割れた陰唇が合わさらないように、遠慮のないスピードで異物がでたり入ったり、震えながら回転したりしている。その様子は見えなくても、凌辱のひとつひとつを私は感じる。

「もうやめ……やめ……やめて……」

「まだ逝くなよ、まだ、僕が合図するまで、逝かさない、逝くな」

 私たちは何度も体勢を変えた。上かと思えば下に敷かれ、口にペニス、膣にキャンディ、乳首にピンクローター、あとは何だろう、唾液、愛液、汗の粒、性の侮辱、意識の朦朧、言葉による婦女暴行──。

 助けは来ない。だから私は諦めた。
 外の暗闇では、眠らない夜光虫たちの求愛行動が果てしなく、そして下らなく続いていることだろう。
 女性が安心して一人で歩ける場所なんてどこにもない。あるのは精子という名のウイルスに感染した卵子と、それを救済する医療だけだ。

「ちょっとは落ち着いたようだな」

 気がつくと私は男の腕の中にいた。

「きゃ……」

 咄嗟に彼の胸を突き飛ばす。

「乱暴だな」

「やめてよ……」

「何がだ?」

「あたしを犯しに来たくせに、優しくしないで……」

「待てよ。僕が君を無理矢理抱きしめたとでも思ってるのか?」

「違うの?」

 私の確信がぐらつく。

「君が勝手に気絶して、僕のほうへ倒れ込んできたんじゃないか。君は僕の腕の中でずっと痙攣していたんだぜ」

 朝丘の言葉が意味するもの、それは私が絶頂して気を失ったという事実だった。
 私は赤面した。そして私たち二人は全裸のままベッドを温めていた。

「君は逝かない女だと聞いていたから、正直ほっとしたよ」

「……なにそれ?」

 私は彼の裸を見つめたまま言った。引き締まった胸の筋肉を上下させ、今まさに核心に触れる言葉を吐き出そうとしているのがわかった。

「ビートルズは好きになったかい?」

 それを聞いた私はいくつかのことを連想した。そしてある一人の男性の人物像が浮かび上がり、それが誰であるかを思い出した。

「……朝丘って、……まさかそういうこと?」

「君が昔付き合っていた男の名前は、朝丘光司(あさおかこうじ)だったよな。それは僕の兄貴だよ」

「ひょっとして、その頃からあたしのことを?」

「話せば長くなる」

 朝丘拓実は私の太ももを撫でた。そこから肌をしごきながら下腹部まで移動し、中指を私の膣に通した。

「……はあっ」

 絶妙な加減で中を掻きまわされる。
 くちゅくちゅ、ぐちょ、ぬちゃぬちゃ、ぴちゃんぴちゃん──と私は彼を受け入れる。背後から羽交い締めにされるかたちで、私の体は汁気にまみれていった。

「……もう……だめっ……た……ら……だ……め……う……う」

「すごいよ君は。いやらしい蜜がこんなに溢れて、僕の指までどろどろだ」

 皺になったベッドシーツに、私の体液が染み込んで汚れていく。私は手足を折りたたみ、オーガズムを果たして、また手足をだらりと伸ばした。緊張の解けた筋肉が痙攣していた。

「さっき逝ったばかりなのに、もう逝ったのか?」

「……」

「言うんだ」

「……逝った……かも」

「いいぞ。だんだん利口になってきたな」

 そう言って朝丘拓実はまた私の膣に興味を示す。彼は変な形の器具を手に、それを私の膣口にあてがった。金属の冷たさに私は身震いした。

「こういう危ない道具を好む男だっている。産婦人科で使う医療器具だ。これで穴を広げて子宮を診るわけだよ」

「……お願いだから、……痛いのはやめて」

「痛いわけないじゃないか。きっと気持ち良くなるさ」

 滑らかに尖った器具の先が、私の体内に埋まっていくのがわかる。中を押し広げ、それはあっという間に膣を満たした。



つづく
12/12/17 18:08 (XqFDm1tv)
13
投稿者: 綺愛蘭
10



「開くぞ」

 彼が小さな部品を指でまわすと、私の体内に潜む金属の口が徐々に開いていった。内臓が飛び出すのではないかと思えるほど、陰部が左右に引き裂かれる感覚がある。異物感のせいで、脚を閉じることもできない。
 彼はそこを覗き見た。

「とても綺麗だよ。ピンク色に濡れて、ひくひく震えて、ずっと眺めていてもいい」

 私はとくに何をするでもなく、中を覗かれる恥ずかしさに吐息を漏らすだけだった。
 彼はペンライトと手鏡を持ってきた。

「セルフチェックをしておいたほうがいい」
と言って彼はペンライトで体内を照らし、そこを手鏡に写して、私に見える角度に傾ける。
 私は顔を背けた。

「そうするとあれだな。君の双子の妹、有栖川美玲にもおなじ屈辱を味わってもらうしかないな」

 執拗に妹の名を出され、
「……見ればいいんでしょ?」
と私は強気に言葉を吐いた。そこに視線を向けると、ペンライトの眩しい光が目に入った。
 そして鏡に映ったものを直視してみて、それがあまりにも醜くただれて見えたので、ホラー映画のワンシーンを体験しているように錯覚した。
 血色を晒した内性器の粘膜の様子は、食用動物のホルモン肉から出た脂肪みたいに濡れていた。

「臍(へそ)のような窪みが見えるだろう。それが君の子宮口だよ」

 彼の言う通り、スポットライトの当たった部品にそれらしきものが見えた。私はふたたび悪寒を覚えた。

「前を走っているコンパクトカーのリア部分に、マタニティのステッカーが貼ってあったりすると、無意識に追い回してしまう妊婦マニアがいる。例えばそういうことだ」

 だからこんなことぐらいで驚くな、とでも言いたいのか、彼はにやけながらペンライトを私の中にくぐらせた。それが膣の内壁をなぞる。

「……やだ、あっ、ふん、やっ」

 だんだん外気に馴染んできた膣の感度は、今まで経験したことのないテンションにまで上がっていた。
 朝丘拓実という最低な男は、その最低な男性器で私の頬を打ちながら、
「しゃぶれ」
と言った。
 下の口が全開にされていることもあり、私は弱々しく彼のものを指で支え、上の口へと導いた。そして顔を前後に揺すり、舌を絡め、しこしこと慰めていった。

「さっきの話に戻ろうか。兄貴の昔の彼女である君のことを、どうして僕がレイプしようと思ったのか。わかるか?」

 ペニスをくわえたまま私は首を傾げた。
 朝丘拓実の話した内容は、およそこういうことだった──。

 自分の兄である朝丘光司と私が付き合っていたことは知っていた。私と直接顔を合わせる機会はなかったものの、兄の携帯電話に保存されていた画像から私の顔や容姿を知り、さらにセックスのことまで兄から漏らされていたらしい。
 兄と私のセックスの最中(さなか)、一度たりとも私が本気で果てたことはなく、ぜんぶ演技で逝ったふりをしていたことも見抜いていたという。それが『逝かない女』というふうに兄から弟へ伝わっていたのだ。
 しばらくして私たちが別れた。
 それから数年後、一人の売れない女性シンガーがネット上を賑わすことになる。私の双子の妹である鮎川玲奈、シンガーソングライター有栖川美玲の登場だ。
 彼女を最初に発掘したのが自分だと豪語し、それを『アリス』と囃し立てたところ、ネットのあちこちから熱狂的な信者が集い、彼女がどこの誰であるかを探りはじめる。歌唱力はもちろんのこと、ビジュアルに関しても誰一人として文句をつける者はいなかった。
 しかし自分には思うところがあった。有栖川美玲の経歴について、ファン同士が競って検索する中、自分の記憶にだけは揺るがないものがあったのだ。
 彼女が一卵性の双子として出生した事実まで辿り着き、そして私のことを思い出したのだ、と。
 私の周辺を嗅ぎまわることで、有栖川美玲に繋がるヒントを得られるはずだと考え、実行に移した。レイプというかたちで。

「彼女の本名が鮎川玲奈だということもわかったし、君の名字も鮎川だったから、これはもう間違いないと思ったね」

 そこまで聞いて、私はフェラチオをやめた。

「……だったらどうして、……さっきはあんなことを」

「あんなこと?」

「……玲奈の身柄を確保しているようなことを、……あなたは……あたしに」

「あのときは、ああ言うしかなかったのさ。君が素直じゃなかったからね」

「……それじゃあ、……あなたの目的は」

「僕らの教祖、有栖川美玲に会わせてくれないか?」
と冷笑しながら彼は言った。その指は相変わらず私の膣にいたずらしている。

「……嫌だと言ったら?」

「教えてもらえるまで、レイプするまでだ」

 言って彼は勃起した自らをしごき、呼吸の合間に声を漏らし、器具で開いた私の膣内にそれを挿入してきた。
 私の中は器具が触れ、空気が触れ、男性器が触れていた。
 彼は腰を引き気味にマスターベーションを続け、やがて射精した。

「おら、どうだ、中に出してあげたぞ。僕の精子が、君の卵子に、穴を開けて、結ばれるんだ」

 はあ、はあ、と朝丘拓実は肩で呼吸している。
 私は言葉も出せずに、行為の結末を想像して涙ぐんだ。これでもしもできていたとしたら、事の経緯を誰に、どのように説明すればいいのだろう。
 レイプ被害者の刻印は隠せても、事実は隠せない。ずっと先の未来は変えられるかもしれないけれど、過去は変えられないのだ。そう思うとまた涙が溢れて頬をつたう。

「こんなに目を濡らして、かわいそうに。泣き顔も綺麗だよ」

 芝居じみた台詞を呟く朝丘拓実。感傷に浸っている暇は私にはないのだろう。
 私の体から器具を取り外すと、彼はそこに体を重ねてきた。男根に打ち抜かれる感触があり、私は身を仰け反らせた。

「……あぐう、……うう、……ああ……あ」

「どう、だ、ほら、ああ?気持ち、いいか?僕に、突かれて、逝き、そうか?」

「やん、やめ、あっ、あっ、んっ、ふん、いい、いっ、くっ、やっ、あっ、いっ、ちゃ、うっ」

 自分の声じゃない女の声が、破瓜(はか)にされたばかりの少女じゃない熟した声が、私の喉を鳴らしていた。
 彼が私を強く抱きかかえる。私も彼に必死でしがみつく。そうしたいわけじゃないのに、このまま離れてしまったら、またいつか別の誰かにレイプされてしまうような気がしたのだ。
 傷物の女性には傷物特有の雰囲気が漂い、その匂いを嗅ぎ分けられる男だっているだろう。
 ならばそんな匂いさえも残らないくらい犯され、精神を消耗し、記憶障害を起こしてしまえば楽になれるかもしれない。
 そんなふうに最悪の事態を常に考えながら、私は彼に犯され続けた。
 最悪の中にも快感があった。私は何度もオーガズムに達し、彼もまた私の全身を精液で汚した。絶頂と絶頂のあいだが数秒のときもあった。
 すぐに燃え尽きてしまうと思っていた炎は、私の中から消えることはなかった。

「君のおかげで、いいのが撮れたよ。ネットには流出させない。あくまで僕個人のコレクションだからね」

 行為の後にそう喋りながら、朝丘拓実はテレビの前で煙草を吸っていた。どうやら動画データをチェックしているらしい。

「いままでのこと、ぜんぶ撮っていたの?」

「それだけじゃない。言っただろう、この部屋は盗撮されているって。僕の仲間がリアルタイムで監視しているはずだよ。レイプされながら君が何回逝ったのかもね」

 体中をもてあそばれた疲れがどっと出て、私は全裸のままベッドに倒れた。
 もうたくさんだ。この悪夢が終わる頃、果たして私は正気でいられるだろうか。いつか素敵な男性とめぐり会えたとしても、普通のセックスができるだろうか。

「アリスの居所を言う気になったか?」

 いつかの私の彼氏みたいに煙草を扱い、その弟は訊いてきた。

「……それだけは言えない」

 わざと滑舌わるく私は答えた。

「セキュリティが何重にもかけてあってさ、僕らの手に負えないんだよね。まあ、有名人だから仕方ないのかもしれないけど」

 彼は短くなった煙草を揉み消し、立ち上がる。

「腹が減った。何でもいいから夜食を作ってくれないか?」

「……作ればいいんでしょ」

「パスタがいいな」

「何でもいいって言ったくせに」

「ついでにサラダもな」

「……はあ」

 彼に聞こえるように溜め息をつき、私は服を着ようとした。

「だめだ。服は着るな」

 やっぱりなと思いつつ、私は全裸のままキッチンに立った。



つづく
12/12/19 10:11 (u5q.k/fv)
14
投稿者: 綺愛蘭
11



 鍋にお湯を沸かし、パスタを茹で、フライパンで具を炒める。そしていよいよサラダに取りかかろうというところで、背後に人の気配があった。

「毒でも盛られたら洒落にならないからね」

「そんなことしない」

「なら安心だ」

 そして彼は私の陰に身を潜め、何やらごそごそと始めた。

「その包丁で僕を刺すことだってできるのに、何故やらない?」

「あなたとは違うから」

 振り返らず、野菜を刻みながら私はそう答えた。

「賢いのか、そうじゃないのか、君という人がよくわからないな」

「あたしのことなら何でも知ってるんでしょ?」

「時に女性は化けるからね」

「人を悪霊みたいに言わないで」

「穏やかじゃないな」

 このまま会話を続けていてもメリットがなさそうだったので、私は黙って包丁を振った。すると自分の両足首に手で掴まれた感触があり、それが脹ら脛(ふくらはぎ)を通過して、膝の先の太ももまで到達すると、さらに上ってお尻の肉をまるく撫でてきた。
 気にせず私は手元の作業に集中した。その直後に、お尻の穴に何かを塗られる感覚があった。生き物が這っているようにも思える。
 不審に思ってそちらを見下ろせば、そこに彼の頭髪が見えていた。私のお尻の割れ目に、彼の顔面が密着していたのだ。

「夜食ができるまでの暇潰しさ」

 それだけ告げると彼はまたクンニリングスを続行した。生温かい舌の弾力とか、フェザータッチのような悩ましい動きで、女の割れ目の奥にある二つの穴を舐めまわされる。
 私が声を漏らすと、その動きは熱を上げてどんどん速くなる。
 べちょべちょ──と湿気った音とともに、キッチンの床には小さな水溜まりができていく。

「甘い蜜がまた垂れてきたよ。いけない子だ。顔は綺麗で大人しそうなのに、こっちはぜんぜん大人しくないじゃないか」

 水を含んだような声でそう言って、彼は私の膣に異物を突っ込んだ。

「……あうううん、……はうううん」

 それは上下して私の内臓を狂わせた。その青い異物が胡瓜だと知り、そんなもので悦んでしまう自分の体を恨めしく思った。
 愛液がおりものの塊になって落ちていく。
 胡瓜を飲み込む私の結合部分を堪能しながら、彼はひたすらおなじ行為をくり返す。
 それが茄子に代わっても飽きることなく、やがてはドレッシングの容器までも入れられ、シェイクによって油と調味液がうまく混ざり合った頃、私はぐったりするほど絶頂して萎えた。

 彼が夜食を終えるまでのあいだ、私は食卓のそばで自慰行為をやらされていた。ピンクローターで胸を刺激し、バイブレーターで局部を掻きあさる、それが朝丘の指示だった。
 乾電池の寿命が長い分だけ、私の体は快楽の波のうねりに飲み込まれていく。

「ローターはどこを刺激しているのかな?」

「……乳首……です……うう」

「それじゃあ、バイブはどこを慰めている?」

「……クリ……ト……リス……うんん」

「それと?」

「……お……まん……こ……はあ……あっ」

 一問一答が子宮に響く。

「僕のおかげで、君もオナニーが好きな女性になったようだね」

「……だめっ……ですかっ?……オナニーを……好きになっちゃ、……あん逝くっ、あっああっ、まだ逝かな……ああ……あ、……っ、……っ」

 一人暮らしの女性の部屋を突然訪れた客、その男をもてなすかたちで、私はおもちゃを手放して果てた。
 パスタを茹でた匂いがしていた。アパートのそばを走っていく車の音と、スクーターの音が交差して聞こえる。

「もうすぐ夜が明ける」

 空っぽになった皿を前に、朝丘拓実が小声で言った。
 日常生活ではあまり使わない音域の声を出したせいか、私は返事もできないくらい喉をすり減らし、彼のことをただぼんやりと眺めていた。

「君が勤めている会社、スワローテイルとか言ったかな」

 男が何事かを喋ったので、私は適当に相槌を打った。

「そこの子会社のポニーテイルが扱っている小型モーターと、うちの工場で精製しているエラストマー……これはシリコーン樹脂の一種と思ってもらってかまわないが、その二つが融合して生まれたのが、いま君の目の前にあるバイブレーターというわけさ。少しは勉強になっただろう?」

 今度はしっかり聞こえていたが、私は敢えて聞こえないふりをした。雑学で人が豊かになれるとは思えない。

「この素材が膣にいちばんフィットするらしくてね、自分の作った物で女性が活き活きと行為に耽る姿を想像すると、嫌な仕事とは言えないわけさ」

 彼は同意を求める目を私に向けてきた。
 私の視線はバイブレーターに向く。
 私はこんな物で彼と繋がっていたのか──と思うと、たまらなく泣けてくるのだった。しかし今度は涙をこぼさなかった。

「アニメ声というか、ロリータボイスというか、君の喘ぎ声もなかなか萌えたよ。あのハーブだって偽物だったのに、よくもまあ、あんな声が出るものだな」

「……嘘」

「女性の自然な生理現象だよ。そんなに恥ずかしがることはない」

「……媚薬じゃ……なかったの?」

「ほんとうの媚薬を使ったら、君はどうなる?」

 私は思わず息を飲んだ。どうなるかはだいたい想像できる。

「そんなことより、夕べの君の行動はちょっと計算外だったよ」

「……別にあたしは何もしてないけど」

「残業だよ」

「残業?」

「僕はてっきり、夕べも君は残業をして帰宅するつもりだと思っていた。けど君は定時で退社した。だから僕は仲間に声をかけて時間稼ぎをさせたのさ」

「何のために?」

「この部屋に侵入するためさ。合い鍵くらいは何とでもなるからね。後はベッドの下に潜り込んで、君が帰るのを待てばいい。タネを明かせば単純だろう?」

 夕べ、私の周辺にいた彼らの役割がようやくわかり、私はまた頭に血が上ってくるのを感じた。定時に退社してそのまま帰宅してさえいれば、こんなことにはならなかったはずなのだ。

「どんなことをされたって、玲奈の居場所は教えないから」

「強気な発言だな。それなら望み通り、また相手をしてやるよ。君が済んだら、次は君の友達の歩美ちゃんをレイプする予定だからね。新婚の花嫁はどんな味がするのか、いまから楽しみだよ」

「……そんなの……だめ」

 彼なら本気でやりかねないと思い、私は私を抱きしめて縮こまった。妹や友人を売るくらいなら、自分がいくらでも身代わりになってやる気持ちでいた。

「コンドームやピルなんてものは期待するなよ」
と言うと朝丘は私の両脚を力で広げ、だらしなく濡れほぐれた女性器に狙い打ちした。



つづく
12/12/21 23:56 (JljFdMz8)
15
投稿者: 綺愛蘭
LAST



 太いペニスが膣を貫く。

「ううっ」
と私は喉を絞った。
 肌と肌を衝突させ、雄型の肉と雌型の肉を結んで、開いて、また結ぶ。
 びじゅっ──と何度か音をたてていた膣もしだいに男の形を覚え、ひだが伸び、陰部全体が笑ったようにふるふる揺れている。
 奥の子宮、外のクリトリス、入れて、抜いて、陰圧、陽圧、子宮、クリトリス、入れて、抜いて、奥へ、外へ、ずぶずぶと工具で掘削するような彼の腰使いに私は、食いしばった歯をかたかたと鳴らす。

 下腹部の力をふっと弛めると、私は呆気なく絶頂した。
 余韻が心地いい。
 痙攣にも慣れてきた。
 昨夜のバスルームで身に纏ったエチケットの香りはどこにもなく、どこか女子トイレの匂いにも似た雰囲気に包まれていた。
 私はオブラートが欲しかった。それはコンドームだったり、優しい言葉だったり、暖かい毛布だったり。そういうものにくるまったまま、蝶の成虫になるその日まで、陽の当たらない場所で眠りたい。 そうして眠りから覚めて最初に出会う男性と、私は結婚しよう。
 私の頭の中でロマンチックな物語が膨らみ、やがて私は目を覚ました。そこは自分の部屋で、私はベッドに寝かされていた。
 けれども一人きりではなかった。朝丘拓実が隣にいる。……それに、……それに、知らない男らが私たちを取り囲むように円をつくり、こちらを見下ろしている。

「……きゃ……ぐ……う」

 悲鳴を上げようとした私の口を誰かの手が塞いだ。手は無数にあった。それは私の乳房に、手足に、そして膣に群らがった。
 息が苦しくて、事態が飲み込めなくて、悔しくて、気持ちよくて、惨めで、絶頂するほど上手くて、ほとんど訳がわからない。
 時間がどれだけ経過しているのか、相手が何人いるのかもわからない。
 そうやって自分が彼らに輪姦されていると認識したときには、私の体はもうぼろぼろになっていた。

「彼らはみんな僕の仲間さ。有栖川美玲のファンであることを証明する、ライセンスの取得者ばかりだよ」

 休戦状態の中で朝丘拓実がそう言った。なかなか口を割らない私に業を煮やし、仲間の何人かを彼がここに招いたらしい。
 部屋の状態も酷かった。洋服、下着、アクセサリー、化粧品、生理用品、媚薬のアンプル、彼らが持参したアダルトグッズ、それらが部屋中に散乱し、精液の異臭を漂わせ、私自身も臭っていた。

「僕らはただアリスに会いたいだけなんだよ。君が白状するまで、僕らは帰らないよ」

「……わかったわ」
と投げやりに私は呟いた。
 彼らの表情にも明るい陽が射す。

「……教えるから、……その前にシャワーを浴びさせて?」

 それだけ言い残し、私は勝手にバスルームに向かった。追いかけてくる者は誰もいなかった。
 バスルームにはまだ夕べの水滴が残っていた。熱めのお湯を頭から浴び、すくうように手で顔を覆い、肩、バスト、ウエスト、ヒップ、足先まで撫でると、陰部の違和感を丁寧に洗い流した。
 洗っても、洗っても、落としきれない汚れだってあるだろう。涙の代わりに、シャワーのお湯が私の頬を濡らしていった。
 バスルームを出て、ふたたび彼らに全裸を披露した後、私は普段着に着替えた。相変わらずの顔ぶれの前で、私はてきぱきとメイクを始める。

「いつまで待たせる気だ。君のお洒落に付き合うつもりはないんだぞ」
と朝丘が痺れを切らして声を荒げる。

「これが済んだら教えてあげる」

「レイプされて度胸がついたか。それもまた魅力的かもな」

 そんな言葉を受け流し、私は鏡の中の自分に色気を施していく。そうして髪をセットし終えると、私は目線を彼らに合わせた。

「玲奈がどこにいるのか、まだわからない?」

 凛とした態度で私は言った。

「わからないから、こうやって君に訊いているんじゃないか」
と朝丘。

「これでも?」

 そう言って私は自分の着衣の胸元をはだけさせ、ブラジャーから乳房を露出させた。
 それを見た朝丘の目から自信が消えるのがわかった。

「……その黒子は、……まさか」

「あたし、左の胸に黒子があるの」

「そんなはずはない。だって君は、右側の乳房に黒子があって、……盗撮した映像にも……ちゃんと」

「それっていつの映像の話?最近はいつ確認したの?」

 動じない私に対して、朝丘は明らかに狼狽えていた。

「今日だってずっと、あたしのことをレイプしていたくせに、ぜんぜん気づかなかったの?」

 しだいにギャラリーがざわつき始めると、朝丘の顔はますます青くなっていく。

「あたしが鮎川玲奈よ」
と同時に、自分が有栖川美玲だと私は告白した。

「……君が、……アリス?」

 言った朝丘の顔色がまた変色していくのが窺える。

「……裏切り者」

 どこからかそんな声が聞こえてきた。彼の仲間の一人だろう。

「……ファン失格だな」

「……いいや、人間失格だよ」

 また別の声が飛んできた。

「……僕らのアリスを傷物にした」

「……そうだ、おまえのせいだ」

 そんな声の中心にいた朝丘は、
「……待てよ、……みんなだって……アリスに乱暴を」
と情けなく言った。

「……言い訳をするな。おまえが間違えたんだ」

「……せっかく協力してやったのに」

「……不思議の国に監禁だ」

「……トランプの兵隊に裁いてもらえ」

「……返せ」

「……僕らのアリスを返せ」

 不気味な声は波となって朝丘を飲み込んだ。

「……ち……違。……僕は知らない……僕は」

 そう言って彼は玄関まで飛んで逃げると、ドアの内鍵とチェーンを外し、慌てて外に走っていった。残りの男らもそれを追ってすぐに部屋を出ていった。
 しばらくは騒々しく聞こえていた彼らの声も、やがて生活音の中に紛れ、部屋は静けさを取り戻した。
 私一人が置物のようにそこにいた。彼らがいなくなった後も、完全に悪夢から解放された気にはならなかった。

 私は鮎川玲奈。そう、有栖川美玲の芸名で数々のヒット曲を世に送り出している歌姫。
 そして私はレイプされた。それは何故なのか──。
 その時、私の意識に侵入してくる音があった。

「はい」

 私は明るく返事をした。すると玄関のドアが外側に開き、骨格の細い人影がそこに立っていた。
 彼女は『私』だった。
 いや、『私』が彼女だとも言える。

「玲奈、この部屋、どうしたの?」

 室内の散らかりようを見て、彼女はわざとらしい第一声を上げた。

「見ての通り、何でもないよ」
と私は温度のない言葉を返した。

「やっぱり、怒ってるよね?」

「もう終わったことだし、あたしはぜんぜん平気」

 そこで姉妹の会話が途切れる。彼女が玄関のドアを閉めた後も、部屋の温度が温まることはなかった。
 こんな面倒臭いことになったのは、私の双子の姉、麻莉子(まりこ)がストーカー被害に悩まされていたことが発端となっている。
 それがいつ頃から始まったことなのか、気づいたときにはアパートの郵便受けが荒らされていたり、出したはずのゴミ袋が消えたり、ベランダに干しておいた下着が盗まれたりと、身の毛もよだつような思いをしていたという。
 そしてある日、しばらくのあいだお互いの身分を交換しないかという提案を姉の麻莉子から出された私は、とうぜん難色を示す。麻莉子のことは心配だが、リスクを被るのは気が引けたからだ。
 それでも姉は譲らなかった。妹の私が会社で残業をしているあいだに、アパートの周辺を自ら張り込み、ストーカーの尻尾を掴むのだと麻莉子は息巻いていた。
 警察は当てにならない、ということも言っていた。二人の身分を交換することは昔からやっていたので、そこは特別ネックだとは思わなかった。
 結局私のほうが折れるかたちで、麻莉子がメディアに露出し、私が会社勤めをする奇妙な生活が始まった。
 そうして世間を知らな過ぎた私は、今回の悲劇へ繋がる道のりを、麻莉子の誘導によって歩かされていたのだった。
 昨日からずっと聞こえていた耳鳴りは、おそらく麻莉子の心の声だったのだろう。一卵性の双子にしか聞こえない、テレパシーのような心の呟き。

『あなたはレイプされる』

「あたし、玲奈に謝らなければいけないことが、いっぱいある」
と部屋に上がるなり麻莉子が言った。

「何を謝るの?」

「玲奈があの人たちにレイプされていたのに、すぐそばで聞いていたのに、あたしは何もできなかった。警察に通報するのも怖かったの。だって……」

「……麻莉子?」
と私は震える姉に寄り添った。

「……だって、あたしが通報したことをあの人たちが知ったら、今度はあたしがレイプされるんじゃないかって、あのときはそう思ったの。……だから、……ごめんなさい」

 そう言う麻莉子の声が、涙で滲んでいくのがわかった。

「あたしにもわかるよ、麻莉子の気持ち」
と姉に優しくする自分が自分で怖かった。さらに私は続ける。

「あたしが麻莉子の立場だったら、きっとおなじことをしたと思うから」

 そんなふうに許してみせる自分は、ただ強がりを言っているだけなのだろうか。

「まだあるの。玲奈に謝らなきゃいけないことが、まだ」

 私とおなじ顔をした麻莉子はそう言って、長い睫毛を瞬かせた。

「朝丘光司さんと玲奈が別れた原因は、あたしにあるの」

「……え?」

 自分の中でスイッチが入るのがわかった。

「一度だけ、玲奈の振りをして光司さんに会いに行ったことがあるの」

「……ちょっと待って」

「そうしたら彼、いきなりあたしにセックスを迫ってきて。あたしは拒否しようとしたんだけど、何ていうか、レイプみたいな感じになっちゃって」

「そんなの……あるわけが……」

「多分そのときのことを、彼はさっきの弟に言ったんだと思う。『逝かない女』って」

 私は絶句した。妹の知らないところで姉は妹になりすまし、妹の恋人と密会していたことになる。

「それがきっかけで、あたしのほうがヒステリックになっちゃって、それで喧嘩に」

 目のまわりを赤くしながらも、麻莉子はさらに信じられないようなことを口にした。
 彼の子どもを妊娠して、中絶したのだ、と。
 さすがに部屋の空気も凍りついた。ペイズリー柄のカーテンひとつにしても、冬枯れの老木にぶら下がる葉っぱのようにも見える。
 自分だけのお城だと思っていたこの部屋も、その面影さえも残されていない。私は裏切られたのだ。

「……ごめん、……玲奈」

 ついでのような麻莉子のその台詞も、もはや何の意味も持たない。
 私をレイプしたあの男たちの残骸が、床に座ったままの私のまわりに散らかっている。その景色に色はなかった。
 白黒の濃淡だけの景色の中にも、唯一光るものがあった。それは朝丘拓実が置き忘れていった物に間違いなかった。
 胸が震え、膝が笑い、漆黒が私の脳内を埋めていく。そこで私は麻莉子に向かってこう言った。

「……麻莉子の胸で……泣いてもいいかな?」

 それに応えるように、麻莉子は無言で頷いた。そうして私たちは互いを支え合うように寄り添い、麻莉子の死角で私はナイフを手に取った。

「もう玲奈には迷惑かけないから」
と私を慰める麻莉子。
 私の大切な麻莉子。
 色んな思いが溢れ出し、それでも私は無表情のままで、一つの卵子を分け合った彼女の耳元で囁いた。

「辛かったのは麻莉子もおなじだったんだね。だけどもう大丈夫。これからもあたしが麻莉子の身代わりになってあげる。だから──」

 利き腕である右手に鈍い手応えを感じると、私は最後にこう付け足した。

「──だから、今日からあたしが麻莉子だよ」

 自分では菩薩(ぼさつ)の顔をつくったつもりだったが、それは紛れもなく、冷血に染まっていたに違いなかった。
 彼女の子宮を刺したあたりから脈々と流れる血液は、こんなにも私の手に温かいのに。



おわり
12/12/25 13:59 (gVD5EERg)
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投稿者: Unoletron


13/02/02 02:20 (gk6IlHW2)
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