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1:cold love……
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
大学……
あっという間だったな 卒業式を終え、家に帰り、玄関に入るなりまずそう思った あっという間、本当に たくさん学んで、たくさん遊んだ あっという間、だったな… コーヒーメーカーの電源を入れる お気に入りのコーヒー豆、挽いてフィルターにセットする コーヒーができるまでボーッと机で頬杖をついてテレビを見てよう なんだろう この感じ いよいよ、僕も大人になったんだなぁ 就職先も決まった、これからいよいよ社会人 大人になるのは……もっと先の事だと思ってたのにな コーヒーをマグカップに注いでため息 一口飲んでまたため息 なんでため息ばかりなんだろうか…… ああ、物足りないんだ 何かが、いや誰かが…… 「買い物、行こうかな」 気だるい気持ちを引き締めるように顔をパシパシ叩いた 今夜、帰ってくるんだから 笑顔で迎えてあげなきゃね 夕時の商店街 がやがやわいわい賑やかだ 夕飯の準備する時間だしな 混むかもしれないけどそれでいい 今は人混みが恋しい たくさんの人に囲まれていたい 夕方はなんだか寂しくなるんだよね、僕 街灯がともりだす 空から陽が落ちだし少し紅く雲を染める 総菜店の前で足を止める たくさんのお客さんだな 繁盛してる 「あら、いらっしゃい」 馴染みのおばさん この店を一人で切り盛りしてる 「おばさん、こんばんは。」 「今日はさつま揚げがあるわよ」 「わぁあ、美味しそう」 さつま揚げ、と言っても色々 どれにしようかな と、選ぼうとした時 「野菜のやつ、3つくらい欲しいなぁ」 声を聞いて 僕は振り返る 僕の心に欠けていた……パーツ 大事な人 愛しい人、世界一、好きな人 「姉さん!」 僕を見てニッコリ笑う 「ただいま、瑞希くん」 ああ、その笑顔、欲しかった ほんのしばらく離れているだけでも切なくなる 「姉さん、おかえりなさい!」 「うん!さぁ、買い物してお夕飯早く食べよう」 ここ数日、姉さんは仕事で海外に行っていた 西野さんと新しい会社を立ち上げて軌道に乗ってきたところ ネット媒体の雑誌の会社で僕もバイトで手伝った事がある カメラの修行にもなったしいい経験になった ちなみに、就職先は、そこ、、 コネを使った、と言われそうだけど ある程度仕事を認めてもらったから誘われた 姉さんと買い物をしながら旅の話なんかを聞いてるうちに 空は暗くなりはじめた 手を繋いで 家に帰ってきた あのマンションから引っ越した 今は一軒家に、、 住んでるけど、ここは仮住まい 新しいマンションが建つらしいのでそこができるまでここに住む事になった 姉さんが玄関の戸を開けて大きく息を吸った 「ただいま、帰ってきた、うん....帰ってきた……」 そう言って、僕に微笑みかけてきた 「ただいま!」 姉さんがまた言った 笑っちゃうな 姉さん、凄く大人になって落ち着いたけど たまに、無邪気な子供になっちゃう 昔の二人なら 玄関に入った途端 キスをして 服を脱いでその場でして、、しまってただろうけど、、 今は二人ともだいぶ落ち着いた 僕も姉さんも大人になったな しんみりそう思う 姉さんが長い髪を揺らしながら自分の部屋に荷物を置きに行った 相変わらず料理は下手っぴだから僕の仕事 今晩は簡単な物で済ます事にした お互い、話したい事もあるから 料理する時間ももったいない 姉さんがソファに座りふうっと息を吐いた 疲れてるのかな いや、ちがう 落ち着いたみたい ここに戻って来れたってホッとしたみたい 微笑んでる 姉さん、綺麗だなぁ いつも思う この人はいつまでも少女なんじゃないだろうかって思う 年齢なんか関係ないみたい 歳なんか肩書きだよ っていつも言ってるけど。 そうなのかなぁ、そうなのかも 「瑞希くん」 見とれるよなぁ、綺麗だなぁ 「瑞希くーん?」 呼ばれてたのに気づかなかった…… 姉さんがとびっきりの笑顔で微笑む 「今日はおしりでエッチするから準備しとくんだよ?」 前言撤回、しとく、、、 あんまり変わってないや、、 ニヤニヤしながら僕の鼻先をつつく 「お姉ちゃんがいない間、どうやって一人エッチしたのか事細かに聞きながらいじめる♪」 「やめれ!、、、」 「よいでわないかぁ♪」 いたずらっぽく笑う貴女が、、 ほんっと、、可愛い、、、、
2015/04/14 22:00:25(HsGfdSv.)
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味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
退院の手続きをして帰宅した
帰宅…家…か 初めて見る所なのに自宅… 混乱してくるな お姉さんが荷物を持ってくれてる 鍵を開けて扉を開けた 「お邪魔します…」 そう言って中に入った 少し古いかんじ 借家でマンションに引っ越すまで借りるらしいけど 「お姉さん、僕の部屋はどこ?」 「ここだよ…」 お姉さんに案内されて入った部屋 前の僕が使っていた物がならんでいる 一つづつ触れてみても、何も感じないや 背中に重みを感じた お姉さんが抱きついている ひどく悲しげな顔にドキッとしてしまう 綺麗な人だなぁ…… 「瑞希くん、まだおかえりって言わないからね」 「へ?」 「記憶が戻るまで言わないから……」 ギュウッと抱きしめられて 前の僕は大事にされてたんだなぁって羨ましく思ってしまった 夕飯は外で食べた お姉さんは笑ってくれてるけど 何か違うって感じてしまう 作り笑いみたいで不自然…… 姉さんの笑い方はもっと……こう… あれ? うーん、考えながら食事しても良くないし 食べる事に集中 夜になり お風呂に入ってからベッドに横たわる 僕は……僕は…… 元の僕に…戻れる? 「瑞希くん」 「うん?」 お姉さんがパジャマでまくらを持っている どうしたんだろ? 「一緒に寝よう」 「あ、はい……え?!」 僕の慌てる様子を見てお姉さんがクスッと笑った さっきよりも自然な笑い方に感じた 「かわいい…変わらないね、前と」 「お姉さん?」 「いい?」 「あ、え…はい」 お姉さんと一緒に… 寝る……のか…… 二人でベッドに入り電気を消す 「意識しちゃう?」 「は?、、、」 「ふふ、冗談♪瑞希くん、しばらくゆっくりしてていいからね」 「はい……」 抱きしめられて 意識……しちゃう… いくら姉弟でも こんなに素敵な女性が近くにいたら お姉さんが僕の頬に触れてきた 「別にいいよ」 「ん?」 「私はいつまでも待つからね」 「お姉さん……」 「お姉ちゃんって呼びなさい」 薄暗い室内でも お姉さんがニヤニヤしてるのが分かる 相当嬉しいみたい 「エッチな気分になってもお姉ちゃん襲っちゃダメよ?」 「しません!///」 なかなか、キツイ添い寝です……
15/05/03 07:42
(zYRAzKuH)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
もうすぐ瑞希くんが退院するのに
私の心は荒んでいる 色々な不安や葛藤がある どうも仕事に身が入らない 仕事終わり ため息をついて車に乗ろうとした時 「先生、飲みに行きましょう?」 「西野くん?」 呼び止められた 先生と呼ばれるのは久しい 「君が全部おごるならいいよ……」 前の事があるから普通なら断るんだけど 今は寂しさで私はおかしくなってる 飲み屋についた 「今日は飲もうかな」 「先生、酒ダメなんじゃ?」 「いいの、今日は」 「……」 注文してしばらく飲んだ 心地よい酔いに気分も少し晴れてきた 「瑞希くん明日退院なんだ……」 「良かったじゃないですか」 「どんな生活になるのかぁ、怖いなぁ」 グラスを持つ手がすこし震えてるのに自分でもすぐには気付かなかった 西野くんは何も言わない 「そろそろ行きましょうか」 「ん、お会計半分だすね」 「おごれって言ったじゃないですか」 「いい、けじめってやつ」 酔いが回ってよくわからない事言っちゃってる 車は代行に任せた 歩いて帰りたい気分だったから代行車には乗らずに帰る事に 西野くんはまだついてきてくれてる 「なんで帰らないんですか?」 「帰るの怖いもん」 「……」 「瑞希くん……もう元には戻らないのかな。そしたらどうしよう」 その悩みを吐くと 胸にナイフが刺さるように痛くてあまり言いたくなかった ぶらぶら歩いていると 急に手を掴まれた ホテル街…… ああ、もういいかな、別に 「俺と飲んで無事に帰れると思ったんですか?」 「思ってないよ、前例あるし」 「......今日は帰しません。いいですか?」 「抱きたいの?」 「もちろん、めちゃくちゃに」 「……いいよ、気持ちよくして」 西野くんはうなづいた もういいか……もういいや 私は瑞希くんが記憶を失ってから悩んでた 彼は真っさらになった 昔の事、全部忘れた 母親にされた事も、つらい境遇も全部 私と近親相姦した罪の意識も 全部 私は彼が欲しい けどまた、彼を引きづりこめる? あの泥沼に落ちていくような罪の意識をまた味わわせられる? 最初の頃、瑞希くんと体を重ねるたびに幸福感と罪悪感がその日に何度も押し寄せる とっても辛かった こんなに辛い恋なんて もう彼にはさせたくない 胡桃ちゃんは瑞希くんを好き 多分付き合って、結婚して、幸せな家庭を気づける 私とはできない事ができる 私はそれを阻止してまで彼を暗所に戻せる? 愛してる、瑞希くん 手放したくない。 手放しすくらいなら死んでしまいたい でも愛してるからこそ言えない 貴方と愛しあった思い出も 誓いあった約束も 全部、全部 また君に泥水を飲ませるような事なんかできない 西野くんに手を引かれて もう投げやりな自分にうんざりした こんなに弱い女になっちゃったんだ ホテルの部屋に入る 今から彼に抱かれる きっとめちゃくちゃにされるから 気持ちよくされて紛らわしてほしい 西野くんは私の肩を掴んだ 私をまっすぐ見つめた …… …… 「有村彩花はそんなに弱っちい人間じゃないでしょうが!!」 「ひっ!?」 「貴女の真っ直ぐさはどこに行ったんですか!」 西野くんに怒鳴られた これから抱かれるつもりだった気が吹っ飛んだ 「瑞希くんの記憶が無くなったのならもう一度好きにさせるくらいに考えるのが貴女でしょう?」 「そんなの、瑞希くんがまた罪悪感で、」 「それ以上の幸福があったでしょう?まさか、瑞希くんと愛しあった日々が間違いだったとでも?」 その言葉にハッとした 瑞希くんとの思い出は間違いじゃないもん 正しいとか悪いとかじゃない…… とりもどしたい ワガママを貫いて 瑞希くんを愛したい 罪悪感がなによ 泥水を弟に飲ませるくらいなら私が全部飲んでやる 誰にも渡さない、渡さない! 「独占欲の塊の貴女らしくない」 「うっさいわ!///」 西野くんは苦笑して そして優しく抱きしめてきた 「良かった、戻った」 「エッチは?」 「……しませんよ、貴女に大声で説教したかっただけです」 「バカ....///」 しばらく、話を聞いてくれた 私の心にある悩みを全て 西野くんは全て聞き終わってから静かにうなづいた 「瑞希くんが他の誰かを好きになった時は俺がいますよ」 「……バカ」 「その時は俺と結婚しましょう」 「……」 「先生?」 「ごめん」 「……俺は貴方が好きです。どんな距離でも愛しあえなくても」 「ごめん……」 「朝までそばにいます。明日からは瑞希くんと取り戻す努力をしてください」 「うん、ありがと」 西野くんに抱きしめられた 胡桃ちゃんも彼も、一途すぎる 「先生」 「あの、やっぱりエッチしましょっか?、、、」 「……」 「カッコつけたけどやっぱり抱きたいです、、」 「……」 「いい?」 「……」 ………… 夜が開けた 私は大きく伸びてあくびをした 瑞希くん、君のために努力するよ また、私に恋してもらえるように
15/05/03 08:43
(zYRAzKuH)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
しばらくは自宅療養……かな?
ご近所さんにはお姉さんが説明してくれたみたいだ 夕方カメラを持って出かける 赤く焼けた空 木の枝の隙間から漏れる光 そんなものを撮ってる このカメラ、使い方が体に馴染んでるせいか すぐに思い出せた これは進歩だろうか 「瑞希くん」 「あ、お姉さん」 迎えにきてくれてたんだ 僕を見る彼女の表情はとても……嬉しそう お姉ちゃんっていうかお母さんみたい 「カメラ楽しい?」 「うん、なんか色々撮っちゃった」 「ふふ、そーかそーか」 「あ、お姉さん、そこに立って」 「ん?はいはいー」 お姉さんをモデルにして 写真を撮った そうしているうちにもう薄暗くなってしまった 最後の一枚 シャッターを押す その瞬間頭がピリッとした 何かを思い出せそうになった……気がした お姉さんは首をかしげてる 「どした?」 「お姉さん……僕さ」 「ん?」 「僕、お姉さんと大事な約束したんじゃなかったっけ?」 お姉さんは静かにうなづいた 微かに涙を流しながら 「何かな……思い出せそうだったのに」 「いい、焦らないで。ゆっくり……ゆっくりでいいから」 抱きしめられた 落ち着く、すごく 落ち着く…… 帰宅してからパソコンに写真を転送している間に夕飯を作った 作ったと言っても簡単なもの 昔の僕は料理上手だったそうだけど 「瑞希くん……」 「ん?」 抱きしめられた…… お姉さんは抱きしめるの好きだなぁ 「瑞希くん、好きよ」 「え?///」 「ふふっ、かわいい」 正直、この人が好きって感覚 すごく自然に湧いてきた いや、元からあった 何も覚えていない時に彼女が目に入った瞬間に 落ち着いたというか なぜか安心した きっと仲のいい姉弟だったんだろう だから 今この僕の心にある気持ちは吐き出してはいけない 彼女が好き、異性としても 姉弟の関係が崩れてしまうのは良くないから ダメだから……
15/05/04 07:25
(Ik0kxlgB)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
仕事中
西野くんが私と顔を合わせようとしない なんかムカつくから呼び出して缶コーヒーをおごらせた 「なんなの?」 「いや、なんか……すんません」 「君はさ、強気な異性を屈服させたいんだね。そういう嗜好なんでしょ」 「......はい」 あの後、西野くんが抱きたいとしつこく言い出したので困っていた 結局、拳をグーにして振り上げたらおとなしくなった 「弱気になってる貴女を抱きたいとは思わなかったんですよね」 「ほぅ……」 「いつものワガママで強気な貴女を屈服させたいというか、はい、そういう願望が……」 「……」 「……すんません」 「弱気な時に抱いときゃ良かったね、もう二度とないよ」 「はい……」 「ばぁか……」 しょぼくれてる西野くんにデコピンした 彼に元気づけられたけど もう弱みは見せない 私の体は瑞希くんのもの 投げやりな自分に反吐が出そうだ 週末 瑞希くんをある場所に連れて行った 二人が再会した公園 何か思い出せたらいいなって思って 二人でカメラを持ってしばらく撮影デートをした 瑞希くんが三脚を使って噴水を撮ろうとした なかなか構図が決まらないのかシャッターを押さない 「瑞希くん、どした?」 「そういえばさ……」 「ん?」 「前からずっと姉さんって呼んでて名前で呼んでなかったよね?」 「え?」 瑞希くんがシャッターを押さずに私のほうを見た ゆっくり微笑んだ 「彩花、ただいま」 「え?」 「待たせてごめんね」 「あ、、」 抱きしめた ぎゅーっと 「思い出したの?」 「うん..ここに向かってる時からなんか戻ってきた」 「うぅ、、」 「姉さん、愛してる」 「あぅ、、」 「なんかさ、記憶を失ってからも姉さんを好きになってたよ?さっきまでモヤモヤしてた」 瑞希くんが笑いかける 愛おしくてキスをした 貪って時間を忘れた 早々に帰宅して 玄関に入るなり二人は体を重ねた 「いいっ、、いいっ、、」 「彩花、待たせてごめん。いっぱいイッてね」 「あ、ずるい、、、一緒にっ」 待ち焦がれたこの瞬間 弟の性を子宮で受け止めて ぐったりと崩れ落ちる そして、私も忘れてた事に気付いた 彼が戻ってきたら真っ先に言いたかったセリフ 「瑞希くん、、」 「ん?、、」 「おかえりなさい、、」 「うん、ただいま、、」 そのまましばらく抱きあったままでいた また、、戻ってきてくれた おかえりなさい、瑞希くん……
15/05/04 07:57
(Ik0kxlgB)
投稿者:
無無名
続きを期待しています。
今は 毎日更新を確認似ています。 宜しく お願いします。
15/06/06 07:00
(3VqXzUB9)
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