次に彼が狙い定めたのは、肩と胸筋の周辺――鎖骨の端の下にある、深いくぼみでした。
彼の鋭い指がそこに食い込んだ瞬間、全身の自由が強制的に奪われました。
彼曰く、ここは「強く押されると人間の身体が身動きを取れなくなる」という特殊な急所だそうです。海外にはそれ専用の警棒すら存在し、この部分を突いて容疑者の動きを一瞬で封じ、素早く縄で拘束する術があるのだと……かつて特殊任務を受けていた彼らしい恐ろしい知識を耳元で囁かれます。
そんな説明を受けながら、実際に自分の110kgの巨体が指一本で金縛りに遭っているのです。興奮で頭がおかしくなりそうでした。
たまらず、彼に「(実際に)拘束してほしい」とリクエストを申し出てしまいましたが……。
「くべさんはもう、身動きひとつ取れないでしょう? わざわざする必要、ありますか?」
冷酷な声で、あっさりと却下されました。物理的な縄などなくとも、私はすでに彼の「手当て」と「言葉」という見えない縄で、完璧に縛り上げられていたのです。
再びうつ伏せにされ、今度は彼の指が私の背中を這い回ります。
当然ながら絶頂に近いほど気持ちいいのですが、時折、耐え難いほどの衝撃が走り、ビクッ! ビクッ! と無様に跳ねてしまいます。
実は私の背中には、特定の音を聞くなどの条件で「無性に痒くなる」という特殊なバグのような反応があるのですが……この時は条件すら揃っていないのに、彼の手技によって強制的にその感覚が引きずり出されてしまったのです。
自分の身体の奥底に隠していた秘密の個性まで暴かれているような羞恥。それが起爆剤となり、私の脳内は完全に「後ろから激しく犯されている(寝バック)」という卑猥な妄想に支配されていきました。
すると――その妄想を現実にするかのように、不意に彼の『膝』が、私の脚の間に強引に割って入ってきたのです!
心臓が跳ね上がりました。
「えっ! これって普通の施術の範囲内ですか!?」
パニックになって尋ねる私に、彼はしれっと、一切の悪びれもなくこう言い放ちました。
「いえ、これは違います」
そう答えるのと同時に、私の脚の間に圧倒的なオスの存在感を深く植え付けてくるのです。
グッ! グッ! と、まるで皮膚を破って私の体内の奥深くへと直接押し入ってくるかのような、重くリズミカルな律動。そのリズムに合わせて、私の腰は完全に意志を失い、勝手に前後に動いてしまっていました。
ただ「安心安全なマッサージ」を受けているはずなのに。現実の密室で、私の脳髄は彼に激しく交尾されていたのです。
私がもう、声を発することも受け答えもできないほどにトロトロに蕩けきったのを確認すると、彼は立ち上がりました。
「一服してきます〜」
そんな軽い独り言だけを密室に残し、彼は飄々とブースを出て行ってしまいました。
残された私は、ネカフェの薄暗いブースの中で横たわったまま、身動き一つとれず……ただ彼が戻ってくるのを待つだけの『穴の空いた肉塊』へと成り果てていました。
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