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1.夢の中
僕は目を開けると薄暗い部屋の中に居た。 知らない部屋だが、僕は(またか)と思った。 と、同時にこれが夢だと理解もした。 この薄暗い部屋が実際にあるのかどうかは分からないけど、数日前から毎日みる夢は必ずこの部屋から始まる。 僕はいつものように振り向く。 振り向くと薄暗い部屋の隅にある、小さめでボロボロの小汚いベッド。 そのベッドに座る女性。 女性の顔は暗くてまだ見えない。 ボサボサで腰ほどある髪が邪魔で表情も分からない。 ボロボロで小汚いベッドには不釣り合いな程の綺麗な白い色のワンピース姿だ。 不穏な空気に当初は困惑し恐怖があった。 しかし何度も見た夢なので、もう怖さは無かった。 ただ、イライラが募っていた。 毎晩見るこの夢は僕にとっては不快でしか無かった。 僕は女性の隣に座る。声をかけるが無言で俯いている。肩を掴んで揺らしても、怒鳴り声をあげても反応は無い。 イライラは溜まるばかりだ。 (どうせ夢だ。。それなら、、、) 僕は女をベッドに押し倒した。少しだけ女が口を開き驚いた顔をした様な気がした。 僕は綺麗な白色のワンピースを力の限り引きちぎる。 ブラは着用していなかった。 月明かりに照らされた女の身体は、どこか芸術的な魅力があった。 胸は大きく、形が良く乳輪や乳首も初々しさを感じた。 僕は女の裸体に興奮し、チンコが硬く熱くなるのを感じた。ドキドキした。 僕は女の胸を揉み、乳首を抓った。 女の表情は髪で見えない。反応も無い。 それでも、何故か女も興奮していると確信していた。 乳首を舐め、吸った。同時に指を女の口の中に入れ、やらしく咥えさせた。 女の陰部に手を添えると、冷たい身体とは対照的に陰部は熱くなっていた。そして、ヌルヌルとした液が膣から出てきていた。 僕は前戯も忘れ、硬くなったチンコを女のマンコにねじ込み、奥をついた。 女は声を出さないものの、それまでの無反応から一転してベッドのシーツを逆手で力強く握り、腰を仰け反らせた。 僕は激しく、何度も何度も奥をついた。 息が切れ、汗だくで、激しく動く度に汗が女の身体に飛び散った。 女の膣肉はギュっと締まり、僕のチンコを奥に引き込むような、やらしい感触だった。 気持ちいい。あまりの気持ちよさに僕はすぐに果ててしまった。 絶頂と同時に目を覚ました。 僕は汗だくになっていた。そして、夢精していた。息も切れている。 (また、、あの夢か、、、) 僕はすぐにスマホを見る。時刻は5:30。本来起きるはずの時間より1時間も早く起きていた。 夢精してベトベトのパンツを脱ぎ、洗濯カゴにいれてシャワーを浴びる。 夢精したはずなのに、まだチンコは硬く心も興奮していた。 数日前から見る夢。 暗い部屋の中に、声をかけても無反応な女。 いつも同じ内容だった。 ただ、今日は違った。 今まではその不気味な状況に怯えて目が覚めるが、今日は女を押し倒してレイプした。 夢のはずなのに不思議と手には女の胸の感触が残っている。そして甘い匂いも。 挿入した時、女は確かに感じていた。 身体をビクつかせ、声を出さないように歯を噛み締め、、、、 思い返してふと、女の口に入れた指が痛い事に気づいた。 指を見て僕は背筋が凍った。 指の根元に歯型がついていた。
2025/02/05 12:34:52(51jPrU6w)
7.藤さんの話
藤さんと電話している時は必死だったから気にしていなかったが、自分の部屋を待ち合わせ場所にした事を失敗したと思った。 僕の部屋はだいぶ散らかっていたし、ここ数週間は掃除もしていなかった。 ギリギリ床は見えるが、このまま行けば床の見えないゴミ屋敷になってしまう。 藤さんに叩かれて、身体が楽になったせいなのか、僕はいつもよりも正気になった気がした。 だから、何故ここまで散らかしていたのか?とても恥ずかしく思った。 藤さんは気にする素振りもせずに、唯一綺麗なベッドに腰掛けた。 僕は床に座る。 「佐藤くん、久しぶりだね。」 藤さんはにこやかに笑う。 藤さんは小柄だけど肉付きは良いように見えた。 長袖の紺のカーディガンの裾から見える手首は色白だが、健康的に見えた。 長めの前髪をピンで斜めにながし、その他の髪の毛は邪魔にならないように後ろで結っている。 髪は多分肩ほどの長さだろうか? 「さっきはビンタしてごめんね。でも、いくらか身体が軽くなったでしょ?」 藤さんはわざとらしく、拝むような仕草で申し訳なさそうに笑う。 僕は頷いて言った。 「うん。ありがとう。最初はビックリしたけど、その、、なんて言うのかな?正気に戻った感じがする。」 「あ、藤さん、、なんで電話してきたのが僕だって分かったの?田中くんから聞いたわけじゃないの?」 僕は藤さんに色々聞きたい事があった。 「あー、、じゃあ、まず私から説明しようか。」 藤さんは真剣な顔になる。 「まず、家の電話が鳴った時は佐藤くんだって分からなかった。ただ、直感だけど取っちゃ行けない電話だと思ったの。」 藤さんが言うには、怨念とか憎しみなどの負のオーラがある相手からの来た電話を辿ってこっちにも負の影響が来るらしい。 そして、僕からの電話が鳴った瞬間から絶対にとってはいけないと思えるくらい、負のオーラを感じたそうだ。 負のオーラを抱えている側に、こちら側、つまり藤さんからかける分には影響は無いので、電話のコールが鳴りやむまで待ち、藤さんから折り返しの電話をしたのだそう。 「で、佐藤くんが電話に出た時に、何となく佐藤くんの顔が思い浮かんだの。」 「そっか、それで佐藤くん?て疑問形な言い方してたんだね。」 「うん。でもね、電話口からは佐藤くんの声よりもノイズの方がすごくて、、、」 ノイズ? 僕は電話してる時気づかなかった。体調が優れなかったからそこまで気にしてなかったのかもしれない。 「ノイズ凄いのって結構ヤバい感じなのね。だから、早く会わないと手遅れになるって思ったの。」 藤さんはノイズと表現したが、一般的には霊障の類のようで、それが関係ない他人にも五感で体感出来るレベルはかなり危ないらしい。 「で、いざ佐藤くんを見たら、正確な姿は分からないけど、佐藤くんの身体にまとわりつく様に黒いモヤが絡まってたの。佐藤くんの顔つきも今と全然違った。だから、とりあえず応急処置でビンタしたの。」 応急処置がビンタな理由はよく分からなかったけど、たしかにビンタのおかげで体も心も楽にはなった。 ここまでの話を普段なら信じないだろう。しかし、今の僕は藤さんの説明を全て鵜呑みにするくらい信じた。 僕は藤さんにお礼を言った。 本当に死ぬかもしれないという恐怖、そして夢の中の出来事が苦しくてしょうがなかった。 でも、為す術がなくわらにも掴む思いだったから。 子供の頃は藤さんの事をバカにしていたし、直接バカにしていた訳では無いけど藤さん本人もそれは感じていたはずだ。 それでも、心配して助けてくれた事には反省と感謝しかない。 「じゃあ、、佐藤くんの話聞かせてもらっていい?包み隠さずね?」 見透かされてる気がしてドキッとした。 夢の中のレイプの話は自分自身恥ずかしく、藤さんに嫌悪感を抱かれるのではないか? そして、昨日見たいつもと違う女を犯した夢への罪悪感もあり、本当に犯していたら犯罪者として見られてしまうのではないか? この期に及んでそんな事を考えてしまっていた。 僕は意を決して、全て赤裸々に説明を始めた。
25/02/10 02:08
(n7mQpb88)
8.真相?
数週間前から知らない薄暗い部屋に女の人がいる夢を見ること。 ある時、イライラしてその女をゆめのなかでレイプした事。 気持ちよくてそれから毎日夢の中でレイプした事。 レイプした後目が覚めると夢精していた事。 段々と体調が悪くなってきていたけど、夢と関係があるかもしれなくても、気にしないようにしていた事。 健康診断では栄養価だけ低かったこと。 そして、、昨日いつもと違う女の人を犯したこと。 一通りの経緯を説明した。藤さんの表情からは嫌悪感も何も分からなかった。 ぼくは続けて、不安に思っている事と考察した事を伝えた。 あの女か、もしくは別の何かが、同じ夢を見る中で僕の体を少しづつ乗っ取ってきている事。 そして、昨日の別の女は夢ではなくて現実で、僕は本当にレイプしてしまったのではないか? つまり、僕のしている事は夢から現実になりつつあるのではないか? 体調不良もお化けか何かに乗っ取られて来ている為ではないか? 話終えると僕は改めて怖くなっていた。 「でもさ、夢が現実になるなんてそんな事あるの?」 藤さんは少し考えた後に、真顔で言った。 予想してない問にポカンとしてる僕に藤さんは続けて言った。 「だってさ、もしもその女の子を犯したのが現実だとして、どうやってその女の子の所に行って、帰ってきたの? 現実なら女の子も抵抗するしもっと驚くんじゃない?」 それは、、そうなんだけど、、。 藤さんは不思議な事を言うのにこういう所はやたら理屈な事を言うので、そこにも驚いた。 「あとさ、もしそのいつも見てる夢の女の方が佐藤くんの体を乗っ取るとして、なんで現実で女の子をおかすの??レズって事??」 藤さんの疑問はごもっともだけど、それ以外に何が考えられるのだろう? 藤さんも散々、不思議な、、非現実的な事ばかり言っていたのに、急に現実的な話をして来るので僕はギャップに戸惑った。 「ほかに、、何が考えられるの?もう、分からないよ」 素直に僕は言った。 藤さんは、不敵な笑みを見せて、 「あくまで仮説だけど。」 と前置きをして答えた。 「まず、その夢を見せてる主は、いつも出てくる女で間違いないと思う。」 「その主をレイプしたって言ってたけど、レイプさせるように誘導してたんだと思うの。佐藤くんは中出ししたんだよね? 現実では夢精という形で精子を出てたけど、夢の中では中出しで出てたのは、佐藤くんの生気なんだと思う。」 僕は驚いたし、それが顔に出たと思う。 「少しづつ、佐藤くんの生気を吸い取ってたんだよ。レイプ、、セックスで佐藤くんが射精する度に。そう考えると色々合点が合わない?」 僕は考えた。 確かに、レイプした日から体調不良が日を追うごとに強くなり始めていた。 それは、僕の生気を抜かれ始めたから。 生気を抜かれる事で、僕の栄養も抜かれているのなら、栄養失調な状態になっている事も納得はする。 少しづつ点と点が結ばれていく。 「でも、、だとしたら、、あの女に中出しをする度に生気を抜かれてるなら、なんで昨日は別の女の子が夢に出てきたの? 生気を抜くのが目的ならいつも通りあの女の夢でいいはずだし。」 「うん、そこだよね。結論から言うと、佐藤くんの精神を衰弱させるためだと思う。」 「順を追って話すね。」 「まず、佐藤くんの生気を抜く理由は、その主が力をつけるため。夢に出るくらいしか出来ない幽霊だもん、元々はそんな影響力も無いだと思う。」 「だけど、佐藤くんが生気を抜かれて段々と体調不良になっていく反面、主はどんどん生気を吸い取って力をつけて行った。」 「そして、充分に力をつけた主は最後の仕上げをしようと考えた。それが、佐藤くんの精神を壊すこと。」 「多分昨日見た女の子は、この世のどこかに実在するんだと思う。波長が近かったんだろうね。 その女の子の夢に入り込んで、佐藤くんはいつものようにレイプした。」 「けど、いつもは中出しすれば生気を吸われるのに、今回はそれは無い。夢が最初から最後までいつもと違うし、オマケに賢者タイム?だっけ?それのお陰もあって、佐藤くんはあたかも本当に悪い事をしたかのように思った。」 藤さんは「まあ、悪いことなんだけど」と付け加えた。 「それまでは主の夢に魅せられて考えが鈍っていたのに、佐藤くんはそこで一旦正気に戻った。だから、色々考えてしまい、恐怖とか不安とか罪悪感とか負の気持ちで精神がボロボロになった。」 「力をつけた主からしたら、精神が弱ってる人間は格好の餌食だからね。弱らせたらあとは食べるだけ。どういうことかわかる?」 僕は、絶句した。 「佐藤くんの体を乗っ取ろうとしたんじゃなくて、佐藤くんを殺そうとしてるんだよ。その女の主は。」 僕は言葉が出なかった。藤さんの説明の続きを待った。 「もし力があればすぐにでも殺そうとしたんじゃないかな?だけど、力が弱いからそんな手間のかかるやり方をしたんだと思うよ。」 「あ、でも理にかなってると思う。だって、その主をレイプっていう憎しみや恐怖、利己的な快楽という感情の方法を使ったんだから、尚更力は強くなると思うし。」 「てことで、ここまでで質問ある?」 一通り説明をした藤さんは深くため息をついた。 「、、、。昨日の女の子は、、夢って事でいいのかな。現実って事はなさそうなの?」 「うん。でも、その女の子も夢とはいえ自分の夢だから、佐藤くんにレイプされた夢を見てたと思うよ。」 「、、、そっか。」 不幸中の幸いだ。1番心配していた現実でレイプをした訳では無いということなら、、、。 僕は安心していた。それを見越した藤さんは付け加えた。 「安心するのはまだ早いよ。その主は恐ろしいくらい力をつけてる。もしかしたら、今日にも佐藤くんを殺しにくるかも」 「え、、でも、さっき藤さんが払ってくれたんじゃないの?」 「言ったでしょ?あれは応急処置だよ。」 僕はドキッとした。背筋が凍る。 「なりを潜めて入るけど、まだ佐藤くんの中に取り憑いてる。なりを潜めてるのに禍々しいよ邪気が。」 「そんな、、、」 ホッとしたのも束の間に、今度は新たな問題が起こる。力をつけた女、、、主は、いよいよ僕を殺しにくる。 「どうしたらいいの?」 藤さんは少し困った様に言う。 「私にはさっきのビンタが精一杯だよ。」 「そんな、、、」 僕は絶望した。 「ねぇ佐藤くん、その主に心当たりないの?」 僕は思い出したけど見当がつかなかった。それでも、過去、大学時代に心霊スポットをまわった事などを話した。 「んー、、、それだけだとちょっと分からないね。」 藤さんはだいぶ考えるように眉間にシワを寄せた。 何やら自問自答している様だった。 が、首を横に振って、口を開いた。 「あのね、私がよくお世話になってた師匠みたいな有名な霊能力者さんがいて、佐藤くんと合流する前に電話してみたの。」 「え、、そしたら?」 「今海外にいるらしくて、あと二週間は日本に帰ってこないみたいで、、、代わりに、近くの有能な神社の神主さんを紹介してもらったから、今から行かない?」 「えっと、、お祓いしてもらうってこと?」 「うん。でも、正直上手くいくかは分からないよ?」 「、、、。」 僕は少し考えた。いや、考える必要も無い。 「行くよ。そこ教えてくれる?」 僕がそういうと、藤さんは少し不安そうな反面、決意をさしたように答えた。 「うん。私も行く。」
25/02/10 03:47
(mr0Jx7Le)
9.窮地
藤さんの車で1時間弱走らせて着いた神社は大きな鳥居と荘厳な社を構えていた。 界隈では有名な神社らしい。 優しそうな初老の神主さんは僕を見るなり、顔つきを変えた。 「何をしたらそんな厄災を背負う事になるのか!?」 そういうと神主さんは、僕の話を聞くともお祓いも拒否した。 藤さんが頑張ってお願いをしてくれたが、神主さんは払う事は無理だと頑なに言い張った。 しかし、代わりに別の神社を紹介してくれた。 「ごめんね。」 神社を後にする時に藤さんは僕に謝った。 「え、違うよ。謝らないで。悪いのは僕だから、、。僕の方こそこんな事に巻き込んでごめん。」 藤さんは少し顔色が悪く感じた。 紹介された神社をナビでセットするとここから2時間かかる山奥である事が分かった。 藤さんは躊躇うことも無く、紹介された神社に向かってくれた。 僕は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 「さっきさ、、神主さんが厄災って言ってたでしょ?」 不安そうな顔の藤さんは緊張気味に言った。 「もしかしたら、悪霊とかの類いじゃないのかも、、、。」 「それって、、、」 僕は考えを巡らせようと思ったが背筋が凍った。 何が僕に取り憑いてるのかは分からないけど、想像よりも恐ろしい物がついているのかもしれない。 時刻は20時を周り、外は真っ暗闇だ。 ようやく着いた神社の駐車場には既に神社の人が数人立っていた。 どうやら、先程の神社の神主さんが連絡を事前にしてくれていたようだ。 待ってくれていた人達に案内をされる。 だいぶ歴史のある神社のようだが、先程の神社の様な神々しい感じはしない。 本堂と言う所に通されると、神主とおぼしき人が座って待っていた。 正面に座るように促されて僕は座った。 案内してくれた人達は、何やら色々準備をしている。 ご高齢の雰囲気の神主さんは仏頂面を崩さずに、僕の説明を聞いてくれた。 一通り話し終えたあと、やはり仏頂面を崩さずに神主さんは口を開いた。 「お付の方が賢いですね。お寺では無く、神社に来たのが正解でした。これはそこら辺の霊とは違う。神とか妖怪の類いの様だ。」 藤さんを見ると、藤さんは何も言わずに真顔で神主さんを見つめていた。 「しかし、理解できない。何故こんなにも物騒な物に取り憑かれたのか? 原因が分からない状態でのお祓いは相当厳しいのです。事態を悪化させる可能性もあります。」 「さらに不運なのは、今がもう漆黒も深い夜ということ。お連れの方にも見えているでしょう?彼の背中に恐ろしい姿で憎しみの目で恨めしく笑う女の姿が。」 僕は驚いた。体調は悪くないし自分では何も感じない。だが、神主さんには見えているらしい。 そして藤さんにも。。。 「はい、、その前に行った神社の時から、、。 でも、姿は見てません。見たら私まで何かよからぬ事をしそうな気がして、、。直視できないです。」 だから、藤さんは顔色が優れなかったのか。 長距離の移動でも、夜遅くなっていても、僕をここまで連れてきてくれたのは、そういう事なのだ。 「やはり、賢明な方ですね。目を合わせれば貴女も殺されていたでしょう。」 藤さんは緊張気味に言った。 「多分、私たちがお祓いをしようと考えて行動したことで、取り憑いてる物の怒りを買ってしまったんじゃないかと思います。」 神主さんは顔色ひとつ変えずに仏頂面で頷いた。 「でしょうね。話を聞く限り、だいぶ時間をかけて彼の生力をそいで来た。呪い殺す日を待ちわびていた所に邪魔をされたとなれば。。。」 僕は神主さんの話に不安になってきた。それに伴って背中が重苦しくピリピリと痛む様な気がしてきた。 気のせいなのか、それともあの女の仕業なのか、それは分からなかった。 「ハッキリ言って理由が分からない限り、私にも祓う事は無理に近いです。」 神主さんは無機質に答えた。 僕はその言葉に絶望した。地面がないようなふわふわとした感覚が襲う。 「あの、、もし原因が分かったら祓えますか?」 藤さんが神主さんに聞いた。 神主さん、初めて表情を作り、目元をピクつかせて藤さんの方を向いた。 「なんとも言えませんけど、原因が分かれば祓える可能性は高くなります。それしか言えませんね。」 藤さんは、深くため息をついて「分かりました。」と一言だけ言った。 そして、僕の方を見ずに僕に対して問いかけた。 「佐藤くん、一つだけ原因がわかる方法があるの。それなりにリスクはあるけど、、どうする?」 僕は驚いた。そんな方法あるの? 是非、原因が知りたい。 確かに藤さんは不思議な人だ。電話をしてから今の今まで物凄い頼りになり、支えになってくれている。本当に感謝してるし、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。だから、 「リスクって、、それは僕の?藤さんの?」 聞かずには居られなかった。 リスクが僕にあるのなら、どうせ死ぬかもしれない状況だから喜んでYESと答える。 でも、もしリスクが藤さんにあるのなら、、、。 僕の質問の意図に気づいたであろう藤さんは笑顔を作って答えた。 「こんな状況なのに優しいね。 両方にあるけど、どちらかと言うと私にリスクがある。」 「それなら、僕は辞めとくよ」 藤さんは首を横に振った。 「私のことは心配しないで。というか、この際だからハッキリ言うけど、佐藤くんが殺されたら次のターゲットは私だと思う。そんな気がしてるの。」 藤さんは僕の方を振り向いた。 思わず驚いた顔をしてしまった。 (ダメだよ!こっちを見たら良くないんじゃないの!?) 心の中で思った。それを言う前に藤さんが口を開いた。 「ここまで来たら最後まで付き合うから、あとは佐藤くんが決意して」 藤さんのその言葉に、まっすぐ見つめる瞳に僕は内心はまだ決意出来ていなかったのに、自然と頷いていた。 藤さんはニコリと笑い、顔を寄せ、静かに唇を重ねてきた。 驚く間もなく、不思議な感覚が襲った。 忘れていた大学生の頃の鮮明に過去が蘇る。走馬灯のようだ。 藤さんが唇を離す、その瞬間、どっと冷や汗をかいた。 藤さんは唇を離したあと、ゲホゲホと咳をしながら嗚咽していた。 僕が藤さんに大丈夫かと声をかけようとするのを、藤さんは手を出して止めた。 「ゴホッ、、ゴホッ...、、ハァハァ。だ、大丈夫。」 神主さんは目を見開いて一連の流れを見ていた。 藤さんが落ち着いた頃に、漸く話し始めた。 「今、、キスをして、、女の感情とその起因となった佐藤くんの過去が、、、見えました。今からそれを、、話し、、、、ます。」
25/02/10 17:00
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10.正体
準備を終えたのか、神社の人達は僕らより畳2畳分程後ろに横一列で座っている。 みんな固唾をのんで藤さんを見ていた。 藤さんは息を整えて話し始めた。 「まず確認したいんだけど佐藤くん。山間にある古いダムの近くの祠に行ったことある?」 「、、、ある。」 僕は藤さんとキスをした時のフラッシュバックした記憶で思い出していた。 それまでは散々としてまとまりのつかなかった記憶が順を追って鮮明に呼び起こされている。 「佐藤くん達はダムの周りをウロウロして、祠を見つけた。祠の中には何も無かった?」 「うん。そもそも、目的はダムの近くの道にオバケが出るって噂があって。それでダムの周りをウロウロしてた。祠はたまたま見つけたんだ。」 「祠の形は覚えてる?」 「うん、、、思い出したよ。装飾されていない、古いボロボロの木製の小さな鳥居があって、その奥に大きめの岩があった。 大きめの岩の上に家のような形をした祠があって。でもだいぶ年月も経ってて、手入れをされている感じは無かった。仲間のひとりが中を開けたんだ。だけど中は空っぽだった。」 「なんと罰当たりな」 神主さんが思わず口を挟んだ。 本当にその通りだと思う。僕は自分達の愚行に胸が苦しい思いだった。 「そこには佐藤くんも含めて5人で行ったのかな。」 藤さんは気にせずに話を進める。 「うん。大学の先輩2人、僕と同期で3人。」 「そのうちの1人が、近くで棒の様な物、例えるとキュウリ程の大きさの物を拾ったよね?」 僕はそれは覚えていない。というか気にして無かったのかもしれない。 「、、、分からない。けど、多分拾ったかもしれない。」 「その人は車までの道をその棒を持って歩いてた。けど、要らないと思ったのか、飽きたのか、、帰り道でダムに投げ捨ててるの。」 「あ!」 それで思い出して思わず声がでた。 先輩の1人がダムに木の枝のような物を投げていた。その時はなんとも思っていなかったが、それかもしれない。 「うん、なにか投げてた。ブーメランみたいに投げて、、、結構飛んでダムの中に落ちた。」 本殿の中の人たちは僅かにどよめきが起きていた。 神主さんはピクりと目元が動くが、一言も発しない。 「多分だけど、それが原因だと思う。」 藤さんは続けて言った。 「佐藤くんと一緒に行った人達、みんな死んでる。というか、殺されてるの。その女に。」 背筋が凍った。 「佐藤くん、あの時のメンバーと連絡は?」 「取ってない、、、。大学卒業してからは疎遠だったから、、、。」 あの時のメンバーは仲良かった。しかし、何か刺激的な事をしたいと思って集った仲だから、それ以外でも仲良くという関係ではなかった。 「キスした時に、取り憑いてる女の背景、感情が流れてきたの。 この女は力が無かった訳じゃない。隠してただけ。」 「女は怨念と殺意、憎悪、、、そして快楽で溢れてる。あの時のメンバーを1人ずつ、、ゆっくりと苦しめながら楽しんで殺してる。 佐藤くんはあの女の獲物の最後の一人。」 僕は地に足がつかない様なフワフワした感覚になった。平衡感覚が無くなったような、そんな感じだ。それだけショックが大きかった。 「ただでさえ女には恐ろしい程の力があった。それが佐藤くんを含めて5人、いや、、過去に遡ればもっと多くの犠牲者がいると思うけど、それだけ多くの人間の生気を奪って、更に強くなってる。」 「だとしたら、、、」 神主さんが口を挟むように静かに言った。 「今、私に見えている女の姿は、我々を欺く仮の姿と考えた方がよろしいですね。」 それに答える様に藤さんは頷いて言った。 「はい。正直、、、ここまで巧妙に姿を偽る悪霊は見た事がありません。推測ですけど、佐藤くんを殺したあとは、佐藤くんを含む5人に関わりのある人間を順番に、同じ手口で殺していくと思います。もしかしたら、また新たなターゲットを探すかもしれませんが。」 神主さんはため息をついてから答えた。 「でしょうな。仮にここで祓っても祓われたフリをして、変わらず貴方を呪い殺すかもしれません。 神職の人間を騙す程の力と知恵があるのですから。厄介な事だ。」 僕は堪らず会話に参加した。そうでもしないと、精神が持たなそうだ。それくらいメンタルを削られていた。 「あの、ダムに行ってその例の棒のような物を元に戻せばなんとかならないですよね、、?」 自分で言っておいて不可能な事は分かっていた。何せ5.6年も前の話だし、ダムは広くてもしかしたら底に沈んでいるかもしれない。 「お嬢さんの話を聞く限り、仮に棒を見つけて元に戻してお祓いや祈祷をしても、、、無駄でしょうな。もしかしたら、その棒を拾ったのも、その女に誘導された可能性すらある。」 「私もそう思います。」 完全に行き詰まった。僕は自分のこの先の運命を、、、殺されるという事を事実のように受け入れかけていた。 「ですが、、、」 神主はぽつりと言うと、その後力強く声を発した。 「やれるだけやってみましょう。今のお嬢さんが得た経緯だけでも、だいぶ女の姿が絞れました。それだけやれる事も対処も絞れるという事です。」 意を決した様に神主さんは立った。それを合図に後ろに座っていた人たちも一斉に立った。 「佐藤くん、大丈夫だよ。」 呆然として戦う決意のない僕に藤さんは優しく呟いた。
25/02/11 14:18
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11.お祓いと別の女の子の話
神主さんの祈祷が始まる。 僕はてっきりお経を唱えるのかと思って藤さんに聞いたが、それはお寺との事だった。 神主さんは青々とした葉が沢山着いた棒を一頻りに振りながら呟く。 その最中に他の人たちが用意した清めの塩と、日本酒?を目の前に出され、促されるままに塩をひと舐め、そして日本酒を口に含んだ。 不思議な事に、日本酒の味はせず無味無臭に感じた。 何時間だったのだろう。 祈祷?が終わり、汗だくの神主さんは一言 「結界の様な部屋を用意したからここで寝ていきなさい。あと2、3日はここで過ごす事になる。」 といった。 時刻は朝方5時を回ろうとしていた。 神主さんからは、ここでは沢山寝て良い事を言われた。結界の引いた部屋の中ならあの夢は見ないはずと。 そして、ここで過ごす際には良く食べ、良く運動し、よく笑うように言われた。 生気を増やすためには必要なのだと。そして、生気を養った状態になる事で、女の影響力を弱め、僕の抵抗力も増やす。 女を消滅させることは不可能だが、僕から取り祓い、再び元の場所に戻すか封印する事は出来るかもしれないという事だった。 スマホの使用や外部との連絡は禁止された。 理由は何となく分かるが、会社には無断欠勤になる事がいたたまれなくなった。 藤さんは「やる事があるから。」と、寝ずに車で神社を後にした。 藤さんは念を押すように「大丈夫だよ」と一言言った。 --------------- --------------- 同時刻、僕が結界の引いた部屋の中で寝た頃。から遡る22時頃。 とある地域に住む、須田優子という女性は不安でソワソワしていた。 優子は子供の頃から、変な事象に悩まされていた。 元々金縛りに逢いやすい体質だった。 小学6年生の時、金縛りにあった。 優子はいつもの事だと思いつつも、身体が動かない事が苦しかった。 しかし、その金縛りはいつもと違った。 部屋の隅から人の気配がした。 その人影はゆっくり優子の方に近ずいてくる。 優子は恐怖でパニックになったが身体は動かない。 その人影は優子の身体をゆっくり触れる。 服を着ているのに、服を貫通して冷たい指の感触が地肌に触れた。 優子は怖くて目をつぶった。 まだ発育途中の乳房を撫でられ、乳首を冷たい指が弾く。 怖い気持ちとは別の感情が芽生える。 何度も何度も乳房と乳首を触られる。 身体は動かない。しかし、下腹部の辺りが熱くなっている。もどかしい感覚だった。 それを察するかのように、人影は優子のあそこを触る。 電撃が走るような気持ちよさが優子の身体中を駆け巡る。 まだ何も入った事の無い優子のマンコの中に冷たい指が1本入る。痛くはなかった、それよりも頭がおかしくなりそうな気持ちよさが襲った。 あまりの刺激に身体をのたうち回らせたいのに、金縛りで動けない。声も出ない。 膣の中を刺激され、ちつの奥を刺激され、、 優子に何度も大きな衝撃の波が寄せた。 ふと気づくと朝だった。 股間はビショビショに濡れ、ベッドのシーツまでシミを作っていた。 まだ火照っている身体を起こし、鏡を見ると妙に色っぽい顔をしていた。 小6の優子はまだエッチな経験は無く、幼い知識だけはあった。 それでも、自分が乳首やアソコをいじられて何度も絶頂してしまった事は理解できた。 そんな経験を何度もしてきた。 最初は嫌だったし怖かった。 しかし、次第に嫌なのに感じてしまう事が癖になり、犯される事への性的な興奮に目覚めてしまっていた。 しかし、今の優子は恐怖の心が芽生えている。 それは昨日の夢がいつもと違ったからだ。 今までは触られるだけだった。 しかし、昨日の夢では、知らない男の人にチンコをマンコの中に入れられてしまった。 いつもの冷たい手と違い、マンコの中にねじ込まれたチンコは熱く硬くて大きく、ドクンドクンと脈を打っていた。 いつもと違う、いや、いつも以上の快感に、普段は金縛りで声が出ないのに、声が出てしまった。 そして、自然と手が動き、その快感を求めるように受け入れてしまった。 男に中で出された感覚がある。 そこで目を覚ました。 もちろん、目を覚ますと男は居ないし、精液も中には入っていない。 しかし、シーツの上にはいつも以上ののシミを作ってしまっていた。 須田優子は今年大学に入ったばかりで、彼氏もいない、男性経験も無い。 一人暮らしを始めたばかりだ。 挿入の気持ちよさは計り知れなかったが、中出しをされた事には抵抗感と不安が残った。 後味が悪く感じた。 (また、あの男の人が出てくるのかな、、、。) 優子は不安と恐怖があったが、それでもどこか心の隅では、あの抗う事が出来ずになされるがままに犯される感覚、そして、熱くて硬い肉棒にひたすら奥を犯される感覚、中出しされた時の感覚を味わいたいといういやらしい欲求もあった。 頭の整理がつかないまま、優子は眠りについた。 優子が目を覚ます。 いつもと違う部屋、、、ここは、、ラブホテルだろうか? 金縛りとは別に、手足が拘束されている感覚があった。状況を整理するまでに時間がかかった。 どうやら優子は知らない部屋で全裸のままベッドの上で四つん這いでおしりを突き出し、手足を拘束され、動けなくされているようだった。 そして人影が1人、2人と部屋の中に増えていく。 優子の突き出されたおしりに冷たく硬い大きなブツがはいる。 バックで何度も腰を振られた。 まだ濡れていないマンコはヒリヒリと痛みがあったが、直ぐに濡れてしまい、あっという間に快楽の波が優子を襲う。 昨日の夢で挿入された時とは違う場所をチンコが刺激する。 あまりの気持ちよさに、激しく喘いだ。 あまりの気持ちよさに、失禁を繰り返した。 人影が中で射精した。ドクンドクンと冷たい液が子宮の奥に広がる。 人影がチンコを抜くと今度は優子の目の前に来た。 人影は精液と優子の愛液まみれのチンコを、優子の口元に突き出した。 優子は自らそのチンコを舐めしゃぶった。 人影に髪を捕まれ、無理やり頭を動かされ、腰も振られた。 痛くて苦しいのに、ドンドンと興奮してしまう。怖いのに、無理矢理されるこのシチュエーションに子宮が熱くなる。 人影のチンコをフェラしてる最中に別の人影が優子のマンコにチンコを挿入し、腰を動かし始めた。 優子は快楽の波が止まらず、ひたすらいかされ狂う様に喘いだ。 頭がおかしくなりそうだった。 沢山の人影に何度も何度も中出しをされた。 気を失いそうになっても、なれない。不思議な感覚で、優子はこの状況を受け入れてしまっていた。 快楽の波は止まることなく、むしろドンドンと激しくなった。 急に左の頬に大きな痺れるような痛みが襲った。 ハッと目を覚ますと、自分の部屋だった。 そこで、今のが夢だったのだと気づいた。 左の頬がジンジンと痛む。 目の前には見知らぬ年上の女性が覆い被さる様にいた。 優子は寝起きということと、犯されていた余韻で頭がボーっとしていて驚く事が出来ず呆気に取られていた。 「叩いてごめんね。大丈夫??」 目の前の年上の女性は優しく言った。 どうやら、左の頬の強烈な痛みはこの女の人が叩いたからなのだと気づいた。
25/02/11 16:48
(iIhzcJo6)
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