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Delivery hot line
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:Delivery hot line
ガラッ!
「毎度~龍宮飯店で~す」
『うわっ!?ったく、何でいつもそんな所から入ってくるんだよ』
 オカモチ片手に突然窓から現れたこの女は、隣の中華料理屋の看板娘の華鈴。俺の幼馴染みだ。
 父親が日本人、母親が中国人のハーフで、互いの親同士が親友という事も有り、何かと世話をしてくれている。たった2歳だけ年上なクセにいつも俺の事をガキ扱いする。
 確かに端正な顔立ちと功夫で鍛えた完璧なプロポーションで男達は勿論、スパッとした頼りがいの有る性格から女性からも人気が有り、昔からバレンタインには抱えきれない程のプレゼントを貰っていた。なのに俺が知り得る限り彼氏がいた気配は無い。本人いわく面倒臭いらしい…。
 何度も告られたり、合コンに誘われたりしたのに全て断って来たらしい。かなりの好物件も有った筈なのに、いつも胸に手をあて、笑顔でお断りしていたんだ。
『いい加減窓から入ってくるの止めてくれよ、華姉(ふぁねえ)』
「別にいいじゃない。ところでちゃんと勉強進んでる?ヨッと…」
『ワッ!ば…馬鹿…』
 店の制服のチャイナのまま窓枠を跨いできて、その深いスリットからのぞくなまめかしい脚の為に目のやり場に困る。
「何よ、祐君の所に窓から来るのは昔からじゃない」
『いつまでも子供みたいな真似するなって言ってるんだよ』
 まったく、いくら幼馴染みとはいえ、ちょっとは気を使って欲しいよ。一応、俺は男なんだからさあ…。
 確かに小さい頃は互いの部屋を行き来するのにこの窓から出入りしてたけど、ある時から華姉の部屋にあまり入れてくれなくなった。当時ガキの俺には訳が解らず不貞腐れたが、今は理解出来る。ただ華姉自身は今みたいに俺の部屋に全く遠慮無しに入ってくるが…。
「何よもう、冷たいわね。あ…それとも、私に見られたらマズイ事でもしてたのかな?」
 意味有り気な笑みを浮かべている。
「ま、確かに祐君の年頃なら解らなくは無いけどぉ…」
 裾を摘みセクシーなポーズで俺をからかう。
『ば…誰が華姉なんか…』
 とは言ったものの、ベランダの洗濯物を見かけてドギマギしたり、何度も恥ずかしい事を華姉にした事も有った(勿論夢の中でだが…)。
 そんな俺の事などお構い無しに、まるで母親が子供をあやす様に俺にくっついてくる。
「どれどれ…お姉ちゃんが見てあげようかな」
肩に手をあて後ろから覆い被さる様に覗き込んでくる。
プニ…
 ウワァッ、こ…後頭部に華姉のち…乳が…。
温かくて柔かな感触とズシッとした重圧が…。
ドキドキ…ドキドキ…
フワ…
 華姉の髪が俺の頬をかすめていく。イイ香りがする。料理の楽しむ雰囲気を壊すからと華姉は化粧はしない、というか必要無い。華姉自身の甘い香り。
 ヤ…ヤバい、俺が反応しだしてる。これ以上傍に居られたら…。
『う…煩いな、忙しいんだろ。早く帰れば?』
うう…我ながら最悪…。
 華姉はヤレヤレという感じで見ている。
「ハイハイ、分かったわよ。後で器取りに来るから、冷めない内に食べてね」
 来た時と同じ様に窓枠に手をかけて出ていこうとする。
『華姉ッ!』
「…?」
『……ァ…ァリガト…』
「どういたしまして」
 流石に子供の時みたいにすんなりとは出られない様だ。
 両親とも考古学の研究者として働いている俺にとって食事などの世話は華姉達がみてくれていて本当に助かっている。実際俺にとってお袋の味は華ママ(華姉のお母さんだからこう呼んでいる)だと言っても過言じゃ無い。
 ああ…そういえば華姉も色んなモノ作ってくれたよな…。膨らまなかったシュー生地をビスケット、直火で溶かしたから焦げたチョコをビターチョコだとか言ってたっけ。
 アレは酷かったよなぁ…本当に。華姉の唯一の欠点といえるのが超ーー料理下手。女性では珍しい特級厨師の資格を持つ華ママとは雲泥の差だ。それが原因でよく華姉と喧嘩してたっけ…、まぁいつも俺がコテンパンにのされてたけど。
 大体、師範レベルの華姉に勝てるが訳無い。
 子供の頃だって手なんか包帯だらけだったし。
 …アレ?そういえば何でそんな事になったんだっけ?
 俺がすっごく小さな時に確か…。

《…コレあげるから…》

 う~ん…もう少しで思い出せそうなんだけど…、まぁイイか、とりあえず勉強、勉強っと…。


数日後・・・

グゥ~…
 部活も終え、空腹でエマージェンシーコールが鳴りまくりの腹を抱え家路についていた。
『…腹…減った~』
 家に有るスナック菓子程度では解消しそうにも無い。
 たまには華姉の店に食べに行くか…。日頃お世話になってるお礼も言いたいし。
ウィィィン…
 店内は丁度一息つける時間帯らしく行列は無いもののほぼ満席だ。
「いらっしゃ…アラ?祐君が来るなんて珍しいネ」
『お久しぶりです華ママ。いつもお世話になりっぱなしで…』
 厨房近く奥の席が空いていたので腰を降ろす。
「祐君は我が家の子供も同然、気にする事無いネ、でも…」
 でも…?何かタイミング悪かったかな。材料無いとか…。
「今、華鈴は出前に行ってるネ」
 別に遊びに来た訳では無いのに何で華姉の名前が出て来るんだ?
ググゥ~…
 ダメ…腹減った。
 ともかく空腹な事を伝えると一瞬の間をおいて…。
「わかったネ。可愛い息子の為、腕を奮ってあげるネ」
 流石は炎の特級厨師。あまり待たせる事無く大好物のメニューがテーブルに並べられた。
『イタダキマ~ス』
 どれから食べようか、目移りしながら箸をつける。
 …ん?アレ…?凄く美味しいんだけど、何か違う様な…。
 特級厨師の華ママが味付けにバラつく訳無いし。何がどう違うと言われても判らないけど、何だかこうシックリこない。
「ただいま~」
 箸をくわえたまま首を傾げていると華姉が帰って来た。
『あ…お帰りぃ』
!?
 俺の姿を見た途端、一瞬華姉の顔がひきつった様に見えた。
「ちょっ…何で店に祐君がいるのよ!!」
何でって言われても…。
「どうぞ、ごゆっくり!」
バタンッ!!
ダンダンダン…
 訳が解らず首をかしげていると、典型的な営業スマイルと共に突然声をあげてそのまま自室への階段を駆け上がって行った。
 何であんなに不機嫌なんだ?
「ごめんネ、祐君…」
 全ての皿を空にした後、華ママのすまなそうな声を背に店を後にする。
 その日から俺の部屋に華姉のウインドーデリバリーは届かなくなった。
 翌日からは何となく気まずくて自炊を始めるしかなかった。窓越しに声をかけても返事も無い。
 まぁ、ご飯だけは炊けるので、後は出来合いの惣菜やレトルトやインスタント食品の日々が続く。一度出前を頼んでみたが、やって来たのは見知らぬバイトの娘だった。

『ウ~、何だってんだよ、華姉のヤツ…』
 アレから一度も俺の部屋には来ないし、声かけても無視するし、店に行ったら無愛想どころか更に機嫌悪くなるし。俺が何したっていうんだよ。
 憂さ晴らしにゲーセンに行ったもののスッキリする筈も無く、訳の解らないイライラを抱えたまま家路についていたが、まさかその本人が俺の部屋に来ていようとは知る由も無かった。

「相変わらず散らかしっぱなしね。彼女がいないの丸解りじゃない」
 床に散らばった漫画や菓子袋を片手に溜息をついている。つれない態度をとっていてもやはり気になっているらしい。
 ある程度片付いたところでベッドに腰を降ろした。
「ちょっと大人気無かったかなぁ」
2011/10/11 20:45:51(GQamgTI3)
2
投稿者: たんたんタヌキの○○

「大体祐君が悪いんだよ。アイツ…忘れちゃってるのかな…」
ボフッ…
「祐樹のバカ…」
 そのまま倒れる様に身体を横たえ、掛け布団で身体を包む。
「あ…祐君のニオイがする…」

ガチャ
 ただいま…なんてもう何年も口にしてない。返事が帰ってくる筈も無いシーンと静まった家。俺以外に誰もいやしない。
 リビングテーブルの上に鞄を投げだし、冷蔵庫からDr.ベッパーを取り出す。いつもと同じ繰り返し。
カサ…
!?
 誰もいない筈なのに人の気配がする。
誰だ…?
 気付かれない様に息を潜め音のする方へと近づいていく。
 どうやら俺の部屋からみたいだ。
「…ン…ンン」
 ドアの近くまで来ると押しころす様な低い女の声が聞こえてくる。
 音を起てない様にゆっくりと少しドアを開け、中の様子を伺うとベッドの上にあられも無い姿の女性が…。
(ふ…華姉…?)
 片袖を脱いだチャイナからは自慢の形の良い乳房が零れ、M字に開いた脚の膝あたりにはピンク色の小さな布が丸まってる。
 虚ろな瞳で手にした何かを見つめながら、もう片方の手は脚の付け根あたりで小刻みに動いている。
「ァァ…ィャ…そこは…ん…」
 まさか華姉…オナ…?何で俺の部屋で…?
 どうする?今入っていくのは流石にマズイだろうし、このまま立ち去るってのも変だ。第一ここは俺の部屋だぞ。
 予想だにしなかった光景に思考はパニクってしまっているが視線は一点から逸らすことが出来ない。

「ぁふ…ハァハァ」
 扉の向こうに俺がいる事にも気付かずに夢中で独り遊びを続けている。
ビクンッ!!
「ア、イヤッ!イ…イイ…気持ちイイ…もっと…もっとぉ…」
 俺がいる事にも気付かずに夢中で独り遊びを続けている。
カチ…
 さっき見つめていたモノを取り外し、キスをしたかと思うと自分の首筋から胸元へ、そして円を描きながらツンと尖ったピンク色の先端へと移動させていく。
「アア…イヤァ…駄目ェ…」
 大きく肩を上下させ、呼吸は粗くなっている。
 こんなにも甘く切ない華姉の声なんて今まで一度も聞いた事が無い。
 先日の華姉の香りと後頭部の感触が鮮やかに脳裏に蘇り、下半身が痛い位に硬くなっている。
 やがて視線を降ろしたかと思うと、その見つめる先に有る一点へとそれを持って行く。
ビクンッ!!
「ハァ、アアッ!イ…イイ…イイの…もっと…もっとぉ…祐樹ぃ!」
 思いがけない名前を呼ばれたのと、無意識の内に前のめりになっていた為、バランスを崩しドアにぶつかってしまった。

…ッ!?
 華姉は慌てて布団で身体を隠す。仕方無い…腹くくるか。
『な…何の用だよ、華姉』
「ゆ…祐く!?何で…ちょ…ちょっと勝手に入って来ないでよ!!」
 勝手にも何もここは俺の部屋だぞ。
 俺の思った事を悟ったかの様に薄手のタオルケットを身体に巻きつけ立ち上がる。
「分かったわよ。出ていけばいいんでしょ、出ていけば!」
『ちょっ…待てよ華姉』
 慌てて華姉の腕を掴んで引き寄せた手に力が入る。
「痛いッ!離してよ、バカ祐樹。この嘘つき!裏切り者!!」
 嘘つき?裏切り者?何だ…何を言ってるんだ華姉は。
 華姉は大粒の涙を流し、まるで小さな子供の様に泣きじゃくって俺の胸を叩き続けている。
「何よ、祐樹から言い出したくせに。私が…私が受けたんだからね。なのに…なのに非道いよ。嫌い!大っ嫌い!!」
 俺には華姉が何を言ってるのか解らず困惑していた。
「離せ、離してよ。イ…イヤアッ!」
 腕の中で暴れる華姉を制しようとした反動で身体に巻きつけていたタオルケットが開けたと同時に彼女の手から何かが零れ落ちた。
「あ…見るな、見ちゃ駄目!」
 慌てて拾おうとする華姉より早くソレを手にした。
『こ…これは…』
 俺の掌の中に有ったのは誰が見ても一目で玩具だと判る小さな指輪。それを見た瞬間、全て理解出来た。

 ―小さな約束を―

 あれはまだ本当にガキだった頃。町内会の用事で大人達が居なかった時、留守番をしていた俺達は時間を忘れて遊んでいた。両親達は予定よりも帰りが遅く、俺は腹を空かせていた。
『ネェ、華姉お腹空いたよぉ。何か作ってよ。華ママはコックさんなんでしょ?』
 親が特級厨師だからといって、その子供が料理上手な理由にはならないのだが、当時の俺は女の人なら誰でも出来ると思っていた。
「エ~ッ、駄目だよ。ママには火は使っちゃ駄目ネって言われてるし」
 あまりに俺が駄々をこねるので仕方なくエプロンを身につけ台所に立ってくれた。
 でも子供に凝った料理が作れる筈も無く、出て来たのは小さな手で一生懸命握ってくれた不格好なおにぎり。
 それでも俺には凄く美味しかった。
『また作ってね、華姉』
「エ~、嫌よ、ママに怒られるモン」
『そんな事言わないでよ。あ、そうだ僕の宝物あげるから』
 そう言ってポケットからある物を取り出した。

 ―そうだ、これはあの時の指輪だ―

 そして俺は周りの大人の真似をして、当たり前の様に華姉の左手の薬指にそれをはめたんだ。
 華姉が顔を紅らめた理由も知らずに。

『お願い、華姉』
「ママじゃ無くて?」
『ウン』
「ずっと?」
『ずっと、ず~とだよ』

 あの時、華姉はこれ以上無い程に真っ赤な顔で小さく頷き、そして…そして俺にキスをしたんだった。
 じゃ…じゃあ今まで俺が食べてきた物は…。
 俺の懐で小さく震える華姉が崩れる様に座り込む。
「私…私頑張ったんだから。祐君に美味しい物食べて欲しくて…。いっぱい…いっぱい練習したんだから…」
 ああ…そうか、あの手の傷は功夫じゃなくて。
「なのに…祐君の馬鹿…馬鹿…」
『ごめん、華姉…』
 思わず彼女の身体をキツく抱きしめていた。
「痛い…痛いよ、祐君」
『ご…ごめん、華姉…』
 慌てて手を振る様に離れた。
「もういいよ…許してあげる。でもさっきから謝ってばかりだね」
『あ…ごめん』
「プッ…ホラまた」
 二人同時に笑いだし、互いのワダカマリも消えた後の僅かな沈黙。
「じ…じゃあ私、帰るね…」
 視線を逸らす様に立ち上がる華姉を慌てて引き止める。
『ちょ…そのままじゃ…』
 俺の指先の動きを辿る様に視線を落とすと改めて自分の恰好を認識した様だ。
 片方の胸があらわになっていて、下着はふくらはぎの所で引っ掛かったまま。つい先程まで自分が何をしていたか思い出したらしい。
「キャーッ!イヤーッ、見るな、見ないで!祐君のエッチ、スケベ!」
 咄嗟にしゃがみ込み、落ちたタオルケットを纏う。
 見るなと言われても、さっきもっと凄いの見ちゃったし…。
「ウ~、何よ、祐君だってこんなになってるクセに」
 プイッと頬を膨らませ、今にもファスナーを突き破りそうに勃起した先端を指で弾いた。
 互いに照れ隠しに笑って見つめ合った後、華姉がきり出した。
「あ…あのね祐君、私本当…」
 華姉の言葉を指で遮る。
『ちょっと待って…』
 実はゲーセンに行く前にある店に寄っていたんだ。お陰で小さい頃から貯めてたお年玉や小遣い、切り詰めた生活費にバイト代が殆ど無くなったけど…。
『本当は華姉の誕生日に渡したかったんだけど…』
 ポケットから取り出した小箱に入っていた物を華姉の薬指にはめる。あの時と同じ様に…。
『また俺にご飯を作ってくれる?』
「ママじゃ無くて?」
『ああ』
「ずっと?」
『ずっと、ず~っとだよ』

 また顔を真っ赤にした華姉を見つめ、唯一知っている中国語に俺の想いの全てを込める。
『我愛イ尓(貴女を愛しています)』
「祐樹!!」
 あの日と同じ様に唇を重ねる。あの時よりも、もっと…もっと長い間…。

 その日、俺達は仲の良い姉弟でも、幼馴染みとしてでも無く、一組の男女として初めての夜を過ごした。
11/10/12 00:38 (yHFv2PBR)
3
投稿者: たんたんタヌキの○○

 翌朝、目覚めると既に華姉の姿は無く、代わりに一枚のメモが置いてあった。
【夕方私の家に来て下さい】


 表の店側のシャッターは閉じられ、【本日臨時休業】の貼紙がしてあった。
 何度も訪れて、まるで自分の家の様に過ごして来たのに、昨日の今日では何か緊張する。
 裏の勝手口の前で背中に冷汗を感じながら震える手でドアノブを握る。
「あ、祐樹。いらっしゃい」
 扉を開けると少しおめかしした華姉が出迎えてくれた。今日は珍しく薄化粧を施している。
「あ…ヤッパリ変かな…?」
 いつもと雰囲気の違う華姉に見とれて硬直している俺を不安そうに覗き込む。
『う…ううん、綺麗だよ、華姉』
「アハ…謝々(笑)」
 花の様に笑顔が綻ぶ。
 リビングには沢山の豪華な料理と華ママが待っていた。
「お帰りなさいネ、祐君」
 ニコニコと意味有り気な笑顔…。こりゃ華ママには確実に昨日の事がバレてる…。
 まあバレない方がおかしいだろうけど…。つい昨日まで思いっきり不機嫌だった娘が俺の家から一晩中帰って来なくて、朝になったら逆に物凄く上機嫌で、しかも化粧なんかしだしたら。
『あ…あの、すみませんでした』
 緊張する俺をあやす様に頭を撫でて…。
「何言ってるネ。これで祐君は本当に私の息子ネ。とても嬉しいヨ」
 優しくハグした後に俺の肩を持って反転させたかと思うと耳元でこう囁いた。
「頑張ってネ、向こうでパパがお待ちかねネ」
 一瞬で全身の血の気が退いた。
 勉強ばかりの俺の親父とは違い、華パパは普段は優しいんだけどキレたら物凄いらしい。確か若い時はかなりヤンチャで、噂では組をたった一人で潰したとか何とか…。
 うう…緊張する。
コンコン…
『し…失礼します』
 ドアを開けた途端、鋭い視線が突き刺さる。ウワ…、ヤッパリバレてるよ。
「おい、祐樹…」
 ゆっくりと近づき、俺の襟を掴む。マジ殺されるかも…いや、後悔も言い訳もしない。ちゃんと許可を貰って…。
「テメェ…十何年もずっと傍に居たクセに、今頃ったぁどういう事だ?俺の自慢の娘に何か不満でもあるのか!?」
 えっ?どういう意味?
「こっちはとっくに覚悟決めてるのに遅いんだよ。ったく、そんな所は父親ソックリだなお前は」
 つ…つまりOKって事かな?
「あ…そうだ忘れてた」
ゴツンッ!!
 ホッと胸を撫で降ろしたのも束の間、頭上に華パパのゲンコツが落ちてきた。
『痛ッテーッ』
「まあその…何だ、華鈴を泣かせた罰と、大事な娘を盗られた父親のヤキモチの代償だ。有り難く受けとれ」
 背を向けそう言った華パパは耳まで真っ赤だった。
『あ…有難うございます』


 その日の夕食はとても賑やかな物となった。俺の手をとり甘い言葉で自分の料理を食べさせようとモーションをかける華ママと、間に割って入り無理矢理自分の方に顔を向け、食べさせようとする華姉。互いに牽制し合う二人を見て上機嫌で次々とビールを空けていく華パパ。
―そして翻弄される俺…。
 憧れていた家族の団欒がそこには有った。

 めでたく華姉のウィンドウ・デリバリーも再開となったのはいいけど、親公認の仲となった為、以前より大胆かつ積極的にモーションをかけて来る様になった。

 この間は胸の部分を大胆にカットされた谷間を強調したチャイナにワザと下着も着けずにやってきたり、3日前など俺の家でご飯を作ってくれたが、何とエプロン一枚の姿でいるんで、思わず後ろから抱きついてしまった。ガキの頃、キッチンに立つ華姉の後ろ姿が好きでよく甘えていたけど、
「きゃあ、祐君のエッチ」
って怒られた。当時は何で華姉の顔が真っ赤で、どちらかというと困った様な表情をしているか判らなかったけど、こういう事か。

 さあ、華姉の携帯へと俺専用のHOT LINE。

「ハイ、【華鈴】飯店で~す」
 普段より半音高めの嬉しそうな声。
『華姉、[いつも]のお願いね』
「ハ~イ、【スペシャル華鈴セット】ですね。すぐお伺いしマ~ス」


 少し頬を染め彼女はいつも通り窓からやってくる。テキパキとテーブルに並べられた【ご馳走】の山。

「ン…ンン、どう祐君、美味しい?」
 適温に冷えたジャスミン茶を口移しで。微かに口に拡がる甘味と芳香。
「ハイ、祐君。ア~ン」
 寄り添う様に隣に座り、俺の口に自慢の料理を運んでくる。とても甘い時間。
「ねぇ、【スペシャルデザート】は何時がイイ?」
 脚を擦り合わせ、更に頬を紅くして瞳を潤ませて尋ねてくる。
 答えは決まっている。

『勿論、今!』

 華姉を抱き寄せ、向かい合わせで膝の上に座らせる。
「もう、祐君のエッチ…ぁん…」

 恋のデリバリーは【秘密の味】。
 華姉の薬指に二人の未来が光っている。

―劇終―
11/10/12 00:40 (yHFv2PBR)
4
投稿者: あいゃ~
青春ですな~
11/10/13 21:11 (Pn9MePGq)
5
投稿者: たんたんタヌキの○○
青春…何かお尻がムズ痒くなる言葉ですねf^_^;
しかし、エロくも何にも無い話しか書けないのにここに投稿しても需要無いだろうな…と自己反省。
11/10/14 10:24 (DDksp5ti)
6
投稿者: まさ
そういえば、あまりエロくなかったかも…。
でも、面白かったですよ!(b^ー°)
11/10/15 00:42 (8R.TNrYa)
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