2003/10/16 16:37:11
(xOQkMZHc)
C型肝炎の感染について
現在、日本全国に200万以上のC型肝炎ウイルス感染者がいると言われ、C型肝炎は
まさに「国民病」とも言える深刻な状況です。
C型肝炎ウイルスの感染経路は従来、輸血(30~40%)、入れ墨・覚醒剤の注射
(10%)、そして原因不明(50%)と言われてきました。(母子感染はほとんどな
く、性行為による感染もごくわずかです。通常の生活で感染することはありませ
ん。)
しかし近年、C型肝炎ウイルスの有力な感染原一つとして、昔行われていた予防接
種等の医療行為の際の注射針や注射筒の連続使用による医原性の感染の可能性が強
く指摘されるようになりました。(現在の医療施設では一人一人注射針と注射筒を
変えて使用されています。)
更に、最近になって非加熱血液凝固因子製剤の投与を受けた患者が、B型、C型
肝炎ウイルスに感染している可能性が高いことが判明し、医原病の性格がますます
強くなるとともに、厚生行政の対応の遅れが問題となって来ました。
平成13年3月29日、 厚生労働省は、血友病以外の病気で非加熱血液凝固因子製剤
の投与を受けた患者が、B型、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いとし
て製剤を投与した803の医療機関名を公表し、投与を受けた心当たりのある人た
ちに肝炎ウイルスの検査を受けるよう呼び掛けています。検査は公表した医療機関
で7月31日まで受け付け、費用は無料となります。
しかし、該当する人はC型肝炎感染者の中ではごく一部であり、まだ日本には自分
がC型肝炎に感染していることさえ気づいていない方もたくさんおられます。C型肝
炎ウイルスの感染源の大きな原因の一つが医療行為であるという重大性と、診断及
び治療が早期であるほど治療効果が高いということを考えれば、対象を限定するの
ではなく、健康診断レベルで国民に広くC型肝炎の検査を受けていただくべきと思い
ますし、国も積極的に支援すべきと考えます。
C型肝炎ウイルスは1989年にウイルス遺伝子の断片が発見され(それ以前は「非A
非B型肝炎」とよばれていた)、日本では1989年11月より輸血用の血液はC型肝炎ウ
イルスの感染の有無(第一世代HCV抗体)をチェックしており、更に1992年2月から
より制度の高い第二世代HCV抗体が導入され輸血後の肝炎発生はほとんどなくなりま
した。献血で抗体陽性の方には1992年頃から通知を行っています。なお、HCV抗体
が陽性でも、抗体価が低い場合、一過性の感染だけで既にウイルスが存在しない方
もおられますから、必ず専門の病院でウイルスの存在を確認しておくことが大切で
す。