暗く無機質な、ネカフェの密室。
卓上のモニターには、雰囲気作りのために私が流した「牛のコスプレをしたお姉さんが腰を振る動画」が、一時停止のまま時を止めています。彼にとって、そんなチープな虚構はノイズでしかなかったのでしょう。
動けない私の顔の下には、いつの間にかふんわりとしたタオルが差し込まれていました。フラットシートだけでも十分に柔らかいのに。私が肉塊に成り下がってなお、彼が私という人間に100き合ってくれているという事実を突きつけられます。完璧な冷酷さの中に潜む、こういう微かな慈悲こそが、彼がただの鬼畜になりきれない、最も恐ろしい所業なのです。
横たわったまま、私はズボンのポケットに手を忍ばせました。
中にあるローターは無視し、もう一つの武器を取り出します。刺激成分入りで、塗るとしばらくヒリヒリするリップグロス。それを密かに唇に厚く塗布しました。彼に対する、私なりのささやかな「仕返し」です。
ちょうどそこへ、一服を終えた彼が戻ってきました。
「まだ反芻してる(苦笑)」
抵抗を放棄した私に、彼は呆れたようにキスを落とします。その途端――リップの刺激に気づき、彼の顔色が微かに変化しました。
私の小さな反抗を悟った彼は、無言で私を仰向けに転がし、今度は私のお腹へと『手当て』を開始しました。
私は、これに極端に弱いのです。
彼の手が下腹部に置かれる。一定時間、何も起こりません。しかし次の瞬間、突然予期せぬ快感の波に襲われ、ビクビクビクッ!♡ と一気に達してしまう。
0凪の状態から、助走すら一切なく、100絶頂へと強制的に引きずり込まれる感覚。
なぜこんなことが起きるのか、仕組みがまったく分からない。私が激しい快感に溺れて息も絶え絶えになっているのに、彼は微塵も動じません。ただ一定の圧で、彼の手がそこに『在る』だけなのです。
「……やばい…やばいやばいやばいやばいやばい……」
気がつけば、私はかすれそうな吐息で囁いていました。
すると、彼が私に同調するように、同じくらい小さなトーンで「やばいやばいやばいやばい」と呼応してきたのです。……神と、完全にシンクロしてしまった。
頭と子宮が、一本の太い線で繋がっている。
それがはっきりと視覚で認識できるほどの強烈な電撃が全身に散り、私はかつてないほど深刻な絶頂を果たしました。
息を乱す私の衣服に彼が手をかけ、無造作に前ジッパーを下ろして、110kgの巨大な乳房を引きずり出します。
そして、無防備な両乳首へ、容赦のないデコピンが5発。
痛い。間違いなく痛いはずなのに、脳がそれを「極上の快感」として認識してしまう。これまでの彼の施しによって、私の神経回路は完全にバグらされていました。
あまりの仕打ちに、私は上体を起こし、抗議するように彼を睨みつけたつもりでした。
しかし、彼は一瞬私と目を合わせただけで。
冷酷に私の頭を鷲掴みにすると、そのままドンッ! と床へ叩きつけたのです。
「俺を見るな。床でも見とけ」
声なき声でそう言い放つように、容赦なく体重をかけて私の頭を押し込んでくる絶対的な力。
あぁ、だめだ。
その瞬間、私の頭の中で何かが完全に弾け飛びました。
最後に残っていた『観測者』としての理性が決壊し……私はついに、床に頭を擦り付け、へらへらと笑いながら勝手に腰をへこへこ動かすだけの【ただの肉塊】へと変身してしまったのです。
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