夫婦の自宅に招かれた。
凄い豪邸だった。
奥さんが玄関をあげて中に入り、旦那と私のスリッパを並べた。
「いらっしゃい、おかえりなさい。」って改めて迎え入れた。
リビングに通され椅子に座らされた。
旦那さんが、ポケットから名刺入れを出した。
「無理なお願いをして申し訳ない。
私こう言う者です。」って営業トークは、上から目線で偉そう。
名刺を確認中に、身体が震えた。
「ヤバい。」
本社の取引先トップで、午前中メンテナンスしたうちの主力機械メーカーの社長だ。
私は、急に弱腰になってしまいました。
「あっ、すいません。
あいにく名刺をさっき切らしておりまして
その後日」ってこちらがしどろもどろになった。
「はい、はい、名刺は、結構ですよ。
営業と技術兼任の〇〇さんでしょう?」ってばれていた。
「うぐっ、私の事を………」って言葉にならなかった。
「社長は、私を知っているんですか?」
って聞いた。
「はい、当社の機械メンテナンス研修の時に、首席卒業した若者に何処か似ていると思っていましたよ。
タブレットの中にありました。」って見せられた。
そこには、新入社員研修の私と社長が、並びにっこりとしている。
絶句めまいで、椅子に倒れた。
「さっそく本題に入ろうね。
さっきの私達が、仮面夫婦関係は真実です。
私が、ゲイも真実です。
そこで、改めて君にお願いがあります。」って言われた。
「この真実は、口外しない事でしょう?
大丈夫です。
超大切な取引先の社長の秘密のリークなんかしません。
ご安心して下さい。」ってこちらが、頭を下げた。
「うむ、すまない。有り難う。」って頭を下げた。
「社長やめて下さい。
したっぱの若造にもったいない。」って言いました。
「さっきのお願いは、受け入れてくれるか?」って言われた。
「えっ、あれですか?
いやぁー、その事はちょっと困るというか、辛すぎるので、辞退をさせてもらえるならば……」って困り果てた。
「妻とキミのセックスを覗くってのは、あまりに失礼だからしないよ。
たまに、ちらちらって様子伺う程度は、したいと思います。」って言われた。
「はあぁ、それはまぁ…
社長は、愛妻家って評判ですよ。
ならば何故奥様と結婚されたのですか?」って聞きました。
「う~ん、まあ?大人の事情かなぁ?
婚約時代に妻には、全て打ち明けている。
当時妻には、彼氏もいたんだ。
だから納得の上の仮面夫婦になったんだ。
彼は、戸々に同居していたんだ。
しかしその彼が、先週病で、急死したんだ。
無論二人で努力はしたんだ。
しかしわしも、この通り老いぼれてこの通りです。
ゲイの世界でも、受け身になったんだ。
だからといって愛妻を、変な男に与えるのは、納得できない。
そこに偶然あの映画館に、君が入る所を見かけた。
直ぐ二人で、後を追った。
まずは、妻に君を誘惑させた。
簡単な試験をさせてもらった。
君の身体と性格を、妻がお気に入りだ。
そして二人で誘い落とす。
まぁ結局は、妻が丸く納めたな。」って笑っていました。
初めから狙われていたんだ。
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