2017/03/06 04:36:57
(n78qAxYo)
続き。
愛とは次第に話す機会が増えていった。
映画、音楽、漫画、アニメ、ゲーム、小説…。
妙な噂も、彼女の見た目も、関係なかった。
これだけ多くの共通の趣味がある相手との会話が、盛り上がらないわけがない。
最初はバス停やレンタル店などで、会った時にだけ話をしていたのだが、少しするとお互いのアドレスを交換して携帯で話すようになった。
そうなると自然に次の段階へ進むものである。
とは言っても、この頃の俺たちはまだ級友でしかなかったが。
彼女と話すようになって一週間後、ごく自然に俺は彼女を誘った。
ゲーセンに一緒に行こうよ、と。
特に深い意味はない。
級友に対して遊ぼうと声を掛けただけだった。
にも関わらず、愛は返事を渋った。
「K君は私と一緒に出掛けて平気なの?」
と言ってきたのだ。
俺「どうして?」
愛「私と一緒だといろいろ、あの…」
どうやら、自分と一緒だと俺に迷惑がかかると思っているらしかった。
俺「〇〇さんと遊びに行きたいと思ったんだけどな。ダメ?」
愛「ううん…わかった。行く。」
俺がストレートにそう伝えると彼女はようやく了承し、翌日は愛と自宅からゲーセンで一緒に遊んだ。一通り店内のゲームを遊んで、最後にプリクラを撮った。
愛「私がお金出すからもっと撮っていい?」
普段撮らないからと、彼女は俺とのプリクラを店内にあった4つのプリクラ機、全部で撮影するといい、当然俺も付き合わされたw
この日以降、俺達は時々2人でゲーセンや図書館などに出掛けるようになった。
愛は最初のうちは、私と一緒だとK君が~などと言っては出掛けることを渋っていたが、次第に俺の誘いに応じるようになり、彼女の方からも俺を遊びに誘うようになった。
そうしているうちに、俺と愛の仲が良いらしいと言う噂も面白味がなくなったらしく、クラスの連中も、勝手にしろという感じで騒がなくなっていった。
一方で同じ頃から、俺のクラスでとある話題が持ち上がり始めた。
Kの机から時々、他の机とは違う匂いがする。
その匂いは芳香剤のようにも、汗のような匂いにも感じられるなどというものだった。
続きはまた後で。