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1:微熱
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
私の寝室は一階。
美月と美空は二階。 クロスは私の隣の部屋。 この家はなかなか綺麗だな・・古いけど。 ヨーロッパに来てからすぐに学校の建設が始まった。周りの家に挨拶をして数人の子供が来てくれる事になった。 学校というより塾かな? 家から少し離れた所に建てる予定。 朝から工事の音が聞こえる。 食堂に向かうと美空がいた「おはよ、美空」 「うん・・むぅ・・」 「眠いの・・?」 「うん・・」 目を擦りながらフラフラしている。 「ママの部屋でもう一回寝なさい」 「・・・うん・・」 美空を抱き抱える。 どう扱ったらいいのかな。精神的にはもう大人なんだけど。 ベットに寝かせて布団を被せる。 寝ぼけ目で私を見つめる。 「ママ・・おやふみ・・すーっ」 「早いな・・おやすみ」 美空の頭を撫でて机に置いてあるPx4に触れる。 黒いスライドがキラリと光る。 布で優しく磨く。 「お前とは長い付き合いだよね・・・」 日本に来てから私は一人ぼっちこいつが唯一の友達だった。 フレームは綺麗なマリンブルーとパープル。 不調もないし。 コンコン。 「ママ、入るよ」 「どうぞ」 美月が目を擦りながら入ってきた。 美空と同じか。 「どしたの?」 「うにゅ・・眠くて」 「美空と一緒に寝てれば?」「うん・・・」 美月もベットに潜りこんだ こんな可愛い子供がいて幸せ。 大人扱いはもう少し先でいいや。 Px4を分解してスライドのオイルを落とす。 専用の液体を布につけて擦れば綺麗に落ちる。 「ねぇ、ママ・・なんでずっとその銃なの?」 美月が布団から頭だけ出してこちらを見ている。 「うーん・・道具って思えなくなっちゃったんだ・・こいつには色々助けられたから」 「へぇ・・どんな風に?」 「クスッ・・じゃあまずこいつとの出会いから・・」 日本に来た時は私は14か15くらいだった。 荷物はカバン一つだけ。 空港内であたふたする。 「えっと・・えっと・・こっちかな?」 目線が集まるけど他人にはあまり聞きたくない。 すぐに答が出るのはつまらない。 出口を見つけて街を見た。お洒落な感じのビルや綺麗なお店が見える。 「日本かぁ・・・」 サムライがカタナを下げてないし。 チョンマゲもない。 そんなの当たり前だ。 ちゃんと勉強してきた。 師匠は訓練や任務では厳しいけど日本に行く前は父親のようだった。 私は父親がどんな物か分からないけど。 たぶん優しくて心配してくれる大きな存在。 街をブラブラ。 一生暮らしていけるお金はある。 けど私は殺し屋だから。 師匠がせっかく訓練してくれたんだし。 銃の持ち込みはできないけど国内にあるガンショップで銃が買える。 師匠が教えてくれたお店に向かう。 こじんまりとしたお店。 「ほへ・・・」 ズラッと並ぶライフル。 私はとりあえず拳銃が欲しい。 前に使っていたM9は元米兵に貰った物。 デザインが気に入っていたガラスケースの中にはたくさんの銃器。 「お嬢ちゃん何かお探し?」少し年老いたおばちゃんだった。 「あの・・師匠の紹介できました」 おばちゃんはふむふむとうなずいて店の奥に案内してくれた。 「さて・・お嬢ちゃんは何て名前?」 「えっと・・悠」 「仕事用の名前も決めておくといいよ」 「はい・・・」 カッコいいおばちゃんだ。師匠より少し若い。 髪を後ろでまとめてポニーテールにしている。 「私のやってる所に入る?まぁ私は武器庫にいるだけなんだけど」 「あ、はいっ!」 おばちゃんはニコッと笑った。 「じゃあ連絡しとくよ。年齢制限もないからね・・じゃあ好きな拳銃を選びなさい」 「はーい!」 再びガラスケースの前。 色々ある・・・。 Hk USPはグリップが嫌い。師匠は気に入っていたが私は手がそんなに大きくないのだ。 あんな大根おろしみたいなグリップはグローブをはめないと痛い。 「前は何を使ってたの?」 「えと・・・ベレッタのM9・・米軍仕様のやつ」 「じゃあこれにしなさい」 おばちゃんはガラスケースからベレッタPx4を取り出した。 ポリマーフレームの新しいやつだ。 握らしてもらう。 「ふむん・・・いいかも」 デザインもセクシーだし・・・いい! 「おばちゃんこれにする!」おばちゃんは笑って棚から袋を取り出した。 「それにすると思って一式用意しといたよ」 おばちゃんにお礼を言って店を出る。 仕事は連絡があるまでできない。 マンションを用意してあるらしい。 すぐ近く。 師匠が用意してくれた。 こんな時は優しいんだな。管理人さんに事情を説明して鍵を貰った。 部屋の案内はしてくれないのか・・。 何もないすっからかんの部屋。 とりあえず座る。 「ふぅ・・・髪の色目立つかなぁ・・」 銀髪は目立つ。 少し伸びてきたし。 「とにかく・・はらへった」近くにお店がないか調べた古っぽいバーがあった。 ドアをあけると鈴がなった「いらっしゃい」 マスターがグラスを磨いていた。 私は椅子に座る。 中は綺麗だな。 「お嬢ちゃん、なんにします?」 「お腹がいっぱいになる物がいいなぁ」 「じゃあパスタ系にしよう」マスターは厨房に行った。お財布には日本の紙幣が何枚かある。 頬杖をついてグラスを眺める。 「お酒・・飲みたいなぁ」 せっかくの一人暮らし。 好き勝手にやってみたい。マスターがナポリタンを作ってきてくれた。 「はい、おまちどおさま」 私はすぐに食い付く。 うまい・・・。 あっと言う間にたいらげた「おいしい!マスターって料理うまいね」 「いや、それほどでもないよ」 しばらく話すとなかなかいい人みたいだ。 殺し屋の事は内緒だけど名前は教えた。 街を歩いてみる。 もう夜だ・・・。 私の外見は目を引く。 我がなら美形だし。 銀髪だし・・・。 けど誰も声をかけてこないな。 日本人って臆病なんだな。私は部屋に戻って寝転がるPx4をいじる。 真っ黒なフレーム。 真っ黒なスライド。 「ふむ・・おまえも美人にしてやる!」 Px4とにらめっこしながらいつの間にか寝てしまった・・・。 隣にだれかいてくれたらって思った。 恋人が欲しかった・・・。
2011/01/08 11:33:49(RORlASax)
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
階層を移動するときは大型のエレベーターに乗る。
もう歩けるようになったし大丈夫って言ったけど美月がついてきた。 最近私にベッタリだ。 エレベーターが動く。 美月が手を繋いでくれる。「長いね・・・」 「うん、あと10分くらい」 「そんなに?」 どうやら一階層動くのにだいぶ時間がかかるらしい。なかなか不便だな。 チンッ。 やっとついた。 農業階層。 扉が開いてびっくりした。青空が広がっている。 まるで・・本物。 「綾、行こっ!」 「う、うん・・」 ぽけーっと空を見ながら歩く。 市場がある。 「いらっしゃーい!茄子に胡瓜!安いよ」 美月と見て回る。 日本の野菜もあるな。 紅南瓜・・ふむん。 甘そう。 一つ買ってみる。 さつまいもと南瓜でスイートポテトサラダにしよう。市場を通りすぎると畑が広がる。 草のにおい。 自然をちゃんと再現してる「ちょっと探検しよ」 「うん、僕もあんまり行った事ないや」 砂利道が続く。 懐かしい・・・・。 懐かしい? 私はここを初めて歩くんだぞ・・。 えんどう豆がなっている。かわいいな・・・。 煮物に入れると美味しい。ロボットが収穫している。ちゃんと分かるのかな? とても1日で回りきれそうにないので引き返す。 「少しお腹空いたね」 「うん・・・あ、あそこに蕎麦屋があるよ」 美月の指差す方を見る。 古っぽい蕎麦屋だ。 看板も木製。 「ちょっと入ってみよ」 「うんっ」 ふるーい感じのお店。 がらんとしている。 「すみませーん」 奥からおばあちゃんが出てきた。 「いらっしゃいませ・・」 畳の部屋に案内される。 落ち着いた感じの佇まい。いいなぁ・・。 メニューは無いみたい。 壁にお品書きが書いてある「えーと・・僕は茶そばで」「じゃあ、私はおろしそば」おばあちゃんが注文を聞いてから奥に向かった。 ホントにガランとしているお客は私と美月だけ。 早速お蕎麦が来た。 これは・・・いいっ! 大根の辛みがたまらない。「おばあちゃん、すごく美味しいよ!」おばあちゃんはニコッと笑った。 ふむん・・こんな美味しいのに・・お客がいない。 美月も美味しそうに蕎麦を食べている。 おばあちゃんが美月の頭を撫でた。 「おばあちゃんは一人でお店をやってるの?」 「そうだよ、じいさんが死んでからはずっとね」 ふむん・・・いいなぁ。 二人でやってきて・・今は一人か。 私も美月も死なないから・・・こんな体験はできないだろうな。 お店を出た。 「また・・来よう」 「うんっ」 いいお店を見つけた。 またエレベーターに乗る。ぐらぐら小さく揺れる。 繋いだ手も小さく揺れた。心は暖かくて・・。 幸せな気持ち。
11/02/06 23:44
(Yvsh3gSf)
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
良く分からないまま時間が過ぎていく。
学校が気になる・・・。 この施設が一体何なのか。私たちはどうして保護されたのか・・・。 良く分からない。 でも美空は研究に明け暮れられるし幸せそうだ。 美月は私にベッタリだ。 ただ妊娠すると言われてからエッチはあまりしない。美月は施設お抱えの軍隊に入ろうかなと言っていたけど。 居住区域は大体把握してきた。 色んな人がいる。 少し散歩してみる。 外に出たい気もする。 ふらふら歩く。 私はここで何をすればいいのかな。 「はぁ・・・」 美月は入隊試験を受けに行った。 どうなるかな。 ベンチに座って噴水を眺める。 私の夢はまだ叶ってないんだよ・・・。 校長先生になりたかった。「隣、いいかしら?」 「あ、はい・・」 30歳くらいのお姉さん。 年齢的には私と同じか。 「新入りさんだっけ?」 「はい、最近来ました」 綺麗な人だな。 なんか大人な雰囲気。 憧れるなぁ・・・。 「私は里香ってんだ。よろしく」 「私は綾って言います」 握手する。 姉貴っぽいな。 頼れそうな人だ。 「ここはなんなんですか?」私は一番気になってる事を聞いてみた。 里香は私を見て微笑んだ。なんか・・・この感じは・・・前に感じた。 「おいで、説明してあげる」「あ、はい・・」 里香の後ろを歩く。 私より背が高い。 なんだろう・・この感じ。分からない・・・。 エレベーターに乗る。 このエレベーターには乗った事がない。 「昔、大洪水があったんだ・・とても大きな洪水。それに備えてここが作られたの」 「ふむん・・・洪水」 そんな大きな洪水あったっけ? 聞いた事ない。 エレベーターはどんどん上がっていく。 「私が生まれるより少し前かな・・・洪水が治まってから私が生まれたんだ」 「いつごろなんですか?」 「それはね・・」 エレベーターのドアが開いた。 とても広い部屋。 色んな機械がある。 「私の部屋だよ」 「ほぇ・・・」 タッチパネルのスクリーン指令室みたいだ。 「あなたは不老不死なんだよね?」 「・・・・はい」 「そっか」 里香はニコッと笑った。 「ノアの方舟って知ってる?それがここだよ」 「ふぇ!?」 私の反応を楽しんでるようだ。 「ノアには8人の家族がいたのは知ってるよね?私がそのうちの一人」 「え・・・じゃあ・・」 「ずーっと生きてきたんだ・・・・外の世界に出たり方舟で研究したりしてね」信じられない・・・・。 嘘でしょ? 「綾ちゃんも私たちの血を引いているんだ」 「だから不老不死に?」 里香はうなずいた。 腰が抜けてしまった。 初耳ばかり・・方舟なんて無いと思ってたし。 本当に不老不死があるなんて。 「ここは今の人間が生まれる前のテクノロジーが詰まってるんだ・・外にいる才能のある人間に技術を提供してる」 「あぅ・・・ついてけない」「ははっ、そっか!少し休憩しよう」 椅子に座ってコーヒーを貰った。 うーむ・・困った。 これは信じていいのか? いや・・信じていいかな。見た事ない技術がたくさん・・・。 「綾ちゃん、今日はこれぐらいでOKかな?」 「はひ・・・頭パンクしそう・・」 里香は肩をポンポンと叩いた。 そしてぎゅっと抱き締めてきた。 「綾ちゃん・・・可愛い・・・」 「すみません、私は異性愛者なんです」 「ははっ、似てるなぁ」 「ふぇ?」 居住区域に戻る。 里香の電話番号を貰った。少しここの事が分かった。この方舟は長い年月をかけて小さな地球のような物になった。 方舟だけで生活していく事ができる。 美月が言っていたように世界を支配している人が暮らしている。 ノアの家族以外にも権力者がいるとか。 「あぁーっ、ワカンナイッ!サッパリワカンナイッ!」 「綾?」 「むぎゅーっ!」 美月を抱き締める。 つまり私のお母さんかお父さんも不老不死だった? もう思考停止しよう。 さっぱり理解できん。 「試験受かったよ!」 「当たり前じゃん・・美月なら」 「むう・・・」 「ほら、ごほうび」 キスする。 やっぱりこの時間がたまらない・・・。 「ねぇ、今日はゴム付けなくてもいい?」 「ダメ・・避妊はしようね」「外に出すから・・ナマがいいよ」 「だめっ・・」 美月がくっついてくる。 さすがに妊娠は良くない。ここはきっぱり。 体を擦りつけてくる。 私も少し厳しくならないと・・・。 パジャマをおろしてチンコを擦りつけてきた。 「ねっ?ナマで入れよ?」 「いや・・ダメだよ」 私のパンツを下ろそうとする。 「美月・・親子だよ?だめ・・・お母さんを妊娠させてどうするの?」 「美空が言ってたじゃん・・妊娠するのは宝くじが当たるより低い確率だって」パンツの中に手が入ってくる。 そんな事・・・言われても・・・。 「ねぇ・・ゴムよりナマの方が気持ちいいよ」 「だめだって・・・」 美月がチンコを押し付けてくる。 「美月・・困らせないでよ・・だめだよ」 「むぅ・・分かったよ」 美月がムッとしてコンドームを着けた。 どんな確率であれ避妊はしないと。 「美月は・・・・もう少し女の子の気持ちを分かってね?」 美月が少ししゅんとした。「ごめん・・・やっぱり綾と気持ち良くなりたいから・・一緒に・・感じたいから・・」 美月をギュッと抱き締める最近分かってきた。 こうするだけでも十分なんだって。 「安全日にね・・」 「うん・・」 ゆっくり入ってきた。 ゴムだから少し物足りないけど。 いい・・美月を感じる。 「あっ・・」 「たくさん動いてね」 「うん・・綾・・」 親子って事を忘れちゃいけない。 どんなに好きな人でも。 息子なんだから。 ずんずん突かれる。 美月の感じる顔を見るだけでも気持ちいい・・・。 私の膣内で感じてくれている。 「んっ、あゃ・・んあぁ」 「美月・・イクっ!」 ビクビクと体が震える。 コツンとおでこをくっ付ける。 「僕も・・・ねっ?」 「うん・・」 体勢を変える。 今度は私が上。 美月を見下ろして動く。 凄く気持ち良さそう。 目をつむって涙を流している。 こいつは・・・本当に狙ってんじゃ・・。 ビクビクと反応している。ゆっくり引き抜いてゴムを外して口にくわえる。 フェラでイクのもいいかな・・・。 「ああっ!」 口の中いっぱいに広がる。何とか飲み干す。 「はぁ・・はぁ・・綾・・やっぱり中出しがいい」 「だめっ!」 まぁ・・私もそっちのがいいけど。 夕方になると美空が帰ってきた。 白衣を着ると最高にかわいい。 「美空、仕事はどう?」 「うん・・いい感じ」 「少し疲れた?」 「うーん・・ママっ」 抱きついてきた。 頭を撫でる。 「今はライバルじゃなくていいから・・・たくさん甘えなさい」 「うんっ、ママ・・」 私も甘えてみたかったな。お母さん・・・。 生きていればなぁ・・。
11/02/07 22:57
(CcS29ZLv)
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
私も結局美月と同じ部隊に入る事にした。
入隊試験もあっさりクリアした。 軍隊ってより警察っぽい感じだった。 重装備で100キロ行軍とかしないみたい。 射撃と格闘だけで入隊許可がおりた。 美月と私は特務班所属になった。 美月は羅紗のスーツを使うらしい。 よく許可がおりたな・・。美月と私で荷物を置きに部署に向かう。 居住区域の上の階層だ。 廊下はガランとしている。 「なんか・・・窓際って感じ」 「美月、シャラップ」 特務班とドアに書いてあるドアをあける。 真新しいデスクが2つ置いてある。 そう・・・それだけ。 「すっからかん・・・」 「つまり私と美月だけって事か・・・」 荷物を整理しとく。 電話が鳴る。 里香からだ。 「やっ、おめでとう。新設された特務班へ」 「ふむ・・窓際っすか?」 「私の特別な命令があれば動いてもらうから。それまでは待機ね」 「なんか暇ですね・・・」 「あなた逹に危険な事させる訳にはいかない・・・そんな事させられない」 「えっ・・・?」 「気にしないでね」 電話が切れた。 なんか・・心配してくれてた。 殺風景な部屋に荷物を置いていく。 一応チェスを持ってきた。美月がスーツを棚に置いている。 なんでかな・・・里香はなんで心配してくれるの? まぁ・・私逹は遠い親戚って事になるしな・・。 それで心配してくれてるのか。 「綾、暇だし射撃場にいこ」「あ、うん。いいね」 ドアの鍵を締める。 なんかこう・・まぁいいや・・・。 ドアの形なんて拘らなくていい。 「綾、先にお昼食べとこう」 「うん、久しぶりハンバーガーにするかな」 この施設内にある料理はどれも美味い。 ハンバーガーもなかなか。油っぽくなくて食べやすい野菜が多めだ。 健康重視だな。 パンは胚芽だ。 最近なかなか見なかったけど。 お昼を取ってから射撃場に行く。 許可書を見せて銃を借りるPx4は持ち込みOkだ。 しばらく使ってなかったからクリーニングして使おう 銃の種類はかなりある。 「わぁ・・すごい!」 美月が目をキラキラさせている。 やっぱ男の子はこうゆうの好きなんだなぁ。 私は前まではSCAR Lを使っていた。 性能よりも見た目がよろしい。 なんかグッとくる。 せっかくだし新しいのも撃ってみるか。 西側の銃はきっちり整備点検をしないといけない。 M16はアメリカ軍が長い間使っている。 初期は欠陥品で話にならないと聞いた。 私はなるべくM16系統は使いたくない。 どうも給弾不良が多い。 イラッ☆とする。 やっぱりSCARにしとこ。 美月はまだ迷っている。 銃も所詮道具。 使い手によるのだが・・。 射撃場は広い。 耳栓をつけて撃ってみる。パンッ。 22口径ライフル弾は威力不足気味。 しかないけど・・。 6.8ミリの弾も開発されているが調達が難しい。 7.62ミリは反動が強すぎる よって5.56ミリのライフルを使うしかない。 調子もまぁまぁだ。 悪くない。 少し休憩。 美月もSCARにした。 マガジン共有の事も考えて同じ物にしたらしい。 ちゃんと分かってる。 小柄な体だけどうまく反動を逃している。 美月はさすがだな。 「よぉ、生きてたのか」 話かけられた? 私・・・? 声のする方を見た。 茶髪の・・・いかにもって感じの男。 「・・・なんですか?」 「お前の横腹に風穴を開けたのは俺だよ」 ビクッとする。 痛みが蘇る。 「ははは、綺麗な女を見ると無性に撃ちたくなるんだよ・・」 「あなたが・・撃ったの?」怖い・・・。 私だって人間・・。 怖いよ・・・。 手首を捕まれる。 怖くて動けない。 「すげぇいい女・・俺の物になれよ」 「や、やめて・・」 周りの人が見てるのに・・止めようとしない。 「俺の部屋に来いよ・・ヤろうぜ」 「や、やだ・・」 顔を近づけられる。 気持ち悪い・・・。 「ねぇ、おじさん」 美月が立っていた。 「なんだ?ガキか」 「今の話は本当?」 「あぁ?」 美月・・マズイ・・。 「美月、ダメっ!」 あっという間に男に近づいてナイフを首筋に突き立てる。 ちょうど動脈。 動けば血が吹き出す。 美月の殺気が物凄い・・。「・・・あ、あぁ・・本当だ」 美月は男をにらみつける。横目で一瞬私を見た。 ゆっくりと離れた。 「僕の大切な人に触るな・・・こんど触れたら許さない」 美月が私の手を掴む。 「綾、行こ・・」 美月・・・。 静かな所に来た。 怖かった。 「綾、ジュース飲んで落ち着こう」 「美月・・あんな事しちゃダメ・・あぶないよ」 ジュースを受けとる 痛みがフラッシュバックする。 痛い・・・。 「何言ってんの?」 「美月は小さいんだからさ・・あぶないよ・・怪我とか・・」 「じゃあただ見てろって言うの!?」 美月が怒鳴った。 びっくりした。 「許せない・・・許せない・・僕の・・綾を・・傷つけたんだよ?許せない・・・許せないよ」 こんなに怒っている美月は初めて見た。 「美月・・私は大丈夫だよ?そんなに・・」 「怖がってた・・凄く・・綾にそんな思いさせたくない・・」 美月がギュッと手を握る。「綾にそんな思いさせない・・僕が守る」 こんな事・・・。 胸が高鳴る。 母親だって事を忘れそう。「泣かないで・・帰ろう?・・ねっ?」 「うん・・・」 ジュースを飲んでからゴミ箱に捨てる。 「ほらっ!」 美月が手を伸ばす。 私はそっと手を取る。 甘えてばかりだと思ってたけど・・・。 手を繋いで並んで歩く。 「・・・男ってさ」 「うん?」 「好きな人のためならなんでも出来るよ・・・バカだからね」 「ははっ・・そっか」 美月も私も微笑んだ。 「綾・・僕は意地でも綾のそばを・・離れないから」握る手に力がこもる。 「そんで・・・僕が綾を守るからね!」 ちょっと顔を赤くした。 キュンとして・・。 可愛くて・・・ でも頼もしい・・。 「美月も・・成長してたんだね・・反省しなきゃ」 「ん?なんで?」 「ずっと子供だと思ってたから・・・」 「見直した?」 「うんっ・・」 「ははっ、そっか!」 その笑顔を見て・・・。 私は強く思った。 たぶんこんなに愛しいと思う人はこの先出会えないと・・・。 「綾、お腹空いた・・」 「う、うん・・今日はご馳走作るね!」 「わあっ!ステーキがいいっ!むぅ・・けど焼き肉もいいかなぁ・・」 すれ違う人が微笑む。 「美月はやっぱし子供だね・・」 「むぅ・・」
11/02/08 10:55
(jRC0Suzl)
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
美月は有言実行してくれた・・・。
つかず離れず私の隣にいてくれる。 まさか息子に守られるなんてね。 ダメな母親。 でも嬉しい・・・。 特務班の事務所で命令がくるのを待っていた。 特にやる事がない。 私は料理の本を読んで暇を潰していた。 季節的には真夏。 夏の料理が食べたい。 夏だから冷たい物というわけでわない。 熱い物もいい・・。 土壌が取れれば土壌鍋でも作りたいけど。 美月は何か書いている。 後ろから抱きついて覗いてみる。 設計図かな? M1911のサイレサーは完成した。 これは・・・。 「何の設計図?」 「んっとね・・・反動を抑制する装置・・アサルトライフルにつけれればいいかなって思って」 「ふーん・・・」 クリス スーパーVというシステムがあったな。 Vectorっていう45口径のサブマシンガンについている 撃った事はないがかなり反動はマシになっていた。 45口径サブマシンガンといえばM1A1トンプソン。 撃った事があるけどあれは重くて持ち運びがしんどかった。 まさにアメリカって感じの銃だった。 重さで反動は控えめだった 近年のアサルトライフルは軽量化されている。 反動も少なからず大きくなる。 美月は集中しているみたいだ。 邪魔にならないように静かにしていよう。 コンコンとドアがノックされる。 ついに任務か? 「ママ、お疲れさま」 「美空っ」 美空が白衣を来て差し入れを持ってきてくれた。 「研究はどう?楽しい?」 「うん、楽しいよ」 美空を膝に座らせる。 最近美月がベッタリだから美空は甘えられてないんじゃないかな? 「ママ、大丈夫。十分甘えてるから」 「あ、うん・・」 美空はちゃんと心を察してくれる・・。 申し訳ない気持ち・・。 頭を撫でる。 「今日は研究終わったんだ・・だからママ・・」 「うん?」 「おやすみなさい・・」 私の腕の中で寝てしまった・・・。 私が男だったら間違いなく美空を襲うだろうな。 本当に殺人的にかわゆい。 この事務所は広いようで狭い。 窓はあるけど液晶モニターに風景が映るだけ。 美月がカリカリとペンを動かす音だけが部屋に響く。たまにはこんなのもいいな・・・。 美空を抱き締めるだけでも幸せだ。 静かに寝息を立てている。幼い顔だけどしっかり成長している。 テレビをつけて時間を潰す本当に任務の命令が下りてこないな。 隣のデスクで美月が設計図を書いている。 「進んだ?」 「うーん・・・うん」 設計図を書いて作ってから試験をして改良していく。完成はずっと先だろうな。 ぼんやりと夕飯を考える。実に緊張感がない。 電話が鳴る。 里花からだ。 「お待たせ、任務を命じます」 「待ってましたっ」 ムフーッとなる。 いよいよだ。 「ロシアにある廃墟を探索して欲しいの」 「探索・・・?」 「がっかり?最初に言ったけど戦争に介入はしませんので」 「探索って何を・・?」 「プリピャチのチェルノブイリはご存知?」 「はい・・・」 正確にはロシアではない・・・。 まさに大惨事だった。 まだ放射能が残る。 「そこで行方不明の人を探索して欲しいの。もちろん放射能が無い場所ね」 「はい・・」 「最新式のガイガーカウンターを持っていってね。詳細は携帯デバイスに送るから」 「了解・・・」 まるで探偵だな・・。 美月に聞いた事を話す。 「ふーん・・」 「まぁ肩慣らしって所ね」 「よしっ、じゃあ準備しよっと」 美月が装備を整えている。 きっちり心を引き締める。どんな任務だろうが油断できない。
11/02/09 22:03
(DjBUZU9L)
投稿者:
綾
◆Df3LS3WJTE
一通り訓練を済ませて出発する。
ノアの方舟がどこにあるかは極秘のため目隠しをして施設を出た。 飛行機に乗ってしばらくしてから目隠しを取った。 ロシアまで6時間弱。 美空は置いてきた。 あの様子じゃ任務はできない。 美月が椅子に座って資料を読んでいる。 「これ本当かな・・?放射能をたくさん浴びて死んだはずの人間が蘇ってまたプリピャチ市内に逃げ込んだって・・」 美月が首を傾げている。 私も信じてない。 蘇ったまでは信じてもいいけどなぜまたプリピャチ市内に行ったのか・・。 ウクライナのプリピャチ市内で何度も目撃されているらしい。 放射能がまだ強く残る場所を平気であるいていたとか・・・。 今回の探索目標。 動きを観察するだけでいいらしい。 しばらくして仮眠を取る。寝れる時は寝といた方がいい。 ロシアの空軍基地についた私も美空にスーツを作ってもらった。 黒猫のマスクだ。 スーツもセクシー。 美空と美月のスーツより大人っぽい。 「どうかな?」 「か、可愛い・・・」 美月・・羅紗が誉めてくれた。 着替えてから飛行機を降りる。 ロシア軍の協力を得て任務をする。 だが顔は見せられない。 だから猫マスクを作ってもらった。 今度はヘリに乗って目標地点に向かう。 今回の任務は絶対安全だ。それの理由は・・・。 目標の近くで下ろしてもらった。 街がある。 人はいない。 ここは放射能もない。 だが人はいなくなった。 あたり前だ・・・。 事故の起こったチェルノブイリまでかなり距離がある・・だが放射能は目に見えない。 怖くて引っ越すだろう。 ガイガーカウンターをつける。 反応なし。 前進する。 レーダーのように放射能に反応する。 範囲は500メートル。 目標の人間が近くにいたら反応するはずだ。 廃墟の中に入っていく。 ちょうどいいビルを見つけた。 SCARを構えながら階段を登る。 コツコツと足音だけが響く トラップをつけて屋上に向かう。 かつては人がいた街。 今は誰も住んでいない。 屋上についた所で装備を下ろす。 ノートパソコンを開く。 今回は新型UAVの実験でもある。 チェルノブイリ原発には人間は侵入できない。 機会なら可能だ。 小型で小回りもきく。 たぶん空軍基地から発進しているはず。 操作画面を見る。 操作可能範囲はそこまで広くはない。 ここが安全に操作できるギリギリの場所だ。 あと2.3キロ進めば微弱な放射能が残っている。 軍人にやらせればいいのにって思った。 けどせっかくの任務だ。 報酬もあるらしい。 UAVを操作する。 プリピャチ市内が映る。 暗視だがくっきり建物が見える。 実際に見るとさすがに・・・・。 話に聞いていたよりずっと恐ろしい。 道には装甲車が乗り捨てられている。 美月も画面を見ている。 暗証から熱探知モードに切り替える。 低空で飛行する。 熱源はない。 動物もいない・・。 まるでゲームをしているようだ。 観覧車が見える。 いた・・・。 上空を旋回して目標をとらえる。 ベンチに座っている。 ゾクッとする。 人間より一回り大きい。 見た目も恐ろしい。 映像データは常に基地に送られている。 しばらく目標を観察する。歩き出した。 何かを持っている。 「花束・・・?」 「みたいだね・・」 「なんでかな?」 UAVにはミサイルが積んである。 発射には許可が必要。 目標はトボトボ市内を歩いている。 原発の前に立ち止まった。花束を一つ置いて祈るように手を合わせた。 そしてまた歩きだした。 いくつかの場所に花束を置いて祈って回っている。 「まだ人間なのかな?」 「そうなのかな・・・」 「見てて・・辛いよ」 美月が少し悲しそうな声で言った。 何をしているんだろうか・・・・。 途中で立ち止まった。 こっちを見た・・・。 急に走り出す。 一瞬で分かった。 ヤバい・・・。 「美月、退却」 「・・うん」 ノートパソコンをしまってすぐに撤退する。 ビルを出て回収地点に向かう。 ヘリコプターを待つだけ。十分行動は記録できたはず・・・あの目は・・。 凄まじい恨みや憎しみの籠った目だった。 撤退しながらトラップを仕掛ける。 かかってくれればラッキーだが・・。 回収地点の近くの小屋に身を潜める。 美月が震えている。 無理もない・・・。 回収まで15分・・・。
11/02/10 22:28
(GHqlTTS1)
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