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1:双子姉弟 Ⅲ
投稿者:
ター
◆a.aCHZRLb6
アーとの初体験をしたあの日。
泣き出すアーの声を背中に聞きながら部屋を飛び出した僕は、ただ廊下で呆然とし ていました。 『アーに嫌われた!』 初めてセックスを経験した高揚感よりも、アーを泣かせてしまったという罪悪感 で、今にも僕は押し潰されそうでした。 ――さわんなぁっ!!・・お前なんかあっち行けぇっっ!!!!! アーの声が頭の中に響いています。 あれほど強烈に拒絶されたのは生まれて初めてでした。 『・・なんて事をしてしまったんだ!』 アーとのセックスは心から望んでいた事ですが、そのためにアーに嫌われるつもり はありません。 でも今になってそんな事を思っても、後の祭りです。 もう二度とアーと笑って話す事はできないかもしれない・・・。 僕もアーのように声を上げて泣きたい気分でした。 自分が全裸のままでいる事に気付いたのは、しばらく経ってからでした。 脱ぎ散らかした服はアーの部屋の中です。今さら取りに戻る事もできません。 ふと見ると、チ○ポがアーの血で僅かに赤く染まっていました。 アーの身も心も傷付けてしまった事実を洗い流したくて、僕は一心不乱にシャワー を浴びました。 全身を何回も洗いましたが、それで僕の罪まで洗い流せる訳でもありません。 服を着た僕は、そっと音を立てないように家を出ました。 アーの部屋の前を通りましたが、中からは物音一つ聞こえませんでした。 時刻はまだ午前。 とても長い一日でした。 『このまま家に帰らなくても良いのなら・・・』 そう何度思ったか・・。家出することまで考えましたが、実行する度胸はありませ ん。 図書館まで行ったりして時間を潰し、結局薄暗くなる頃には家の前に立っていまし た。 玄関をそっと開けると母さんの靴がありました。 『まさか母さんに言ってないよな・・』 この時になって初めてその可能性に思い至り、入ろうかどうしようか玄関先で躊躇 していると、 「あ、おかえりー・・・お母さーん、ター帰ってきたよー」 と、アーがいつもと同じように声を掛けてきたのです。 「遅いよー、なにしてたの~?」 本当にいつもと変わらないアー。 午前中、あんな事があったのに。いえ、あんな事をしたのに。 「あ、いや・・・ちょっと・・・・・」 夢でも見たような気分とはこの事でしょう。 帰りが遅かった事への母さんの小言は適当に聞き流し、僕は部屋に戻りました。 途中でアーの部屋を覗きましたが、ベッドは整えられてシーツも交換されたよう で、午前中の痕跡は欠片も見当たりません。 『・・・夢?・・』 そうだったら良いのに・・と、心から思いました。 しかし、そう都合良くいかない事はすぐ思い知らされました。 夜の勉強の時、アーが僕の部屋に来なくなったのです。 それは僕と二人きりになるのを避けているようにしか見えませんでした。 僕の勝手な思い込みに過ぎなかったのかもしれませんが、アー本人に聞いて確かめ る度胸はありません。 こうして僕は、その後何日も悶々として過ごすことになりました。 お盆には単身赴任中の父さんが帰ってきて、家族で父さん母さんの実家に行ってお 墓参りをしたり。その帰りに温泉に泊まったり。 その間もアーは以前と変わらぬ態度で僕に接してきました。 でも、そんなアーの姿こそが無言で僕を責めているようで、正に針のむしろに座ら せられた気分でした。 そんな毎日に、遂に僕は耐えられなくなりました。 夏休みも終盤に入ったある日の夜、僕はアーの部屋へ行ったのです。 「アー、入るぞ」 ドアをノックした僕は返事も待たずに部屋へと入りました。 「・・どうしたの?」 突然の僕の来訪に、少し驚いたような表情。 あの日以来のアーの部屋です。 ほぼ二週間ぶりに嗅ぐ、部屋いっぱいに満たされたアーの匂い。 そして思い出される、アーの身体の肌触りと温かさ。 それだけで僕のチ○ポが僅かに反応し始めました。 「・・・なに?」 「・・あのな、ちょっと話があるんだけど・・・」 アーに促されて、僕は何を言えば良いのかと言葉を探しました。 「・・・・・・あの、この間の事・・なんだけど・・」 途端に目を伏せるアー。 『しまったかな?』と思いましたが、そのまま話を続けるしかありません。 「・・・あ~、身体の方は大丈夫か?・・・あの・・痛かったトコとか・・」 「・・・・・・うん・・・もう・・平気・・・」 「・・あ、そか・・・・・」 次の言葉が見つかりません。 アーも僕も顔を伏せたまま、無言の時間が過ぎていきました。 「あのさ、明日ヒマ?・・時間ある?」 「えっ?」 突然のアーの言葉に驚いて顔を上げると、アーがまっすぐ僕を見ていました。 それも笑顔を浮かべて、です。 「二人でどっか遊び行かない?・・ね、久しぶりにデートしようよ」 「・・え・・・あぁ、俺は・・いいけど・・・」 「よし、決まり!」 そのままアーの勢いに飲まれて、待ち合わせ場所や時間まで決められてしまいまし た。 「はい、じゃあ明日!・・寝坊して遅刻なんかすんなよ!」 『家の中より、外の方が色々話しやすいか・・・』 そう思った僕は了承の意を伝えてアーの部屋を出ました。 『アーとデート・・・』 この夜は朝方まで眠る事ができませんでした。
2010/10/16 18:47:59(Y/ymjW0J)
投稿者:
たまのり
◆1KAwi07cG.
次回作も 期待しています!
10/11/04 23:16
(iMGz6m2e)
投稿者:
(無名)
次はまた新スレで書いてね^^
10/11/05 17:14
(tVB2N2bi)
投稿者:
(無名)
読み直しアゲ
11/03/21 20:07
(Qsa5Htme)
投稿者:
(無名)
あげ
12/07/30 13:56
(KF.ZfAoL)
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