2004/09/04 21:10:54
(Ptmcw8IL)
「――う……うぅ……」
その女性は、眠りから目覚め、ゆっくりとまぶたを上げた。
頭ががんがんする――睡眠魔術で強制的に深い眠りに陥ると起こる症状
だ。
あたりを見回すと、松明の光が暗い部屋を照らしていた。質素な造りだっ
た。石壁が剥き出しとなっているところを見ると、まるで地下牢のようにも
見える。
(ここは……?)
記憶をめぐらし、自分に起こった出来事を振り返る。
――最後に覚えていることは……そう、自室で調書を読んでいた時だっ
た。ここ数ヶ月、この国で起きている、女性に対する暴虐事件――王宮の内
部資料だと言われて、熱心に読んでいた――
(あの資料を渡したのは――渡したのは……確か――)
「――おや、お目覚めになっていましたか、セレーナさん」
不意にかかる声。扉を開けて、一人の男が入ってきた。その格好から、自
分と同じゲッフェンの魔導師協会の者であると分かる。
(メフィス=クランツ――!)
その男の名前を口に出そうとしても、フーフーと奇妙な音しか出すことが
出来ない。
「ふっ――はふっ……?!」
「おやおや、まだ頭が痺れてらっしゃるんですか。自分の置かれた状態も
把握できないとは……」
そう言って愉快そうに低く笑う男。眼鏡の奥に見える目が細くなる。
「ふっ……ふふぅ……っ!!」
ガシャッ
身を乗り出そうとしたとき、自分の両腕に感じる痛みが走った。そして、
金属音。
「――!!?」
そこで、ようやく自分が今どうなっているのか理解出来た。
身に付けている服こそ男と同じ魔導師のそれだが、手足を鎖で固定され、
口には拘束具――ギャグをはめられていた。
「私が気付かないうちに起きてしまって、術でも唱えられたら困りますの
でね……今外して差し上げますが、お願いですから妙な真似はしないで下さ
いよ」
そう言って近づくと、女魔導師の口にはめられた拘束具を解く。
口が自由になったとたん、女性は息を荒げて男に迫った。
「――メフィスっ!! あんた、一体どういう――!!」
「どう……って、研究ですよ。知的探求とでも申しましょうか――」
「け……研究ですって……!!」
両手足につけられた鎖をガチャガチャと鳴らしながら、女は語調を強め
る。
「えぇ。そうです」
しらっとして、男は続けた。「この国で起きている一連の事件――貴女も
ご興味をお持ちでしたが、その件に関して、すこし突っ込んでみたくなりま
してね……」
「それと、わたしのこの状態と、どう関係があるのよっ……!」
鋭い視線を向ける女魔導師。
その言葉に男は、動じるどころか逆に嬉しそうな――高揚感に満ちた顔を
向ける。
「犠牲になった女性達は、発見されると王都へと移送されて、その先はブ
ラックボックスになってしまうんですよ。この前の、ゲッフェン塔での事件
ですら、われわれ魔導師協会には何の通達も無く、女性はそのままプロンテ
ラへ送られてしまった――」
口惜しそうに表情をゆがめる。
男が言っているのは、数日前に起こった暴行事件だった。ゲッフェン塔の
地下で、女性が襲われたのだ。
その女性が塔から運び出されたときのことは、脳裏に強烈に焼き付いてい
る。担架に乗せられた体、被された大きな布。だらりと垂れた腕はピクリと
も動かず、死んでいるのか生きているのか見分けがつかない。ただ、布の下
から糸を引いて垂れてくる不気味な濁液が、その陵辱のすさまじさを物語っ
ていた――。
「今回、ようやくその資料の一部を入手出来たわけなのですが――あぁ、
これはお見せしましたね」
ぺらぺらと数枚の紙の束を見せ、男は続ける。
「私はね、紙面上に記された『結果』だけを見て満足できる人間じゃない
んですよ。全てこの目で確かめたいのです。人間の女性を使って子を遺そう
とする突然変異のモンスター。その生殖行為、母体から生まれ落ちる赤子。
そして――」
くるりと女の方を向き、淫猥な笑みを浮かべる。「モンスターに堕とさ
れ、辱められる、美しい女性の姿もね……」
「――狂ってる……」
女の額を、一筋の汗が伝った。
――この男は本気だ。本気で、私を……私を、化け物と――
その女性の言葉など意にも介さず、男はつかつかと部屋の奥に進み、その
壁に仕掛けてあった鎖を巻き上げた。
低い音と共に、その床が割れていく――。
「貴女の"子供"の"父親達"を、用意したんですよ……きっと気に入ってく
れると思いますよ……くくく」
背を向け、ぶつぶつと笑う魔導師。その姿は狂気に満ちている。
(――っ! 今なら……)
隙ありと見るや否や、小さく口の中で術を唱え始める――しかし。
バガッッ!!!
「んごっっ?!!」
男はすさまじい速さで女のところまで戻ると、そのままの勢いでギャグを
口の中に叩き込んだ。前歯が折れるような衝撃が走る。
「おかしな真似はしないで下さい、と、お願いしたでしょう……」
息を切らしながら、男の目がぎらついた。「貴女の美しい体を、こんなこ
とで欠けさせたくないんですよ……」
スゥと、指を体に這わせてくる。ふくよかな胸、くびれた腰、そして股の
間へと――。
「ふっ……んっ――んくっっ!」
微妙な感触に、女の体が思わずのけぞる。
「貴女は美しい……」
そう言って、男は顔を寄せると、女の長いブロンドの髪を掬い上げた。
「この美しい体が、あの醜い化け物どもに貶められ、挙句の果てに子種まで
植え付けられるのですか……ククク……すばらしい……」
男は何かに取りつかれたように反復する。
そして、女に押し込んだギャグをしっかりと固定すると、鎖を外し、その
まま乱暴に部屋の奥へと連れて行く。
「あぐっっ!」
「――さぁ! 御覧なさい! 貴女のお相手をしてくれる畜生方ですよ!」
床に空いた大きな堀――その中に蠢いていたのは、紫色の生物だった。
(……ポイズンスポア……ッ?!)
「貴女もご存知でしょう。ゲッフェン塔にはごろごろいますからねぇ……
まぁ、それでもこれだけ集めるのは一苦労でしたが」
キュイキュイと奇妙な泣き声を発するそれらから、無数の触手が伸び、そ
のぬめった先端からは体液が糸を引いている。
「さぁ――楽しんできてくださいよ!」
そう声を荒げると、男は彼女を堀の中へと突き落とした。化け物の蠢く、
悪夢の場所へ――。
■ ■
「んぐっっ!!」
べちゃっ!
背中から化け物の群れへ着地する。
まず感じたのは、粘質的な柔らかさ――。肌にねとついてくる、異臭に満
ちた粘液は、化け物の体から湧き出すものだ。その体は不気味な紫色で統一
され、ぶにぶにと不気味な感触を伴っていた。
自分達の上に突然降ってわいた、人間のメス――。その匂いに、化け物た
ちがいっせいに反応した。
「んっっ……んんん!!!」
無数の触手が、ひだの下から伸びてきて、女性の体をもてあそび始める。
粘液にまみれ、ぐちょぐちょと音を立てながら、その美しい体を蹂躙してい
く。
「ハハハッ……いかがですか、彼らは」
上から、男の声が聞こえてくる。
(メフィス……ッ!!)
仰向けになった格好で、こちらを覗き見る男を睨んだ。
出来るなら、ここにいる化け物もろとも、吹き飛ばしてやりたかった。事
実、彼女にはそれだけの魔術の技量があった。
しかし――印を結ぶ口はギャグで拘束され、体中の自由は、這いずり回る
触手によって完全に奪われていた。
熱い熱を帯びたピンク色の触手は、ぬちゃぬちゃとうねり、彼女の体を這
いずり回っていく。
その一つが、胸に上がってきた。
「――んっ! んんんっ!!」
彼女の大きな胸の弾力を服の上から確かめるように揉み上げる。そして、
服を一気にずり下ろした。ぶるんっ! と、形のいい、たわわな乳房が左右に
こぼれる。
その二つの柔らかい肉に、触手が数本絡みつく。力を入れるたびに、ゴム
鞠のように弾力のある乳房は、淫猥に形を変えていった。
「んっ……んんっっ……!!」
頬を赤く染め、頭を左右に振る。
一方、下半身の方では、必死に閉じていた足が絡まった触手によって大股
開きにされていた。股間を撫でていた触手の一本が、服の間に滑り込み、引
っ張る。ホックでとめられただけのそこは、ぷちっと音を立てて、簡単に外
れてしまった。
「んっ!! んんんっっーーー!!」
手足を動かして逃れようとするが、僅かな抵抗も適わない。
残されたのは、下着だけとなった。
下に隠れている、女の最も大切な場所――。この化け物たちには目は無い
が、彼女はそこへ向けられたいくつもの視線を確かに感じていた。
(や、やめろっ……このっ――)
蒸れたその部分に、触手が押し当てられた。下着の上から、秘穴の入り口
をつんつんと軽く小突いた。続けて、丁寧に肉の割れ目に沿って上下に移動
する。触手から染み出した粘液が、下着を濡らしていく。
上では胸を揉みしだかれ、下では薄布越しの愛撫が続く。
「んふっ……んっ……はふっ……」
ギャグでふさがれた彼女の口からは、甘い息が漏れはじめた。
(な……なに、なんだか……変……)
触手が、尻の間から上へ向かって彼女の股の間をなめ上げた。
「――っふはぁっ!」
それに敏感に反応し、体を大きくそらす。
(こんな……こんなことって……)
ぷちゃっっ……
ぐっしょりと濡れた下着から、糸を引きながら触手が離れる。それは、触
手から出る体液だけではなかった。
肌にぴったりと吸い付いた薄布は、その下にある秘肉と充血した肉芽をく
っきりと浮かび上がらせた。
「おやおや……化け物相手に感じているんですか、セレーナさん」
上から、呆れたような表情でこちらを見やる男の姿が見えた。「貴女とも
あろう人が――クククッ、とんだ淫乱女ですねぇ」
恥ずかしさと悔しさで涙がこぼれた。何かを叫ぼうとするが、フーフーと
息が吐き出されるだけで声にならない。
「そう! その表情ですよ、見たかったのは!!」
歓喜の声を上げる男。もはや、その姿は狂人であった。手を額に当て、高
らかに笑う。
下着に絡みついた触手が、股間の薄布をぐいぐいと引っ張る。柔らかい布
地はそれに伴って伸び、耐えられなくなったところで小さな音を立ててちぎ
れた。
あらわになった秘部――彼女自身気付いていなかったが、そこは、オスの
熱い滾りを待ち望み、ひくひくと動いていた。
ぷちゅっっ……
一本の触手が、肉の割れ目に潜り始める。
「んっ!! ふぅぅぅっっ!!」
ゆっくりと進入していく触手――その進入が、いったん止まる。先端が、
中にある小さな抵抗部分を確認した。
「ふっ! ふぅっっ!!」
腰を引き、少しでもそこから逃げようとする。それが、魔術の使えない女
魔導師の、精一杯の抵抗だった。
ぶつっっ……
「んっ……んんんっっ……!!!」
ぷちぷちと音を立てるように中に侵入してくる――。ほどなくして、全て
の抵抗がなくなり、ぬるりと膣奥へ入り込んだ。
「ん゛んんんーーーー!!!!!」
つぅ……と垂れてくる、赤い筋。自尊心と一緒に、純潔が奪われた瞬間だ
った。
じゅぷっ じゅぷっ じゅぷっ
すぐに触手は、十分に濡れた肉胴内で挿入運動を開始する。上下に動くた
びに狭い肉壁がこすりあげられる。仰向けに、ゆさゆさと揺れる体。そこを
絶え間なく触手が愛撫を施す。
「ふっ……んっ――んっ! んんっ……!」
次第に、彼女の声が悲鳴から嬌声に変わってきた。体は火照ってほのかな
赤みを帯び、妖艶さを増している。
(な、なに……?)
貫通時の痛みは、もうほとんどなくなっていた。あるのは、肉壁をこす
る、柔らかい触手のいぼの感覚のみ。ぶじゅぶじゅと音を立て、彼女の一番
敏感な部分を探し当て、攻め立てる。
「んっ……んんんっ!」
その先端が、膣奥にある子宮口の周りを舐め回った。今まで感じたことの
ない刺激。次第に、頭の中が痺れてくる。
じゅっ、ぶじゅっ、じゅぷっ、ぐちゅっっ――
触手の速度が上がり、先端が次第に膨らんでくる。そして、子宮口にぴた
りと吸い付くと、そこで溜め込んだ白濁液を一気に放出した。
ぶびっ――ぶびぶぶっ……っぷ!
「はふっ……ふぅんんっっ!!!」
射精の瞬間、電撃が走ったように体が痺れ、伸ばした足の先端までびくび
くと痙攣する。
(こ……こんなことって……こんな――)
瞳を潤ませながら、彼女は認めるしかなかった。(き……気持ちいい―
―)
ぢゅっっ――ごぶっっ!!
射精を済ませたその触手が膣から引き抜かれると、そこに納まりきらない
濁液が音を立てて噴出する。すぐさま、そこに栓をするかのように、別の触
手が突き込まれるた。
後はもう、その繰り返しだった。絶え間なく挿入される触手と、子袋へと
吐き出される種汁――。
「んっっ!! はふっ……ふっっ」
ぶびゅっ! ぶびゅぶっっ!! ぶびっぶぶぷっっ!!!
(変……こ、壊れる……)
ぶっっ!! ぶびゅっ!! ぶびゅるるっ、びゅるるるるっ!!!
(やめ……止め――)
ぶびっっっぶ! びゅぶぶっっ、ぶびゅっ!!
じゅぶっ!! びぶぷっっ! ぶぶぷっ、びゅぶぶっっーー!!
ぶびゅうっ! ぶびっ、びゅるっ、びゅるるるるっっ!!
(…………ゎれ……る……)
意識が飛んでいく。
次第にその表情は、オスの種汁を授かって喜びに満ちる、メスのそれに変
わっていった。