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1:お付き合い
投稿者:
春
◆KEJbDUVQ9A
美空ちゃんに告白できた。その日の夜は寝れなくて。まだドキドキが残る。
顔を布団に埋める。 足をバタバタさせる。 告白・・しちゃつた。 好きって・・言っちゃった・・・。 まだ恥ずかしくて。 胸がキュンとする。 友達から彼女になったらどうなるのかな。 手を繋いだりしてもいいのかな? 布団に潜り込んでまるくなる。 「うーん・・美空ちゃん・・・どうしよ・・」 眠れない・・・。 どうしよ・・・。 部屋から出て台所に向かうジュース飲んで落ち着こう・・。 台所に利奈さんがいた。 「やっ、春くん・・」 「お姉ちゃん・・どうしたの?」 「なんか寝れなくてね」 「ふーん・・」 二人でジュースを持って外に出た。 夏が終わりようやく涼しくなってきた。 「美空ちゃんに告白したんだ・・」 「ふぇっ?ホントに?」 「うん・・付き合ってくれるって」 「そ、そうなんだ・・」 利奈さんはびっくりしたみたいだ。 そりゃそうだ・・僕があんな綺麗な女の子と付き合うんだから。 「お姉ちゃんは美月くんに告白しないの?」 「・・・無理・・かな」 「なんで?」 利奈さんは悲しそうな顔になった。 「振り返ってくれないもん・・美月くんは美空ちゃんを愛してるから」 「ほぇ・・・」 そっか・・やっぱり。 美月くんは付き合うと知っても特に何も言って来なかった。 夜空を見上げた。 星がたくさん輝いている。 凛姉ちゃん・・頑張るからね・・。
2011/02/26 12:18:33(YJRrrGs/)
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春
◆KEJbDUVQ9A
街が所々紅くなってきた。屋上から街を眺めてて気付いた。
「綺麗・・・」 紅って綺麗だよな・・。 「春、探したよ」 「美空ちゃん・・」 美空ちゃんはもっと綺麗。僕の彼女・・・。 僕の隣にきて僕と同じ方向を見た。 「綺麗だね・・」 「クスッ・・・美空ちゃんもか」 美空ちゃんが首をかしげた「なにが?」 「美空ちゃんも綺麗って言った・・僕と同じ」 「ははっ、春はそれが嬉しいの?」 「嬉しいよ・・・」 美空ちゃんの顔を見つめる「美空ちゃんと一緒にいるだけで幸せ・・」 美空ちゃんの顔が赤くなった。 「そっか・・もっと・・欲張ってもいいんだよ?」 上目遣いで僕を見た。 心臓が張り裂けそう。 ドキドキして・・・。 「あ、あのさ・・今日は買い食いどこ行く?」 「うーんと・・春はどこがいい?」 「美空ちゃんが決めいいよ・・美空ちゃんと一緒ならどこでもいいから・・」 「うんっ・・」 美空ちゃんがはにかんだ。可愛い・・。 抱き締めたい・・。 けど心臓がおかしくなる。 せめて・・・。 「美空ちゃん・・手・・繋いでいい?」 ドキドキ・・ドキドキ。 「うん・・いいよ」 美空ちゃんが手を差し出してきた。 僕はそれをゆっくりつかんだ。 柔らかい手を引いて。 僕と美空ちゃんは教室に向かった。 廊下を歩く時も手を繋いだ・・・。 凄くドキドキしてしまう。 けどここで離したらダメな気がした。 「ば、売店行こっか?」 「あ、うん・・」 もう少し手を繋いでいたくて・・。 少し回り道をした。 売店でパンとジュースを買おう。 「美空ちゃんはどれにする?」 「えっと・・クリームパンとオレンジジュース」 「じゃあ、僕はチョコパンとココア下さい」 800円か・・。 美空ちゃんがお金を払おうとしたのを止めた。 「僕が払うよ・・」 「う、うんっ・・」 美空ちゃんが嬉しそうにはにかんだ。 教室に戻って椅子に座る。チョコパンを半分ちぎって美空ちゃんに渡す。 美空ちゃんは首を傾げた。「美空ちゃんのクリームパンもちょうだい・・半分こすれば・・二種類楽しめるでしょ?」 「クスッ・・うん!」 美空ちゃんもクリームパンを半分ちぎった。 受けとる時に手が触れてドキドキしてしまう。 さっき手を繋いだのに・・・。 クリームパンを食べながらジュースを飲んだ。 あと授業は一つだけ。 それが終われば部活だ。 「美空っ、それ頂戴っ」 美月くんが美空ちゃんの手からチョコパンを取った。「あっ、だめっ!」 美空ちゃんが取り返そうとしたけど美月くんが食べてしまった。 「へへ、美味しい」 「・・・・っ」 「・・美空?」 「・・ぐすっ」 美空ちゃんが泣いてしまった。 あらら・・。 美月くんは困った顔をして美空ちゃんを慰めている。「美空ちゃん・・これあげるよ」 僕のチョコパンをあげた。「春・・・」 「美味しいよ、僕これ好きでいつも食べてるから・・はいっ」 「春・・ありがと・・でも」美空ちゃんが半分にちぎったチョコパンをまた半分にちぎった。 一口サイズになった。 「春にも食べてほしい」 「あ、うん・・」 美空ちゃん・・涙目だけど笑ってる・・。 可愛い・・・。 僕も受け取って食べた。 いつもより美味しい。 「美空・・ごめん」 「ふんっ・・」 美月くんはしゅんとしている。 ケンカは良くないから・・どうしよう。 僕はクリームパンをまた一口サイズにした。 「美月くんにも!」 「えっ?」 「これで仲直りしてね」 「・・うん・・」 美月くんは受け取って一口食べた。 美空ちゃんに抱きついて謝っている。 「わ、わかったから・・美月、怒ってないよ」 「ごめん・・・」 美月くん・・悔しそうな顔してる・・。 授業も終わって部活の時間だ。 「今日は何する?」 「うーん・・まだ決めてないや・・みんなに聞いてみないと・・」 結実と山田さんにも聞いてみるかな。 「結実は何したい?」 「えっとな・・・松茸ごはんっ!」 「じゃあ山田さんは?」 「右に同じ、久しぶりに食べてみたあな」 「ふむん・・美月くんは?」美月くんはどこ行った? あれ・・・? 家庭科室のドアを開けた。鍵は空いていた。 「わぁっ・・美月くん?」 テーブルには松茸がずらりと並ぶ。 どれもおおぶり。 「用意しといたよっ!」 得意気に笑った。 すごいなぁ・・。 尊敬しちゃう・・。 どうやって分かったんだろ・・・? 「美空・・?どう?」 「うん・・普通」 「むぅ・・」 とりあえず松茸ご飯を作った。 いい香りが部屋に広がる。昆布を引いて出汁を取ったご飯はほんのり甘辛い。 みんなで食べた。 松茸がまだ余ってるな。 「また明日使おうかな・・」 明日は茶碗蒸しとか作ってみるか。 レポートを書いて下校する写真は明日貼ろう。 「買い食い行こっか?」 「うん、行こ!」 美空ちゃんと手を繋ごうとした。 「だめっ!」 美月くんが叫んだ。 「えっ・・?」 「買い食いしちゃダメだよ・・・利奈がご飯作るんだから・・ダメ」 怒ってる? こんな事初めて・・。 「美月・・・」 「美空は食べ過ぎ・・そんなのダメだよ」 美月くんは震えてる。 そんなに・・怒る事?
11/02/27 12:41
(BAM4E/qL)
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春
◆KEJbDUVQ9A
家に帰ると靴が一人分増えてた。
誰かな・・・。 居間に向かう。 「あっ、春くんっ」 「綾さん!?」 スッゴい美人・・日本人だよな? 黒髪で猫みたいな雰囲気。可愛いなぁ・・。 「しばらくよろしくね」 「あ、はい・・泊まるんですか?」 「うにゃ、まぁね」 何かお菓子出さなきゃ。 台所の棚になんかあったかな・・・。 棚を調べる。 この前買った駄菓子と・・・・。 背中に柔らかい感触。 何? 「おっ、お菓子っ!」 綾さんが僕の背中にくっついている。 胸・・当たってる。 「おかまいなく・・食べたいけど」 「あ、ど、どうぞ!」 「あはっ、悪いね」 綾さんは僕から離れて居間に戻った。 ドキドキした・・。 お茶を入れていると利奈さんも帰ってきた。 今日は学校休みのはずだけどどこ行ってたのかな。 「綾さんがきたぁー」 「きたよーっ!」 じゃれてる。 二人とも可愛い。 お茶を持っていく。 「ありがとぅ」 綾さんのお茶の飲み方上品だな。 「ねぇねぇ、春くんは子猫みたいだね」 「僕が・・ですか?」 綾さんがニヤニヤしてる。僕・・子猫みたい? 「目がクリクリしてて・・きゃわいいよ」 「あ、は・・ありがとうございます・・でも美月くんの方が可愛いと思いますよ・・」 「あはは、美月はねぇ・・・最高だよっ!」 素直に美月くんは綺麗だし可愛い。 人間離れしてるような。 まさに天使みたい。 美空ちゃんと全く同じ顔だけど違って見える時もあるような。 夕飯を作ろう。 肉じゃが。 最初はビーフシチューの食材を使って作ったらしい。なんて人だっけ・・? 忘れた・・・。 その人が日本の料理人に同じ食材で作らせたらこうなったらしい。 ジャガイモと牛肉と糸蒟蒻と玉ねぎとえんどう豆。 僕はいつもこの具材を使ってる。 甘めに煮付ける。 いい香り・・・。 「春、今日は肉じゃが?」 美空ちゃんが後ろから覗いてきた。 「あ、うん・・お腹の調子は大丈夫?お粥作る?」 「治ったし大丈夫・・早く食べたいな・・」 目がキラキラしてる。 可愛い・・・。 おいしく作ろう・・。 テーブルにご飯とおかずをならべる。 肉じゃがはアツアツだと良くない。 ほどよく冷めてたほうが美味しい。 肉じゃがとお味噌と葱の味噌焼き。 山椒味噌を使った。 美味しいかな? 「いただきますっ」 にぎやかになったテーブル ご飯は多めに炊いた。 みんなで喋りながら食べるご飯・・美味しいな。 夕飯のあとに少し散歩をした。 もう夕暮れ。 カラスが鳴いている。 遠くに飛んで行った。 「すーっ・・はぁーっ」 息を吸って吐いた。 深呼吸をして歩く。 秋になって過ごしやすくなった。 新しいスニーカーを買った。 僕は少しづつお洒落になっていく。 美空ちゃんのおかげかな。 街の方に行ってみる。 商店街はにぎやかだ。 いいにおいに誘われる。 最近食欲も増えてきた。 身長伸びるかな? 相変わらず体は細いまま。 美味しそうな団子を見つけた。 「へぇ・・」 海苔を巻いた団子か。 揚げてある団子もある。 一つ買おうかな。 いや・・みんなの分も。 団子をたくさん買った。 みんな喜ぶかな? パタパタと歩く。 こうやって楽しくいれるのは夢じゃないよね。 頬っぺたをつねる。 「いたい・・」 大丈夫・・夢じゃない。 ずっと続くわけないけど・・・。 長く続けばいいな・・。
11/02/28 23:26
(eoZe/rEy)
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春
◆KEJbDUVQ9A
お団子を持ってフラフラと散歩。
もう夜中になっちゃった。この街って四季の変わり目がはっきりしてるよな。 真っ赤に染まった木が街灯に照らされて綺麗。 デジカメがあればなぁ・・・・。 ・・・・ん? 携帯電話にカメラ機能があるんだった。 ポチポチ。 使い方・・・こうかな? カシャッ。 「おおーっ!撮れた」 綺麗に写った。 面白くて何枚か取った。 「へぇー・・綺麗」 キラキラしてる葉っぱ。 紅くて・・美しい。 「はふぅ・・」 さて・・そろそろ帰ろう。商店街はもう店が閉まってる。 誰もいない。 一人・・。 でも帰る場所があるから。寂しくないよ。 田んぼが広がる。 鈴虫や蛙が合唱してる。 リンリン・・・。 グワッグワッ。 立ち止まって聞いてみる。 「ははっ・・・」 面白いな・・・田舎って。都会にいる時はこんなの知らなかった。 いつまでも聞いていたいな・・・。 けど帰らなきゃ。 みんなが待ってる。 足を進める。 なんだかたくさん寄り道しちゃったな。 スニーカーも傷や汚れが増えてきた。 パタパタと足音。 僕の足音だけ。 もうすぐ神社だ。 僕の家につく。 玄関扉を開けた。 もうみんな寝ちゃったかな・・・。 居間に入って電気をつける お茶が飲みたい。 お湯を沸かしてお茶を入れる。 「はふ・・団子食べよっと」美味しそう。 笹の葉につつまれている。 どれにしよっかな。 ガラッと襖が開いた。 「あ、春くん」 綾さんだ。 「お団子買ってきました」 「へぇ、美味しそう」 僕の隣に座った。 ホントに猫っぽい・・。 フニャッとした感じ。 ゆるーい雰囲気。 優しそう。 「一個・・・いいかな?」 「はい、みんなのために買ってきました」 「えへ、サンキュー!」 お団子を一つ取ろうとして・・・。 「はっ、月見団子・・いいっ!」 「えっ?」 「月を見ながら食べようよ」「はは、いいですね」 縁側に座ると月が見える。 お茶を入れてお団子を食べる。 「美味しい・・・左京堂のお団子・・」 「分かるんですか?」 「うん、大好きでいっつも食べてたからね」 綾さんは昔ここに住んでたんだったな。 月は満月。 綺麗な真ん丸のお月さま。 ここでも鈴虫が鳴いているリンリン・・リンリン。 綾さんは僕を見て微笑んだ「君は大人しそうだね」 「そうですね、大人しいですよ」 「ははっ、素直だなぁ」 「大人しいから・・大胆な事・・できません」 「大胆な事?」 「美空ちゃんと付き合ってるのは知ってます?」 綾さんはうなずいた。 利奈さんから聞いたかな。「キス・・したり・・大胆な事・・できません」 「へぇー・・」 綾さんが近づいてきた。 「美空とキスしたいんだ?」「はい・・一度くらいなら」「ふむん・・」 美月くんには悪いけどなぁ・・。 僕だって男だから。 「美空ちゃんは美月くんを好きだけど・・・僕も好きって言ってくれました」 「美空がね・・そっか」 綾さんが僕の背中を擦った「がんばりな!」 「・・はいっ」 ガラッ。 「綾・・」 美月くんだ。 眠そう。 目を擦ってる・・。 か、かわいい・・ 「やぁーん、美月きゃわいい!」 綾さんが美月くんに抱きついた。 母親だから余計に可愛いんだろうな。 でも・・なんか変な感じが・・。 「お団子・・・」 「食べる?」 美月くんが近寄ってきた。「・・いい?」 「うん、どうぞ」 お団子を一つ食べた。 「おいしぃ・・」 可愛いなぁ・・。 男の子なのに・・。 僕の隣に座った。 眠そうに目を細めている。青い目・・綺麗。 「しゅん・・・ありがとぉ」「うん、どういたしまして」 綺麗なお月さま。 三人で眺める。 肩に何か当たった。 美月くん寝ちゃった・・。僕の肩に頭をのせている。「あはっ、寝ちゃった」 「可愛いですね」 「うん、私の美月・・」 綾さんは美月くんを抱き抱えた。 「さきに寝るね、お団子ごちそうさま」 「はい、おやすみなさい」 居間には僕一人になった。お母さん・・いいなぁ。 僕のお母さん・・。 どこにいるの? 僕を捨てて・・どこにいるのかな。 もう少しお月さまを見ていたい。 お母さんも見てるかな。 真ん丸い満月を・・。
11/03/01 15:00
(jRzVjpyi)
投稿者:
春
◆KEJbDUVQ9A
結実からメールが来た。
明日暇? あそぼー( ̄∀ ̄) 結実とはよく遊ぶ。 編集してしばらくするとまたメールが来た。 一生のお願い・・・着物きてきて・・。 翌日。 僕は着物をきてカツラをつけた。 鏡を見てあきれる。 「なんで・・いいよって言っちゃったのかなぁ」 まぁいいや。 結実も内緒にしてくれるみたいだし。 部屋を出て居間に向かう。少しのどが乾いた。 「おおっ、春くんっ!」 綾さんに見つかった。 綾さんはニヤニヤしてる。「お出掛けかにゃ?」 「あ、はい・・」 「ふーん・・」 僕を見てなんか考えてる。「いいね・・可愛い」 「綾さんは何か予定あるんですか?」 綾さんは頭をポリポリかいた。 「暇・・なんだよね」 「僕は友達と遊びに行きますよ」 「そっか・・女装で?」 「あ・・はぃ・・」 「なるほど・・・」 居間で少し休憩。 着物を着るのはつかれる。綾さんは美月くんの部屋な行った。 「わ・・春・・」 「あは・・美空ちゃん・・」「出かけるの?」 「うん・・結実と遊ぼって言われた」 「ふーん、私も行く」 「ふえっ?美空ちゃんも?」「結実は危険だよ・・今の春なら襲うかも」 「あ、あは・・」 それはありえる。 美空ちゃんにもついてきてもらうかな。 コーラをグイッと飲んだ。「よしっ、行こう」 「ははっ、うん」 なんか緊張してきた。 なんでだろ・・・。 美空ちゃんと結実の家に向かう。 結実の家は商店街の近くにある。 「美空ちゃん、手握ろ」 「うんっ・・」 ぎゅっと握る。 まだこんな事しかできないけど・・。 幸せ・・・。 やはり目立つみたい。 美空ちゃんは天使だし。 僕は一応和服美少女・・。あはは・・バレたら大変だけど楽しいなぁ。 結実の家についた。 結実はお坊ちゃん。 お金持ちの家の子供だ。 親は国会議員で東京に住んでいる。 母親とお手伝いさんと暮らしてるらしい。 チャイムを鳴らす。 「春、心の準備は?」 「あ、うん・・大丈夫」 偽名で通そうかな・・。 春海・・とか。 お手伝いさんに案内された 「あ、美空ちゃんもきたんだ」 「こんにちは、結実」 結実の部屋は広くて豪華だ 机にケーキが運ばれてきた「春さん・・可愛いよ・・」 結実がなんともいえない目をしてる。 美空ちゃんがついてきて良かったな。 美空ちゃんはケーキを一瞬で食べた。 いつのまに・・。 「ゲームしようぜ」 「あ、うん・・」 結実がゲーム機電源を入れた。 美空ちゃんが隣にいるから大丈夫だよな。 「このゲームしようぜ」 戦争物のゲームだ。 僕には良く分からない・・オンライン対戦ができるらしい。 画面には鉄砲と腕しか写ってない。 「ふーん・・」 美空ちゃんが画面をみて感心してるようだ。 リアルだな・・・。 一回死んだら交代してもらえた。 うまく動かせないな。 「春さん、撃たれちゃうよ」ババッ。 あっけなくやられた。 少し悔しい。 「私もやりたいな」 「へぇ、美空ちゃんもやるの?」 美空ちゃんにコントローラを渡した。 「武器・・変えていい?」 「あ、うん・・」 M16A4ってやつからM4って鉄砲に変えた。 さっきのより短い。 美空ちゃんは落ち着いて操作してる。 レーダーには味方が写ってる。 街みたいなマップ。 「春・・私はこのまま試合終了までやれるよ」 「ほぇ・・すごい」 美空ちゃんうまいな。 なんかプロっぽい。 何人か連続で倒してレーダーを使った。 敵が写る。 美空ちゃんは回り込んで倒していった。 「ゲームだとこうなるのか・・」 「うん?」 「あ、なんでもないよ」 バシュッ。 何かかすった・・。 「スナイパーだ・・どこ?」「結実・・すないぱーって何?」 「狙撃者の事だよ・・ほら、スコープ覗いて遠くから撃ってくるやつ」 「へぇ・・」 なんか良く分からない。 遠くから攻撃してくるのか・・。 「結実、ボイスチャットある?」 「あ、うん・・」 美空ちゃんが何かマイクみたいなのをつけた。 英語でサラッと何か喋った・・。 外人が返事をした。 「美空ちゃん?」 「一人じゃ戦えない応援してもらうの」 「ふーん・・応援」 味方が近くに来た。 協力して敵を倒した。 凄いなぁ・・・。 美空ちゃんが英語でまた何か言った。 また外人が返事をした。 「おっ、ガンシップ」 「結実・・それってコーヒーに入れるやつ?」 「春さん・・それはガムシロップ・・どういう間違い方?」 爆撃されてる。 すご・・・。 「勝った・・・」 美空ちゃんがふっと息を吐いた。 勝っちゃった・・。 美空ちゃんはゲームも上手いんだな。 意外・・・。 そのあともゲームで盛り上がった。 気付けば夕方。 「美空ちゃん強いなぁ・・」「結実・・楽しかった」 美空ちゃんは満足そうにコントローラを置いた。 僕は見てるだけでお腹いっぱいだ。 家に帰る途中。 「春、なんか買って帰ろう」「あ、うん・・」 「・・春?」 「ゲームだけど戦争って怖いね・・」 「・・・うん」 美空ちゃんは少しうつむいた。 疲れたのかな? 僕も見てて目が疲れた。 こんな時はどうしたらいいかな。 「ねぇ・・春」 「うん?」 「キス・・しよ?」 体がビクッとなった。 いきなり・・そんな。 「美空ちゃん・・いいの?」「うん・・しよ」 周りに人はいない。 ドキドキする・・。 キス・・しちゃうの?
11/03/02 00:39
(13t2ei9B)
投稿者:
春
◆KEJbDUVQ9A
部屋に駆け込んで倒れた。心臓が痛いよ・・。
美空ちゃんにキスされた・・・。 ドキドキが収まらない。 布団の上でゴロゴロ転がる。 「はふ・・キス・・」 しちゃった。 しちゃった・・。 信じられない。 どーしよ・・。 寝れないよ・・。 翌朝・・。 夜寝れなくてきつかった。学校行かなきゃ。 制服を着て居間に向かう。ドキドキ・・。 「おはよ・・」 美空ちゃんと顔を会わせられなくて・・。 美月くん・・昨日の事怒ってるかな・・。 目の前でキスされたら・・怒るかな・・。 「春、ほっぺたにご飯つぶがついてる」 「あ、う・・うん」 ドキドキが酷いよ・・。 どうしよう・・。 利奈さんが少し心配そうな顔。 「春くん具合悪いの?」 「う、ううん・・大丈夫」 美月くんは怒ってないみたいだ。 ドキドキのせいで具合が悪くみえるのかな。 ご飯も食べれなかった。 学校で結実がしつこく話しかけてきた。 本当に美空ちゃんがいて良かった気がする。 「ねぇ、春さん・・今度はどっか外で遊ぼ!」 「結実・・なんなの?」 「ほら、デート?」 ポコンッ。 美空ちゃんが教科書で結実の頭を叩いた。 「調子にのるなっ!」 「いてて・・美空ちゃんは春さんの護衛かよ」 さて、今日は席替えだ。 くじ引きで席を決める。 美空ちゃんは僕の隣になるみたいだ。 くじを引いた。 また後ろの席か。 あんまし変わんない。 「春、どこ?」 「えっと、窓側の所」 ちょうどグラウンドが見える。 席を移動した。 美空ちゃんがグラウンド側で僕がその隣。 近くに来るのはだれかなぁ・・。 「や、榊くんの隣か」 山田さんだ。 良かった・・。 「よろしくね、山田さん」 「うん、嬉しいな」 山田さんは笑った。 たしかに後ろの席だし嬉しい気持ちも分かる。 先生に隠れて寝れるし。 結実は廊下側になった。 美月くんは美空ちゃんの前の席。 「あんた・・ズルした?」 「へへっ、バレた?」 美空ちゃんがあきれてた顔になった。 二人とも離れられないんだよな。 昨日はキスされなかったら別れるとこだった・・。 美月くんの邪魔になるんじゃないかと・・。 席替えが終わって授業が始まった。 少し手が動くようになったけど文字は書けない。 練習しなきゃな。 美空ちゃんがノートを書いている。 本当に感謝しなきゃ。 「榊くんって誕生日はいつなの?」 山田さんが話しかけてきたこの人はカッコいいよなぁ・・。 「えっとね、1月1日だよ」 「へぇ、凄い・・お正月に生まれたんだ」 「あはは・・おかげでお年玉と誕生日プレゼント一緒だけどね」 誕生日・・。 1月1日に生まれた。 そう聞いていた。 実際は違うのかも。 だって僕は・・・。 「春・・」 「えっ?」 「なんでもないよ」 美空ちゃん・・なんだろ。少し心配そうな顔だった。山田さんとは部活中もあんまり喋る機会が無かったけど。 いい人だな。 「山田さんは髪伸ばさないの?」 「ん?・・ああ・・まぁね・・あんまり長いのは好きじゃないし」 「へぇー、伸ばしたら似合うと思うよ」 「そうかな・・・榊くんがそう言うなら・・伸ばしてみようかな」 「あはっ、やってみなよ」 山田さんの髪は今肩にかかるくらいだ。 伸ばしたら美人になるな。 結実が遠くから僕を見てる あ・・そっか。 結実は山田さんを好きなんだったな。 お昼休みはいつもお弁当。 たまにはパンもいいかな。「売店・・行こっかな」 「へぇ、春が売店行くとは・・珍しい」 「行ってくるよ」 「私も・・・んっ!」 美月くんが美空ちゃんの口をふさいだ。 「春、一緒に行こ!」 「あ、うん・・」 美月くんと売店に向かう。怒ってないかな・・。 「春、怒ってないよ」 「えっ?」 「あはは、大丈夫」 良かった・・てかなんで分かったのかな。 なんか見られてる。 美月くんは可愛くてカッコいいからなぁ。 売店でパンを選ぶ。 あんまり人はいないみたい・・・。 「春は何にする?」 「えっと・・甘いやつ」 色々あるな・・。 やっぱりチョコパンかな。 選んでお金を払った。 美月くんはあんぱんとクリームパン。 「ねぇ、春・・」 「うん?」 「美空の事好き?」 「・・・うんっ」 素直に好きだと思う。 優しいし。 「そっか・・付き合ってるならもっと堂々とさ・・僕はもう・・邪魔しないから・・」 「う、うん・・」 教室に戻った。 大胆・・・。 抱きついたり!? そ、そんな事むりっ! 大人しく座って弁当を開けた。 昨日作ったおかかが入ってる。 結構美味しかった。 もう当たり前になりつつある幸せ。 みんなでご飯を食べる事。 噛み締めたいな・・。 この幸せ・・。 「榊くん、これあげる」 山田さんがヒョイッと小さな袋をくれた。 「ほぇ・・?」 「クッキーは嫌い?」 「クッキー?大好き!」 「そっか、良かった」 袋を開けてみる。 可愛いクッキーが入ってる 「美味しそう・・」 一つ食べた。 甘くて美味しい。 山田さんは僕を見て微笑んでる。 ・・・・ん? 僕にだけくれた。 結実が羨ましそうに見ている。 もしかして? いやいや・・僕なんかが・・・。 そんなはず・・。
11/03/02 14:01
(13t2ei9B)
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