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義母・亜紀子   旅情編
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:近親相姦 官能小説   
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1:義母・亜紀子   旅情編
投稿者: コウジ
(義家族との体験―義母・亜紀子より続く )

 一月二十三日。
 義母が日光・鬼怒川温泉に旅行に出かける日でした。
 妻の由美の、自分の架空の出張の話をしたのは、その日
の三日前のことでした。
 職場の上司二人のお供で、山梨の甲府市である研修会に
行くことになったと、僕は由美に淡々と話しました。
 その研修会は実際にあることで、職場内の僕とは違う職
員が行くことになっていました。
 一泊二日の予定で、一日目が甲府市の市民ホールでの研
修会で、翌日はその研修内容の現地視察という行程で、そ
れが一月二十三日だと告げました。
 実際には、僕はその日は有給休暇扱いになっていました。
 「あら、お母さんと同じ日じゃない?…じゃあ、その日は
私一人か…誰か誘って豪華な食事でもしようかな?」
 由美は何一つ疑うこともなく、屈託なく笑っていうだけで、
 「上司二人のお供では大変ね。お土産はお母さんが日光で
買ってくるだろうからいいわよ」
 とそんな気遣いまで見せてくれたのには、僕もさすがに心
が少し傷む思いでした。
 その話は由美から当然義母の耳にも入り、
 「同じ日なのね…」
 と二日前の夕食時に、彼女から短く声をかけられたのでし
た。
 そして当日の朝は冬には珍しいくらいの暖かな好天の旅行
日和で、集会所前を八時に出発予定の義母を、僕が車で送り
届けることになりました。
 僕のほうは十時に職場を出るということになっていたので、
七時半過ぎに義母を車に乗せました。
 義母の今日の服装は、黒のベレー帽を可愛く被り、焦げ茶
色のコートの下に薄いクリーム色の襟の大きなタートルネッ
クのセーターに黒のパンツ姿でした。
 美しく化粧した色白の顔に、いつものように赤い唇が際立
って見えました。
 「いい匂いがする…」
 車を始動させてすぐに、僕は義母のほうに鼻先を突き出す
ようにしていいました。
 「派手に見えない?」
 義母はそういって、僕の横顔を窺い見るようにして聞いて
きました。
 「大丈夫。セーターの首襟のふんわりしているのがいい」
 そう言葉を返してやると、義母は嬉しそうにはにかんでい
ました。
 集会所に着く寸前、義母が顔を少し俯かせて、独り言のよ
うに呟きました。
 「ほんとは…あなたと一緒にいたい」
 「東照宮お参りしたらいいことあるかも?…気をつけて行っ
ておいで」
 笑みを浮かべて僕は義母に言葉を返し、車の降り際に彼女
の手を握ってやると、僕よりも強い力で義母が握り返してき
ました。
 集会所から少し走ったところにあるコンビニの駐車場に、
僕は車を止め、カーナビの目的地に日光東照宮と入力しまし
た。
 先ずは東北自動車道に乗るのが先決で、それから日光宇都
宮道路に入れば、距離数は百五十キロは超えるが、交通渋滞
にさえ引っ掛からなければ、約二時間ほどで着くようです。
 次にダッシュボードを開け、一枚の用紙を取り出して、僕
は目を通しました。
 義母が旅行会社から受け取った、旅行のスケジュール表で
した。
 前以て僕が内緒でコピーしておいたのです。
 義母の乗るバスは、日光東照宮を最初に目指すようで、十
一時過ぎに目的地に着く予定になっていました。
 そこで昼食を挟んで、三時間ほどの自由行動の時間を取っ
ているようでした。
 それからいろは坂を通って中禅寺湖見学になっていました。
 車の中で僕はスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外して、持
ってきたバッグからセーターとブルゾンを取り出し、着替え
を済ませました。
 ブルゾンは義母が正月に、僕のために買ってくれたという、
濃紺のクロコダイルのロゴ入りでした。
 東北自動車道から日光宇都宮道路に入ると、土曜日という
こともあって多少の渋滞に巻き込まれましたが、予定の時間
よりは早く目的地に着きました。
 日光東照宮近くの有料駐車場に車を止めたのは、十時半過
ぎでした。
 もう少し寒いのかと思っていたら、雲一つない青空のせい
か、空気の冷えはそれほどは感じませんでした。
 普段はめったにしない色の濃いレイバンのサングラスをか
けて、僕は車の外に出ました。
 ここは自家用車専用のそれほど広くない駐車場で、義母た
ちが乗ってくる観光バスは、先ずここには来ないはずでした。
 五分ほど歩くともう日光東照宮の正門前でした。
 昼食にはまだ早い刻限だったので、僕は駆け足で石段を昇
り、すでに人の往来の多くなっている境内を散策しました。
 日光東照宮というところは、本来なら駆け足で見物すると
ころではないと、以前に誰かに聞かされたことがあります。
 昔の小学校唱歌に「ひねもす見れども飽かざる宮居」と東
照宮を歌ったものがあったそうで、また別名「日暮らしの門」
といわれる陽明門の精緻な美を鑑賞するだけでも、優に一時
間以上はかかるといわれているようでした。
 そんな見るべきものの多い境内を、ただの凡人でしかない
僕は、じっくりと歩みを止めることもなく、まるで時間潰し
でもするかのように、のんべんだらりと歩き進んだのでした。
 二荒山神社の本殿のようなところで、体裁だけのお参りを
済ませて、陽明門の側まで来て腕時計を見ると、それでも十
一時をもう二十分ほど過ぎていました。
 義母たちももう着いているかも知れないと思い、多くの観
光客で賑わう陽明門付近から、少し離れたところに移動した
時でした。
 「浩二さんっ…」
 といきなり背後から大きな声で呼び止められ、驚いて振り
返ると、何とベレー帽を被って焦げ茶色のコート姿の義母が、
僕よりももっと驚いているような表情で、一人で立ち竦んで
いました。
 距離にして五メートルもないところで、義母は信じられな
いという面持ちで、僕を強い視線で見つめていました。
 「やぁ…」
 想定外でこちらが先に見つかってしまったバツの悪さもあ
って、僕は歯を見せてサングラスをかけたまま笑みを返しま
した。
 すると義母は往来する人の目も憚らず、小走りに僕のほう
に駆け寄ってきたのです。
 勢い余って義母は僕にぶつかるようにして、また人の目を
憚ることなく、そのまま抱きついてきました。
 「どうして?…ねぇ、どうして?」
 僕の胸元に顔を埋めながら、義母はまるで少女のように感
情を昂ぶらせた声でいってきました。
 「人…ほら、人が見てるよ」
 僕は強くすがりついてきている義母の肩を掴み、顔を上げ
させ、
 「お仲間の人たちはいないの?」
 と愚にもつかないことを聞いていました。
 実際に周囲の人たちの何人かが、こちらに眼を向けながら
歩いているのがわかりました。
 「どうして、あなたがここにいるの?」
 僕とここで会ったことがまだ信じられないという表情を残
したまま、僕の腕を掴みながら、義母は涙声に近いような声
で詰め寄ってきました。
 「東照宮の神様に呼ばれたからさ」
 義母の気持ちを落ち着かせようと、冗談めいた口調で気障
にいうと、
 「バスが予定より早く着いて…それで神社にお参りして…
ずっとあなたのこと考えてたら…こんなところにいるんです
もの。もう、驚いてしまって…」
 どうにか気持ちが鎮まったような義母が、まるで子供が何
かのように、ぽつりぽつりと話し出しました。
 バスを降りて全員で一通り境内を見学し、神社本殿での参
拝を済ませて、今から所定の食堂での昼食を摂る予定だとの
ことでした。
 義母は元教師ということもあってか、昼食までの間にもう
一度陽明門を一人で見たいと思い石段を昇ってきて、ふと視
界の中に、前に僕のために買った濃紺のブルゾンが入ったの
で、立ち止まり見ると、いるはずのない僕の顔を見て驚いて
しまったということでした。
 「本殿でお参りした時、ほんとにあなたの顔が浮かんだの
よ。…だからあなたを見た時、思わず神様が、って思ったわ」
 「驚かせて悪かったね。…亜紀子のこの旅行の話を聞いた
時から、僕は密かに作戦を練っていた」
 「それじゃ、山梨行きの出張って…?」
 「美しい嘘…さ」
 「ひどい、今朝送ってくれた時にも何もいわないで…」
 「いえるわけないだろ?極秘事項だもの。それより、結果的
にはこのブルゾン着てきてよかったのかな?…似合う?」
 「ええ、とても…」
 「これだけの人の中で、よく見つけたものだ。それより、
早く食堂行かないと」
 「あなた、お昼はどうするの?」
 「僕はその辺で食べるさ。湯葉うどんが名物らしいね」
 「…それで、今日はこれからどうするの?」
 「ああ、僕の予定では、中禅寺湖の畔あたりで亜紀子に見つ
かって、湖畔の散歩を楽しもうって思ってたんだけど、早く見
つかってしまったから…」
 「帰ってしまうの?」
 「今夜の宿は…確か鬼怒川国際観光ホテルだった?」
 「えっ?…それじゃあ?」
 「ほら、早く行ったほうが…みなさん心配してるよ」
 「お食事したら、きっとメールする」
 そういって名残惜しそうな顔をして、義母は僕から離れてい
きました。
 僕は正門を出てしばらく歩いたところで、それほど大きくは
ない食堂があったので、そこに入り名物の湯葉うどんとお握り
のセットを注文しました。
 義母からメールが入ったのは、別れてから三十分もかからな
い時でした。
 (どこにいるの?)
(まだ食堂。湯葉うどん美味しかった)
 (どこの食堂?)
(正門から少し歩いたところの、おおさわっていう店)
(すぐに行くから待ってて)
(そちらのお付き合いはいいの?)
(学校時代の教え子に会ったって)
 (いいのか?)
 (美しい嘘)
 義母は歩きながらメールをうっていたのか、ほどなくして店
の暖簾をくぐってやってきました。
 僕の真横に座り込んでくると、
 「お腹膨れた?…湯葉うどん、もう一杯食べる?」
 とか、
 「中禅寺湖ではどうするの?…華厳の滝は?」
 などとまるで修学旅行に来た女学生のようなはしゃぎようで、
矢継ぎ早に話しかけてきていました。
 隣りの席に座っていた夫婦らしい初老の二人連れが、三十三
歳の男と六十三歳の女の組み合わせに目を向け、少し奇異な表
情をしているのが横目に見えました。
 義母はそんなことにお構いなしに、
 「陽明門はしっかり見たの?」
 とそれこそ教師然とした口調で喋ってきたりしてました。
 「東照宮は、こういう団体旅行ではだめね。二人くらいで時
間をかけて回らないと、本当の良さがわからないから」
 「そうなんだろうね。僕みたいな凡人には長くいても、陽明
門の良さもわからないだろうけど」
 「徳川家康をお祀りしてるって知ってるでしょ?」
 「ああ、家康のご意見番といわれた天海大僧正っていう人が
建てたことくらいは」
 「あら、浩二さん、すごいっ。よく知ってるじゃない?」
 「一応大学は文学部ですからね、へへ」
 僕と義母とのまるで恋人同士でもあるかのような、そんなや
り取りに聞き耳を立てていた、隣りにいた初老の夫婦は店を出
るまで、何度かこちらのほうを繰り返して見ていました。
 それほど広くない店内で客の出入りも多くなり、僕たちも長
くはおれなくなり店を出て、もう少し歩いたところにあった喫
茶店に入り、知らない土地という解放感も手伝ってか、本当の
恋人同士のように長く語り合いました。
 義母のほうがことのほか、僕との予期せぬ遭遇が嬉しかった
のか、自宅でも見せないくらいの明るさで、長く喋り続けるの
を見て、ここまで車で走ってきてよかったという気持ちになり
ました。
 「ほんとに同じホテルに予約取ってるの?」
 「うん、一人だから小さな室でいいっていったんだけどね。あ
あいうところは団体部屋か夫婦や恋人たちが泊まる室しかないっ
ていって、普通の室みたいだけど」
 「そう、結構高いでしょ?」
 「まぁね、一泊二食で一万六千円」
 「私が出してあげるわ。だって私のためにしてくれたサプライ
ズだもの…ね?」
 「正直、助かるね」
 「中禅寺湖も…ずっとあなたといたい」
 「それは…バスの客の中には町内のお知り合いもいるからね…」
 「そうね、さっきのうどん屋さんでも、お隣のご夫婦の方たち
ずっと不思議そうに、私たちを見てたものね」
 「知ってた?」
 「知ってたわよ。…でも、知らない街のせいかしら?少しも気に
ならなかったわ」
 二人でいる時間はあっという間に過ぎ、義母のほうの集合時間に
なっていました。
 喫茶店を出たところで二人は別れ、僕も駐車場に戻り、車のカー
ナビに中禅寺湖と入力し、国道百二十号線に車を向けました。
 途中のいろは坂を通過し走り続けると、中禅寺湖を示す看板が多
く目立ち出し、やがて湖の畔に着きました。
 正直なところ一人で外に出て畔を散策するという気にもなれず、
車のシートを倒して仰向けになりながら、湖の彼方に見えるミニ富
士山のようなかたちをした小高い山に目を向けていました。
 その山は男体山という信仰的にもいわれのある山のようです。
 三十分近くまどろむように車のシートに、僕は仰向けになってい
ました。
 トイレに行きたくなり車の外に出ると、好天の週末のせいか湖周
辺には相当の観光客がたむろしていました。
 公衆トイレを出て何気に遊覧船の出る桟橋のほうに目を向けると、
多勢の観光客が列をなして、その先に停泊している遊覧船に向かっ
て歩いているのが見えました。
 その桟橋の手前付近に目を向けた時でした。
 黒のベレー帽を被り焦げ茶のコート姿の小柄な女性が、誰かを探
しているように右往左往しているのが見えました。
 今度は僕のほうが早く義母を見つけ出しました。
 小走りに義母のほうに向けて行くと、途中で向こうも僕に気づい
たらしく、また人目を憚ることなく精一杯手を振りながら箸ってき
ていました。
 「探したのよっ…」
 「みんなと船乗らなくていいの?」
 人の群れが絶え間なく往来する畔を避けて、少し奥まったところ
にあるベンチに二人は腰をかけていました。
 「船酔いするのでって断わったの。他にも二、三人いらっしゃっ
たわ」
 「僕が船に乗ってるかもわからないのに…」
 「あの桟橋の前に立った時にね、何か急にお告げのようなものが
あったの。…ふふ、東照宮の思し召しだったのかしら?」
 「亜紀子、若い女子高生みたいだ」
 「あら、今の女子高生ってこんななの?」
 「旅は…するもんだね」
 「え…?」
 「人間をこんなにも明るくする。…僕も変わりたい」
 「あら、どんな風に?」
 「亜紀子を…もっと意地悪く、恥ずかしく虐める男になりたい」
 「まぁっ…」
 「だめかい…?」
 「…知らない」
 「今夜…もし、またホテルで…偶然に会えたら、試してみたい
と思ってる。意地悪い男になってるか…」
 「…もし、会えたら優しく抱いて」
 「ふふ、こんな景色のいいところで、話することじゃないね」
 「ほんと…」
 日本で一番高い標高にある湖で、風光明媚さや歴史的な由緒話
も数多くある中禅寺湖を、風情のない僕はほとんど楽しむことな
くそこを去り、またいろは坂を下り、鬼怒川温泉郷に向かいまし
た。
 その間にも義母のほうから、こちらが心配するほどのメールが
ひっきりなしにありました。
 今とどこにいるのか、何をしているのか、とかの気遣いのメー
ルがほとんどでしたが、四時半過ぎにもうホテルにチェックイン
したと送ってやると、ルームナンバーをすぐに教えろという矢の
催促でした。
 三階の三百一号室が僕の室で、義母たち団体は五階の団体部屋
のようでした。
 室に行く前にロビーで温かいコーヒーを飲んでいると、もう何
組かの団体が入ってきているようで、フロント周辺は大変な賑わ
いになっていました。
 やがて義母たちを乗せたバスが玄関に入ってきて、広いロビー
が忽ち多勢の宿泊客で埋まりました。
 義母はまたロビーのソファに座っていた僕を先に見つけ出し、
後で気づいた僕に小さく手を振ってきていました。
 通された室は、二、三人でも泊まれるくらいの広さの和室でし
た。
 五十代くらいの身体の丸い仲居に、男の一人旅を少しばかり訝
しがられながらお茶の接待を受けていると、突然電話が鳴ってき
ました。
 フロントからで、
 「お客様、先ほど亜紀子様というお方からお申し出がございま
して、本日のご夕食は二階の広間となってございましたが、お室
のほうでとのご依頼がございましたので、急遽、室食とさせてい
ただきますのでよろしくお願いします」
 と長々とした説明があり、最後に、
 「尚、お客様の本日の宿泊料一切につきましても、明日、亜紀
子様のほうでご精算させていただくことになってございますので、
よろしくお願いします」
 とまで付け足しての説明を聞きました。
 義母の至れり尽くせりの気遣いに、正直なところお金の面でも
とても助かった面もあり、彼女の細かな心配りに、僕の心は温泉
に入る前からひどく温まってきていました。
 義母たちは六時半から二階の大広間での食事会があるようです。
 温泉の大浴場に、普段の家での入浴より十分以上は長く入って、
室に戻ると、座卓の上には豪華な食事の用意がされていて、身体
の丸い仲居から、
 「当ホテル特製の湯葉懐石でございます。ごゆっくりとお召し
上がりください」
 との説明を受けたのでした。
 何から先に箸をつけていいのかわからないくらいの豪華な料理
に舌鼓みをうっている途中で、義母から今日一日だけで二十回近
くになるメールを受けました。
 (十時頃には行けます…)


        続く
 
 
2015/09/20 01:27:03(jXVY3eMn)
47
投稿者: (無名)
no44さんに同意見です。no43さん、あなたが板を
汚していると思います。
15/10/03 11:24 (nsgQg6dX)
48
投稿者: (無名)
>46

>>>44でしたね 訂正 訂正

↑キミだって間違えてるじゃん。
他人にツッコむ資格ねーよ。
そういうのいちいちいらないんだよ。

15/10/03 23:45 (xzV2tmEF)
49
投稿者: (無名)
46さん
間違えた
>44でしたね 訂正 訂正
講釈垂れてるのに打ち間違ってるよ。
15/10/04 05:21 (wbapVD0n)
50
投稿者: コウジ
「加奈子、ごめんね…」
 布団の上に力なく仰向けになりながら、加奈子の心ひそかな期待を裏
切るような、僕自身のあっけない暴発を詫びると、
 「ううん、いいの。あなたとこうしていれるだけで、私、幸せだから
…」
 と彼女は白い歯を見せながらいって、僕の側ににじり寄ってきていま
した。
 僕自身の目論見はこの布団の上で、もう一度も加奈子の若い身体をゆ
っくりと時間をかけて堪能するつもりでいたのですが、彼女の祖母が実
の息子に蹂躙される情景を、あまりに生々しく思い浮かべて過ぎてしま
ったからなのか、唐突に頭の中を過ぎった義母の亜紀子の赤い口紅の映
える愁いの顔のせいなのかはわかりませんが、男として不覚な暴発は間
違いのない事実でした。
 すっかり身体も心も萎えた気分に陥ってしまっていた僕を気遣うよう
に、それからしばらくは加奈子も多くを語ろうとはしてきませんでした。
 妻の由美と結婚してからずっと僕の心の中だけの密かな憧憬だった義
母を、予期していなかった出来事からとはいえ、初めて抱いた去年の十
月から、自分の気持ちと周囲が何か激変しているような実感は、僕自身
も薄々とは承知していました。
 義母とのなさぬ関係も、あの日一度だけの過ちということでは済まず、
今はもう底のない沼に滑り込んだような深い関係になってしまっていま
す。
 そしてふとしたきっかけで知り合った、若い看護師の加奈子。
 その加奈子のことすらにも、僕はきっぱりとした思いを断ち切れない
で、こうして遠い北国まで会いに来てしまっているのです。
 萎えた心の中に、これまでの自分の優柔不断さと不甲斐のなさが次か
ら次へと錯綜してきていて、枕の上に沈みきった顔を落としていた僕に、
 「後悔してるの…?」
 と加奈子が酒の酔いも覚めかけた顔に、不安げな表情を浮かべて窺い
聞いてきました。
 「えっ?…あ、ああ、いやそんなことないよ。ちょっと考え事してた
だけさ」
 「何を考えてたの?」 
 「う、うん。加奈子のことさ…」
 「私の…?」
 「僕みたいな中途半端な男と出会った加奈子が、何か可哀想に思えて
…」
 「あなたに最初にアプローチしたのは、私のほうだから。…逆に私の
ほうがあなたに迷惑かけてるのかも…?」
 僕のつまらない落胆が、加奈子の気持ちまで沈みこませてしまってい
ることに気づき、俯せの姿勢から横向きになり、彼女の顔を覗き込むよ
うにして、
 「加奈子、君のことが好きだよ」
 と僕なりの精一杯の笑顔で声をかけてやると、加奈子の愛らしい目か
ら見る見るうちに大粒の涙が溢れ出てきていました。
 加奈子はそのまま顔を僕の胸に伏せてきて、喉の奥を引きつらせるよ
うな嗚咽を洩らし続けていました。
 そんな加奈子に次の言葉が思い浮かばなかった僕は、彼女の肩にそっ
と手を添え当てることしかできませんでした。
 「私…祖母の家を出ます」
 僕の胸に顔を埋めたまま、加奈子が唐突にいってきたのは、それから
間もなくしてのことでした。
 言葉を返そうとした僕よりも先に、
 「就職してるなんて、嘘なんです。…私、またあなたのいるあの街に
戻ります」
 と加奈子は続けていってきたのです。
 「そうなんだ…」
 と僕は何故か具にもつかない返答しかできませんでした。
 祖母の家を出るといった加奈子の言葉は、狂気のような叔父の存在か
らしても当然の選択でした。
 そのことには僕も賛成でした。
 都会の汚れた泥を被り、辛い苦しみから逃げ、唯一血縁的に頼れるは
ずだった遠い北国の、祖母の家に入った加奈子でした。
 少女の頃にも義理の父親から、恥ずかしい陵辱を受け続けた加奈子に、
あろうことかまたしても、叔父という血縁者の魔の手にかかり、少女の
頃と似たような屈辱を受けた彼女の哀し過ぎる数奇な運命に、ただ身勝
手で浅薄なだけの僕からかけてやれる言葉は何一つありませんでした。
 「昨日ね…前に勤めていた、そう、洋二さんと初めて会った病院の院
長先生に、恥ずかしかったんだけど電話してみたんです。…もう一度雇
ってもらえませんか?って」
 「そう…」
 「そしたら院長先生から、いつからでもいいから来なさいって…」
 「そう、よかったじゃないか…」
 そう返答しながら、身勝手な僕の心の中のどこかで、かすかな不安め
いた思いが湧き出ていました。
 この遠い北国の街で、都会の汚れた泥を落とし、新たに再起している
加奈子を、僕は心の中で期待し、ひたすら願っていました。
 それがまた加奈子が同じ街に戻ってくる…何か不穏な予兆めいたもの
を、僕は心密かに感じていました。
 加奈子がまた自分と同じ街に戻ってきたら、否が応でも何らかのコン
タクトはとらざるを得ないのは火を見るより明らかでした。
 無論、加奈子のほうから僕の生活に支障をきたすようなことはしてこ
ないのはわかっていました。
 テレビドラマによくあるような、愛人が相手の家庭まで入り込んでく
るというような、加奈子はそんな女性ではないということは、僕も確信
が持てました。
 それでも同じ街の空気を吸っていれば、男と女の仲なら何かが起こり
得るという可能性が少なくはないという不穏な予兆を、哀しい保身的な
僕は感じていたのです。
 しかしそんな僕の複雑な思いは、加奈子の前には億尾にも出さず、
 「…で、その叔父さんって、それからも加奈子を?」
 と急に話題をあらぬ方向へと転換していました。
 いった後すぐに、聞かなくていいことを、と僕は思わず臍を噛み後悔
しましたが、加奈子はほんの少しの躊躇いを見せた後、
 「…それから一週間ほどして、また叔父が祖母のところにやってきた
の…」
 と酒の酔いも覚めかけた顔をまた少し赤らめながら、かすかに苦しげ
な口調で訥々と話し出してきたのです。
 あの不幸な出来事があった夜、叔父が帰っていった後で、祖母は声を
出して泣きながら、加奈子に幾度も頭を下げ深く詫びたそうです。
 祖母と叔父の身体の関係は、もう二年ほども前から続いているとのこ
とでした。
 そういえば加奈子が祖母に何年ぶりかに連絡をして、しばらく住まわ
せてほしいと頼んだ時、祖母のほうからは快諾的な返答がなかったのだ
そうです。
 祖母の話によると、元はといえば、祖母と叔父の、つまりは母と息子
のなさぬ関係は、もう何十年も前の、叔父がまだ高校三年の時に、そう
いう関係に陥ったことがあるということのようでした。
 たまたま二人で出かけた畑の小屋の中でいきなり襲われ、犯されてし
まったのだと、祖母は加奈子に告白したのだそうです。
 その頃の叔父は今でいう引きこもりみたいになっていて、不登校も長
く続いていたそうで、夏休みのある日、そんな息子の気晴らしにと母で
ある祖母が畑仕事に誘ったのが、過ちの発端だったらしいです。
 畑仕事の最中に祖母のほうが急に気分を悪くし、その後ひどい眩暈に
襲われ、意識を失くしたそうです。
 祖母は背丈はあったのですが華奢な体型で、若い頃から貧血症気味だ
ったということです。
 そして気づいた時には薄暗い農機具小屋の中で、板間の茣蓙の上に寝
かされていて、すでに剥き出しにされていた下腹部に、息子からのつら
ぬきを受けていたということのようです。
 その頃の祖母の年齢は四十二、三歳だったようですが、貧血気味でま
だ朦朧とした意識では、そのことに気づいても強い抵抗もできず、目を
異様に血走らせた若い息子の圧力の前に屈してしまったというのです。
 母と息子のなさぬ関係は、それから半年以上も当時の家族の誰にも知
られることなく続いたようですが、息子のほうが就職で都会に出たこと
で、一応の終止符がうたれたとのことのようでした。
 それから三十年の歳月が過ぎて、母と息子はまた何かのきっかけで、
身体を交える関係に陥ってしまったと、祖母は孫娘の加奈子に赤裸々に
告白したそうです。
 加奈子にしてみれば、聞きたくもなかった出来事で、知りたくもなか
った事実だったのは想像に難くないことだったろうにと、僕は彼女の苦
渋の心情を思いやっていました。
 同時に僕は、つくづくと加奈子の誰にも話すことのできない血族相姦
にかかる哀しい数奇な運命に思いを巡らせ、そんな彼女にかける言葉の
一つすら探せずにいました。
 祖母も含めた叔父と加奈子のその後を、軽々に問い質してしまったこ
とに、僕はまた悔恨の思いを深くしたのでした。
 それでも何故か加奈子は、僕の下劣な問いかけにどうにか応えようと
してか、訥々とした抑揚のない口調で、祖母を含めた叔父との卑猥極ま
りない顛末をかなり具体的に話してきました。
 天井に茫漠とした視線を向けながら、加奈子が話した驚愕の内容を僕
なりに咀嚼し多少の脚色も加えて書き記すと以下の通りです。
 
 その日の夕食を祖母とひっそりと終え、洗い物を済ませた加奈子が自
分の室に戻って間もなく、玄関の戸の開く音がして、叔父が祖母の名を
何度も呼びつける濁み声が耳に入ってきた。
 本能的に加奈子は身の危険と恐怖を感じ、このまま家の外に飛び出そ
うと思ったが、叔父の下卑た濁声を聞き、何故か身体が金縛りにでもあ
ったかのように動けなくなってしまっていた。
 加奈子のいる室と祖母の室は襖戸だけの仕切りで、祖母と叔父の、い
や母と息子のいい争うようなやり取りが、耳を両手で塞いでいてもはっ
きりと聞こえてきていた。
 「や、やめんねっ、洋二。ほんとにいい加減にせんと、母さんにも覚
悟あるよ」
 「ふふん、どんな覚悟な?」
 「里子さんに、あんたの嫁に正直に話するっ」
 「ああ、したらええが。自分の息子の恥と七十過ぎた親の恥を世間に
晒せるんけ?」
 「ああっ…だ、だめいうとるんに。…わ、私はそいでももうええよ」
 祖母と叔父の喧嘩じみた会話と同時に、二人が取っ組み合い揉み合っ
ているような物音が途切れることなく続いた。
 洩れ聞こえる二人の声と、身体と身体が揉み合っているような気配か
ら、祖母が叔父に襲われているのが加奈子にも窺い知れた。
 やがてあるところから、絶え間なく聞こえていた声と物音がパタリと
止み、不気味な沈黙が続いたかと思うと、
 「ああっ…だ、だめっ」
 という祖母の甲高い声が、突然加奈子の耳に入ってきた。
 引き続くように、
 「ああっ…ゆ、許して…よ、洋二さん」
 という祖母の、それまでの居丈高な声質とはまるで違う女々とした声が
加奈子の耳に突き刺さるように聞こえてきた。
 最初の時の声とは明らかに違う祖母の声だった。
 「ああっ…よ、洋二さん…そ、そんなことされると私…」
 「うん?そんなことされるとどうやって?」
 叔父が祖母の身体のどこかの部分を淫靡に責め立てているのが、加奈子
にもわかった。
 「はっきりいわんか、洋子」
 「ああ…は、はい…お、おまんこを舐められると…私…おかしくなる」
 「このくされおまんこか?」
 母と息子の聞くに堪えない下卑た言葉のやり取りに、加奈子は室の隅で
全身を丸く屈め、両手で耳をさらに強く塞ぎ込むしかなかった。
 狡猾な叔父は加奈子が隣室にいることを承知していて、祖母に恥ずかし
い言葉を吐かせているのだった。
 このまま思いきって立ち上がり、一目散に室を飛び出そうと、加奈子は
心の中で何度も思った。
 このまま何もせずにいたら、きっと叔父の毒牙は自分にまで突き刺さっ
てくるのはわかりきっていた。
 それでも何故か加奈子は、結果的には動けずにいた。
 自らの意思とは関わりなしに、一週間ほど前に叔父に強引に抱かれつら
ぬかれた時の記憶が、加奈子の頭の中を勝手に錯綜しきっていた。
 祖母と同じで強く拒んだはずの叔父の背中に、加奈子は最後の時は爪を
立ててしがみついてしまっていた。
 加奈子が室から逃げ出すこともできず、動くこともできずにいたのは、
意思とは裏腹に、女としての身体のどこかの部分が、狡猾で下劣極まりな
い叔父を許諾しているということを、哀しいことに彼女自身が気づいてい
ないのだった。
 「加奈子、いつまでもそったらとこにおらんと、早うこっちさこい」
 怖れていた叔父の濁み声が、加奈子の耳に突き刺さってきた。
 ビクンと全身を震わせ声を出すこともできずにいた加奈子だったが、
 「早うこんかっ」
 という叔父の一喝するような再度の濁み声に誘発されるように、加奈子
はその場にすっくと立ち上がっていた。
 そしてまるで催眠術にでもかかった夢遊病者のように、加奈子は襖戸の
ほうにゆっくりと歩を進めた。
 自分の手で加奈子は襖戸を静かに開けた。
 真正面の布団の上に祖母と叔父がいた。
 祖母は剥き出しにされた下半身を突き上げるようにして四つん這いにさ
れていた。
 下半身を剥き出しにした叔父が祖母の背後で膝立ちをしていた。
 祖母と叔父の身体が密着しているのがわかった。
 「ああ…か、加奈子…ご、ごめんね」
 四つん這いにされ背後から叔父のゆっくりとしたつらぬきを受けている
祖母の声が聞こえた。
 「加奈子、もっとこっちさ来て、服脱げや」
 祖母をつらぬきながら叔父が加奈子を手招きしながらいった。
 「ああっ…よ、洋二さん…お願い…加奈子だけは」
 長い髪を乱した祖母が切なげに顔を左右に揺らせながら、背後にいる叔
父に哀願の声を搾り出していた。
 無言のまま加奈子は叔父の手の届くところまで近づき、自らの手で衣服
を脱いでいった。
 「そこにお前も這え」
 全裸になった加奈子に満足げな表情を浮かべて、叔父は指図してきた。
 祖母と並ぶようにして加奈子は四つん這いになった。
 叔父の手の太い指がすぐに加奈子の下腹部に這ってきた。
 「ああっ…」
 と加奈子は頤を仰け反らせるようにして喘いだ。
 「加奈子、もうしっかりと濡れてんぞ」
 「ああっ…」
 加奈子自身もそのことはすでに自覚していた。
 「やっぱり祖母ちゃんの孫だやな。スケベなまんこしとる」
 叔父の太い指は加奈子の下腹部の裂け目の中に深く潜ってきていた。
 「加奈子、祖母ちゃんのしょぼくれたおっぱいさ、揉んでやれ」
 叔父が加奈子に命じた。
 真横にいる祖母の乳房のあたりに加奈子はいわれた通り手を伸ばした。
 下着の上から加奈子は祖母の乳房の膨らみを掴み取った。
 「ああ…か、加奈子」
 祖母が切なげに喘いだ。
 「気持ちええんか?洋子」
 「ああっ…は、はい」
 「加奈子も早う、儂のものが欲しいか?」
 と叔父に聞かれて、
 「ああっ…は、はい。欲しいです」
 と加奈子は正直な気持ちを伝えた。
 叔父がこの家の玄関の戸を開けて入ってきた時から、もしかすると加奈
子は、自身が気づいていないだけで彼女の身体はこうなることを待ち望ん
でいたのかも知れなかった。
 加奈子の心の中に叔父に対する嫌悪感は強く今もある。
 実の母親を奴隷のように蹂躙し、そして自分までも汚された叔父を憎い
と思わないはずはなかった。
 そんな叔父に結果として従順になり、犯されたいと願っている愚かな自
分自身が、まだ若い加奈子には理解できないままになっていた。
 「ああっ…いいっ」
 そうして加奈子は叔父からの、あのめくるめくような圧迫感を持ったつ
らぬきを受け、真横にいる祖母の目も憚らずに熱い喘ぎの声を上げた。
 四つん這いのまま叔父の強烈なつらぬきを受ける加奈子の身体の下に、
叔父の命令を受けた祖母の顔が潜り込んできていた。
 祖母の舌と口が加奈子の乳房を這い巡っていた。
 何にも例えようのない快感が、加奈子の全身を襲っていた。
 意識を失う寸前あたりで、叔父が加奈子の身体から離れた。
 畳みに胡坐をかいた叔父からの命令で、加奈子は祖母の裸身にしがみつ
いた。
 祖母にも同じ命令が下され、二人は叔父の前で激しく抱き合った。
 七十四歳の祖母と二十五歳の加奈子の裸身が、激しく揉み合うように抱
き合い唇を幾度となく重ね合い、舌を絡め合った。
 「ああっ…お祖母ちゃん…好き」
 「か、加奈子…い、いいわ」
 加奈子の下腹部に祖母の舌が這い、祖母の下腹部を加奈子の舌がいとお
しげになぞった。
 それをさも楽しげな表情で見る叔父。
 狂気に満ちた熱い空気が、六畳の室の中に長く充満した。
 精力旺盛な叔父はそれからも、祖母と加奈子の二人の身体を交互に長く
卑猥に責め立てた。
 途中で祖母のほうが先に意識を喪失し、布団にあっけなく崩れた。
 「やっぱり若い女の身体がええな」
 そういって叔父は、加奈子を長く激しくつらぬきと愛撫を繰り返し続け
た。
 「ああっ…お、叔父さんっ…いいっ…こ、こんなの…ほんとに初めてっ」
 布団に仰向けになった加奈子に、叔父のいかつい身体が深く覆い被さっ
ていた。
 死んでしまうくらいの強烈な圧迫感を、加奈子は下腹部に受け続け、叔
父のがっしりとした肩に両手を強くしがみつかせていた。
 そして加奈子は叔父からの迸りのどろりとした粘液を、顔面と口の中に
しとどに受けると同時に意識を失くした。
 それからどれくらいの時間が経ったのかわからなかった。
 顔に温かい布地が這っているのに気づき、加奈子は意識を覚ました。
 祖母の顔が真上にあった。
 祖母に温かいタオルで顔を拭かれていた。
 叔父の姿が消えていた。
 「加奈子…ほんとに、ごめんね」
 加奈子の顔を優しく拭きながら、祖母が涙声でいった。
 「あんた、もうここにはおらんほうがええよ」
 祖母はそう言葉を続けて、また嗚咽を長く洩らした。
 茫漠とした意識の中で、加奈子は祖母のいう通りにしようと、心に強く
誓った…。

 加奈子の衝撃の告白に、僕はまた何一つ返せる言葉もなく、ただ黙って
聞くだけでした。
 ここまで赤裸々に自分の恥まで僕に晒して話す加奈子の、ある意味での
芯の強さみたいなものに、僕は心の中で敬服に近い思いでいました。
 「加奈子は芯が強そうだから、大丈夫だよ。どこでも立派に生きれる」
 それが僕の加奈子への精一杯の言葉でした。
 「私…あの街に戻っても、これまでと同じように、私からあなたに連絡
することは絶対にしません。…でも、あなたからもし連絡もらえたら、そ
の時は一杯甘えちゃう」 
 「君のことを忘れることはない」
 「その言葉だけで、私、とても嬉しい…」
 僕はもう一度加奈子の細い肩を抱き、唇に軽く唇を触れさせて、
 「今夜はこのまま抱き合って寝ようか…」
 と彼女に笑顔を見せていいました。
 「朝までずっと手を繋いでいてね…」
 そういって加奈子は、手の指と指の間に指を絡ませる恋人繋ぎ
をしてきて、
 「私…今、本当に幸せ」
 とはっきりとした声で僕にいってきました。
 そうして二人は朝まで手を離すことなく、深い眠りの中に入っ
たのでした。
 一泊の旅が、遠い北国のせいか、随分と長い旅だったような気
が僕はしていました。
 眠りにつく寸前に、僕の頭の中をまた義母の亜紀子の顔が過ぎ
っていました…。


      続く

(筆者付記)
長いブランクをおいてしまい申し訳ありませんでした。
体調を崩して十日ほどの入院を余儀なくされたためですが、おかげで
無事完治しましたので、また、拙文を掲載させていただきたいと思っ
ていますのでよろしくお願いします。
尚、どなた様か私になり代り掲載の遅れを詫びてくれていたようです
がお礼を申し上げていいのかどうか、思案に暮れているところです。
また色々なご批評いただけたら幸いです。

         浩二
 
15/11/12 03:33 (W4Dsjq2m)
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投稿者: 無無名
浩二様
義母・亜紀子のファンですが、旅情編の新しいレスが
2015.09.20の旅情編に成っています。
新しい旅情編は 2015.10.05のものがあります。

次回から 修正方向で検討して下さい 宜しく。
15/11/12 07:02 (jusbyD0Z)
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