ホテル555は当時モーテルでとある工業団地の近くにあった。
車通勤していた由香子は肩こりがひどく、僕が昼休みなどに
彼女の肩をもんでやるようになった。そのお礼にと、帰りは独身寮
まで車で送ってくれていた。その経路上に555はあった。
あるとき、由香子に送ってもらうときにほんの冗談で、555に
入ってみようかと言った。当然、なに、バカ言ってるのよで
終わるだろうとおもっていたのだ。ところが、「いいわよ、
そのかわり、しっかり肩揉んでよね。」ということで555の
敷地に入ってしまったのだ。同じ作りの建物が並んでいて
各戸に駐車スペースがあり、中に入ると大きなベッドが
中央にあり、シャワー、バス、トイレ、冷蔵庫などがある
ホテル設備だった。若い男女がそんな密室に入って、何もなく
終わるということがあるわけがなかった。とにかく、肩揉んで
楽にして。という由香子の頼みをきいてベッドサイドに腰かけ
て揉んでやった。それが全ての始まりだった。