ボディチェックが終わるとコーナーへ戻らされました。

それと同時にレフリーも退場しました。それが意味するのは、勝者が決まるまで、なんでもありの闘いが始まると言うことです。

私は深呼吸をして集中力を高めました。
２０歳の女子の柔肌を守る装備はビキニだけです。
すごい不安でしたが、それより相手を倒したいと言う気持ちが強かったです。

わたしはコーナーにもたれかかり、身体から流れる汗を拭いながら待ちました。そしてついに……

カァアアアン！とゴングが鳴り響きました。

私はボクシング漫画で覚えた、ファイティングポーズを真似て構え、少しずつ前進しました。

相手も似たような感じで構えてゆっくりと近づいて来ました。

少しずつ近づき、探り合いが続くと思いました。

しかし、相手は突然、勢いよく踏み込んで来ました！
私は危険を感じ、とっさにガードを上げて顔面を守りました。

ドスッ！

突然のお腹の圧迫感を感じ、私はウッと声を漏らしちゃいました。

完全に腹筋に力の入ってないお腹へ重い一撃が入ってしまったようで、痛みと吐き気が襲ってきました。

私は苦しくて苦しくて、お腹を抑えて倒れそうでしたが、頑張って耐えて、そのまま体当たりをしました。

体当たりをくらった相手は油断していたのか、体勢を崩し倒れました。
私はお腹を抑えながら、倒れた相手の背中やお尻をサッカーボールのように蹴りつけました。

しかし、お腹の痛みで力が入らず、すぐに逃げれて、立ち上がられてしまいました。

再び拳を構えて向かい合いましたが、さっきの攻防でのダメージは私の方が大きいようです。
でも相手の腕も細くて力がないのか、モロにくらったわりにまだ大丈夫という感じでした。

少し回復をしたかったのですが、相手はそれを許してはくれませんでした。
さっきと同じように一気に近づいてきました。

私はお腹に力を入れて腹パンチに警戒しつつ、冷静に相手の動きを見極めて反撃しようと思いました。
今度は顔を狙って攻撃してきたので、軽く避けました。
相手もそんなに運動神経良くないのか、そんなに速い攻撃ではなかったので余裕で避けれました。

しかし、それはフェイクで、パンチではなく、私の髪を掴んできました。

突然髪の毛を引っ張られた痛みで、髪に注意がいってしまい、またしてもお腹が無防備になってしまっていることに私は気付きませんでした。

相手の狙いは、最初からお腹だったようで、またしても私のお腹にパンチをしてきました。しかも2発も。

お腹がとても苦しく。私は相手の拳を掴んで、これ以上パンチされないようにしました。

しかし相手は止まりませんでした。
私の髪を掴んだまま思いっきり引っ張り、強引にコーナーまで連れていかれました。

そのままコーナーポストに頭をぶつけられました。そしてグリグリと頭をコーナーポストに押し付けたりされました。

それから私をコーナーポストにもたれかけさせ、肩を掴んで押し付けるると、息がかかるくらい顔を近づけてきました。
「ねぇ、こんなボコボコにされてどんな気持ち？」

同じくらいの体格の相手にここまで一方的にやられ、私は悔しさで少し涙が出てきました。