採血ってのは、受診した症状に見合った項目しか検査しないんだよ
例えば風邪で受診したなら、白血球の数とか炎症反応とかいった項目で血液
検査の指示が出る、血液検査っていうのは、そんなふうに「症状の出ている
原因を調べるため」にするわけさ（勿論、尿検査もレントゲンも同様）
何の症状もないのに性病の検査なんかしないよ
本人が言えばしてくれるだろうけど、症状がなかったら自費ってことで全額
自己負担になるかもね

最近は、権利関係うるさいからね
「この患者、もしかしてエイズかも？」とか医者が思ったって、勝手に検査
はできない
だって「何この検査？あたしがエイズって疑ってるの？失礼な！」みたいに
怒られたりする可能性があるでしょ？
検査だってタダじゃない、その検査費用は患者が持つわけさ
でもその患者が「納得してないのに勝手に検査された！」とか言ってゴネた
ら、その検査の費用は医療者側が負担しなくちゃならないんだよ？
だから性病関連の検査は気を遣うね、いちいち患者の了解をとってサインも
らってからじゃないとできないんだよ、産婦人科や外科なんかは出産や手術
のときに、「これこれの検査をしますよ」ってルーチンで決めちゃったリス
トを見せて、まとめて了承してもらうから割と患者や産婦にそれと意識させ
ないで検査できるけどね

たとえば、淋病とかクラミジアとかなら、菌によって炎症が起きるから、炎
症を示す数値がアップするね（白血球＝WBC、とか、CRPとかだね）
でも、何によって炎症が起きているかの判断は、その数字ではできない
つまり結核でも肺炎でも腸炎であっても、炎症反応はアップするわけさ
性病によって数値は変化するけど、その数値の変化が何によって起きている
かの判断は、さらに検査しないと判明しないってこと
検査するには、患者自身が「心当たり」を言うしかないんだよ
それに炎症が慢性化しちゃうと数値も落ち着くから、それで治ったと思って
放置しちゃうこともあるよ
とにかく、性病検査以外で、性病にかかってるかどうかの判断は不可能って
ことだよ